DUGA

ミラクルナイト☆第139話

大型連休の最中、奈理子に呼び出された寧々は、近所の商店街にあるグフグフハンバーガーで奈理子と向かい合って座っていた。キャミソールのような薄くて軽いワンピースを身に纏った奈理子は、同性の寧々が見てもハッとするほど可愛らしかった。なぜこんなに可愛い格好で来たんだろう、と寧々は不思議に思った。しかし、奈理子の可愛らしい服装に似合わず、彼女の表情は思い詰めたものだった。その憂う表情さえ、奈理子の美少女っぷりを際立たせている。これほどの美少女を姉に持つ隆の目には、自分はどう映っているのだろうと、寧々は少し泣きたくなった。

「寧々ちゃん、私…イソギンチャクが怖いの」

奈理子がぽつりと呟いた。先日、ミラクルナイトはイソギンハンミョウに敗北した。ドリームキャンディが駆け付けたときにはすでにイソギンハンミョウの姿はなかったが、寧々はネットの動画でミラクルナイトの見事な負けっぷりを確認していた。その時のことを奈理子が言っているのだと思った。

「次は私と凜さんが奈理子さんをサポートします。三人で力を合わせてイソギンハンミョウを倒しましょう」

寧々は励ましの言葉をかける。しかし、奈理子は俯いたままで、

「あの触手を見ると…どうしてもイソギンチャク男を思い出してしまう……」

と呟いた。

「奈理子さんはイソギンチャク男を倒したじゃないですか」

と寧々は反論したが、奈理子は首を振った。

「ダメなの…」

イソギンチャク男に執拗に狙われ、最後は勝ったものの、それまでには幾度も敗北を重ねていた。イソギンチャク男に敗れたことで奈理子は入院し、中学の修学旅行にも行けなかった。イソギンチャク男の恐怖は、奈理子に深い傷を与えていたのだ。

寧々は奈理子の手を握り、真剣な眼差しで彼女を見つめた。

「奈理子さん、私たちは一緒に戦ってきた仲間です。怖い気持ちはわかります。でも、奈理子さんは一度その恐怖を乗り越えたじゃないですか。私たちがいますから、もう一度立ち向かいましょう。」

奈理子は寧々の手の温もりを感じながら、ゆっくりと顔を上げた。

「寧々ちゃん……ありがとう。でも、あの時の恐怖は本当に忘れられないの。触手に絡まれ、無力感に苛まれたあの瞬間が……」

寧々は強く頷いた。

「わかっています。でも、その恐怖を乗り越えるために、私たちがいるんです。凜さんも、きっと奈理子さんを支えてくれます。一緒にイソギンハンミョウを倒しましょう!」

奈理子は寧々の言葉に力をもらい、少しずつ決意を固めていった。

「そうね……私は一人じゃない。寧々ちゃん、凜さん、みんながいる。だから、もう一度挑戦してみる。」

そのとき、ハンバーガーショップの窓越しに、凜が現れた。凜は微笑みながら店内に入り、二人に歩み寄った。

「話は聞かせてもらったよ。奈理子には私たちがついている。イソギンハンミョウなんて怖くないよ。奈理子の力を信じて。」

奈理子は二人の仲間に囲まれて、再び立ち上がる勇気を得た。

「ありがとう、凜さん。寧々ちゃん。私、頑張るわ。」

凜は軽く頷き、

「さあ、準備を整えて、イソギンハンミョウを迎え撃ちましょう。水都の平和を守るために、私たちは負けるわけにはいかないわ。」

三人は固い絆で結ばれ、再び戦う決意を胸に秘めて、店を後にした。水都の平和を守るため、ミラクルナイト、ドリームキャンディ、セイクリッドウインドの三人は新たな挑戦に立ち向かう準備を整えた。


奈理子の触手恐怖症を克服するため、寧々は彼女に特別特訓を施すことに決めた。商店街のイベント広場で、奈理子はミラクルナイトに、寧々はドリームキャンディに変身した。

「また奈理子ちゃんの特訓みたいだな」

「おっ、今日の奈理子ちゃんのパンツは水色だぞ。最近は白ばっかりだったから、水色は久しぶりだな」

「奈理子、頑張ってー!」

蕎麦屋の店主、果物屋のおじさん、占い師のお姉さんら、商店街の住民が次々と集まってきた。

「さあ、奈理子さん、ここから抜け出してください」

ドリームキャンディが冷ややかに言った。ミラクルナイトはキャンディチェーンにぐるぐる巻きにされ、逆さ吊りにされていた。

「こんなの無理よ!」

ミラクルナイトは必死に藻掻く。

「奈理子さんのパンツが丸見えですよ。早く抜け出せないと、また恥ずかしい動画がアップされちゃいますよ」

ドリームキャンディが残忍な笑みを浮かべながら挑発する。

「奈理子ちゃん、がんばれ!」

「そうだ、奈理子ちゃん!負けるな!」

商店街の住民たちが一斉に応援の声を上げる。

ミラクルナイトは市民の声援を聞きながら、内心の焦りと恥ずかしさに苛まれていた。

「みんなが見ている前で…こんなこと…」

しかし、彼女は心を奮い立たせた。

「私は水都の守護神。こんなことで負けるわけにはいかない!」

奈理子の身体は汗で光り、彼女の目には決意の光が宿った。ドリームキャンディの厳しい特訓に、ミラクルナイトは果たして耐え抜くことができるのか。市民たちの注目が集まる中、特訓は続くのであった。


商店街を通りかかった隆は、いきなり姉の奈理子のあられもない姿を見て愕然とした。

「鈴さん、何してんですか?」

と隆はミラクルナイトに声援を送る占い師の鈴に問いかけた。

「キャンディが奈理子さんを特訓してるのよ。隆くんも一緒に奈理子を応援しましょう」

と鈴が答える。隆は、これは特訓というよりもお仕置きではないかと思った。ドリームキャンディが藻掻くミラクルナイトを見て笑みを浮かべている。

「コラ、キャンディ!俺の姉ちゃんになんてことすんだ!!」

隆はドリームキャンディを怒鳴りつけた。

「あっ!隆。これは奈理子さんが触手が苦手だって言うから……」

しどろもどろに答えるドリームキャンディ。

「姉ちゃんを苛める奴は、お前でも許さねぇぞ!お前の正体バラしてやろうか?!」

「違うの隆……」

隆が好きなドリームキャンディ、寧々は泣きそうになった。

「隆、キャンディを責めないで!私が弱すぎるのが悪いの」

ミラクルナイトはドリームキャンディを庇う。寧々は隆の彼女だ。奈理子は、寧々の彼氏の姉としての威厳を保たなければならない。ミラクルナイトは精神を集中させた。ミラクルナイトの身体が水色に輝き始める。

「ミラクルパワー!」

聖なる力で、ミラクルナイトを拘束するキャンディチェーンを弾き飛ばす。キャンディチェーンを構成するキャンディがバラバラに飛び散り、逆さ吊りから解放されたミラクルナイトは見事に着地した。

隆に心を奪われていたドリームキャンディだが、キャンディチェーンを粉砕され、その瞳に闘志の炎が燃え上がった。

「ミラクルパワーを発揮できるのは一瞬だけ!奈理子さんはミラクルパワーに頼り過ぎなんです!!」

バラバラになったキャンディが再び一本に連なり、

「特訓はこれからが本番です!」

ドリームキャンディがキャンディチェーンでミラクルナイトを鞭打つ

「きゃぁ~!」

次々と打ち付けられるキャンディチェーンにミラクルナイトのコスチュームが切り裂かれていく

「キャンディチェーンは一本だけですが、敵の触手は何本も奈理子さんを襲ってくるんですよ!」

「あぁぁ……」

ミラクルナイトは為す術もなくコスチュームを切り刻まれ、下着姿にされてしまった。

ミラクルナイトは再び立ち上がり、視線を強くして言った。

「私が弱いからこんな目に遭うんだ。だけど、負けるわけにはいかない!」

隆はその決意を感じ取り、応援の声を上げた。

「頑張れ、姉ちゃん!絶対に負けるな!」

ミラクルナイトとドリームキャンディの特訓はまだまだ続く。市民たちの声援を受け、奈理子は一層の決意を胸に、立ち向かう覚悟を決めたのだった。


「フェアリーシールド!」

ミラクルナイトが展開した防御壁がキャンディチェーンを弾き返す。

「くッ、それならば…ロリポップハンマー!」

ドリームキャンディはキャンディチェーンを巨大なチュッパチャップス、ロリポップハンマーに変形させた。

「奈理子ちゃん、女子高生の意地を見せてやれ!」

「中学生に負けるな!」

商店街の住民がミラクルナイトに熱い声援を送る。

「これもう、触手の特訓じゃないじゃない…」

鈴が呟く。

「二人とも熱くなってるな」

隆は姉奈理子を心配する。まともに戦えば、ミラクルナイトはドリームキャンディの敵ではない。

「ロリポップ凄い突き!」

ロリポップハンマーがフェアリーシールドを突き破り、ミラクルナイトに強烈な一撃を食らわせる。吹き飛ばされたミラクルナイトは電柱に激突し、失神してしまった。

「はぁはぁ…、奈理子さん、ごめんなさい。つい、本気を出してしまった…」

ドリームキャンディが肩で息をしながら、動かないミラクルナイトに謝った。

「奈理子!」

鈴が下着姿のミラクルナイトに駆け寄り、シーツを掛けて下着を隠してやった。

「姉ちゃんは、キャンディが手も足も出なかったカニカゲロウを倒したのに…」

ミラクルナイトは弱いはずはないのに、隆は何故こうも脆いのか不思議でならなかった。ミラクルナイトの勇気と決意は確かだが、それでも勝てない時もある。隆はその現実に直面し、姉の苦しみを理解し始めていた。商店街の人々も、ミラクルナイトの無様な姿を見て、彼女の強さと弱さ、そしてその人間らしさを感じ取っていた。

「奈理子さんがどんなに強くても、全てを一人で背負うことはできない。私たちも一緒に戦わなきゃ…」

ドリームキャンディは心の中で誓いを新たにした。


ミラクルナイトの特訓のつもりが、ミラクルナイトを倒してしまったドリームキャンディ。

「奈理子ちゃん、また負けたかー」

「今日はキャンディを本気にさせたから、奈理子ちゃん頑張ったよ」

商店街の住民が気絶したミラクルナイトの健闘を讃える。たとえ弱くても、ミラクルナイト、可憐な美少女奈理子は商店街の誇りだった。

しかし、商店街に新たな敵が出現する。

「面白いものを見せてもらったぞ、ドリームキャンディ」

人混みの中から現れた怪人が商店街を騒然とさせる。

「貴方は…?」

「俺はワサビ男。ウデムシ男に代わり奈理子の担当になった。よろしくな」

ワサビ男の背後からワラワラとウズムシ男が出てくる。

「奈理子さんはもう伸びてるわ。帰りなさい!」

ドリームキャンディがワサビ男を睨みつける。

「嫌だね。せっかく来たから挨拶代わりにドリームキャンディと遊んでやる」

ワサビ男とウズムシ男がドリームキャンディを取り囲む。

その騒ぎで目を覚ましたミラクルナイト。

「待って」

鈴に抱かれるミラクルナイトが言った。

「ウデムシ男の代わりなら、私が貴方の相手をするわ」

フラつきながらもミラクルナイトが立ち上がる。

「奈理子、大丈夫なの?」

「鈴さん、このままでは終われない。私は、水都の守護神ミラクルナイトだから…」

鈴がミラクルナイトを止めようとするが、ミラクルナイトは身体を隠すシーツを取りワサビ男に向かい合った。

髪の白いリボンとアイマスク、水色のブラとショーツ、グローブとブーツだけを身に着けた無防備な姿を露わにするミラクルナイト。

「ウデムシ男は何故、私の担当から外れたの?」

「奴はカニカゲロウを見殺しにしたからな。罰として左遷されたんだ」

幾度も身体を重ねたウデムシ男に複雑な思いを抱いていたミラクルナイトは、ある種の寂しさを感じていた。

「今日からは俺が奈理子を可愛がってやるぜ」

ワサビ男が、下着姿のミラクルナイトに下衆な視線を浴びせる。

「貴方の思い通りにはならないわ!」

ミラクルナイトはワサビ男に向かって行った。

「奈理子、無茶しないで!」

鈴が叫ぶが、ミラクルナイトは振り返らず、強い意志を持って前進する。

「これ以上、商店街の皆さんに迷惑はかけられない。私は水都の守護神として戦うしかないの」

その決意がミラクルナイトを動かしていた。

ワサビ男がニヤリと笑い、鋭い一撃を繰り出す。

「お前の美しい姿が見れるなんて、今日は良い日だな!」

ミラクルナイトは必死に避けながら反撃を試みる。

「私は絶対に負けない!」

彼女の目には不屈の闘志が宿っていた。

商店街の人々もその光景を見守りながら、心の中で応援していた。

「奈理子ちゃん、頑張れ!」

皆の声援がミラクルナイトに力を与える。

「みんなの期待に応えるために…私は戦う!」

ミラクルナイトの強い決意がその場の空気を変えた。

果たして、ミラクルナイトは新たな敵ワサビ男に勝つことができるのか。水都の平和を守るため、彼女の戦いは続いていく。


「ミラクルパーンチ!」

ミラクルナイトの光り輝く右腕が力強く振り下ろされた。しかし、ワサビ男は余裕でその攻撃を避けると、冷笑を浮かべながら

「これでも浴びて泣き喚け」

と山葵の粘液をミラクルナイトに吹き付けた。

「あぁぁッ!」

ミラクルナイトの全身が激しい痛みに襲われ、思わず悲鳴を上げる。

「どうだ?水都郊外の深山幽谷で育った山葵の味は」

とワサビ男は冷酷に言い放ちながら、ミラクルナイトの水色のブラを無情にも剥ぎ取った。

痛みで思うように身動きが取れないミラクルナイト。ワサビ男はさらに容赦なく奈理子の水色のショーツを、そして最後にはアイマスクまでも剥ぎ取ってしまった。全てを露わにされてしまったミラクルナイト。その瞳は山葵のツーンとくる刺激と羞恥で涙に濡れていた。

「泣き顔も可愛いな。さすが水都一の美少女奈理子だ」

とワサビ男は優しくミラクルナイトの涙を拭いながらも、その瞳には冷酷さが宿っていた。

「やめなさい!奈理子さんを苛める者は私が許しません!」

とドリームキャンディがワサビ男に向かって声高に宣言する。しかし、ワサビ男は一瞥するだけで、

「さっきまで奈理子を苛めていたのはお前じゃないか」

と冷笑を浮かべた。そして、ウズムシ男たちに

「ウズムシども、奈理子と遊んでろ」

と命じると、ウズムシ男たちは歓声を上げながらミラクルナイトに群がった。

「やったー!」

「奈理子と遊べるぞ!」

「俺が最初に種付けだ!」

「私は奈理子さんのようにはいかないわ!山葵の苦みなんか、私のキャンディで蕩ける甘さに変えてやるわ!」

とドリームキャンディはキャンディチェーンを地面に打ち付け、決意を示す。

「飴ちゃん如きが山葵に勝てると思うなよ」

とワサビ男は不敵に笑い、二人の対決の火蓋が切って落とされた。飴玉と山葵の味覚対決が始まった。


「いやぁ~、やめて〜!」

五人のウズムシ男に地面に押さえつけられ、泣き叫ぶミラクルナイト。彼女の声は切実で、その悲痛な叫びが周囲に響き渡る。

「姉ちゃんから離れやがれ!」

と隆が叫び、愛する姉を助けるために身を乗り出す。しかし、

「ダメ!隆くん、危ない!!」

と鈴が必死に隆にしがみつき止める。

「姉ちゃんが…」

と、隆は目の前で凌辱される姉の姿に我を忘れ、鈴を引きずりながら前に出ようとする。

「隆、落ち着け」

と蕎麦屋の店主と果物屋のおじさんも隆を止めに入る。

「クッソ!俺に力があれば姉ちゃんを助けられるのに…」

悔しがる隆。しかし、その時、突然の悲鳴が響き渡る。

「ギャー!」

奈理子の身体を舐め回していたウズムシ男が次々と消滅していく。

「辛いー!」

ウズムシ男たちは、奈理子の身体に纏わりつく山葵の粘液の刺激に耐えられず、苦しみながら消えていく。

「ワサビ男様、これじゃ奈理子の身体を舐め回せませんぜ」

とウズムシ男がワサビ男に苦情を述べる。

「それなら奈理子の下着で遊んでろ」

とワサビ男が冷たく言い放つと、ウズムシ男たちは打ち捨てられた奈理子の水色のブラとショーツに群がっていった。

山葵の粘液がミラクルナイトの貞操を守ってくれた。

「奈理子、早くシャワーを浴びて山葵を落とそう」

と鈴は素早くミラクルナイトに駆け寄り、シーツで裸体を隠してやると、自分の部屋へと連れて行った。ミラクルナイトはその言葉に少し安心し、鈴の腕の中で揺れながら、再び平和を守るための力を取り戻す決意を新たにしたのだった。


商店街に再び緊張が走る。ミラクルナイトは退場したが、戦いはまだ終わっていなかった。キャンディの甘い香りを身に纏うドリームキャンディが、山葵のツーンとする刺激を放つワサビ男に立ち向かう。

「ワサビ男!これ以上商店街を荒らすのはやめなさい!」

ドリームキャンディが叫ぶ。キャンディチェーンをしならせ、準備を整える。

「お前一人で俺を止められると思うなよ」

とワサビ男が不敵に笑う。彼の手からは山葵の粘液が滴り落ち、その刺激的な香りが周囲に漂う。

「キャンディシャワー!」

ドリームキャンディが叫び、甘い香りのする虹色のキャンディの雨を降らせる。だが、ワサビ男はその甘い香りをものともせず、素早く避ける。

「そんなもんで俺を倒せるとは思うなよ!」

ワサビ男は山葵の粘液をドリームキャンディに向かって吹き付けた。

「うっ…!」

ドリームキャンディは一瞬、刺激的な香りに顔をしかめるが、気を取り直して再び攻撃を仕掛ける。

「ロリポップハンマー!」

ドリームキャンディは巨大なチュッパチャップス型のハンマーを繰り出す。しかし、ワサビ男はその攻撃を受け流し、逆にドリームキャンディに向かって突進してくる。

「甘いぞ!」

ワサビ男はドリームキャンディに激しく突っ込み、彼女を地面に叩きつけた。

「ああっ!」

ドリームキャンディは苦痛の声を上げる。

「これで終わりだ!山葵烈辛撃!!」

ワサビ男は再び山葵の粘液を吹き付け、ドリームキャンディの身体に強烈な刺激を与える。

「あああっ!」

ドリームキャンディはその痛みに耐えきれず、地面に倒れ込んだ。

「ふん、これがキャンディの力か。弱いな」

とワサビ男は冷たく言い放ち、倒れたドリームキャンディを見下ろす。

「商店街を守る力なんてこんなものか」

しかし、その時、緑色の光が商店街を包み込んだ。

「待ちなさい!」

と力強い声が響く。そこに現れたのは、セイクリッドウインドだった。

「貴方の好きにはさせないわ!」

セイクリッドウインドの登場に、商店街の人々は歓声を上げる。

「凜さん…」

ドリームキャンディは力なく呟く。

「キャンディ、後は私に任せて」

とセイクリッドウインドは優しく言い、ドリームキャンディをかばうように前に立った。彼女の眼差しは鋭く、決してワサビ男に怯むことはなかった。

「お前もやられに来たのか?」

とワサビ男は嘲笑うが、セイクリッドウインドの決意に満ちた瞳を見て、その笑みは次第に消えていった。商店街の戦いは、まだ続く。


「裏切り者のナメコ姫か。さすがボスの昔の女だけに良い太股だ」

とワサビ男はセイクリッドウインドに嫌らしい視線を浴びせた。

「今の私はナメコ姫じゃない。セイクリッドウインドよ」

とセイクリッドウインドは強い眼差しでワサビ男を睨み返した。

「と言いつつ、ヌルヌル発射!」

セイクリッドウインドはナメコの粘液を放つ。

「ヌゥ!まだナメコの能力を使えるというのは本当だったのか?!」

と、ワサビ男は素早くヌルヌルを避ける。

「凜さん、姉ちゃんの仇を討ってくれ!」

隆が叫び、

「セイクリッドウインド頑張れー!」

と商店街の住民たちも声援を送る。

「次はこっちの番だ。喰らえ、山葵爆弾!」

ワサビ男が手榴弾を投げた。

「どこに投げてんのよ」

とセイクリッドウインドは軽やかに避ける。

「フフフ…山葵爆弾はただの爆弾ではない」

とワサビ男は不敵に笑う。炸裂した山葵爆弾から辛味ガスが発生し、広範囲に広がり商店街の広場を覆い尽くす。

「うわぁ!ツーンとして涙が出てくる」

と果物屋のおじさんが涙を流し、

「この山葵は蕎麦に使うには強烈すぎる…」

と蕎麦屋の店主も耐えられない。

「くそッ!凜さん、何とかしてくれ」

と隆は泣き腫らしながら叫ぶ。

「任せといて!」

セイクリッドウインドは扇型の武器、ガストファングを構えた。

「辛味なんか飛んでけ。えい!」

と彼女がガストファングを振るうと、発生した竜巻が瞬く間に辛味ガスを吹き飛ばした。

商店街の住民たちはセイクリッドウインドの勇敢な姿に歓声を上げた。

「凜さん、素敵!」

と誰かが叫び、他の人々も続いて声援を送る。

ワサビ男は歯を食いしばり、

「まだ終わりじゃないぞ」

と叫んだ。しかし、彼の攻撃は次第に弱まっていき、セイクリッドウインドの優位は揺るがなかった。

「これで終わりよ!」セイクリッドウインドは再びガストファングを振りかざし、ワサビ男に向かって突進した。


セイクリッドウインドのガストファングの一撃を躱したワサビ男は、

「ミラクルナイトは噂通りの最弱ヒロイン、ドリームキャンディは噂程でもないと分かっただけでも収穫だ。ナメコ姫、次はこうは行かないぞ」

と言い残し、去って行った。

「ワサビ男様、待ってくれ!」

とウズムシ男たちも慌てて後を追う。

「待て、姉ちゃんの下着を返しやがれ!」

と隆がウズムシ男を怒鳴りつけると、ウズムシ男は奈理子のブラとショーツを投げ捨て、逃げて行った。隆は奈理子の下着を拾い上げると、奈理子がいる鈴の部屋へと駆けて行った。

「あぁ、隆…」

うつ伏せに倒れたままのドリームキャンディが隆の背中に向けて手を伸ばす。

「隆は、やっぱり私よりも奈理子さんの方が大切なのね…」

戦いに敗れ、隆にも無視されたドリームキャンディは悲観に暮れていた。

「奈理子と隆は血の繋がった実の姉弟。彼女と彼氏はただの他人。当たり前のことじゃないの」

とセイクリッドウインドがドリームキャンディに現実を突き付ける。しかし、恋に恋する中学生のドリームキャンディ、寧々にとっては辛すぎる現実だった。彼女の心は痛みと失望で満ちていた。

「凜さん、分かってる。分かってるけど…」

と寧々は涙を堪えながら呟いた。

「気持ちは分かるけど、今は強くならなければならないの。奈理子も、私も。そして、寧々も」とセイクリッドウインドは優しく言った。

「はい…」

と寧々は答え、涙を拭いながら立ち上がった。彼女の心にはまだ傷が残っているが、それでも前に進むための決意が芽生えていた。

商店街の人々が温かい目で見守る中、セイクリッドウインドはドリームキャンディを支えながら歩き出した。

「行こう、寧々。私たちにはまだやるべきことがたくさんあるわ」

とセイクリッドウインドは言い、二人は次の戦いに向けて準備を始めた。

第140話へつづく)

あとがき