ミラクルナイト☆第146話
水都郊外の山中、放課後の澄んだ空気の中、奈理子は体操服にブルマーを身に纏った姿で、丸太を抱えて必死にトレーニングに励んでいた。その様子を、ライムと香丸、そして少し離れたところで腕を組んで見守る菜々美がじっと見つめていた。
「筋トレなんかしなくても、リボンストライクで包み込めば勝てるんじゃないの?」
菜々美は苛立った様子で香丸に尋ねた。最近またしても奈理子が敗北を喫したことに、彼女は怒り心頭だった。けれども、奈理子から特訓を行っていると聞いて、奈理子に付き添ってきたのだ。
香丸が落ち着いた口調で答える。
「リボンストライクだけじゃダメなんだよ。」
リボンストライクはミラクルナイトの最大の必殺技だが、威力を発揮するには水色の光を集める時間が必要だ。その間に敵からの攻撃を防ぐには、事前に十分なダメージを与えておかなければ、技を発動する前に反撃される危険がある。
「だったら、ドリームキャンディとセイクリッドウインドがゾウムシ男の気を引いている間に、リボンストライクを決めればいいじゃないの」
と、菜々美は少し納得がいかない様子で続ける。
ライムが静かに呟いた。
「ゾウムシ男にはヒップストライクが通用しなかった。奈理子はそのショックを引きずっている。あの技で決められなければ、奈理子は自信を取り戻せない。」
ミラクルヒップストライク――それは奈理子にとって、ただの攻撃手段ではなく、自分の強さを証明するための技でもあった。その威力を最大限に発揮させるためには、強靭な足腰が必要不可欠だ。
奈理子は今も、重い丸太を抱えて必死に走り続けていた。その顔には決意の色が浮かんでいる。彼女はただトレーニングをしているのではない。敗北の痛みと恐怖を乗り越え、再び立ち上がるために、自分自身と戦っているのだ。
菜々美はそんな奈理子の姿を見つめながら、内心ではその意志の強さに少し感心していた。
「負けるな、奈理子」
と心の中で呟きながら、彼女もまた、奈理子の勝利を願っていた。
奈理子が丸太を抱え、山道を駆け上がる姿は、まるで彼女自身の成長を象徴しているかのようだった。そして、その姿を見守るライムと香丸、そして菜々美は、彼女が再び戦いの場に立つ日を信じて待っていた。
奈理子が打倒ゾウムシ男の特訓に励んでいるその頃、水都公園では新たな戦いが幕を開けようとしていた。テントウムシ女が新しい怪人を引き連れて現れたのだ。そのことは町内放送で市民に伝えられ、知らせを受けたセイクリッドウインドとドリームキャンディがすぐさま水都公園に駆けつけた。
テントウムシ女は不敵な笑みを浮かべ、
「今日は奈理子は来ないの?ゾウムシ男に負けたショックで泣いているのかしら」
と嘲笑った。
ドリームキャンディはキャンディチェーンを手に取り、テントウムシ女を睨みつけながら応じる。
「アンタたちなんか、奈理子さんが出るまでもないわ!」
一方で、セイクリッドウインドはテントウムシ女の隣に立つ見慣れない怪人に目を向け、
「そっちも、ゾウムシ男はいないじゃないの。それは何の怪人?」
と問いかけた。
テントウムシ女は鼻で笑いながら答えた。
「前回は奈理子でゾウムシ男の能力を確認しただけよ。ゾウムシ男は他の任務に就いているわ。」
「何の任務?」
セイクリッドウインドがさらに問い詰める。
「それは裏切者の風間凜が知る必要は無いわ。今日は、このヤマイモ男の能力を試しに来たの」
と、テントウムシ女は得意げにヤマイモ男を紹介した。
ヤマイモ男はセイクリッドウインドを鋭い目で見つめ、
「女子高生の奈理子じゃないのは残念だが、大学新卒の22歳の肉体を持つ風間凜で遊んでやるか」
と挑発的な態度を見せた。
ドリームキャンディは横目でセイクリッドウインドを見やり、
「山芋って、凜さんと同じネバネバ系?」
と軽い調子で声をかけた。
セイクリッドウインドは冷ややかに答えた。
「ヤマイモ男なんて知らないわ。テントウムシ女と同じで、私が抜けた後で出世した成り上がり者でしょ。」
テントウムシ女は嘲笑しながら返した。
「風間凜、いやナメコ姫。貴女が抜けた後、薬はどんどん改良されているのよ。旧式のナメコの薬を使う貴女なんか、今の私たちにとっては敵ではないわ。」
セイクリッドウインドはガストファングを構え、
「今の私は、アンタたちのお姫様のナメコ姫じゃない。今の私はセイクリッドウインドだ!」
と強く宣言した。
テントウムシ女は冷たく微笑んで言い返す。
「貴女をお姫様だと思ったことはないわ。ボスの愛人だったから、お姫様扱いしてやっただけよ。ヤマイモ男、やりなさい。」
しかし、ヤマイモ男は不満げに反論した。
「何故、俺がお前に指図されなきゃならないんだ?」
テントウムシ女は苛立ちながら答える。
「奈理子一味対策の責任者は私だって言ったでしょ!」
セイクリッドウインドはそのやり取りに呆れたように声を上げた。
「奈理子一味って何よ!こっちが悪者みたいじゃないの!!」
ドリームキャンディも口を挟む。
「凜さん、二人まとめてやっつけちゃいましょう!」
ヤマイモ男は仕方なく同意し、
「仕方がねえ。風間凜、山芋の力でトロトロにしてやるぜ!飴玉娘はテントウムシ女、お前がやれ」
と言い放った。
テントウムシ女も負けじと返す。
「分かったわ。ドリームキャンディは引き受ける。」
こうして、水都公園の芝生広場で、セイクリッドウインドとドリームキャンディ、そしてヤマイモ男とテントウムシ女の激しい戦いが始まった。
水都公園の芝生広場。穏やかな風が吹く中、セイクリッドウインドとヤマイモ男の対決が始まろうとしていた。セイクリッドウインドは風を操る力を持ち、鋭いガストファングを手にしている。一方、ヤマイモ男はその粘り強い力で対抗する構えだ。
「風間凜、いやセイクリッドウインド。貴様は過去の栄光にすがっているに過ぎない!」
ヤマイモ男が挑発的に叫んだ。
「その口、二度と開けないようにしてやるわ!」
セイクリッドウインドは冷静にガストファングを構えた。
セイクリッドウインドは素早く動き、ヤマイモ男に風の刃を叩きつけた。
「ガストファング!」
鋭い風の刃がヤマイモ男に向かって放たれる。しかし、ヤマイモ男は驚くべきスピードで粘り気のある体をねじり、風の刃を避けた。
「そんな小手先の技が効くか!」
ヤマイモ男は笑いながら、手から粘着液を放った。それはまるで糸のように飛び、セイクリッドウインドに絡みつく。
「くっ、この粘り気…!山芋とろろ…」
セイクリッドウインドは足元に絡みつく粘着液を見て焦りを感じた。動きを封じられた彼女は一瞬の隙を突かれ、ヤマイモ男の強力な一撃を食らう。
「うわぁ!」
セイクリッドウインドは空中に吹き飛ばされ、地面に激しく叩きつけられた。
「どうした、セイクリッドウインド?もう終わりか?」
ヤマイモ男が嘲笑する。
セイクリッドウインドはすぐに立ち上がり、再びガストファングを構えた。
「私は負けない!風の力を侮らないで!」
しかし、ヤマイモ男はその場に根を張るように立ち、そのまま両手から大量の粘着液を放った。
「これで動けなくしてやる!」
「キャッ!」
セイクリッドウインドは避けようとしたが、ヤマイモ男の粘着液は予想以上に速く、彼女の腕や足に絡みつき、自由を奪った。
「くっ…このままじゃ…!」
ヤマイモ男はじわじわと近づいてきた。
「これで終わりだ、セイクリッドウインド。お前も奈理子のように市民の前で恥を晒すがいい!」
セイクリッドウインドは必死に粘着液を引き裂こうとするが、ヤマイモ男の粘り強い攻撃は彼女の力をじわじわと奪っていく。ヤマイモ男の影が彼女の上に覆いかぶさる。セイクリッドウインドは追い詰められ、次第にその動きが鈍くなり、彼女の呼吸が荒くなる。
「私が…こんなところで…!」
セイクリッドウインドの瞳に焦りが浮かぶ。彼女の体はすでに動けないほどに粘着液に絡め取られ、風の力を使う余裕もない。ヤマイモ男が不気味な笑みを浮かべ、トドメを刺すために一歩一歩近づいてくる。
セイクリッドウインドのピンチが刻々と迫る中、彼女は必死に策を練るが、ヤマイモ男の粘着力は彼女を容赦なく縛り続けていた。
セイクリッドウインドがヤマイモ男の粘液に絡め取られ、逃げ場を失っているその瞬間、水都公園の広場に不安と恐怖が広がった。戦いを見守っていた市民たちの間にどよめきが起こる。
「凜さん!」
とドリームキャンディがセイクリッドウインドを助けに駆け寄ろうとするが、それを阻むようにテントウムシ女が立ちはだかる。
「ウェーブスイング!」
テントウムシ女の叫びと共に、ドリームキャンディは空中に投げ飛ばされ、地面に叩きつけられた。テントウムシ女は冷笑を浮かべながら、ドリームキャンディを見下ろす。
「ヤマイモ男の邪魔はさせないわ。」
一方、セイクリッドウインドは苦しみの中にいた。
「あぁ!痒い!」
彼女は叫び声を上げた。ヤマイモ男の粘液が彼女の腕や太股に染み込み、猛烈な痒みが襲いかかっていた。無意識に掻こうとするが、全身を拘束された彼女は身動きが取れない。痒みと戦うことすらできない。
「どうだ、風間凜。その山芋とろろはじきにお前のコスチューム、その下のレオタードにまで浸透するぞ。そのとき、お前がどんな姿を見せてくれるか楽しみだ。」
ヤマイモ男は卑劣な笑みを浮かべながらセイクリッドウインドに告げた。
「そんな…」
セイクリッドウインドはその言葉に愕然とする。痒みが広がり、耐えることが次第に困難になっていく。そして、ヤマイモ男は続けて言った。
「山芋とろろがレオタードの中に達したら、拘束は解いてやる。思う存分、痒い場所を掻くがいい。」
セイクリッドウインドは、ヤマイモ男の残酷な言葉に絶望感を覚えながらも、痒みに必死に耐えていた。痒みが広がる中、彼女の顔には苦痛と焦りが浮かび上がる。
「凜ちゃん、耐えるんだ!」
「正義のヒロインが悪に屈しちゃダメだ!」
市民たちは声を張り上げ、セイクリッドウインドに熱い声援を送った。しかし、凜の敏感な箇所に山芋の粘液が達するのは時間の問題だった。セイクリッドウインドは
「うぅ…」
と呻きながら、痒みとの戦いに苦しんでいた。
彼女は市民の声援を胸に刻みながら、必死に耐え続けるが、痒みはじわじわと広がり、意識を支配しようとしていた。
水都神社の美人巫女として名高い風間凜、セイクリッドウインドの苦しみが頂点に達し、市民たちの声援はますます熱を帯びていた。
「凜ちゃん、頑張れ!」
「痒みに耐えるんだ!」
その叫びは、もがくセイクリッドウインドを何とか支えようとしていた。
「凜さん、とろろなんかナメコのヌルヌルで抜け出せないの?」
ドリームキャンディが必死に問いかける。しかし、レオタードにまで侵入し始めた山芋の粘液に耐えるだけで精一杯のセイクリッドウインドには、ナメコの能力を解放する余裕などなかった。
「あぁ!もう我慢できない!拘束を解いて!!」
とうとう限界を迎えたセイクリッドウインドが叫んだ。
「よかろう。市民の前で恥を晒せ、風間凜!」
ヤマイモ男が舌なめずりをしながら、セイクリッドウインドの拘束を解こうとしたその瞬間。
「ミラクルアクアティックラプチャー!」
突如、勢いよく水のオーラがセイクリッドウインドを包み込み、山芋の粘液を洗い流した。拘束から解放されたセイクリッドウインドは、その場に崩れ落ちる。
「水都の平和を乱す者はミラクルナイトが許しません!」
芝生広場の上空に、白い翼、ミラクルウイングを広げたミラクルナイトが姿を現した。
「奈理子だ!」
「今日も奈理子のパンツは白だ!」
市民たちはミラクルナイトの登場に歓声を上げた。
ドリームキャンディは焦りを見せ、
「奈理子さん、今まで何をしていたんですか!」
と問い詰めたが、奈理子が町内放送の聞こえない山中で特訓していたことなど知る由もなかった。
ゆっくりとセイクリッドウインドの傍に着地するミラクルナイト。セイクリッドウインドは両手で股と胸を押さえ、苦しげにうめいていた。立ち上がることもできない様子に、
「凜さん、大丈夫?」
とミラクルナイトが膝をつき、セイクリッドウインドの肩を抱いた。
「山芋とろろを洗い流しても、その余韻はしばらく続く。いい姿だぞ、風間凜」
ヤマイモ男が嘲笑し、悶えるセイクリッドウインドを眺めた。市民たちもスマホを向け、その光景を記録していた。ミラクルナイトに支えられながら、セイクリッドウインドウは自分を慰めたい衝動に必死に耐える。
「許さないわ!」
ミラクルナイトは鋭い視線でヤマイモ男を睨みつけた。セイクリッドウインドは切ない表情で
「奈理子…」
と呟いた。
「凜さん、しっかりして!」
ミラクルナイトが彼女を励ますと、
「とろろに気を付けて…絶対に触れちゃダメ……」
とセイクリッドウインドが警告する。
「分かったわ。凜さんは休んでて」
と、ミラクルナイトは決意を新たに立ち上がった。
「へへへ、奈理子も風間凜と同じ目に合わせてやるぜ!」
とヤマイモ男が挑発する。
「とろろは大好きだけど、ヤマイモ男は私が倒す!」
とミラクルナイトは力強く応えた。
芝生広場で、ミラクルナイトとヤマイモ男が激しく睨み合う。次なる戦いの火蓋が切られようとしていた。
ミラクルナイトを追って水都公園に駆けつけたライム、香丸、そして菜々美。彼らが目にしたのは、山芋の粘液に苦しむセイクリッドウインドの姿だった。蹲り悶える彼女の様子を見て、菜々美は思わず
「うわぁ…ヤマイモ男とは絶対に戦いたくない……」
と心の底からセイクリッドウインドに同情した。
ライムは状況を冷静に分析し、
「山芋が相手じゃ、ヒップストライクは使えないな」
と呟いた。ミラクルナイトののスカートの下は奈理子の生パンツだ。ヤマイモ男に触れれば、コスチュームの一部である紺レオタードで守られているセイクリッドウインドウ以上の惨事がミラクルナイトを襲うことが目に見えている。香丸も同意し、
「離れて戦うしかないな。リボンストライクにどうやって持ち込むか…」
と考えを巡らせた。
「ドリームキャンディが牽制して、その隙にリボンストライクで決まりじゃない?」
と菜々美が提案するが、香丸は不安げにドリームキャンディの方を見やる。彼女はテントウムシ女に投げられ続け、手も足も出せずに苦戦していた。
「テントウムシ女にはあの投げ技しかないようだが…」
と香丸は首をかしげた。ドリームキャンディは三人のヒロインの中で最も戦闘力が高いはずなのに、なぜ苦戦しているのか理解できない。
「アイツは優等生の学級委員で学校の成績は良いが、抜けているところがある。実は頭は良くないのかもしれないな」
とライムはドリームキャンディ、すなわち寧々について語る。どうやら、ドリームキャンディの援護は期待できそうにない。
香丸は、ヤマイモ男を見据えながら言った。
「奈理子はエッチな責めに弱い。一人でヤマイモ男を相手にするのは厳しいかもしれないな。」
「また負けたら許さないわ!」
と菜々美が鋭い視線をミラクルナイトに送る。かつて敵として奈理子と戦った菜々美がミラクルナイトに対してこんな感情を抱くことに、香丸は驚きを隠せない。
「モンシロ女の菜々美お嬢様が奈理子と仲良しになっているとはね」
と微笑む。
「仲良くなんかないわよ!奈理子に負けてほしくないだけよ!」
とムキになって反論する菜々美。そのやり取りを聞きながら、ライムはヤマイモ男と対峙するミラクルナイトに目を向け、静かに呟いた。
「奈理子、どう戦う?」
ミラクルナイトは、ヤマイモ男を前にしてふと、八百屋やスーパーで売っている自然薯、長芋、大和芋などを思い浮かべた。これらの芋が成長する部分は地中にあり、ヤマイモ男も同様に地面を主な戦場としているはず。彼女はセイクリッドウインドを苦しめた粘液攻撃が厄介であることを理解しつつも、ヤマイモ男は上空からの攻撃には対応できないと判断した。
「行くわよ!」
ミラクルナイトは決意を固め、白い翼であるミラクルウイングを広げ、素早く飛び上がった。
「喰らえ!」
ヤマイモ男が山芋の粘液を放つが、ミラクルナイトはそれを巧みに避け、
「お返しよ、えい!」
と水色の光弾を連射した。光弾がヤマイモ男の周囲に着弾し、爆発音が響く。しかし、ヤマイモ男は怯まない。
「飛んでも無駄だ!」
彼は上空のミラクルナイトに向けて再び粘液を放った。
「フェアリーシールド!」
ミラクルナイトは即座に水色の防御壁を展開し、ヤマイモ男の攻撃を弾く。空中で水色の光弾を放ちながら、地上からの粘液攻撃を受ける激しい撃ち合いが繰り広げられた。
「いいぞ、奈理子ちゃん!」
「今日の奈理子は格好いいぞ!」
市民たちは、ミラクルナイトの予想外の健闘に熱狂していた。
しかし、フェアリーシールドを維持しながらの攻撃では、ヤマイモ男に決定的なダメージを与えることができない。ミラクルナイトは
「もっと近づかなきゃ、ヤマイモ男は倒せない」
と焦り、知らず知らずのうちに高度が下がり始めた。
「俺の技は、山芋とろろだけだと思うなよ!」
ヤマイモ男が叫ぶ。その瞬間、
「ひッ!触手!」
とミラクルナイトが怯むと、ヤマイモ男の蔓が素早く彼女の右足首を掴んだ。
「あぁッ!」
と悲鳴を上げる間もなく、地面に叩きつけられるミラクルナイト。
「さぁ、お楽しみはこれからだ」
とヤマイモ男は不敵に笑い、さらに伸ばした蔓でミラクルナイトのスカートを器用に脱がしてしまった。
「あわわ…」
瞬く間に柔らかそうな白い木綿パンツが露わになるピンチに陥るミラクルナイト。
「さっき、とろろが好きだと言ったよな。たっぷりと味わわせてやるぜ」
とヤマイモ男がじりじりとミラクルナイトに迫る。
「おー!」
と市民の歓声が上がる。ヤマイモ男の蔓が奈理子のパンツまでも脱がそうと蠢き始めたのだ。複数の蔓が奈理子のパンツを掴む。瞬間的に状況を理解したミラクルナイトは、
「調子に乗らないで!ミラクルチョップ!!」
と鋭い手刀で蔓を切り裂き、なんとか最後の砦を守り抜いた。
「私は一所懸命戦っているのに、どうして貴方たちはエッチな目でしか私を見ないの!」
ミラクルナイトは怒りを込めて叫ぶ。しかし、ヤマイモ男は冷ややかに返した。
「市民の目を楽しませるのも、水都の守護神ミラクルナイトの務めだろ」
その言葉に、
「そうかもしれないけど…」
とミラクルナイトは一瞬戸惑い、恥じらいの表情を見せる。しかし、そんな彼女に容赦なくヤマイモ男が続ける。
「もっと市民を楽しませてやれ。それ!」
そう言うや否や、ヤマイモ男は山芋の粘液を再び飛ばした。
「ハッ!フェアリーシールド!」
ミラクルナイトは咄嗟に防御壁を展開し、粘液を弾き返す。だが、防御に回っているだけではヤマイモ男には勝てないことは明白だった。
「やっぱり、離れたままでは、ヤマイモ男には勝てない。山芋とろろは怖いけど、接近戦しかないない!」
ミラクルナイトは覚悟を決めると、目を閉じて深く息を吸い込んだ。そして、決意の目でヤマイモ男を睨みつけ、白い翼を一気に広げた。
「いくわよ!」
ミラクルナイトは自らの恐怖を振り払い、ヤマイモ男に向かって突進した。その姿は、たとえ困難に立ち向かっても決して諦めない、真の守護神の姿だった。
ミラクルナイトは、セイクリッドウインドからの
「奈理子、気を付けて…」
という切ない声を受け取り、力強く頷いた。セイクリッドウインドが戦闘不能に陥れられたヤマイモ男の攻撃に恐怖を感じながらも、ミラクルナイトの決意は揺るがなかった。
彼女は、ヤマイモ男に向かって力強く駆け出した。ミラクルナイトはセイクリッドウインドやドリームキャンディと違い、手に武器を持たない。彼女が信じるのは、自らの肉体と意志の強さだ。水色の光弾、ミラクルシャインブラストだけではヤマイモ男を倒すことは難しいと判断し、肉弾戦に挑むことを決めたのだ。
ヤマイモ男が山芋の粘液を放ち、迎え撃とうとするが、ミラクルナイトは巧みにその攻撃を避け、ヤマイモ男に接近した。
「えい!」
と彼女の右ハイキックがヤマイモ男にヒットする。
「奈理子行けー!」
「いいぞ、奈理子!」
ミラクルナイトの攻勢に市民の歓声が沸き起こる。しかし、最初は手応えがあったものの、次第に蹴り続けるごとに感触が変わり、ヤマイモ男の体全体がヌルッとした粘液に覆われていった。
「馬鹿め。山芋が磨砕されると粘りが増すことを知らなかったのか?」
とヤマイモ男は嘲笑する。その瞬間、山芋の蔓がミラクルナイトの美しい脚に絡みつき、彼女を振り回して地面に投げつけた。
「うぅ…」
地面に伏せて呻くミラクルナイトを見て、
「奈理子!」
とセイクリッドウインドが叫ぶ。
ヤマイモ男の蔓が再び奈理子のパンツを脱がそうと、纏わりついてきた。奈理子のパンツが、徐々に摺り下ろされていく。
「ハッ!また…?」
それに気付いた彼女は素早く上体を起こして、
「いい加減にして!ミラクルチョップ!!」
と叫びながら蔓を斬り裂いた。ミラクルナイトは立ち上がり、半ケツ状態まで下げられた白パンツを整えると、決意を新たにヤマイモ男を睨みつけようとしたが、その瞬間、彼女は再び山芋の粘液を吹き付けられてしまった。
「あぁ〜!」
彼女の叫びが響く。粘液が体に絡みつき、ミラクルナイトは再び苦境に立たされた。
ヤマイモ男は不気味な笑みを浮かべながら、手にした山芋スティックをミラクルナイトに見せつけた。
「山芋はとろろだけじゃない。摩り下ろさずにそのまま使うこともできるんだぜ」
と、彼は言った。
白く輝く山芋スティックを目にして、ミラクルナイトは思わず
「あぁぁ……」
と声を漏らしてしまった。山芋の粘液が肌に触れた瞬間から、痒みがじわじわと広がり始めていた。その粘液はコスチュームや下着にまで浸透し、やがて全身に痒みが広がるであろうことを予感させた。頭の中を恐怖がよぎり、同時に奇妙な期待感が心を揺さぶった。
「あの山芋の塊を中に入れられたら…」
と、無意識に胸が高鳴る。
物欲しそうな表情を浮かべるミラクルナイト。山芋スティックの受入れを待ちきれないとばかりに、湧き出るお汁が奈理子のパンツを濡らしている。
その様子を見たセイクリッドウインドは、ミラクルナイトの内なる葛藤を読み取った。彼女はこのままヤマイモ男の責めを受け入れてしまうかもしれない。そう感じ取ったセイクリッドウインドが、咄嗟に
「奈理子!自分に負けないで!!」
と叫んだ。
「ハッ!」
ミラクルナイトはその言葉で迷いから覚めた。痒みが全身を襲う前に、ヤマイモ男を倒さなければならないと覚悟を決めた。リボンストライクを放つ余裕はなく、ミラクルハピネスホイップやミラクルハピネスシザースでは、山芋の粘液に覆われたヤマイモ男を捉えることはできない。彼女が瞬時に下した答えは、
「ミラクルヒップストライクしかない!」
というものだった。
ミラクルナイトは白い翼、ミラクルウイングを広げ、決意を固めた。
「これで決めるわ!」
彼女は地面すれすれを飛び、ヤマイモ男に向かって突進した。
「直ぐに山芋とろろは下着の下に達するぞ!」
とヤマイモ男が嘲笑しながら蔓を伸ばし、ミラクルナイトを捕えようとする。だが、ミラクルナイトは超低空を舞いながら巧みにその蔓をかわしていった。
「しぶとい奴め!」
ヤマイモ男は次々に蔓を繰り出すが、ついにミラクルナイトはヤマイモ男の懐に飛び込んだ。
地面に足を踏ん張り、水色の光が彼女の身体を包み始める。
「ミラクルヒップストライク!」
渾身の力を込めた強烈なヒップアタックがヤマイモ男に直撃し、その瞬間、彼の体が大きく揺らいだ。
水色の光に包まれながら、ヤマイモ男は
「奈理子に山芋スティックを挿入しあげたかった…」
と悔しそうに呟きながら、その姿を消していった。ミラクルナイトはヤマイモ男を倒したものの、戦いの代償は大きかった。
「あ~ッ!痒いッ!痒い〜ッ!」
と、彼女は痒みに耐えきれず、股間を押さえて藻掻き苦しんでいた。ミラクルヒップストライクは強力だったが、相手の粘液に触れるリスクも伴う危険な技だったのだ。
セイクリッドウインドは、悶えるミラクルナイトを強く抱き締め、
「奈理子、大丈夫…落ち着いて…」
と必死に彼女を慰めようとする。ふと、彼女はドリームキャンディのことを思い出し、目を向けた。そこには、何度も投げ飛ばされて地面に寝転がったままのドリームキャンディの姿があった。
「キャンディ、何してんの?」
とセイクリッドウインドが問いかけると、涙目のドリームキャンディが弱々しく答えた。
「立ち上がると投げ飛ばされるんですよ…」
その先には、呆然と立ち尽くすテントウムシ女がいた。
「まさか、あのヤマイモ男が敗れるとは…」
と、彼女は信じられないように呟いた。
「アンタはもう帰りなさい!」
セイクリッドウインドがガストファングを振ると、テントウムシ女は
「あ〜ッ!」
と叫びながら竜巻に巻き込まれ、遠くに飛ばされていった。
市民たちはミラクルナイトの勝利を称えて歓声を上げていたが、その一方で、ライム、香丸、菜々美は痒みに苦しむ彼女を見守っていた。
「ヒップストライクは、光るときと光らないときがあるんだな」
と香丸が呟く。
「さっきのは光った」
と菜々美が応じる。
「ミラクルナイトがその力を十分に発揮できたときは光るんだ」
とライムが言った。
「私と戦ったときは妙に奈理子は強かった。光ってたもん」
と菜々美が、ミラクルナイトとの戦いを思い出して言う。
「光るかどうかは、そのときの奈理子の気持ち次第なんだ。その力を常に発揮できれば、ミラクルナイトは無敵なんだけどな」
とライムは首を振った。
「奈理子をその気にさせた菜々美お嬢様はそれだけ強かったんだよ」
と香丸が菜々美に言ったが、菜々美は強いときと弱いときが極端に違う奈理子に不満を抱いていた。
その時、ライムが歩き出した。
「どこに行くんだ、ライム?」
と香丸が尋ねる。
ミラクルナイトは
「痒い〜ッ!」
と叫び続けていた。
「スライムで奈理子を癒してやる」
とライムは答え、群衆から少し離れると、静かにミラクルナイトにスライムを発射した。
(第147話へつづく)












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