DUGA

ミラクルナイト☆第94話

水呑町、古びたビルの3階に糸井の探偵事務所はひっそりと存在していた。入り口のガラスにはハチの巣状のヒビが入っていたが、中は意外ときちんと整理されている。カオリと香丸は、そのドアを叩き、糸井の元へと駆け込んだ。

「バッタ男を止めて!」

とカオリは糸井の事務机前で必死の顔で頼んだ。高齢者連続殺人事件の犯人であるバッタ男を捕らえることができるのはクモ男である糸井しかいない。街を恐怖に陥れているバッタ男。その名のもとに多くの高齢者が命を奪われていた。高齢者連続殺人事件の犯人であるバッタ男を捕らえることができるのは、このクモ男こと糸井しかいないとカオリは考えていた。

だが、糸井は一向にバッタ男の話に耳を傾けようとしなかった。彼の関心は、以前に香丸から受けたある調査依頼にあった。

「シオマネキ女の情報が手に入った。それと、セイクリッドウインドの居場所もな」

と彼は香丸の方に言った。

「シオマネキ女って、どういう女性ですか?」

香丸の声に、興味と警戒が混ざっていた。

「地味で、陰湿、根暗なOLだな。」

と糸井は答えた。

香丸は苦笑を浮かべ、

「全くのブラックリストですね」

と返した。

そのやり取りにカオリが割って入る。

「今の問題はバッタ男よ!」

糸井はゆっくりと彼女の方を向いた。

「ミラクルナイト、セイクリッドウインド、ドリームキャンディ、この3人が力を合わせれば、バッタ男を倒せる。街の平和は、彼女たちの仕事だろう?」

と糸井は冷静に提案した。

カオリと香丸は、彼の言葉に思案の淵に沈んだ。


水都市民病院の白く静かな病室に、バッタ男に敗れたミラクルナイトこと奈理子が横たわっていた。彼女の顔色は青白く、その瞳は空虚な光を帯びていた。ベッドの脇には、心配そうな弟・隆とそのクラスメイト・寧々が立っていた。

「姉ちゃん、しっかりしろよ?」

隆が小さな声で尋ねるが、奈理子は反応しない。彼女の心は遠く、戦いの記憶に囚われていた。

「私は…負けた…」

奈理子の心の中で、その言葉がぐるぐると回っていた。これまで何度も戦いに敗れては立ち上がってきた彼女だが、バッタ男のホッパーキックは、彼女のミラクルナイトとしての自信と誇りを揺るがすほどの破壊力を持っていた。

フェアリーシールドで何とか威力を減殺し、気絶で済んだ彼女だが、もしまともにホッパーキックを受けていたらと思うと、身の毛がよだつ。彼女は深く理解していた。ミラクルナイト一人のでは、バッタ男には勝てないことを思い知らされた敗北だった。

そして、彼女の心はセイクリッドウインドのことへと移った。カラクサ男に捕らえられて以来、行方が知れない彼女のことが、奈理子の心をより重くしていた。

病室の窓の外を眺める彼女の瞳には、迷いと不安が浮かんでいた。どうすればバッタ男を倒し、セイクリッドウインドを救えるのか。その答えは、奈理子には見つからなかった。


病室に静かな空気が流れる中、寧々が優しく奈理子に声を掛けた。

「奈理子さん、元気を出してください」

しかし、奈理子は力なく微笑むだけで、心からの笑顔ではなかった。

突如として、ドアが勢い良く開き、

「奈理子、いつまで落ち込んでんの!」

と、路地裏の占師が元気よく病室に入ってきた。

「鈴さん…」

奈理子の目には、ほんの少し光が戻った。

「セイクリッドウインドの居場所が分かったわよ」

と鈴は告げる。その言葉に寧々は目を輝かせ、驚きの表情を浮かべた。鈴は糸井が調べ上げた情報を奈理子に伝えたのだった。

「糸井さんって、何者なんですか?」

奈理子が尋ねると、鈴は

「そんなことはいいから、早く起きなさい!」と一喝し、奈理子の布団を剥ぎ取った。すると、丈の短い病衣のガウンが開けられ、奈理子の白い肌ショーツが露わになった。寧々と隆は思わず目を見開き、その光景に釘付けとなる。

奈理子は恥ずかしそうにガウンで体を隠しながら、

「ミラクルナイトの力ではセイクリッドウインドを助けることは…」

と、自信無さげに呟く。

「奈理子一人じゃないでしょ!ドリームキャンディがいるじゃない」

と鈴が叱咤し、寧々もうんうんと頷く。

「でも、ドリームキャンディにどうやって伝えたらいいのか分からないし…」

と奈理子が言うと、

「姉ちゃんがセイクリッドウインドを助けに行けば、絶対ドリームキャンディもやってくるぜ」

と隆が力強く言う。

「そうですよ奈理子さん。一緒にセイクリッドウインドを助けましょう!」

と寧々が力強く言う。

「寧々ちゃんと…?」

奈理子が不審げに寧々の言葉を受けると、

「細かいことはいいから、さっさと行きなさい!」

と鈴が奈理子のお尻を軽く叩いた。その一挙一動に、奈理子は気づかぬうちに力を取り戻し始めていた。


ミラクルナイトは、敵の潜むアジトを目指し、水都の郊外、茂みが生い茂る山中を一歩一歩進んでいた。空からの探索が最も効率的ではあるが、そうしてしまえば敵に容易に気付かれてしまう。それだけは避けたい。不安な心中を抱えながら、

「この先にあるはずだけど…」

と呟く。その言葉が終わるか終わらないかのうちに、突然足元が引っ掛かり、ミラクルナイトは

「きゃっ!」

と悲鳴を上げた。地面からは瞬く間に網が飛び出し、ミラクルナイトはそれに捕獲され、木に吊るされてしまった。

「何これ?」

ミラクルナイトが驚きの声を上げるが、周囲には誰もいない。

「こんなの、嫌だ…」

網の中で呆然とするミラクルナイト。だがその静寂は長くは続かなかった。

暫くして、何かが引っかかったことに気付いた敵が次々と現れた。彼らはヌルヌルとした不気味な姿をした怪人たちで、数えれば五人。

「おお!ミラクルナイトがかかったぞ」

「こんな罠にかかるとは、マヌケだな」

「今日のパンツも白か」

などと、網で吊るされたミラクルナイトを見上げ、嘲笑する怪人たち。悔しさのあまり、ミラクルナイトは何も言い返せなかった。

そんな中、森の中から響く

「奈理子さんをバカにするのはやめなさい!」

の声。瞬時にキャンディチェーンが飛び出し、怪人の一人の体を真っ二つに切り裂いた。

「ドリームキャンディ!」

ミラクルナイトは歓喜の声を上げる。しかし、ドリームキャンディの目には驚きが浮かぶ。切り裂かれた怪人は、それぞれ再生し、二人の怪人となっていた。

「俺たちはウズムシ男。仲間を増やしてくれて礼を言うぜ、ドリームキャンディ」

と、新たに六人となったウズムシ男たちは得意げに宣言した。状況は思わぬ方向へと進んでいた。


ドリームキャンディは六人のウズムシ男たちに囲まれ、戦局が厳しさを増す。ミラクルナイトのピンチに颯爽と登場しょうと思っていたドリームキャンディだが、思わぬピンチに焦っていた。ミラクルナイトからの激励の声もあってか、彼女の内には新たな決意が芽生えていた。しかし、ウズムシ男たちは予想以上に手強い敵であった。

「ドリームキャンディ、気をつけて!」

網で捕らわれ木に吊るされたミラクルナイトの心配げな声が木々の間を響き渡る。

ドリームキャンディは一瞬ミラクルナイトの方に目を向けたが、すぐに前に集中を戻さざるを得なかった。ウズムシ男たちが一斉に襲いかかってきたのだ。

彼女は身を軽くし、ウズムシ男たちの攻撃を巧みにかわしていく。ウズムシ男のパンチを躱し、肘打ちを喰らわす。次に襲って来たウズムシ男の攻撃も躱し、回し蹴りを喰らわす。彼女の動きは瞬く間にウズムシ男たちを翻弄し、彼らは次々と地面に叩きつけられていった。

「あれ?ウズムシ男ってそんなに強くない…」

ドリームキャンディは心の中でつぶやき、つい油断してしまった。彼女の強烈なチョップがウズムシ男の身体を裂き、その瞬間、新たなウズムシ男が誕生した。

「しまった!」

彼女はすぐに悟った。ウズムシ男の真の力は、その柔らかく粘液に覆われた身体にあったのだ。ドリームキャンディの攻撃はウズムシ男には全く効いていない。彼らを切り裂いても、彼らはただ増えるだけであった。

しかしドリームキャンディはまだ諦めていなかった。キャンディチェーンによる斬撃もダメ、肉弾戦による打撃もダメ。こうなったらこれしかないと、彼女は奥の手、キャンディシャワーを放つことを決意した。彼女の手から放たれた虹色の光が、七人のウズムシ男を包み込む。光が彼らを包む中で、ドリームキャンディはこの技が効果を発揮することを祈った。


キャンディシャワーの光がウズムシ男たちを一掃し、辺りには安堵の息が漂った。ドリームキャンディは、打撃を受付けない柔軟な身体に分裂再生能力を持つ恐るべき敵を倒し一息つく。

「キャンディ、ここから降ろしてぇ〜」

網で捕らわれ、木に吊るされていたミラクルナイトの声が甲高く響いた。ドリームキャンディは敏速に反応し、キャンディチェーンで木の枝をばっさりと切り落とし、ミラクルナイトを地面へと降ろした。

「イタタタタ…ありがとう、キャンディ」

網から出てきたミラクルナイトは、痛々しげながらも笑顔でドリームキャンディに感謝の言葉を述べた。

「奈理子さん、簡単に罠に掛かりすぎですよ」

ドリームキャンディは苦笑いしながら、彼女に助言を送った。

進んで行くと、目の前には古びた別荘が姿を現した。

「ここが敵のアジトね」

とミラクルナイトは固い表情で言い、ドリームキャンディも

「この中にセイクリッドウインドが…」

と言葉を続けた。

別荘に近づく二人の前に、突如として別荘の扉が開き、五人のウズムシ男が飛び出してきた。

「キャンディ、ここは私に任せて先に行って」

とミラクルナイトは力強く言い放った。

「大丈夫ですか、奈理子さん?」

ドリームキャンディは心からの心配を込めて彼女に尋ねた。

「キャンディばかりに良い格好させられないからね」

ミラクルナイトは決意の表情で答えた。

ドリームキャンディは彼女の本当の心情を察しながらも、

「任せましたよ、奈理子さん」

と言い、セイクリッドウインドを助け出すため別荘へと急いだ。ウズムシ男たちが彼女を追おうとしたが、ミラクルナイトが立ち塞がり、

「あなたたちの相手は私よ」

と力強く宣言した。彼女の目は決意に燃えており、ウズムシ男たちにとってこれが容易な戦いにはならないことを予感させる瞬間であった。


「さっきは罠に掛かったけど、今度はそうは行かないわ!」

ミラクルナイトの目には燃えるような決意が宿っていた。彼女は五人のウズムシ男を睨みつけ、その場の空気を一変させた。しかし、ウズムシ男たちは彼女の闘志を嘲笑うかのように、彼女のミニスカートから伸びる生脚に目をやりながら、

「ドリームキャンディより奈理子の方が楽しめそうだな」

と不敵に笑った。

ミラクルナイトは彼らの視線に気付き、慌ててスカートを抑えながら

「馴れ馴れしく名前で呼ばないで!」

と怒りを露わにした。しかし、彼女の中には冷静さが残っていた。ドリームキャンディとウズムシ男との戦いを目の当たりにして、彼女はウズムシ男たちには打撃が効かないことを理解していた。

「打撃がダメなら絞めるしかないわ!」

ミラクルナイトは心の中で決意し、一番近くにいるウズムシ男に飛び掛かった。

ミラクルハピネスシザーズ!」

彼女の太腿がウズムシ男の首を容赦なく絞め上げた。

「何これ?気持ち悪い…」

ミラクルナイトは自分の肌がウズムシ男のヌルヌルとした体液に覆われる感触に気付き、嫌悪感を隠しきれなかった。彼女の股間はウズムシ男の粘液にまみれ、不快感が彼女を襲った。しかし、ミラクルナイトはミラクルハピネスシザーズを解くわけにはいかなかった。

彼女は力を振り絞り、ウズムシ男の首を絞め続けた。しかし、ふと彼女の太腿が軽くなる感覚がした。ウズムシ男が分裂してしまったのだ。彼女の前には今や六人のウズムシ男がいた。

「奈理子のパンツ、いい匂いだったぜ」

ミラクルハピネスシザーズを受けたウズムシ男が下品な笑みを浮かべて言った。

「俺にもそれやってくれよ」

と他のウズムシ男が続けた。

ミラクルナイトは六人のウズムシ男に囲まれ、彼女の状況は一気に厳しくなった。果たして彼女はこのピンチを切り抜けることができるのか?目の前の危機に、彼女はどのように対応するのか?その答えは、彼女自身が持っている強さと勇気にかかっていた。


森の奥深くにひっそりと佇む別荘に、ドリームキャンディは足を踏み入れた。アンティークな家具と装飾が目を引くが、長い年月の無風で埃が積もり、荒れ果てた様子があちこちで見受けられた。屋敷内は静かで、人の気配は感じられなかった。

外からミラクルナイトの悲鳴が聞こえてきたが、彼女は意を決し、それを無視することに決めた。彼女はミラクルナイトに全信頼を寄せており、彼女に任せた以上、今は自分の目の前の任務に集中する必要があった。

彼女は部屋を隅々まで調べ、ついにキッチンの床の一角が開くことに気付いた。

「収納庫かしら?」

と疑問を抱きながら、ドリームキャンディはそれを開けると、地下へと続く階段が現れた。彼女は躊躇せずに階段を降りていった。

地下は思ったよりも広く、薄暗い中で彼女は

「凜さ~ん!」

と叫び声を上げたが、返事はなかった。その瞬間、ドリームキャンディは背後から何者かに突き飛ばされ、彼女は思わず前方に転倒した。彼女が視線を上げると、ウズムシ男が一人、彼女の前に立っていた。背後には彼女を突き飛ばしたもう一人ウズムシ男。

彼女は二人のウズムシ男に挟まれた。

「凜さんはどこ!」

と彼女は叫んだが、

「うるさい!」

とウズムシ男が襲い掛かってきた。ドリームキャンディは彼らの攻撃を軽々とかわしたが、彼女の攻撃もウズムシ男の柔らかい身体には全く効果がなかった。

彼女は知っていた。ウズムシ男を倒すにはキャンディシャワーを使うしかないが、それは彼女の体力を著しく消耗する。できれば彼女はその技を何度も使いたくはなかった。しかし、ウズムシ男の粘液に滑った彼女のパンチが空を切り、彼女自身が倒れ込む結果となった。

このままでは決着がつかない。ドリームキャンディは決断し、キャンディシャワーを放った。キラキラと輝く虹色のキャンディが降り注ぎ、二人のウズムシ男は消滅した。しかし、彼女の体力は残り僅かだった。

「早く凜さんを見つけなきゃ…」

と自らを鼓舞しながら、彼女は地下の奥へと進んでいった。そして、その前に現れたのは重厚な扉だった。


外の世界は、絶望に満ちていた。ミラクルナイトは地面に這いつくばり、彼女の周囲には六人のウズムシ男が取り囲んでいた。六人のウズムシ男に翻弄された彼女の身体は力尽き、心は限界近く。だが、彼女の眼にはまだ炎が灯っていた。

「私は…あなたたちには絶対に屈しない…」

彼女の言葉は弱々しくも、確固とした意志を感じさせるものだった。

しかし、ウズムシ男たちはそれを嘲笑った。一人のウズムシ男が

「ほれ!」

と叫ぶと、彼女のスカートを乱暴に捲り上げた。白いショーツが露わになり、彼らの笑い声が森の中に響き渡る。一人のウズムシ男にミラクルナイトは無理矢理立たされ、羽交い絞めにされた。他の二人には彼女の両脚を抱え上げられた

「あぁ…」

彼女の声が漏れる。

「こんな格好にされても屈しないなんて言えるのか?」

とウズムシ男が彼女のショーツに手を伸ばし、クロッチ越しに奈理子の大切な個所を撫でながら嘲笑する。彼女は絶望に震えながらも、

「私は…くぅん…ぜっ…たいに…あぁ…くっ…し…はぁん…ないんっ…」

と何とか言い切った。

「おー、さすが正義のヒロイン奈理子ちゃんだ。よく言えましたー」

とウズムシ男が拍手し、他のウズムシ男たちは

「喘いでパンツ濡らしてるくせに何言ってんだ」

などと嘲笑う。彼女の心は折れそうになかったが、彼女の身体はすでに限界を迎えていた。

「絶対に屈しないと言うのならベッドの上で試してみようぜ」

と一人のウズムシ男が提案し、

「奈理子、俺たちがたっぷりかわいがってやるよ」

と彼女に宣告する。彼女はウズムシ男たちによって担がれ、別荘の中へと連れて行かれた。

彼女の運命やいかに。希望は残されているのか。それとも、彼女は絶望の淵で何かを見出すのか。物語は続く。


地下室への扉は重厚で、ドリームキャンディの心拍数を上昇させるような存在だった。彼女は深呼吸をし、決意を新たに扉を開けた。目に飛び込んできたのは、首に輪をかけられ、全裸で床に崩れ落ちている凜の姿だった。

凜の側には三人のウズムシ男が彼女身体を弄ぶかのよう触っていた。彼らはドリームキャンディの姿を見て、驚きと共に

「お前、どうやってここに…」

と言葉を漏らす。しかし、ドリームキャンディは彼らの言葉を無視し、全ての感情を押し殺して

「凜さん!」

と叫びながら凜に駆け寄ろうとした。

「凜を渡すわけにはいかん!」

ウズムシ男たちがすぐに彼女の前を遮った。「どきなさい!」

とドリームキャンディが力強く彼らを突き飛ばすと、ウズムシ男たちは驚きと共に吹き飛ばされた。

「凜さん、しっかりして!」

彼女は凜を抱き上げ、その頬を優しく叩く。一人のウズムシ男が立ち上がり、

「凜は大切な商品だ。顔に傷をつけるなよ」

と不気味な笑みを浮かべながら言った。

「凜はこれからK国に売られるんだよ」

彼は冷静に説明した。

「なんてことを…」

怒りに震えるドリームキャンディ。

「お前も凜と一緒にK国に売り飛ばしてやろうか」

と一人のウズムシ男が彼女に迫った。

しかし、ドリームキャンディは怯むことなく、キャンディチェーンを振り回し、凜の首輪に繋がれたリードをバッサリと切断した。そして、襲い掛かるウズムシ男たちに対して体当たりを喰らわせ、一人を壁に激突させる。

「こんなもん、効かねぇよ」

とウズムシ男は嘲笑しながら立ち上がった。残りのウズムシ男たちも再びドリームキャンディに襲い掛かろうとしていた。ドリームキャンディと凜、二人の運命は一体どうなるのか。この暗く、重苦しい地下室で繰り広げられる戦いはまだ終わらない。


戦闘の最中、ドリームキャンディは三人のウズムシ男と向き合っていた。彼らは単独ではそう強力ではなかったが、恐ろしい再生と分裂の能力を持っており、通常の攻撃ではほとんど意味を成さなかった。しかし、状況は切迫しており、出し惜しみしている場合ではなかった。

彼女はキャンディシャワーを取り出し、一気にウズムシ男たちを一蹴する。彼らが消滅すると、ドリームキャンディはすぐさま凜のもとへ駆け寄り、その重い首輪を外してやる。

「寧々…」

ようやく凜が意識を取り戻すと、ドリームキャンディは涙を流しながら彼女を強く抱きしめた。

「痛いよ、寧々」

と凜が恥ずかしそうに言う。

「凜さんが無事でよかったです」

とドリームキャンディは言った。凜は顔を上げ、

「奈理子は?」

と尋ねる。

「奈理子さんは外でウズムシ男と戦ってます。ウズムシ男は何人いるんですか?」

とドリームキャンディが返す。

「あいつら分裂するから分からない。ウズムシ男の本体はここにはいないと思う」

と凜は答えた。ドリームキャンディは、今まで戦ってきたウズムシ男は、本体から分裂したものらしいことを理解した。

「凜さん、変身できますか?」

とドリームキャンディが尋ねる。

「変身はできると思う。裸のままじゃ帰れないしね」

と凜が応じ、彼女の身体が緑色の光に包まれ、セイクリッドウインドに変身した。

「大丈夫ですか?」

とドリームキャンディが気遣う。

「奈理子も助けに来てくれたのなら、早く加勢に行かなきゃ」

とセイクリッドウインドは力強く答えた。

こうして、二人のヒロインは再び力を合わせる決意を新たにし、ウズムシ男たちとの戦いに再び挑むのであった。


地下室から脱出したドリームキャンディとセイクリッドウインドは、一階の静寂に緊張を感じながらも、予想していた戦闘の音が聞こえないことに戸惑いを隠せなかった。ミラクルナイト、奈理子は外でウズムシ男たちと戦っているはずだったが、その音が全く聞こえないのだ。

「おかしいな…。奈理子さんが戦っているはずの外じゃなくて、騒がしい音が二階から…」

ドリームキャンディはそう言い残し、セイクリッドウインドと共に2階へと急いだ。階段を駆け上がる足音が、彼女たちの急ぐ気持ちを反映していた。

二階に到達すると、ウズムシ男たちの笑い声と罵声が耳に届いてきた。声の中には奈理子の声はなく、彼女がどうにかして反抗している様子もない。耳を澄ませると、ミラクルナイトがウズムシ男に捕まってしまっていることが明らかになった。

「奈理子さんっ…!」

ドリームキャンディは歯を食いしばり、セイクリッドウインドと共に騒がしい部屋のドアに向かった。ドアを開けると、そこにはベッドに仰向けに押さえつけられたミラクルナイトの姿が。彼女の股の間からウズムシ男が覆いかぶさっており、ミラクルナイトの足首には奈理子の清純の証である純白のショーツが悲し気に絡まっていた。

ドリームキャンディとセイクリッドウインドは、瞬時に状況を把握し、強烈な怒りが彼女たちの心を満たした。

「許さないっ!」

ドリームキャンディの声は震え、セイクリッドウインドの瞳は燃えるような怒りで光った。奈理子を守るため、そして彼女の名誉を守るため、二人は闘志を燃やし、ウズムシ男たちに立ち向かう準備を整えた。


「奈理子さんから離れなさい!」

ドリームキャンディの声が部屋に響き渡る。ミラクルナイトの顔が彼女の方を向き、その目には混乱と疲労が見て取れた。彼女のアイマスクは剥がされ、素顔の奈理子が露わになっていたが、その瞳ははっきりと焦点を合わせることができていない様子だった。

「奈理子が絶対に屈しないって言ってたんだよな。だから、本当に屈しないか試してみただけさ」

と、順番を待っていたウズムシ男が前に進み出て言った。ドリームキャンディは、その言葉に怒りを感じる一方で、ウズムシ男が五人から六人に増えていることに気づいた。

「言葉では屈しなかったけど、身体はすぐに屈したよな」

と、別のウズムシ男がミラクルナイトを見下しながら笑う。

「パンツを脱がせたら、自分から股を開いたぜ」

とミラクルナイトの上に覆いかぶさるウズムシ男が、彼女の頬を冷たく叩く。

「そんなこと…ない…」

ミラクルナイトの奈理子の瞳からは、力なく呟かれた言葉と共に涙が溢れ出ていた。

「キャンディ、どいて!」

セイクリッドウインドが前に出ると、彼女の怒りがその場に溢れ出た。

「私だけじゃなく、奈理子までもこんな目に合わせて、ただじゃ済まさないわ!」

セイクリッドウインドはガストファングを振るい、強風を発生させた。

「わっ!こんな狭い部屋の中で何をするんだ!」

ウズムシ男たちはパニックに陥り、部屋の中で身動きが取れなくなっていった。ドリームキャンディとセイクリッドウインドの怒りが、ウズムシ男たちに襲いかかる嵐となって吹き荒れた。


セイクリッドウインドの力で引き起こされた猛烈な風は瞬く間に竜巻へと変わり、寝室内のものすべてを巻き込んでいった。ミラクルナイトは力なくベッドに押さえつけられていたが、そのベッドが竜巻に飲み込まれそうになった瞬間、ドリームキャンディが彼女を助けるべく、キャンディチェーンを駆使してミラクルナイトを引き寄せた。

「やめろー!」

ウズムシ男の一人が絶叫した。しかし、その声が消えると同時に、彼ら六人のウズムシ男たちは竜巻に巻き込まれ、消えていった。

「お前たちなんか飛んでいけー!」

セイクリッドウインドは怒りに震えながらガストファングを振り回し、竜巻をさらに巨大化させた。竜巻は別荘の壁を容赦なく破壊し、ウズムシ男たちを遠くへと連れ去って行った。

静寂が戻った部屋の中で、ドリームキャンディはミラクルナイトをそっと抱きしめていた。彼女の衣服は乱れ、弱々しい姿が露わになっていた。肌は粘液にまみれている。ドリームキャンディは自らの判断を後悔し、彼女一人を残して別荘に入ったことを悔いていた。

ドリームキャンディはミラクルナイトよりも三歳年下だったが、ミラクルナイトのその細い身体は今、ドリームキャンディの腕の中で震えていた。弱々しいその姿が、ドリームキャンディの心を締め付けた。

セイクリッドウインドはその場に近づき、優しく2人を抱きしめ、

「せっかく私を助けに来てくれたのに、こんな目に合わせてしまってごめんね」

と謝罪した。その温かな抱擁の中で、ドリームキャンディは新たな決意を固めた。これからも三人で力を合わせ、街の平和を守っていくと心に誓ったのだった。

第95話へつづく)

あとがき