DUGA

ミラクルナイト☆第240話

穢川研究所社長室。
窓からは、灰色の街並みが広がる。

「…というわけで、水都の街では、人気お笑い芸人バナッシュが、ミラクルナイトが活躍した水都神社の節分祭で姿を見せたのを最後に行方不明になっていることに、話題が持ちきりなようです」

秘書である多実が、穏やかな声で、報告する。

「…バナナ男…。あの愚かな奴。勝手に挑んで返り討ちに遭うとは、自分の力に自惚れていたんだな」

巨大なデスクの奥の椅子に座る男、勅使河原は、冷ややかな声で呟く。

「少しは賢い男だと思っていたが、見込み違いだった。奴は、我々の真の目的を、危うくしてしまう、危険なおもちゃに過ぎん」

彼は、テーブルの上のファイルを叩く。

「次の手をは、もう考えているだろう?九頭先生」

勅使河原の視線が、九頭に向けられる。

「はい。もちろん、そのつもりであります」

九頭は、冷静に答える。

「ミラクルナイトの件は、現場責任者の篠宮君に任せてあります。彼が、奈理子を、どう料理するか、楽しみであります」

「篠宮…。まだ、使えるのか?」

勅使河原は、眉をひそめる。

「柚月君に、比べれば、まだまだ、未熟ですが、それなりに、面白いことをしてくれています。着実に、奈理子を追い詰めています」

「…まあ、いいだろう。我々の計画を邪魔する恐れのあるものは、誰であれ、排除する。それが、我々の使命だ」

「承知いたしました」

九頭は、静かに頭を下げる。
その様子を、端に座る若手幹部、手黒が、冷めた目で見ていた。

「…篠宮さんで、大丈夫なんですか?」

手黒は、小さな声で呟く。

「…不満だと?」

勅使河原は、手黒の声を聞く。

「いえ、とんでもない。ただ、前任の柚月さんが、ケガで休養されてから、現場は、少し混乱しているように見えます」

「柚月君は、いずれ現場復帰してもらう。今は、彼女が水都に帰ってきたことで、篠原君がやる気になっている。今は、彼に任せていい、と思うよ」

九頭が、答えた。

「ですが、あの篠宮さんでは、頼りないのでは…。ミラクルナイトの相手という、重要な任務を、彼に任せ続けて、本当にいいのでしょうか…?」

「…彼は、なかなか面白い青年だ。柚月君とは、違う意味で面白い作戦を考える。これ以上、成績が振るわなければ、考えてみよう」

九頭の言葉に、手黒は頷くしかなかった。

「それより、バナナ男の一件は、よい機会だったかもしれんな。ミラクルナイトという、強力な障害物の存在を、改めて知ることができた。次は、もっと直接的な方法で、我々の力を見せつける必要がある」

勅使河原が、言う。

「具体的には、どうするのですか?」

多実が、訊ねる。

「…まあ、それは、考え中だ。ただ、ミラクルナイトの力というのは、興味深い。市民の声援という、精神的なエネルギーを、物理的な力に変換している。これは、我々の研究分野にも、大きな示唆を与えてくれる」

「なるほど…私と戦ったときよりも、ミラクルナイトは、格段に強くなっていると感じましたね」

手黒は、かってのミラクルナイトとの戦いを振り返った。

「そうでもないよ。奈理子は、強いときは強い。弱いときは、とことん弱い。それが、奈理子なのさ」

九頭が笑う。

「成長しているようで、成長していない?」

「それにしても、あの光景は、壮観だった。あんなに、多くの人々が、一人の少女を応援する。そして、その思いが、奇跡を起こす。なんて、美しい光景だろう」

九頭は、遠い目をする。
「…九頭先生、ミラクルナイトは、敵です」

多実が、釘を差す。

「そうだね、篠宮君も、あとがないことは分かっている。私は彼に期待しているよ」
九頭は、そう言って、席を立った。


商店街のグフグフハンバーガー。

「ふぅ…」

寧々は、フライドポテトを頬張り、ため息をついた。彼女は、ドリームキャンディとして、ミラクルナイトのサポートを務めていた。

「どうしたの、寧々。フライドポテト、おいしくない?」

対面に座るのは、巫女服姿の凜。彼女は、チーズバーガーを、上品に、頬張っている。

「いえ、おいしいです。ただ…昨日のこと、考えて…」

寧々は、俯く。

「奈理子のこと、ね」

凜は、微笑む。

「…はい。あんなに、苦しめられて…。胸にバナナの芽を…」

寧々は、顔を赤らめる。

「…でも、奈理子は、勝ったでしょ?」

「それは、そうなんですけど…」

「それは、寧々の、応援も、あったからよ」

「…私の、ですか?」

「そうよ。あなたが、泣いていたから、会長さんも、みんなを、奮い立たせることができたの。奈理子は、みんなの、その気持ちを、感じ取って、立ち上がったのよ」

「…でも、奈理子さんのファンは、奈理子さんがエッチなことをされる姿を楽しんでいましたよ…」

「あれは、それでいいのよ」

「…えっ?」

「祭りとは、本来、そういうものなの。エロスは、神聖な営みに他ならない。神様も喜んでいるわ」

「…やっぱり、よく、分かりません…」

寧々は、呆れた。

「まあ、いいわ。とにかく、奈理子は、勝った。それが、一番、大切なことよ」

「…はい」

寧々は、そう答えると、再び、フライドポテトを、頬張る。

「…ですが、でも、あんな風に、皆の前で、晒されるなんて…」

「水都の守護神ミラクルナイトは、市民の期待を裏切らない。市民が奈理子のエッチな姿を見たいと願えば、ミラクルナイトはその期待に応えなければならない。それが定めなの」

「奈理子さん、大変ですね…」

寧々は、顔を真っ赤にして呟く。

「市民に愛されるミラクルナイトの宿命ね。仕方ないことだわ」

「…奈理子さんは、それを納得してるんですか?」

「奈理子は、キックのときも、倒れるときも、わざと股を広げて股間を見せ付けているでしょ。そういうことよ」

「あれ、わざとなんですか?!」

「奈理子はマゾっ子だからね。あんなに、みんなの前で、恥ずかしいことをされて、興奮してたもの」

「興奮、なんて…!」

「そうよ。あのバナナ男に、乳首を、弄ばれて、力を吸い取られて、苦しんで…。でも、そんな可愛い奈理子の姿を見た人たちが、心を一つにして、奈理子に熱い声援を送った。その声援がミラクルナイトの力になる。奈理子は、本当に気持ちよくて、たまらなかったんじゃないの?」

「なっ…!」

寧々は、言葉を失う。

「…奈理子が、大人になっていく証拠よ」

「大人、ですか…」

「そうよ。奈理子は、もう、子供じゃないわ。だから、あんなに素敵な戦いができるのよ」

「確かに、最後は見事に倒しましたけど…」

「羞恥に耐えて、可愛い姿を見せて、市民を喜ばせる。そして、最後はきっちり勝つ。ミラクルナイトのベストバウトの一つだったよ」

「そうなんですね…」

寧々は、感心したように、頷いていた。

「でも…やっぱり、心配です」

寧々は、ストローでコーラをかき混ぜながら、小さな声で呟いた。

「何が?」

「奈理子さんが…エッチなことをされて、それを見た市民の喜びの声が、ミラクルナイトの力になるっていうのが…なんだか、悲しくて」

凜は、ハンバーガーを置き、寧々をじっと見つめた。

「なぜ、悲しいと思ってるの?」

「奈理子さんは、ミラクルナイトとして、水都を守っている。だから、どんどん、危険な目に遭う…。そして、昨日みたいな…あんなに、恥ずかしいことをされても、我慢しなきゃいけないんだって思うと…」

寧々の声が、少しふるえていた。

「…寧々は、優しいね」

凜は、そう言って、寧々の頭をそっと撫でた。

「でも、心配しなくても、大丈夫よ。奈理子は水都の守護神ミラクルナイトなんだから」


穢川研究所・九頭の研究室。
空調の効いた部屋に、化学薬品と、どこか甘いカビの匂いが、混じり合う。壁一面の棚には、標本瓶がずらりと並び、中では奇妙な形の菌類が、静かに脈動している。
九頭は、研究室の中央に立つ篠宮に向かい、穏やかな声をかけた。

「柚月君は、しばらく別の部署だ。長期休暇の後、いきなり前線復帰は酷だからね」

篠宮は、九頭の言葉を黙って聞いていた。彼の肩は、力なく落ちていた。バナナ男=バナッシュの消滅。それは、彼自身の心を締め付けた。失敗が続く自分が、いつまでも今の地位にいてよいのか。社長である勅使河原の冷たい視線を思い出し、胃がきりきりと痙攣する。

「篠原君には、これからも、頑張ってもらうよ」

「…はい」

九頭のその言葉に、篠宮は、ようやく、顔を上げた。その目には、燃え殻のような光が、宿っていた。

「……今回は、逃がしません」

決意を固めた声だった。

「そう言ってくれると、頼もしいね」

九頭の口元が、にこやかに緩む。彼は、研究室の片隅にあるスイッチを押した。壁に隠された扉が、スッと開く。

「彼とともにやるといい」

九頭の言葉に、篠宮は、ゆっくりと振り返る。
扉の向こうから、巨大な影が、ゆっくりと、這い出てくる。ゴツゴツとした、黒い甲殻。重そうな、足音。

「君は…」

篠宮の声が、掠れる。
男は、立ち止まった。その全身は、フンコロガシの殻のように、黒くて硬い。こぶし大の角が、頭から突き出ており、無骨な顔つきは、感情を一切読み取れない。

「フンコロガシ男。いわば、君の新しい相棒だよ。怪力自慢の彼の背中に、君を乗せてやる。ウズムシも連れて行くといい」

九頭が、楽しそうに説明する。

「フン…」

フンコロガシ男は、ただ、低く、唸るだけだった。

「彼の戦法は、いたってシンプル。周囲の雪や土、ゴミ、粘液といった、ありとあらゆるものを圧縮して、巨大な球体を作り出す。そして、その球体を全力で押しながら、突進する。逃げ道を塞ぎ、相手を、ゆっくりと、確実に、押し潰す。方向転換は遅いが、正面からの突破力は、計り知れない。ミラクルナイトの水の渦など、物ともせぬ威力だ」

九頭の説明に、篠宮は、フンコロガシ男の体を、じっと見つめた。その巨大な体からは、プレッシャーと、原始的な力が、伝わってくる。バナナ男のようなトリッキーさはない。それは、純粋な、破壊の力。

「…わかりました」

篠宮は、静かに、頷いた。

「いい顔になったじゃないか」

九頭は、満足そうに、微笑む。

「奈理子よ、今度こそ、お前の終わりだ」

篠宮の心の中で、冷たい炎が、激しく燃え上がる。

「よし、準備は万端だ」

九頭は、研究室のモニターに映る、水都の街の映像を、見つめていた。

「君の出番は、もうすぐだ」

篠宮の身体に、黒い胞子のようなものが、まとわりつき、ブナシメジのような、キノコが、生え始める。


水都ラジオ・タワー前広場サテライトスタジオ。

「…それでは、今日のゲスト、水都の守り手、ミラクルナイトこと、野宮奈理子ちゃん!」

パーソナリティの元気な声に、拍手が沸き起こる。ガラス張りのサテライトスタジオから、大勢のファンが、奈理子に、熱い視線を送っている。その手には、ミラクルナイトのフィギュアや、カラフルなうちわが、握られている。

「こんにちは、野宮奈理子です!」

奈理子は、にこやかに、手を振る。セーラー服のスカートが、窓から差し込む冬の光を、反射させる。

「奈理子ちゃん、昨日の節分祭、本当にお疲れ様でした!バナナ男、あんなにデカいバナナ落としてきて、ビックリしたよ!」

「はは、あのバナナは、私もびっくりしました。でも、みんなの応援のおかげで、なんとか、倒せました」

「それはすごい!やっぱり、奈理子ちゃんは、水都のヒロインだね!」

パーソナリティの言葉に、ファンから歓声が上がる。

「奈理子ちゃん、あの動画、見よ!乳首、いじられて、顔、真っ赤だったよ!」

一人の男性ファンが、声を上げる。スタジオ内が、どよめきに包まれる。

「え、えっと…あの、それは…」

奈理子の顔が、カァーッと、赤くなる。

「ああ、あれは見たよ!奈理子ちゃん、苦しそうだったけど、すごく可愛いかったね!」

「そ、そんなこと…!」

奈理子は、顔を、両手で、覆う。

「まあまあ、奈理子ちゃんは、シャイなんだから。でも、あの姿、本当にかわいらしかったよ。僕も、興奮しちゃった」

パーソナリティが、茶化す。

「…変なこと、言わないでくださいよ…」

奈理子は、小さな声で、抗議する。その姿に、ファンたますます、盛り上がる。

「じゃあ、リスナーからの質問、いってみよっ!『奈理子ちゃんは、バナナ男に栄養吸収されたとき、どんな気持ちだったか、正直に教えて!』って」

「…えっ…」

奈理子の顔が、ますます、赤くなる。

「そ、それは…ちょっと、恥ずかしくて…」

「正直に!正直に!」

ファンたちの合唱が、スタジオに、響き渡る。

「…そ、そんなに、言われちゃうと…」

奈理子は、困ったように、俯く。頭の中には、凜の言葉が、響いていた。

『奈理子の力は、まだ、目覚めたばかり。これから、どう変わっていくかは、奈理子自身が、決めることよ』
『奈理子が、どうなりたいかを、強く、思うこと。それが、奈理子の力を、形にするのよ』

どうなりたいか。
ミラクルナイトとして、戦い続けたい。でも、昨日の屈辱は…。でも、あの最後の力は…。
モヤモヤした気持ちが、奈理子の胸を、占める。

「…奈理子ちゃん?」

パーソナリティの声で、奈理子は、我に返る。

「あ、ごめんなさい、ちょっと、考え事をして…」

「そっか。じゃあ、次の質問、いってみよっ!『奈理子ちゃんは、芸人のバナッシュさんと、お友達だったのですか?彼が行方不明になっていると、聞きましたが…』」

「…えっ…」

奈理子の瞳が、見開かれる。

「バナッシュさん…は、あの、何度かテレビトークショーなどでご一緒したことは、ありますが…」

『君は…』

ふと、あの時、あのバナナ男が、最後に、呟いた言葉が頭に浮かんだ。

『…嘘だ…』
『俺様の、必殺技が…』
『いやあああああああああああ!』

「…奈理子ちゃん、大丈夫?顔色、悪いよ」

「あ…ごめんなさい、ちょっと…」

奈理子は、窓の外に、目を向けた。視界の片隅に、不審な物が、入る。
タワー前広場の片隅にある、廃材置き場の土を、何者かが、固めて、巨大な球体にしている。その光景に、ファンたちは、気づいていない。

「…なに?あれは…」

奈理子の瞳が、見開かれる。人ではない。明らかに、怪人だった。

「…皆さん、危ないですっ!」

奈理子は、叫んだ。


奈理子の叫びが、スタジオの空気を、切り裂いた。

「どうしたの、奈理子ちゃん?」

パーソナリティが、不思議そうに、訊ねる。

「外です!今、怪人が…!」

奈理子が、窓の外を指差す。
その瞬間、広場の片隅に、二つの影が、浮かび上がる。一つは、ブナシメジに覆われた、痩せた男。もう一つは、フンコロガシのような、巨大な甲殻を持つ男。

「…準備はできた、やってくれ」

ブナシメジ男が、満足げに、呟く。

「フン…」

フンコロガシ男は、廃材置き場で作り上げた、巨大な土の球体を、その巨体で、押し始める。ゴォォォォ、と、重い音を立てて、球体は、ゆっくりと、しかし、確実に、サテライトスタジオに向けて、転がし始めた。

「…なんだ、あれ…」
「コスプレ…?」

外のファンたちは、フンコロガシ男に気づいても、反応が、にぶい。彼らは、ボーッとしている。眠そうな顔をし、瞳のピントは、合っていない。判断が、明らかに、遅れている。まるで、夢の中にいるかのようだ。
球体を押す怪人の他に、別の怪人がいると察した奈理子。胞子を散布し、人を惑わす怪人、ブナシメジ男に違いない。

「…怪人だ!」

スタッフも、ようやく、外の異変に気づき、スタジオは、混乱に陥る。

「え、えええっ!?」
「何、あれ!?」

巨大な土の球体が、ゆっくりと、スタジオに、迫ってくる。

「すみません!」

奈理子は、謝ると、スタジオのドアに、駆け寄った。彼女のポケットからは、アイマスクが、覗いている。

「奈理子ちゃん!」

パーソナリティが、叫ぶ。

「大丈夫です!」

奈理子は、そう言うと、スタジオの外に、飛び出した。彼女は、アイマスクを、顔に、被せる。

「ミラクル・チェンジ!」

水色の光が、奈理子の体を、包む。水都女学院高校の制服が消え、可憐な下着姿になる奈理子。しかし、それは一瞬。髪に白いリボン、白いブラウス、胸には水色のリボン、手足にグローブとブーツが次々と現れる。最後に、奈理子の清純の証である純白のショーツを、プリーツスカートが優しく隠す。
ミラクルナイトの変身が、完了した。

「水都の平和を乱す者は、ミラクルナイトが許しませんッ!」

ミラクルナイトは、宣言すると、巨大な土の球体に、向かって、突進した。球体がスタジオに激突することを防ぐために、球体を、両手で、押す。

「うぅッ!」

彼女は、全力で、押し返そうとする。しかし、非力なミラクルナイトの力では、球体を押し返すことはできない。

「ぐっ…!」

ジリジリと、ミラクルナイトは、押し返されていく。足元が、滑っていく。巨大な球体は、容赦なく、彼女を、スタジオに、向かって、押し潰そうとする。

「…このままじゃ、スタジオごと潰されちゃう…」

ミラクルナイトは、可憐な両脚に力を込め必死に、踏ん張る。しかし、彼女の頑張る甲斐なく、靴底は、地面を、ズルズルと、引きずっていく。スタジオのガラス張りの壁まで、あと1メートルもない。冷たい汗が、彼女の額を、伝い、白いブラウスに、染みを、落とす。

「うっ…あっ…」

押し潰されそうになったミラクルナイトは、ミラクルパワーを発動させようと、精神を、集中させる。人々の声援を呼び込もうと、心の、底から、叫ぼうとする。
その時だった。
尻に、冷たい空気を感じる。

「っ!」

何かが、彼女のスカートを持ち上げている。誰かが、彼女の最も、聖なる領域を、覗き込もうとしている。

「なっ…!」

振り返ることもできず、ミラクルナイトは、顔を、真っ赤にする。球体を押すミラクルナイトは、スカートを、元に戻すことは、できない。その手は、巨大な土の塊に、がっちりと、固定されているからだ。

「やめてください…!」

ミラクルナイトは、怒りを込めて、叫ぶ。しかし、その声は、フンコロガシ男の重い足音に、かき消された。
どこからともなく、現れたのは、ウズムシ男だ。三匹の、ぬめぬめした、無骨な男たち。彼らは、そんなミラクルナイトを、面白がって、ニヤリと、笑う。

「…おもしろそうだ」
「奈理子のオシリ、見えるぞ」
「今日もパンツ白いな」

三体のウズムシ男は、そんなミラクルナイトを、面白がって、ミラクルナイトのスカートの裾を、腰に巻く腰布に、入れ込んでいく。

「いやっ…!」

彼らの指先が、彼女の腰を、くすぐる。スカートが、ぐいっと、持ち上がられる。
奈理子の純白ショーツが、360度、丸見えになる。サテライトスタジオの中からは、ファンたちの、どよめきと、歓声が、聞こえる。

「きゃあっ…!」

あまりの羞恥に、ミラクルナイトの瞳は、涙で、潤む。しかし、力を、少しでも抜けば、球体に、押し潰されてしまう。スタジオの中の人は逃げたのだろうか?人々の命が、かかっている。彼女は、耐えなければならない。

「やめ…ください…」

ミラクルナイトは、ウズムシ男たちに、

「スカートを、元に戻して…ください…」

と、哀願するしかなかった。その声は、弱々しく、震えていた。
抵抗できないミラクルナイトに対するウズムシ男の悪戯は、止まらない。彼らは、踏ん張るために、無意識に股を開き、無防備になった、奈理子の股間を、ショーツ越しに、触ってきたのだ。

「ひゃっ…!」
大切な箇所を、指先で、こねられるように、触られる。

「きゃああああッ!」

力ない悲鳴を、上げたミラクルナイト。彼女の体に、力が、すっと、抜けていく。ふらつく足元。押し返そうとしていた力が、急に、消える。
ウズムシ男たちごと、球体に、押されていく。

ドッカァァァァァンッ!

ミラクルナイトと三体のウズムシ男は、崩れたスタジオと土の球体に、埋もれてしまった。ガラスの破片と、土埃が、舞い上がる。


夕暮れの光が、水都タワーを、オレンジ色に、染める。普段であれば、学校帰りの学生や、仕事を終えたサラリーマン、買い物客で賑わう広場は、今日だけ、異様な静けさに、包まれていた。人々は、道に座り込んだり、突如として輪になったり、わけもなく、笑い出したり、呆然と空を見上げたりと、まるで、街全体が、ブナシメジ男の胞子という、甘い毒に、酔いしめているかのようだった。
瓦礫の中から、勢いよく、立ち上がったのは、十体の、ウズムシ男たち。分裂能力を持つウズムシ男は、激突の衝撃で、三体から十体に増えてしまっていたのだ。彼らは、ぬめった体を揺らし、無邪気に、瓦礫の中を、漁り始める。

「…いたぞ」

そのうちの一体が、叫んだ。彼らは、瓦礫の中から、意識朦朧とする、ミラクルナイトを、引きずり出した。彼女の髪と白いリボン、身に纏っているコスチュームは、土で汚れていた。

「おきろ、奈理子」

ウズムシ男が、彼女の頬を、ぬらぬらした指で、叩く。そして、再びミラクルナイトのスカートの裾を腰布に入れ込み、奈理子のショーツを丸出しにする。

「…ん…」

ミラクルナイトは、かすかに、呻く。目を開けても、視界は、揺れて、見えない。頭の中は、霧が、かかったように、もやもやしている。

「立て、奈理子」

ウズムシ男たちは、彼女を、無理やり、引きずり立てる。
タワー前広場の中央。ミラクルナイトは、ウズムシ男に両腕を掴まれ、フンコロガシ男の前に、跪かされた。スカートを穿いているのに、ショーツを隠せない。彼女の清純の証である純白のショーツも、土と埃で汚れていた。夕暮れの光が、彼女の恥ずかしい部分を、照らし出す。

ミラクルナイトのあまりにもの弱さに、フンコロガシ男は、呆気に取られている。彼は、ただ、そこに、立っている。
そんな敗北ヒロイン、ミラクルナイトの惨めな姿が、タワー前広場の大型ビジョンに、映し出された。屈辱に、震えるミラクルナイト。彼女は、早く、助けに来て、と心の中で、ドリームキャンディが来てくれることを、願うしかなかった。

「…フン…」

フンコロガシ男の横に、ブナシメジ男が、静かに、立つ。彼の体からは、胞子が、静かに、舞っている。

「…ブナシメジ男…」

ミラクルナイトは、彼を見て、悟る。人々の意識を、鈍らせたのは、この男の仕業だと。その瞬間、彼女の中から、戦意が、蘇る。

「…くッ…!」

ミラクルナイトは、叫ぼうとする。しかし、ウズムシ男に、両腕を、がっちりと、掴まれたままでは、どうすることもできない。

「…ブナシメジ男…!」

彼女は、正々堂々と、一対一の勝負を、口にする。

「…私と、勝負よ…!」

その声は、か細かったが、彼女の誇りは、まだ、折れていなかった。

「…奈理子の相手は、俺だ」

フンコロガシ男は、そう言うと、再び、巨大な土の球体を、押し始めた。今度は、ミラクルナイトを、直接、押し潰すために。

「…なっ…」

ミラクルナイトは、顔を、見開く。しかし、彼女の体は、動かない。

「…待って…!」

巨大な球体が、彼女の目前に、迫る。その重さが、生み出す風圧が、彼女の髪を、乱暴に、なびかせる。土の匂いと、湿った空気が、彼女の鼻腔を、満たす。これで、終わりなのか。屈辱のまま、潰されてしまうのか。ミラクルナイトは、目を、閉じた。

「待て」

その時、フンコロガシ男の動きを、止めた声が、あった。ブナシメジ男だった。

「…何だ、ブナシメジ男。俺の邪魔をするのか?」

フンコロガシ男が、不機嫌そうに、訊ねる。

「いや。そうは、いかん」

ブナシメジ男は、静かに、首を、横に振る。

「この奈理子は、俺様が、連れて帰る。研究素材として、彼女の身体を、隅々まで、調べ上げるんだ。ミラクルなパワーの源は、どこにあるのか。なぜ、あんなに、人々のエネルギーを、吸収できるのか。その秘密を、解き明かすためには、奈理子に様々な羞恥を与え、確かめてみたい」

ブナシメジ男の言葉に、ミラクルナイトの体が、震える。羞恥。その言葉が、彼女の背骨を、氷のように、駆け上る。なぜ、羞恥?

「お前ら、どけ」

ブナシメジ男は、ウズムシ男たちに、命じる。

「…はい」

ウズムシ男たちは、ミラクルナイトの腕を、離す。自由になった、彼女の体は、ふらつく。しかし、彼女は、すぐに立ち上がろうとはしなかった。彼女は、地面に、跪いたまま、ブナシメジ男の視線を、受けていた。
ブナシメジ男の視線は、彼女の汚れた白いショーツだけの、無防備な下半身に注がれている。その目は、学者の、それとも、捕食者の、ような、冷たい光を、宿していた。

「…なっ…」

その視線に、ミラクルナイトは、怯える。スカートの裾を元に戻すことすら、忘れていた。このまま、連れて行かれる、という考えは、それ以上の恐怖を、彼女にもたらした。お持ち帰りされれば、どんな責めを、されるのか分からない。陰湿なブナシメジ男のアジトで、彼女は、どんな姿に、変えられてしまうのか。

「…待って…!」

ミラクルナイトは、叫んだ。

「…私と、勝負して…!」

必死に、彼女は、訴える。

「…ここで、正々堂々と、私と勝負してください…!」

ブナシメジ男は、考えた。このフンコロガシ男であれば、ドリームキャンディが来たとしても、勝てる。ここは、市民の前でミラクルナイトをさらに辱め、ドリームキャンディも倒した方が、自分の評価は上がる。

「…ふん」

ブナシメジ男は、鼻を、鳴らした。

「…面白い。じゃあ、奈理子に相手を選ばせてやろう。私か、フンコロガシ男か、それとも、ウズムシ男たちか。誰と勝負したいか、選べ」

ミラクルナイトは、静かに顔を上げた。
まず、彼女は、ブナシメジ男を見る。彼は、奈理子に最適化された、媚薬を使う。彼女の心を、直接、揺さぶる、恐ろしい相手だ。戦いたくはない。
次に、十体のウズムシ男を見る。ウズムシ男たちの視線も、奈理子のショーツに注がれていた。ようやく、ショーツが丸見えであることを思い出したミラクルナイトは、いそいそとスカートの裾を元に戻す。一対一を求めているのに、なぜ、十体を相手にしなければならないのか。疑念を感じる。一体なら、ウズムシ男は怖くない。しかし、さすがに十体は、無理だ。
最後に、フンコロガシ男を、見た。力は強そうだが、小柄だ。球体も、動きは遅い。掴まれていなければ、余裕でかわせる、と思った。

「…あなたよ」

ミラクルナイトは、フンコロガシ男を指さした。

「…俺と、勝負するのか?」

フンコロガシ男は、そう言うと、拳を握りしめた。

対戦相手に指名されたことで、ミラクルナイトに勝てると思われたと感じたフンコロガシ男は、顔を歪ませる。

「…舐められたものだな、この俺が…」

彼の声は、低く脅えていた。

「選択を、誤った…かな…?」

その圧力に、ミラクルナイトは、心のなかで恐怖する。彼の目が、捕食者のそれに変わった。しかし、そのときだった。

オレンジ色の光が、夕暮れの広場に、降り注いだ。

「高校生の奈理子さんを虐める者は、中学生戦士ドリームキャンディが許しませんッ!」

その声は、甘く、そして、強かった。オレンジ色の光は、一つの、少女の姿に、収束する。ポニーテールの髪に大きなリボン。重厚なオレンジ色のドレス。そして、手には彼女が愛用する鞭、キャンディチェーン。
ドリームキャンディが、タワー前広場に降臨した。

「…キャンディ…!」

ミラクルナイトの瞳が潤む。やって来てくれた。頼もしい仲間が。心の底から安堵する。

「奈理子さん、大丈夫ですか?」

ドリームキャンディは、駆け寄って、彼女の肩に手を置く。ミラクルナイトのコスチュームは、土と埃で汚れている。

「…大丈夫…」

ミラクルナイトは、かろうじて答える。

「よかった。一人で、怖くありませんでしたか?」

ドリームキャンディは、そう言うと、なんと、ミラクルナイトのスカートに手を伸ばした。

「何するの?!」

捲られる寸前で、ミラクルナイトは、スカートを、押さえる。

「今日は、珍しくスカートを穿いていますけど、パンツは穿いているのかな、と思って…奈理子さん、パンツは脱がされてませんか?」

「ちゃんと、穿いています!」

ミラクルナイトの頬が、赤くなる。恥ずかしいのか、それとも、怒りなのか。

「それならいいです。…まだ、戦えますね」

ドリームキャンディは、ミラクルナイトナイトは、まだ、戦える、と判断した。彼女は、ミラクルナイトと一緒に戦うつもりだ。

「待て!」

しかし、フンコロガシ男が、彼女の前に立ちはだかる。

「これは奈理子が望んだ一対一の対決だ。ガキは引っ込んでろ」

「ガキ、ですって!」

子供扱いされて、ドリームキャンディは怒る。
ドリームキャンディが、周りを見渡すと、いつもはミラクルナイトに熱狂的な声援を送る市民が、心ここにあらず、といった様子だ。彼らは、空を見上げたり、わけのわからない笑い方をしたり、ただ、ぼーっと立っていたり。
市民の声援を力に変えるミラクルナイトにとって、このような状況では不利だ。

「ブナシメジ男!」

ドリームキャンディは、ブナシメジ男に詰め寄る。

「また、姑息な手段で、奈理子さんを辱めようとしているのね!」

「いや、これは、フンコロガシ男が言ったように、勝負を挑んだのは奈理子の方だ」

ブナシメジ男は、そう言って、ニヤリと、笑う。

「嘘でしょ…?」

ドリームキャンディは、ミラクルナイトを見る。ミラクルナイトは、悲しげに頷くしかなかった。

「…奈理子さん…応援しますから、頑張ってください」

ミラクルナイトが、勝てるとは思えない。しかし、奈理子が望んだ戦いなら仕方がない。ドリームキャンディは、身を引いた。

「…キャンディ…」

ミラクルナイトは、彼女の後ろ姿を悲しげに見つめる。危なくなったら、助けに入ってほしい。でも、生真面目な寧々は、勝負の邪魔はしないだろう。

「…さあ、始めましょう。フンコロガシ男」

ミラクルナイトは、覚悟を決め、彼に対峙する。

「…いいだろう、奈理子。お前の望みどおり、俺が、お前を叩き潰してやる」

「…いくよッ!」

ミラクルナイトの、かけ声が夕暮れ、響く。
彼女は、右脚を高く振り上げる。体がしなやかに反り、白いスカートが大きく広がる。その先に、彼女の純白のショーツ、股間が露わになる。ミラクルナイトお得意のパンチラキック。いつもなら、ここで市民たちから歓声が沸き上がるはずだった。しかし、今日は違う。大勢いるはずの市民の反応は薄い。誰も、彼女の華麗な技に心を動かされない。

シュッ!

ミラクルナイトの渾身のハイキックが、フンコロガシ男の硬い甲殻に当たる。

「うぐっ!」

甲殻に蹴りを弾かれ、反動でよろめくミラクルナイト。足首に激痛が走る。

「ふん、次は、俺の番だ」

フンコロガシ男は、ミラクルナイトに歩み寄る。その巨体から、圧倒的な威圧感が伝わってくる。ミラクルナイトは、後ずさるが間に合わない。

どしん!

フンコロガシ男の重い一突きが、ミラクルナイトの胸に当たる。

「きゃっ…!」

押し倒され、尻もちをつくミラクルナイト。広場の冷たい石畳の感触が、彼女のお尻に伝わる。
フンコロガシ男は、ミラクルナイトの両足を掴む。そして、前に押す。

「きゃあああッ!」

ミラクルナイトの体は、くるりと一回転して、再び尻もちをつく。

「フン、フン、フン…」

フンコロガシ男は、再び、ミラクルナイトの両足を掴み、前に押す。

「ひゃっ…!」

クルッ。また、一回転。
ミラクルナイトは、フンコロガシに転がされる糞のように、強制連続後転を強いられる。タワー前広場を一周し、フンコロガシ男がようやく止めたのは、ミラクルナイトがまんぐり返しの格好で動かなくなった時だった。彼女のスカートは完全に捲れ上がり、汚れた白いショーツが丸見えの状態に。夕暮れの光が、彼女の羞恥を無慈悲に照らし出す。

「奈理子さん、でんぐり返しをしただけです!しっかりしてください!」

ドリームキャンディの、あまりにもデリカシーのない激が飛ぶ。

「フフフ…」

ウズムシ男たちは、大股引きで、ショーツ丸出しのミラクルナイトの姿を、見て、大喜びしている。

「フンコロガシ男さん、奈理子のパンツを脱がしちゃいましょう!」

ウズムシ男の下衆な声が、広場に飛び交う。

「仕方がないな」

フンコロガシ男は、その声に応えるように、奈理子の汚れた白いショーツに手をかける。その指先が、彼女の柔らかいお腹の肌に触れる。

「…っ!」

股間に、感じる熱い視線。いつもの、市民の憧れの視線とは違う。獲物を品定めする、ような、視線。ミラクルナイトは我に返る。

「やめ…ッ!」

ショーツを掴むフンコロガシ男の手。上から脱がそうとする。それを、ミラクルナイトは、必死で自分のショーツを掴み、下から押し返す。膝を曲げ、ショーツが抜かれないようにする。彼女の太ももの筋肉が、ぷつぷつと浮かび上がる。

「ふんっ…」

フンコロガシ男が、力を込める。

「イヤぁ…!」

ミラクルナイトも、負けじと、力を込める。奈理子の太ももで繰り広げられる激しい攻防。ドリームキャンディとウズムシ男も、その光景に、熱が入っていく。

「女の子のパンツを脱がすのは、反則ですッ!」

ドリームキャンディが、叫ぶ。

「奈理子のパンツは、脱がされるためにあるんだよ!」

ウズムシ男が、それを、激しく、言い返す。

「…可愛い顔に、似合わず、エロいマン毛だな…」

その時、フンコロガシ男の汚い言葉が、ミラクルナイトの耳に突き刺さる。

「…あッ…!」

ミラクルナイトの瞳が、見開かれる。怒りの炎が、彼女の心に燃え上がる。彼女の手が、フンコロガシ男の胸に突き出される。

「ミラクル・シャイン・ブラスト!」

水色の光弾が、至近距離から、発射される。

「うぐッ!?」

驚いたフンコロガシ男は、奈理子のショーツから手を離し、ミラクルナイトから離れた。

「…ふ、ふ…」

ミラクルナイトは、荒い息をしながら腰を上げる。膝まで下げられたショーツを引き上げる。そして、よろめきながらも立ち上がる。体力は消耗し、息は乱れているが、まだ、諦めてはいない。彼女の瞳は、まだ、死んではいなかった。

「フンコロガシなんかに…負けない…ッ!」

その言葉は、彼女の覚悟とプライドだった。
しかし、ミラクルナイトは、知らなかった。フンコロガシが、昆虫界でも有数の怪力の持ち主であることを。
彼女が、これまでに負ったダメージ。体力の消耗。そのすべてが、彼女の足を重くしていた。
ミラクルナイトの力ない攻撃は、フンコロガシ男にあしらわれてしまう。彼女のパンチは空を切り、キックは軽く受け流される。

「情けないな、奈理子」

フンコロガシ男は、嘲笑う。
その時、彼の強靭な腕が、ミラクルナイトの胴体を捕らえた。

「きゃッ!」

力任せに、締め上げられる

「うっ…ぐぅ…!」

背骨に軋みが走る。肋骨がきしむ。腰に激痛が走る。上体を反らして喘ぐミラクルナイト。彼女の肺から、空気が搾り出されていく。
必死で逃れようとする。しかし、非力なミラクルナイトでは、フンコロガシ男のベアハッグから、逃れることはできない。彼女の抵抗は、彼にとって無意味なものだった。

「俺様を指名してくれた、ご褒美だ」

フンコロガシ男は、そう言うと、ベアハッグの体勢から、ミラクルナイトの太ももをクラッチし直した。そして、そのまま、ハンマー投げのように、ミラクルナイトを振り回す

「ひゃっ…!あっ…!」

遠心力で、ミラクルナイトのプリーツスカートが捲れ上がる。またもや、白いショーツが丸見えになる。しかし、ミラクルナイトは、それどころではない。
回転が上がるたびに、彼女の平衡感覚が失われていく。世界が渦を巻く。空が地面に、地面が空に見える。夕闇が、彼女の視界を侵食していく。
フンコロガシ男は、止まらない。ジャイアントスイングのスピードは増していく。

「やめ…て…ぃ…」

彼女の声は、風に飛ばされてしまう。
遂に、ミラクルナイトは、振り回されるがまま失神してしまった。

「自慢のパンツ晒して逝きやがれ、奈理子!」

失神したミラクルナイトを、フンコロガシ男は、そのまま遠くに放り投げた。
彼女の無防備な体が、放物線を描いて、飛んでいく。
気を失っているミラクルナイトが、ビルに激突する寸前。

シュパッ!

オレンジ色の光の鞭が、彼女の体を捉える。
キャンディチェーン。
ミラクルナイトを引き寄せたドリームキャンディは、彼女を優しく地面に寝かせた。

「今日もパンツ丸出しの見事な負けっぷり。可愛いですよ、奈理子さん」

気を失ったままのミラクルナイト。スカートは捲れたまま。ドリームキャンディはミラクルナイトのスカートを直そうとはしなかった。

「でも…せっかく、奈理子さんがパンツを見せているのに…」

ドリームキャンディは、丸出しの奈理子の白いショーツと観衆を見渡した。いつもであれば、奈理子のショーツに大歓声が上がるはずだが、観衆は心ここにあらずといっ感じだった。

「あとは、私に任せてください」

ドリームキャンディは、奈理子のショーツ越しに彼女の股間をツンツンしながら、寝息を立てるミラクルナイトに微笑んだ。
そして、彼女は、自信満々にブナシメジ男とフンコロガシ男に向き合う。

「本当の戦いはこれからです」

その声は、決して揺るがなかった。
しかし、ブナシメジ男の口元に、冷たい笑みが浮かぶ。
彼は、ドリームキャンディのことは分析済みだった。彼女は、キャンディチェーンを弾く硬い甲殻を持つ相手が苦手なことを知っている。

「フンコロガシ男、おまえに、任せる」

ブナシメジ男は、一歩、引く。
ウズムシ男たちは、ドリームキャンディの注意がブナシメジ男とフンコロガシ男に注がれている隙を見逃さなかった。十体のウズムシ男が、無防備なミラクルナイトに悪戯をしようと迫る。その下劣な目つきは、ミニスカートから伸びる奈理子の瑞々しい太ももに注がれていた。
それを察した、ドリームキャンディ。

「お邪魔な方は、どいてもらいますッ!」

彼女は、ウズムシ男たちに向かって腕を振りかぶる。

「キャンディシャワー!」

ドリームキャンディから放たれた虹色の光。それは、ウズムシ男たちを消滅させた。光に触れたウズムシ男たちは、塵となって散った。

「…な…十体のウズムシ男が…一瞬で…」

十体のウズムシ男が瞬時に全滅したことに、ブナシメジ男は唖然とする。

「卑劣なブナシメジ男、今日こそ、けちょんけちょんにしてやります!」

ブナシメジ男の額から、冷や汗が流れる。ドリームキャンディがミラクルナイトよりはるかに強いことは分かっていたが、予想外の出来事だった。

ドリームキャンディは、そのキャンディチェーンを、巨大なチュッパチャプスに変形させた。ロリポップハンマー。その重そうなハンマーをブナシメジ男に向ける。

「子供のくせに…」

ブナシメジ男が、忌々し気にそう呟いたとき、フンコロガシ男に肩を掴まれた。

「邪魔だ、下がってろ」

フンコロガシ男は、ブナシメジ男を後ろへ引き下がらせた。

「二人まとめて、倒してあげます!」

ドリームキャンディは、そのロリポップハンマーを振りかぶる。虹色の光を放つ巨大な飴玉が、夕闇に揺れた。

「いきますッ!」

彼女のかけ声と共に、ハンマーは打ち下ろされる。

「フンッ!」

フンコロガシ男は、その体を小さく沈ませてかわす。ドリームキャンディの全力の一撃は、彼のわずか数センチ横を通過していく。地面が砕け、石畳が舞い上がる。
さらに、ドリームキャンディは、ロリポップハンマーを横に払う。

「当たるか!」

しかし、フンコロガシ男は、さらに避ける。彼の動きは、鈍重そうな体とは裏腹に、驚くほどしなやかだった。

「お前、なかなかやるな」

フンコロガシ男は、そう言うと、ドリームキャンディの一瞬の隙を見抜いた。彼の腕が、彼女の胴体を捕らえる。

「きゃあッ!」
ミラクルナイトと同じく、ドリームキャンディもフンコロガシの要領でゴロゴロと転がされる。転がりながらも、彼女は、ロリポップハンマーを突き出す。ハンマーの先端が、フンコロガシ男の腹に突き当たる。

「うぐッ!」

それでも、フンコロガシ男は後退する。

「さすが、フンコロガシ男。ドリームキャンディを相手に、一進一退か」

一進一退の戦いに、ブナシメジ男は、感心した。

「ドリームキャンディはフンコロガシ任せてよさそうだ」

そう判断したブナシメジ男。彼は、パンツ丸出しのまま気を失っているミラクルナイトを、お持ち帰りしようと菌糸を伸ばした。地面を這う白く細い糸。それは、ミラクルナイトの足元に向かって、ゆっくりと進んでいく。
その時、ドリームキャンディが、ミラクルナイトの危機に気づく。

「奈理子さん!」

彼女は、ブナシメジ男に向かってキャンディシャワーを放とうとした。しかし、その瞬間。

ドン!

フンコロガシ男は、地面を殴った。地盤が揺るがされ、広場全体が大きく揺れる。揺れに、足元をすくわれたドリームキャンディは倒れる。

「きゃっ…!」

倒れたドリームキャンディに、フンコロガシ男が、覆いかぶさる。その重い体が、彼女を押さえつける。

「きゃああッ!気持ち悪いッ!」

彼女は、もがく。しかし、フンコロガシ男の馬鹿力には勝てない。
一方、菌糸は、無事にミラクルナイトの足元に到達した。白い糸が、彼女の足首を絡めとる。さらに、太ももに、腰に。

「フフフ…遂に、奈理子を、捕獲した…」

と、笑みを浮かべるブナシメジ男。しかし、驚いたことに、菌糸は、ミラクルナイトのスカートをスルスルと脱がしてしまった。気を失ったままの彼女は、無防備な下半身を広場の冷たい空気に晒すことになる。

「ああッ!また、奈理子さんのスカートが!やめてください!」

ドリームキャンディは、フンコロガシ男の馬鹿力に押さえつけられて動けない。彼女の目の前で、ブナシメジ男は、ミラクルナイトに近づいていく。

「奈理子のショーツ…純白パンティは汚れてしまったが、九頭先生も喜んでくれるだろう」

ブナシメジ男は、そう呟き、奈理子に最適化された媚薬を股間に刷り込む。その液体が、彼女の敏感な肌に染みわたる。

「…んっ…」

股間に違和感を感じ、ようやく、ミラクルナイトは、目を覚ました。

「…あれ…?」

彼女は、自分の様子を確かめる。スカートを脱がされていることに気づき、焦る。しかし、菌糸による拘束と、媚薬の効果でどうすることもできない。体の奥から、不思議な熱が込み上げてくる。

「やめ…て…ッ…どうか…」

水都が誇る、二大ヒロインの、絶対絶命のピンチ。夕闇は、ますます、深くなっていく。


ショーツ越しに、ブナシメジ男の指が、ミラクルナイトの股間に媚薬を刷り込む。その指先は、意地悪く、彼女の最も敏感な部分を刺激する。

「…んっ…ひゃっ…!」

イキたくないのに、イきたくないのに、奈理子の体は、勝手に反応してしまう。媚薬が、彼女の理性を溶かしていく。体の奥から押し寄せる、快楽の波。彼女は、それに抗おうとする。

「やめ…て…ッ…イ…ヤァッ…!」

しかし、その抵抗は空しい。彼女の唇から漏れる声は、もはや、苦痛のそれではなく、快楽のそれだった。

「奈理子さん、ブナシメジ男なんかに負けないでください!」

ドリームキャンディの悲痛な叫びが聞こえる。しかし、ミラクルナイトには、それが届かない。彼女の世界は、もはや快楽の渦の中。

「あっ…あっ…あっ…っ…!奈理子、イク…!」

虚しく、絶頂を迎えてしまった。彼女の体は痙攣し、白い濁流が彼女のショーツを染め上げる。

「フフフ…いい顔だ」

ブナシメジ男は、奈理子の絶頂に達した蕩け顔を拝ませてもらおうと、ミラクルナイトのアイマスクを剥ぎ取った。
そこにあったのは、放心状態の奈理子の顔だった。瞳はうつろで、頬は真っ赤に上気している。悔しさと、羞恥と、快楽が混ざり合った表情。ブナシメジ男は、その顔に満足した。

「さて、お持ち帰りとでもしようか」

彼は、ミラクルナイトを肩に担ぐ。菌糸で縛られた彼女の体は、抵抗できず彼の肩にのしかかる。
しかし、その瞬間。

どかーん!

ブナシメジ男の体が、ふっ飛ぶ。
ミラクルナイトのピンチを知り、駆け付けたセイクリッドウインドが、ガストファングで殴り飛ばしたのだ。ガストファングによるハリセン叩き。彼女の必殺技。

「かっ…風間凜…!」

ブナシメジ男は、吹き飛ばされながら呻く。
セイクリッドウインドは、冷静に状況を確認する。倒れ込んだブナシメジ男。肩から滑り落ち、床に崩れるミラクルナイト。そして、フンコロガシ男に押さえつけられたドリームキャンディは、隙を突いてフンコロガシ男の腹を撃ち、脱出した。

アイマスクとスカートを剥ぎ取られたミラクルナイトは、羞恥と屈辱に項を垂れる。夕闇が、彼女の無防備な下半身を、無慈悲に照らし出す。汚れた純白のショーツは、絶頂の証を宿していた。しかし、媚薬の効果で、身体の火照りは収まらない。太ももの内側が、じりじりと熱くなっていく。

「凜さん、遅いです!」

ドリームキャンディは、駆けつけたヒロインに駆け寄る。セイクリッドウインドは、彼女の肩を軽く叩く。

「ごめんね、キャンディ」

セイクリッドウインド=風間 凜。彼女は、常に冷静に見える。しかし、内心は焦っていた。彼女は、カッコよく登場したつもりだった。しかし、観客の反応は薄い。誰も、彼女の登場に歓声を上げない。ブナシメジ男の仕業だと、彼女は察した。

「ブナシメジ男!市民たちに、何をした!」

彼女の、怒りの声が響く。

「ぐっ…」

セイクリッドウインドの圧に、ブナシメジ男は怯む。
セイクリッドウインドは、ミラクルナイトの仲間になる前は、ナメコ姫だった。料理の脇役に過ぎないブナシメジが、料理の主役を張るナメコに勝てるはずがない。その序列が、ブナシメジ男の心に刻まれている。さっさと、ミラクルナイトをお持ち帰りしなかったことを、彼は、後悔する。

「風間凜…ナメコ姫…いや、セイクリッドウインド…組織を裏切って、奈理子の味方になるなど…」

ブナシメジ男は、恨めしそうに、言う。

「黙れ、脇役のくせに」

さらに、セイクリッドウインドは、ブナシメジ男を挑発する。

「クソっ!フンコロガシ男、撤退だ!」

ブナシメジ男は、平伏してしまう。フンコロガシ男は、そんな彼を見て呆れる。

「フン、軟弱だ。裏切り者のナメコ姫を仕留める、いい機会じゃないか」

フンコロガシ男は、戦う気満々だ。彼の目が、捕食者のそれに変わる。
そんな中、ミラクルナイトは、我慢できずに自らの股間に手を伸ばす

「んっ…はぁっ…!」

彼女の指が、汚れたショーツの上を撫でる。媚薬の効果で、そこはすでに、敏感になっていた。

「奈理子さん…!」

ドリームキャンディは、彼女の、行動に、息をのむ。

「…見ろ、みろ。これが、水都が誇るヒロインの、情けない姿だ…」

フンコロガシ男は、嘲笑う。
セイクリッドウインドは、黙って彼女を見ていた。そして、彼女は、静かに、自身のマントを脱いだ。それを、ミラクルナイトの体に、かけてあげる。彼女の、羞恥を覆うために。

「…凜…さん…」

ミラクルナイトは、かろうじて、彼女の顔を見つめる。

「恥ずかしいことはないよ、奈理子。奈理子は、奴らの卑怯なやり方にハメられただけ」

セイクリッドウインドの、声は静かで、しかし、強かった。

「卑劣だと?フン、奈理子は正々堂々と戦って、俺に負けたじゃないか」

フンコロガシ男は、そんな彼女たちを邪魔するように、前に出る。

「そうなの?」

セイクリッドウインドは、ドリームキャンディに振り返った。

「はい。奈理子さんは、普通に戦って、普通にフンコロガシ男に負けました」

ドリームキャンディが答える。

「なんで、そうなる前に奈理子を助けなかったのよ!」

「一対一の戦いを望んだのは、奈理子さんです!」

言い合う二人。

「何をゴチャゴチャ言ってんだ!さあ、来い、ナメコ姫。お前の、そのプライド、俺様が砕いてやる」

フンコロガシ男は、セイクリッドウインドに、立ち向かう。


ミラクルナイトは、セイクリッドウインドのマントに包まれ、その温もりと重みに身を委ねる。羞恥を紛らわそうと、股間をこするのをやめようと我慢しようとする。しかし、媚薬の効果は、酷かった。彼女の意思とは関係なく、腰が、勝手に動く。マント越しに、自慰行為が伝わってしまう。

「んぐ…っ…はぁっ…」

声が漏れないように、耐えているつもりだった。しかし、無駄な努力だった。彼女の唇からは、甘い吐息が漏れ、さらに、それだけではなかった。

クチュ…クチュ…

そんな、卑猥な音まで、漏れていた。

「…奈理子…」

その様子に、セイクリッドウインドの神経が、繊細に削られていく。彼女の瞳が、わずかに揺らぐ。しかし、敵は、目前にいる。フンコロガシ男は、引かない。彼は、ただ、嘲笑うように二人を見つめていた。

「フフフ…いい光景だ。ナメコ姫と、発情したメス豚が」

その言葉が、引き金になった。

「フンコロガシ男!」
ドリームキャンディは、フンコロガシ男の注意がセイクリッドウインドに向けられている隙を突いた。彼女は、組み伏せられたときに手から離れたロリポップハンマーを拾い、その先端を彼に向けた。

「ロリポップ凄い突きッ!」

光を纏った飴玉が、猛スピードでフンコロガシ男に突進する。

「ぐわッ!」

不意を突かれたフンコロガシ男は、ふっ飛ばされた。

「今だ!」

セイクリッドウインドは、その一瞬を見逃さなかった。彼女は、素早くガストファングを振るう。ガストファングが巻き起こした竜巻が、ロリポップ凄い突きを喰らいよろめいていたフンコロガシ男と、ブナシメジ男を巻き込む。

「うおおおッ!」
「うわああッ!」

二人の悲鳴が、夕闇に響く。竜巻は、二人を遠くへ飛ばしていった。
ブナシメジ男とフンコロガシ男が小さくなり、見えなくなるのを確認したセイクリッドウインドとドリームキャンディ。広場には、再び、静寂が戻る。
しかし、その静寂は、やがて、淫猥な音によって破られる。

クチュ…クチュ…くちゅぅッ…!

ミラクルナイトは、オナニーに耽っていた。マントの下で、彼女の体は、絶頂へと向かって暴走していた。


「あれ?ミラクルナイトだ。スカート穿いてない!」
「凜ちゃんとキャンディもいる。三人とも変身してるぞ?!」
「奈理子ちゃんの公開収録があってたはずだけど…ここで、何があったんだ?」

観客が正常に戻る。ブナシメジ男の術にかかっている間の記憶は無いようだ。

「ンッ…イッちゃう…奈理子、みんなの前でイクッ…」

それを目の当たりにして、ミラクルナイトは絶頂し、崩れ落ちる。ドリームキャンディとセイクリッドウインドはミラクルナイトを観客から隠すように抱え上げ、その場を離れる。
ドリームキャンディとセイクリッドウインドは、顔を見合わせる。彼女たちが直面しているのは、勝利の余韻ではなかった。それは、仲間の尊厳が、踏みにじられる、生々しい現実だった。

クチュ…くちゅぅッ…!

マントの下から漏れる音は、ますます激しくなる。ミラクルナイトは、もはや、恥ずかしさすら感じていないのだろうか。彼女の体は、媚薬という名の檻に囚われ、快楽の奴隷となっていた。

「…もう、我慢できないみたいね」

セイクリッドウインドは、静かに、呟いた。ドリームキャンディは、ドロップ缶から、薄荷飴を取り出した。

「あ…それ、強烈なヤツね」

セイクリッドウインドは顔を顰める。

「はい。でも、これしかありません」

ドリームキャンディは、薄荷飴をミラクルナイトの口にねじ込む。

「んぐ…!?」

突然の刺激と冷たさに、ミラクルナイトは目を見開く。彼女の体が、痙攣する。薄荷の強烈な刺激が、媚薬の効果を相殺する。

「あ…ああ…ッ…」

彼女の、声が、戻ってくる。

「奈理子さん、大丈夫ですか?」

ドリームキャンディが、心配そうに聞く。

「…寧々ちゃん…凜…さん…」

ミラクルナイトは、かろうじて二人の顔を認識する。

「…はずかしい…」

彼女の声は、かすれていた。

「でも、終わりじゃない」

セイクリッドウインドは、彼女の手を握る。その手は強く、そして、温かかった。

「私たちは、まだ、戦う。奴らのやったこと、倍返しにしてやる」

「…はい…」

ミラクルナイトは、小さく頷いた。彼女の瞳に、再び、光が宿る。

「でも、奈理子さんの、今日の姿も、私は好きです。悔しそうな顔も、苦しそうな顔も、恥ずかしそうな顔も、全部、奈理子さんの一部だってこと、知ってます」

「寧々ちゃん…」

ミラクルナイトの、瞳に、涙が、浮かぶ。

「今みたいに、スカートを脱がされてるの、恥ずかしいですか?」

ドリームキャンディは、聞いた。

「…恥ずかしい…」

「でも、でも、私は、奈理子さんのその姿、好きです。私だけじゃなく、市民のみんなも、可愛い奈理子さんが、スカートを脱がされても、恥ずかしいことをされても、また、立ち上がる姿を。見たいんです」

彼女の言葉が、ミラクルナイトの心に響く。

「恥ずかしけど…みんなが、見たいのなら…」

ミラクルナイトは、小さく、頷いた。

「だから、だから、これからも…」

「はい。これらも、戦いましょう」

寧々は、微笑んだ。

「…フ〜ン…奈理子は、恥ずかしいけど、みんなが見たいなら、パンツを見せてもいいのね」

セイクリッドウインドはニヤニヤとしながら、奈理子の汚れたショーツの上からお尻を撫でてやった。

「ひゃッ!凜さん、触らないで!」

「そんなことしたら、凜さんのスカート、捲っちゃいますよ」

ドリームキャンディが、セイクリッドウインドウのスカートを捲る。

「わッ、寧々、何すんの!」

3人のヒロインの戦いは、まだ、続く。

(第241話へつづく)

あとがき