ミラクルナイト☆第140話
水都の街で現金輸送車が襲われる事件が頻発していた。その犯人はカエル男で、市警では手に負えないと判断した柏原蒼菜は、商店街のグフグフハンバーガーで野宮奈理子と風間凜に協力を仰いだ。
「カエル男は市警が全滅させたんじゃなかったんですか?」
奈理子が疑問を口にする。先日の水上山公園での戦いで、市警がカエル男を殲滅したと一般には報道されていたが、実際には市警がカエル男に一方的にやられたことが公には伏せられている。
蒼菜は、自身がリュウゼツラン女に変身しカエル男を倒したことを伏せたまま、カエル男にやられた蒼菜たちが目を覚ますとカエル男は全滅していたという筋書きを奈理子と凜に話した。
「私たち以外にも怪人と戦う人がいるのかな?」
凜が口にする。
「それは分からないわ。カエル男には拳銃が通用しない。市警が頼れるのは貴方たちしかいないの」
と蒼菜が真剣な表情で奈理子と凜を見つめた。二人は頷き合う。
「水玉銀行から囮の現金輸送車を出すわ。これでカエル男をおびき寄せる」
と蒼菜が作戦を説明する。
「そこで私たちがカエル男を倒すのね」
と凜が理解する。
「できれば、カエル男は消滅させずに生け捕りにして欲しいけど…」
蒼菜が希望を述べるが、
「捕まえるのは難しいと思います」
と奈理子がキッパリ言った。奈理子にとっては、倒すか犯されるかの戦いであり、そこまでの余裕は無い。
「そうね…無理を言ってごめんなさい」
と蒼菜は奈理子に頭を下げた。
宗教法人の顔を持つ『或る或る教団』のアジト、『或る或る天国』。天野妙華は部下からの報告を受けていた。水玉銀行の幹部にも『或る或る教団』の信者がいるため、市警の計画は妙華に筒抜けだった。
「市警め、小癪なマネを…」
妙華は呟いた。しかし、市警にはカエル男に対抗する術が無いことを知っている。これは無駄な努力だと、心の中でほくそ笑んだ。
「市警に更なる打撃を与える良い機会です。カエル男に出撃の準備を」
と妙華が指示を出す。
「それが…市警は奈理子たちに協力を仰いだようです」
と部下が報告する。
「奈理子たちに…」
妙華は考え込む。水上山公園の戦いでカエル男七名が全滅したことが思い出された。ミラクルナイトは取るに足らない存在だが、ドリームキャンディとセイクリッドウインドは侮れない存在だった。
「穢川研究所の渦巻さんに連絡を」
と妙華は命じた。ドリームキャンディやセイクリッドウインドに負けず、奈理子を貶める強力な助っ人を要請するためだ。
妙華の脳裏には、凌辱される水都が誇る美少女奈理子の姿が浮かんでいた。彼女はその光景を楽しみにしながら、計画を進めていった。
空色の爽やかなワンピース姿の奈理子が現れると、殺気立ったその場の空気が一瞬で華やいだ。
「今日もやる気満々ね」
と、凜は奈理子の二段に重なったガーリーなミニスカートを軽く捲る。捲らなくても奈理子の太股は露わになっているが、魅惑の太股を目の前にすれば捲らずにはいられない。
「やめてください」
頬を赤らめスカートを押さえる奈理子。
凜はTシャツにジーンズというラフな格好だ。奈理子は覚悟を持って戦いに臨むときには、思いっきり自分を可愛く見せる服装でやって来る。これが、奈理子なりの気合の入れ方だと知っている凜は、少し不安に感じた。こんなときの奈理子はたいてい敵に負けてしまうのだ。変身前の可愛い奈理子の姿と、無様に敗北した奈理子の姿のギャップが敵の嗜虐心を掻き立てる。
「奈理子、今日も可愛いよ」
凜は、奈理子にこれから降りかかる災難を予感しながらも、優しく言った。
偽装した現金輸送車が出発した。
「後を追うわよ。乗って」
と蒼菜がハンドルを握る覆面パトカーに奈理子と凜は乗り込む。奈理子と凜はまだカエル男と遭遇したことがない。カエル男は複数出現するという。奈理子は不安で押し潰されそうな思いで、車の窓から流れる景色を眺めていた。
車内は緊張に包まれていたが、奈理子の可憐な姿が少しだけその緊張を和らげていた。
「カエル男が現れたら、まずは私が前に出るから、奈理子は無理しないで」
と凜が言う。
「でも、私も戦えるわ」
と奈理子が決意を込めて答える。
「分かってる。でも、無理は禁物よ」
と凜が微笑んだ。
覆面パトカーは目的地へと向かい、奈理子の心には戦う決意と少しの不安が入り混じっていた。彼女の美しい太股とガーリーな姿は、戦いの前の一瞬の平穏を彩っていた。
車は市街地を抜け、山道に入った。カエル男は人目を避けるためか、街中では現金輸送車を襲ったことがない。蒼菜の車は一定の距離をとり現金輸送車を追っている。他の覆面パトカーも同じような行動を取っているはずだ。無線機が現金輸送車が停車したことを伝える。
「カエル男かな?」
凜が口にする。
「急ぐわよ」
蒼菜がアクセルを吹かす。いよいよカエル男との戦いが始まる。奈理子はドキドキする小さな胸に手を当て、気持ちを落ち着かせた。
現金輸送車が七匹のカエル男に取り囲まれていた。覆面パトカーが次々と到着する。蒼菜の車も停車した。
「お願い、カエル男を倒して」
蒼菜が奈理子と凜に告げる。
「奈理子、行くよ!」
凜が車から飛び出す。続いて奈理子も意を決して飛び出した。
「そこまでよ!カエル男!!」
場違いに見える清楚可憐なワンピース姿の奈理子がカエル男に宣言する。
「おっ、奈理子だ。可愛いぞ!」
「実物の奈理子は噂以上の上物だ」
「奈理子の太股、堪らねー!」
カエル男たちが奈理子の姿を見て涎を垂らし、歓喜の声を上げる。
「その愛らしいワンピース、脱がしてやるぜ!」
カエル男が奈理子に迫る。しかし、吹き飛ばされたのはカエル男の方だ。
「中学生戦士、ドリームキャンディよ!」
キャンディチェーンを操るドリームキャンディ。奈理子と凜から話を聞き、先回りしていたのだ。
「奈理子さん、早く変身を!」
ドリームキャンディが奈理子に促す。
「奈理子、次は変身シーンでカエル男を悩殺してやりなさい!」
既に変身したセイクリッドウインドが奈理子の脇を固める。
「変身中は攻撃させないから、安心して変身してください」
ドリームキャンディも奈理子の側に飛び降りる。奈理子は力強く頷くとアイマスクを天に掲げた。
アイマスクを装着し、光に包まれた奈理子の姿が一瞬消え、次の瞬間には水都の守護神、ミラクルナイトとして現れる。ワンピースの下から白いブラウスと水色のリボンが輝き、純白のショーツとスカートがひらりと舞い上がる。
「水都の平和を乱す者はミラクルナイトが許しません!」
高らかに宣言するミラクルナイト。
「行くよ、奈理子!」
セイクリッドウインドとドリームキャンディがカエル男に向かって突進する。カエル男たちは一瞬たじろぐが、すぐに反撃を開始する。
「ミラクルナイト、お前を捕らえてやる!」
カエル男の一匹が叫ぶが、ミラクルナイトの鋭いハイキックが彼の顔面を捉える。
激しい戦いが繰り広げられる中、ミラクルナイトはカエル男たち捕まりかけたが、ドリームキャンディがその危機を救った。
「私たちがついてるから、奈理子さんも負けないで!」
ドリームキャンディが叫ぶ。
「あぁ、私も負けられない!」
ミラクルナイトは再び勇気を振り絞り、カエル男たちに立ち向かう。
この日、水都のヒロインたち一つの勝利を掴むべく、カエル男たちとの戦いに全力を尽くした。ミラクルナイトの可憐な姿は、その戦いを一層引き立たせ、警官たちの心に希望を与えていた。
「ミラクルアクアティックラプチャー!」
「キャンディシャワー!」
「ウィンドサイクロンスラッシュ!」
三人のヒロインが次々と七匹のカエル男を倒していった。
「意外に呆気なかったですね」
とドリームキャンディが言う。
「ウズムシ男と違って分裂しないからやりやすかったね」
とセイクリッドウインドも続ける。
「そうね…」
とミラクルナイト。カエル男に捕らえられ、凌辱されることを覚悟していたミラクルナイトは、ホッと息をついた。
そのとき、ミラクルナイトの目に、カエル男に扉を抉じ開けられた現金輸送車が目に留まった。現金輸送車の中を見たことがないミラクルナイトは興味津々で中を覗き込んだ。
「興味あるの?」
と蒼菜がミラクルナイトに続く。
「よかったら、中に入ってみますか?」
現金輸送車の警備員が声を掛ける。
「いいんですか?」
ミラクルナイトが笑顔を見せた。
現金輸送車の金庫室に入ったミラクルナイトと蒼菜。荷台全体が金庫室になっている。
「銀行の輸送車だから簡易なものだけど、あれが金庫」
と蒼菜が金庫を指す。
「わぁ~」
ミラクルナイトが感嘆の声を上げる。簡易と言っても、そこには厳重な扉があった。そのとき、突然金庫室の扉がバタンと閉まった。
「えっ?」
驚いたミラクルナイトが振り返ると、金庫室の扉が閉まっていた。
「蒼菜さん、どうして…」
奈理子が問いかける前に、蒼菜が笑みを浮かべた。
「外には大勢の警察官がいるから心配しないで。すぐに開けてくれるわ」
蒼菜が言う。
「でも…」
金庫室の中からは外の様子が分からない。ミラクルナイトは、戸惑いながらも気を引き締めた。しかし、
「変ね。私たちが閉じ込められたことは外にいるみんなは分かっていると思うけど…」
外から扉が開けられる気配がないことに首を傾げる蒼菜。
「ここで焦っても仕方ないわ。まずは冷静になって、この状況をどう打破するか考えましょう」
蒼菜は冷静に口にした。
ミラクルナイトは、再び心を落ち着け、金庫室内の状況を把握し始めた。
「まずは、この金庫室の構造を調べて、脱出の手段を見つけなきゃ」
ミラクルナイトは周囲を見渡しながら言った。蒼菜はその姿を見守りながら、奈理子の成長を心から期待していた。
試練はこれからだが、ミラクルナイトはきっとこの困難を乗り越え、水都の守護神としてさらに強く、美しく成長することだろう。
「ふっふっ…掛かったな奈理子。奈理子捕獲作戦、大成功だ」
背後から響く声に、ミラクルナイトと蒼菜がドキッとした。密室に二人で閉じ込められたのだ。他に金庫室に人がいるはずはない。
「き、金庫…」
蒼菜が金庫の扉を見やると、バリバリと音を立ててチューブ状の触手が飛び出してきた。
「きゃあぁ!」
触手が蒼菜を突き飛ばし、ミラクルナイトのスカートをビリビリッと引き裂く。
「きゃ~ッ!」
奈理子の白地に様々な色の水玉が散りばめられたパンツが露わになる。
「奈理子はその格好がお似合いだ」
触手の化け物がミラクルナイトと蒼菜に迫る。
「いやぁ~!」
「あぁ…」
狭い金庫室の中では逃げ場がなかった。
「俺はハオリムシ男。奈理子、俺のチューブワームでたっぷり可愛がってやるぜ」
無数のチューブワームの触手を持つグロテスクな姿のハオリムシ男がニヤリと笑う。
「きゃ~ッ!」
ミラクルナイトはそのおぞましさに失神してしまった。
「フン、気絶しやがったか。まだ何もしてねぇのにな」
ハオリムシ男はそう言いながら、奈理子の水玉パンツまでも脱がしてしまった。
「やめなさい。この車は市警に取り囲まれているのよ!」
蒼菜が毅然としてハオリムシ男に言った。
「市警に何ができるんだ?こっちには奈理子と美人の女性刑事の人質がいるんだぞ」
ハオリムシ男は奈理子の股間から蒼菜へと視線を移した。
「くッ…」
下衆な視線を浴びせられ、蒼菜は唇を噛みしめるしかなかった。
「さあ、楽しませてもらおうか。まずは君からだ、美人刑事さんよ」
ハオリムシ男の触手が蒼菜に向かって伸びてきた。
「いやぁ!」
蒼菜は身を守ろうと必死に抵抗したが、触手はすぐに彼女のスラックスを剥ぎ取ってしまった。
「上はジャケット、下はパンスト。いい眺めだ」
ハオリムシ男の視線が蒼菜の肌色パンストに向けられる。
「奈理子、目を覚まして…」
蒼菜が必死に呼びかける。
しかし、ミラクルナイトは依然として意識を失っていた。絶望的な状況の中、蒼菜は心の中で誓った。
「絶対に負けない…必ず、奈理子を守ってみせる!」
その思いが、蒼菜に一筋の勇気を与えた。
「こんなところで終わるわけにはいかない…」
蒼菜は再び立ち上がり、ハオリムシ男に向かって挑む決意を固めた。しかし、その覚悟がどれほどの力を持つか、まだ誰も知るよしもなかった。
「ダメだ。開かない」
セイクリッドウインドは閉じられた現金輸送車の扉を開こうと試みたが、諦めて肩を落とした。ミラクルナイトと市警の蒼菜が中に閉じ込められているのだ。
「簡単に解決したと思ったのに、奈理子さんたら…」
ドリームキャンディが呆れ顔で呟く。
そのとき、現金輸送車からマイクで怒鳴り声が響いた。
「外にいる者、車から離れろ。さもなくば、中にいる二人がどうなるか分からんぞ!」
刑事たちが銃を構えるが、
「大人しく言うことを聞け。お前たちの動きはカメラで中から丸見えだ。言っておくが、奈理子の水玉パンツは既に脱がしてあるぞ」
と更に脅しの声が続く。
「一体、中で何が起きてるの…」
セイクリッドウインドが不安を募らせる。
「奈理子さんはやっぱりこうなる運命なのね…」
ドリームキャンディも同様に嘆息をつく。二人は奈理子の安全を祈るしかなかった。
車が動き出した。
「現金輸送車には緊急停止装置がついている。逃げても無駄よ」
蒼菜がハオリムシ男を睨む。
「この車にそんなものは付いていないぜ」
ハオリムシ男が笑う。確かに、現金輸送車は止まる気配もなく走り続けている。
「そうだとしても、GPSがあるわ。市警から逃げることはできない」
蒼菜は尚も毅然とした態度を崩さない。
「頭の悪い美人刑事さんだな。これは奈理子捕獲作戦だって言っただろ。この車は始めから奈理子を捕獲するために用意した車だ。美人刑事さんも付いてくるとは思わなかったがな」
ハオリムシ男は鼻で笑う。
蒼菜は愕然とした。市警の捜査情報が敵組織に漏れている。やはり、市警に内通者がいるのではないか…。そう考えながら、彼女は気を失ったミラクルナイトの無防備な姿を見つめ、市警のミスで奈理子を事件に巻き込んでしまったことを深く後悔した。
水都市内の雑居ビルにある『或る或る教団』の秘密アジト。
「お陰様で奈理子を捕らえることができましたわ。おまけに市警の女も一匹。菅さんにもよろしくお伝えください」
妙華は向かい合う冨貴に微笑みながら言った。菅とはハオリムシ男の正体である。
「奈理子をどうするつもりだ?」
冨貴が妙華に問いかける。
「カエル男たちの慰み者になってもらいますわ。もちろん、市警の女も一緒です」
と妙華はにこやかに答えた。
「手緩いな」
冨貴が呟く。ミラクルナイトはイソギンチャク男、最近ではカニカゲロウなど多くの強敵を倒してきたヒロインだ。軽視すると返り討ちに遭う恐れがある。しかし、冨貴は
「俺と菅は任務を遂行しただけだ。奈理子をどうしようと君たちの自由だ」
と言い残し、或る或る教団の秘密アジトを去って行った。
冨貴を見送った妙華も、
「私は『或る或る天国』に戻ります。思う存分、奈理子を可愛がってあげなさい」
と部下に言い残し、秘密アジトを出て行く。
ミラクルナイトと蒼菜は手枷をつけられ、牢に閉じ込められていた。
「奈理子さん、ごめんなさい。私たちのせいで…」
蒼菜がミラクルナイトに頭を下げた。
「蒼菜さん、私は大丈夫です。一緒にここから逃げ出しましょう」
ミラクルナイトが笑顔で答える。そのとき、二匹のカエル男が牢に入って来た。
「さあ、楽しい時間の始まりだ」
カエル男の一匹がにやりと笑った。ミラクルナイトは鋭い目をカエル男たちに向け、心の中で再び戦う決意を固めた。
「逃げるなんて許さないよ。今日こそ、君たちの恐怖と絶望を味わわせてやる」
カエル男の声が冷たく響く。
奈理子と蒼菜はお互いの視線を交わし、共に戦う覚悟を決めた。囚われの二人が如何にしてこの窮地を脱するのか、彼女たちの運命は未知数だった。
「ケッケッケ、綺麗な刑事さんだな。奈理子と一緒にたっぷり甚振ってやるぜ」
カエル男が蒼菜のストッキングに包まれた美脚とパンツを見て涎を垂らす。
「見ないで!」
手枷をつけられた蒼菜は睨みつけることしかできない。
「やめなさい!」
ミラクルナイトがカエル男を怒鳴りつける。
「パンティ穿いていない奈理子が何か言ってるぜ」
カエル男が笑いながら言う。
「まずは、奈理子の方から楽しませてもらおうか」
もう一匹のカエル男もミラクルナイトの無防備な姿に笑みを浮かべる。
「ヒイヒイ鳴かせてやるぜ、奈理子ちゃん」
大笑いするカエル男たち。
しかし、ミラクルナイトは突然笑い始めた。
「あはは…ははは…」
とカエル男たちと共に笑い出す。
「私を鳴かせるですって?」
ミラクルナイトはカエル男を見据えた。
「何だ?奈理子のくせに偉そうだぞ!」
「私、野宮奈理子は水都の守護神ミラクルナイト。ミラクルナイトには、こんな玩具は役に立たないわ。ミラクルパワー!」
ミラクルナイトの身体が一瞬水色に輝くと、両手を拘束する手枷を容易く引き千切った。
「わー!」
逃げ出す二匹のカエル男。しかし、素早くミラクルナイトが飛び掛かる。
「ミラクルヒップストライク!」
ヒップアタックで一匹のカエル男を消滅させる。直ぐ様、もう一匹のカエル男の首を太股で挟み込む。
「ミラクルハピネスシザース!」
幸せのノーパン太股締めでバキッとカエル男の首を折り、消滅させた。
「蒼菜さん、行きましょう」
ミラクルナイトは蒼菜に笑顔を向けた。
「まだ終わらないのか?早く奈理子の身体を舐め回してやりたいぜ」
「ジャンケンで負けたんだから仕方ない。大人しく順番を待とうぜ」
カエル男たちが奈理子の水玉パンツを広げながら駄弁っている部屋のドアが突然開いた。
「お待たせするのも失礼だから、こっから来てあげたわ」
入って来たのはミラクルナイト。その後ろには蒼菜が続いた。
「ゲッ、奈理子!どうやってここに?!」
慌てるカエル男たち。
「私を甘く見すぎたようね。ミラクルアクアティックラプチャー!」
ミラクルナイトが放つ水のオーラがカエル男を次々と消滅させていく。
「奈理子がこんなに強いとは…。噂とはぜんぜん違うじゃないか!」
最後に残ったカエル男が慄く。
「お願いがあるの。私のパンツを返して。これじゃ、涼しすぎて…」
ミラクルナイトが哀願する。
「ダメだ。せっかく手に入れた奈理子の生パンなんだ!」
「じゃあ、貴方も消えてもらうわ」
「わ、分かった。パンツは返すから消さないでくれ!」
カエル男はミラクルナイトに水玉パンツをしぶしぶ返す。
「私のも返してよ」
蒼菜も言ってみたが、
「お前のズボンは捨てたぞ」
とカエル男に言われてしまった。
秘密アジトの近くのビルの一室。
「お前の言った通り奈理子は秘密アジトを占拠したぞ」
双眼鏡を覗く菅が言った。
「当たり前だ。カエル男に奈理子は勿体無さ過ぎる」
冨貴がニヤリとする。
「これで『或る或る教団』に気兼ねせずに奈理子を殺れるな」
菅が、無数のチューブワームを生やしたハオリムシ男に姿を変える。
「さて、もう一度奈理子を捕まえに行くか」
冨貴は美しい牡丹の姿をしたボタン男に姿を変える。
「奈理子を殺るのは俺だぞ」
ハオリムシ男がボタン男に言う。
『或る或る教団』の秘密アジトを脱したミラクルナイトに、更なる危機が迫る。
敵の秘密アジトから調達した車を運転する蒼菜。助手席には、水玉パンツだけを穿いたミラクルナイトが座っている。蒼菜は腰にジャケットを巻いていた。パンストを穿いているだけミラクルナイトよりはマシだ。いや、ミラクルナイトは変身を解除すれば、元のワンピース姿の奈理子に戻ることができる。蒼菜は逃げ切ったあと、どうやって皆の前に出て行ったらいいのか悩んでいた。その前に、まずは逃げ切らなければならない。敵アジトであった雑居ビルを調べるように無線で市警に伝えたが、それも無駄だろう。敵は簡単に正体を掴ませるような相手ではない。おそらく、この車も盗難車だろうと蒼菜は見ていた。
「ああッ!」
後ろを振り返ったミラクルナイトが叫んだ。バックミラーを見た蒼菜も驚く。
「あの化け物…」
ハオリムシ男が追って来ている。
「蒼菜さん、スピードを上げてください!」
「こんな街中じゃ無理よ!」
みるみる車とハオリムシ男の距離が縮まる。
「私を降ろして下さい。私がハオリムシ男を止めます。その間に、蒼菜さんは逃げて!」
ミラクルナイトが叫ぶ。
「ダメよ!」
蒼菜は、ハオリムシ男の姿を見ただけで恐怖のあまり失神してしまったミラクルナイトが、ハオリムシ男に勝てるとは思えなかった。
ガン!と車が揺れる。
「きゃ~!!」
ミラクルナイトと蒼菜が同時に悲鳴を上げた。ハオリムシ男がボンネットに飛び乗ったのだ。フロントガラスにハオリムシ男の異様な姿が迫る。蒼菜は思わず急ブレーキを踏み、車を停めてしまった。
「出て来い、奈理子!」
ハオリムシ男が怒鳴る。
「調子に乗らないで」
ミラクルナイトはゆっくりとドアを開け、車の外に出た。
「さっきは、貴方の気持ち悪い姿に驚いて気を失ったけど……今度はそうはいかない!」
ミラクルナイトは毅然とハオリムシ男を睨みつけた。
「覚悟しろ、奈理子。今度こそお前を捕まえてやる!」
ハオリムシ男の無数の触手がミラクルナイトに向かって襲い掛かる。
「ミラクルパワー!」
ミラクルナイトは自身の力を全開にして触手を弾き飛ばす。しかし、ハオリムシ男はその異様な力でミラクルナイトを押し戻す。絶望的な状況に、蒼菜は必死に頭を働かせて対策を考えた。
「奈理子、耐えて!」
蒼菜が叫ぶ。
「援軍を呼ぶわ!」
蒼菜は無線機を取り出し、緊急支援を求めた。
「ミラクルナイト、お前の命運は尽きた!」
ハオリムシ男が叫び、さらに強力な触手を繰り出す。
「負けない…絶対に負けない!」
ミラクルナイトは決意を新たにし、全力でハオリムシ男に立ち向かう。彼女の勇気が、運命の歯車を動かし始めた。
「弱いくせに頑張るねぇ…。さすが水都の守護神、虐めがいがあるぜ」
とハオリムシ男がミラクルナイトの水玉パンツに視線を向けた。スカートを穿いていないミラクルナイトの下半身は、可愛らしい水玉パンツと膝下のブーツだけという無防備な姿だった。
「蒼菜さん、私が戦っている間に逃げてください!ハオリムシ男が戦いたいのは私一人だけ」
ミラクルナイトが蒼菜を見た。そして、
「凜さんとキャンディに伝えてください。ミラクルナイト野宮奈理子は、どんなに辱めを受けようと、最後まで屈しなかった。私がいなくなっても、水都の街を守って、と!」
ミラクルナイトは告げた。
「屈しないだと?今日の奈理子は威勢がいいな」
とハオリムシ男がミラクルナイトを嘲笑った。ミラクルナイトの決意を感じ取った蒼菜は、
「分かったわ、奈理子さん。必ずセイクリッドウインドとドリームキャンディに伝えるわ」
と言い残すと、エンジンを吹かし、この場を去った。
「さあ、どこからでも掛かってきなさい。水都の平和を乱す者は私が許さないわ!」
ミラクルナイトが構えた。
「カッコいいことを言う割には、手も足も震えているぜ。怖いんだろ」
とハオリムシ男が言った通り、ミラクルナイトの膝は震えていた。
「ここには俺と奈理子しかいない。誰も見ていないから、逃げてもいいんだぜ」
「バ、バカにしないで…」
「声まで震えているぜ」
とハオリムシ男がミラクルナイトを挑発する。
「絶対に逃げないわ!」
ミラクルナイトは決意を込めて叫んだ。
「ひひひ…もうすぐ恐怖のあまり小便でも漏らすんじゃないかね…」
ミラクルナイトの背後で声が響いた。そこには、牡丹の花の怪人が立っていた。
「俺はボタン男!水都市民の憧れ、野宮奈理子が惨めにやられる様をじっくり見物させてもらうぞ。やれ!ハオリムシ男!!」
ハオリムシ男はニヤリと笑い、無数のチューブワームをミラクルナイトに向けて繰り出した。ミラクルナイトはミラクルウイングを広げ、舞い上がる。しかし、チューブワームはミラクルウイングに絡みつき、彼女を地面に叩き落とした。
「うぅぅ…」
痛みに顔を歪めるミラクルナイト。
「頼みの翼も折れたぞ。どうする、奈理子?」
ボタン男が笑う。それでも、ミラクルナイトは必死にハオリムシ男のチューブワームを避けながら攻撃のチャンスを探った。チューブワームは次々と襲いかかり、ミラクルナイトのブラウスを剥ぎ、アイマスクまでも剥ぎ取ってしまった。遂に、ミラクルナイトはチューブワームに捕まり、動きを封じられる。しかし、下着姿にされ、素顔を晒されても、彼女は諦めなかった。
「ミラクルパワー!」
ミラクルナイトは再び力を発動し、絡みつくチューブワームを弾き飛ばした。しかし、その攻撃は一時的なものだった。チューブワームは再び彼女を捕らえようと迫ってくる。
「やめて!私は逃げない!」
ミラクルナイトは声を振り絞って叫びながら、必死に触手を振り払った。そのとき、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。蒼菜が助けを呼んだのだ。ハオリムシ男は一瞬その方向に気を取られた。
「今だ!」
ミラクルナイトはその隙を突いて、ハオリムシ男に向かって突進した。
「ミラクルハピネスシザース!」
彼女の太股が、ハオリムシ男の首を締め付ける。驚愕の表情を浮かべるハオリムシ男。
「私は、水都の守護神として、どんなに辛くても戦い続ける!」
ギリギリと太股に力を込めるミラクルナイト。
「ひひひ…さすがは水都の守護神ミラクルナイトだ。ハオリムシ男の赤い顔が青くなってきやがった」
ボタン男がミラクルナイトの健闘ぶりを讃えたが、
「だが、そこまでだせ、奈理子。それ以上、非力なお前の力は続かない」
と冷たく言った。
「はぁはぁはぁ…」
ミラクルナイトの息が上がる。ハオリムシ男のチューブワームがゆっくりとミラクルナイトに近付いていく。
「あッ!」ミラクルナイトの身体がガッチリとチューブワームに絡め取られた。
「あぁぁぁぁ!」
チューブワームに締め付けられ悲鳴を上げるミラクルナイトの身体が、糸が切れた操り人形のようにグッタリと弛緩した。同時に、奈理子の水色パンツから液体が滴り落ちる。
「ゲヘヘ、気絶しやがった」
ハオリムシ男が失神したミラクルナイトを抱え上げた。
「水都の守護神がこれほど簡単にくたばるとはな」
と、ボタン男が冷たく微笑んだ。
ミラクルナイトはハオリムシ男に両足を掴まれ、Yの字に逆さ吊りにされていた。
「奈理子のような奴、本当に小便をチビリやがったな。お仕置きにお股を引き裂いてやるか」
ハオリムシ男はミラクルナイトの股を裂こうとするが、
「待て!」
とボタン男が止めた。
「奈理子は俺が捕まえたんだ。どうしようが俺の勝手だろう」
ハオリムシ男はそう言いながら、奈理子の水玉ブラを剥ぎ取った。
「綺麗な顔じゃないか…」
ボタン男はミラクルナイトの前にしゃがみ込み、奈理子の頬を撫でた。パトカーのサイレンが大きくなってきた。
「胸も小さくて愛らしい…」
次は奈理子の胸を撫でる。
「こんな最高の玩具を一回で壊しちゃ勿体無い」
「確かにな…」
ハオリムシ男は無防備な奈理子を改めて見た。
そのとき、緑と黄色の光がボタン男とハオリムシ男の前に降臨した。
「奈理子さんを苛める者はドリームキャンディが許さない!」
黄色い光から現れたのはドリームキャンディ。
「奈理子を離しなさい!」
緑の光からはセイクリッドウインド。そして、パトカーが次々と到着した。
「奈理子さん!」
パトカーから飛び出した蒼菜は腰にバスタオルを巻いていた。
「あの女刑事また来やがった。よっぽど俺が気に入ったんだな」
ハオリムシ男が蒼菜に向かってチューブワームを伸ばす。
「わッ!」
バスタオルを剥ぎ取られた蒼菜はしゃがみ込んでしまった。
「貴方たちが現金輸送車襲撃の黒幕ね!」
それでも蒼菜はキッとボタン男とハオリムシ男を睨みつける。
「現金輸送車襲撃事件?俺たちは奴らに雇われただけだ。カエル男などと俺たちを一緒にするな」
ボタン男が答えた。
「奈理子さん、目を覚まして!」
ドリームキャンディが叫ぶと、セイクリッドウインドがハオリムシ男に向かって突進した。
「風の力で浄化してやるわ!」
セイクリッドウインドはガストファングを振りかざす。ハオリムシ男はニヤリと笑い、
「おっと、奈理子は俺の手の内にあるんだぜ」
と奈理子の濡れた水玉パンツを抜き取った。
「ほれ」
と水玉パンツをセイクリッドウインドに投げつけると同時に、無数のチューブワームをセイクリッドウインドに向けて繰り出した。
「くッ!」
奈理子の水玉パンツに気を取られたセイクリッドウインドはチューブワームに捕らえられるかに見えたが、
「えい!」
とドリームキャンディがキャンディチェーンでチューブワームを撃ち落とす。更に、態勢を立て直したセイクリッドウインドもガストファングから繰り出す風の刃でチューブワームを切り裂いた。
「チッ、なかなかやるな」
とハオリムシ男が舌打ちする。
「私たちの使命は、水都の守護神ミラクルナイトを守ること。奈理子さんは絶対に助け出してみせる!」
ドリームキャンディが宣言する。警官たちがボタン男とハオリムシ男を取り囲む。
「ハオリムシ男、俺たちはただの助っ人だ。奴らのために無駄な戦いをするのは割に合わん」
とボタン男がハオリムシ男に告げる。ハオリムシ男は一瞬迷ったが、ミラクルナイトをドリームキャンディに投げつけると、
「今日のところは見逃してやる。だが、次は必ずお前たちを捕らえてやるぞ!」
と言い残し、闇の中へと消えて行った。
ドリームキャンディは、気を失ったままのミラクルナイトを抱き締め、息を整えた。ミラクルナイトは下着を剥ぎ取られ、裸にされただけでなく、失禁までしていることにドリームキャンディは気付いた。
「奈理子さんをこんな目に合わせるなんて、絶対に許せない」
彼女の心には、再び戦う決意が固まっていた。セイクリッドウインドも傍らに立ち、奈理子を守るための新たな戦いに備える決意を胸に秘めていた。
(第141話へつづく)
(あとがき)














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