ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第3章「故郷と名湯」
朝霧の立ち込める鄙野の町並みに、鐘の音が静かに響いていた。
それは旧街道沿いに建つ禅寺「白蓮山永照寺」の鐘であり、まだ観光客も目を覚まさぬ早朝の鄙野に、ゆるやかで清らかな気配をもたらしていた。
佐笠胡桃は ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第2章「魔界の残響」
魔界の夜は、地上のそれとは違う。天と地の境が曖昧で、空は永遠に沈んだ茜色を保ち続け、地は鼓動のように微かに揺れていた。古びた玉座の間、ひときわ高く積まれた絨毯の上に、幼い少女の姿が一人、座していた。
プリンセス・コマリ ...
