ミラクルナイト☆第135話
水都中学一年A組の教室。中学生になってもあまり水都第一小学校の頃とメンバーは変わらない。しかも、また隆と同じクラス。近頃は出番が殆ど無い慎治と章太郎も同じクラスだ。変わったのは小学生の頃は私服だったのが中学生になると制服に変わったこと。他には算数が数学になったこと、社会の科目が増えたことくらいだ。
寧々は奈理子が着る水都中学の制服に憧れていた。やっと自分も水都中学の制服を着れるようになった時には、奈理子は水都中学を卒業し、水都女学院高校の制服を着るようになっていた。奈理子の清楚で可憐な水都女学院の制服姿を見たとき、今まで憧れていた水都中学の制服がみすぼらしいものに思えてしまった。寧々は、制服ではなく、奈理子そのものに憧れていたのだと気づいた。
クラスの男子たちは奈理子、つまりミラクルナイトの活躍に夢中だ。ドリームキャンディはミラクルナイトより強い。しかし、寧々は奈理子のように皆に愛される可愛い女の子ではないと感じていた。そんなことを考えていると、
「何ぼんやりしているんだ?」
と隆が声を掛けてきた。隆は奈理子の弟だが、クラスの男子の奈理子の話題にはあまり加わらず、超然としていた。小学生の頃は隆をただのバカだと思っていたが、今では寧々は隆のことを頼りにしている。
「ちょっと考え事してただけ」
と答えた寧々。
「俺の姉ちゃんのことか?」
隆が直接的な質問を投げかけてきた。
寧々は一瞬驚いたが、すぐに微笑んで、
「うん、奈理子さんのこと考えてたの」
と正直に答えた。
「姉ちゃんは人気はすごいけど、寧々だって負けてなぜ。ミラクルナイトだけがヒロインじゃないんだから」
と隆が優しい声で言った。
その言葉に寧々は心が少し軽くなった気がした。隆はただのバカじゃない。今では、寧々にとって大切な仲間であり、頼りになる友人だった。
校庭の方が騒がしくなってきた。窓から校庭を見下ろす生徒が
「青いカニだ!」
と叫んだ。顔を見合わせ、窓側に駆け寄る寧々と隆。
「やっぱり、シオマネキ女か」
と隆が呟き、
「どうしてここに?」
と疑問を口にする寧々。校庭ではシオマネキ女が
「奈理子、出て来なさい!」
と叫んでいた。
再び顔を見合わせる寧々と隆。
「奈理子さんはいないから、私が行かなきゃダメだよね」
「水都のヒロインはミラクルナイトだけじゃないってところを見せてやれよ」
と隆の言葉に頷き、寧々は教室を飛び出した。ドリームキャンディに変身するために、寧々は女子トイレに駆け込んだ。
校庭でミラクルナイトを待つシオマネキ女。窓からその様子を見下ろす隆は、校舎から一人の男子生徒がシオマネキ女に向かって歩いて行くのが見えた。
「アイツは姉ちゃんの…」
と隆は口にした。
シオマネキ女の前に立ったのは二年生のライムだった。奈理子の彼氏として生徒たちから一目置かれているライムの登場に、校舎の窓から身を乗り出して様子を見守っていた生徒たちの大歓声が上がる。
「奈理子は卒業してもうここにはいない。授業の邪魔だからサッサと帰れ!」
とライムはビシッとシオマネキ女にビシッと言ってやった。
「奈理子は卒業…?」
とシオマネキ女が呟く。
「奈理子は今は高校一年生だ。水中にはいない」
「奈理子は卒業…」
と自らの過ちに気付き、同じ言葉を繰り返すシオマネキ女。
シオマネキ女はミラクルナイトに敗れ、失意のどん底にあった。失った自信を取り戻すには、ミラクルナイトを倒すしかないと意を決して水都中学に乗り込んできたのだ。しかし、奈理子が四月から高校生になったことを忘れていたのだ。
「うぅ…」
当てが外れて狼狽えるシオマネキ女。ライムは手を挙げ、生徒たちの歓声に応えていた。
そこに、黄色い光とともにドリームキャンディが校庭に降臨した。
「奈理子さんを狙う者は、中学生戦士ドリームキャンディが許しません!」
と高らかに宣言するドリームキャンディ。
「何故、ドリームキャンディが?ドリームキャンディは水中の生徒?この間までは小学生戦士だったから、中学生戦士ってことは水中の一年生?!」
シオマネキ女は驚きの声を上げた。
「一年で今教室にいない女子がドリームキャンディってことになるぞ。お前、正体をバラすために出てきたのか?」
ライムは溜息をついて言った。
「あ!」
今度はドリームキャンディが狼狽える番だった。一年の教室からは
「いない奴は誰だ!」
と声が聞こえてくる。
「あぁ…」
オロオロするドリームキャンディ。
「と、とにかく、奈理子さんはいないから、シオマネキ女は帰って!」
そう言い残し、ドリームキャンディは黄色い光とともに去って行った。
ライムは
「お前も帰れ」
とシオマネキ女に告げると校舎に入って行く。一人校舎に取り残されたシオマネキ女は、奈理子がいないことを理解し、仕方なく帰っていくのであった。
奈理子の母校水都中学での騒動があったその日の放課後、商店街はいつも以上に華やかな空気に包まれていた。その中心にいるのは、商店街が誇る美少女奈理子だった。高校生になっても、奈理子の通学帰宅のルートは変わらず、商店街の人々にとって彼女の姿は日々の楽しみだった。
「奈理子ちゃん、新しい制服もすっかり馴染んできたね」
蕎麦屋の店主がにこやかに声をかける。
「ありがとうございます。今日は一段とお蕎麦が美味しそうですね」
と、奈理子は笑顔で応じた。
「奈理子ちゃん、これサービスだよ」
果物屋のおじさんが、冷たいジュースを差し出した。
「わぁ、デコポンジュース!ありがとうございます」
奈理子は喜んで受け取った。商店街の新しい名物となったデコポンジュースは、デコポン男に勧められて商品化したもので、酸味が少なく飲みやすいと評判だった。
「デコポンなんて高価なジュースが売れるとは思わなかったけど、デコポン男に感謝しなきゃね」
果物屋のおじさんは、奈理子がジュースを飲み干す様子を眺めながら嬉しそうに言った。
「本当に美味しいです。このジュース、皆さんにも大好評ですよ」
と、奈理子が笑顔で言うと、周りにいた商店街の人々も嬉しそうに頷いた。
「アスパラ男の騒動、災難だったね。でも、奈理子ちゃんたちがいてくれたおかげで水都の街は安心よ」
と、八百屋のおばさんが感謝の気持ちを伝える。
「ありがとうございます。皆さんが応援してくれるから、私も頑張れるんです」
と、奈理子は少し照れたように答えた。
商店街の人々との交流は、奈理子にとって心の安らぎであり、同時に彼女の強さの源でもあった。商店街を歩く奈理子の姿は、まるで一人一人の心に光を灯すかのようだった。放課後の暖かな光景の中、奈理子は商店街の人々と笑顔を交わしながら、また明日への力を蓄えていくのだった。
「今日も可愛いねぇ、奈理子ちゃん」
奈理子は背後から声を掛けられた。振り返る奈理子。しかし、そこにいたのは商店街の住民ではなく、ウデムシ男だった。その背後からワラワラとカメラを構えたウズムシ男も出てきた。
「水女のセーラー服がよく似合ってるぜ、奈理子ちゃん」
ウデムシ男が奈理子に舐めるような視線を浴びせる。
商店街が騒然となった。
「ウデムシ男の目的は私です。みなさん、安心してください」
奈理子が商店街の人々を落ち着かせた。そして、
「そうでしょう?」
とウデムシ男に問う。
「そのとおり。奈理子ファンの為に可愛い奈理子の動画を撮ることが目的だ」
ウデムシ男が答える。
「ここで…やるの…?」
恥じらいの表情を見せる奈理子。ウズムシ男はその表情も逃さずカメラを回した。
「商店街の人たちに見られるのが嫌ならば場所を変えてもいいぜ」
「どこでもいいわ」
奈理子はアイマスクを取り出した。
「待て、今日はミラクルナイトじゃなく水女の制服のままの奈理子でやろう」
「嫌よ!」
素早くアイマスクを装着する奈理子。
「チッ、変身シーンをしっかり撮れ」
舌打ちしながらウデムシ男はウズムシ男に命じる。
水色の光に包まれ奈理子。水都女学院のセーラー服が消え、純白の下着姿になる奈理子。しかし、それは一瞬で、髪に白いリボン、白いブラウス、胸に水色のリボン、手足に水色のグローブとブーツが次々と現れる。最後に、白いプリーツスカートが奈理子の白い木綿パンツを優しく覆う。水色の光が消え、スカートがフワリと舞い上がり、奈理子の白い太股とパンツがチラリと見えた。
「奈理子ちゃん、今日も可愛いよ!」
商店街の住民が歓声をあげる。
「水都の平和を乱す者は、ミラクルナイトが許しません!」
ウズムシ男が構えるカメラに向かって宣言するミラクルナイト。そして、ウデムシ男に向かい、
「今日はいつものようにはいきません!」
と言い放ち、ミラクルウイングを広げた。
「コラ、逃げるな」
飛び去るミラクルナイトを追うウデムシ男とウズムシ男。
大空に舞い上がるミラクルナイト。逃げたのではない。商店街を戦場にすることを避けるためだ。地上ではウデムシ男の叫びが聞こえる。戦場に適した広い場所と言えば水都公園だが、アスパラ男との戦いで破壊された噴水広場は立ち入りが禁止されている。これ以上、水都公園を荒らされる訳にはいかない。他に広い空間がある場所と言えば、水都タワー前広場。しかし、放課後のこの時間は学校帰りの中高生で賑わっている。
「どこへ誘導しようか…」
ミラクルナイトが考えを巡らせていると、その背中に強い衝撃を受けた。
「あぁ!」
悲鳴を上げて墜落するミラクルナイト。商店街のイベント広場の地面に腹から叩きつけられた。
「うぅ…」
痛みに耐え、頭を上げるミラクルナイト。その目の前にゆっくりと舞い降りてきたのはカニカゲロウだった。
「空に逃げられないようにカニカゲロウを呼んでいたんだ」
ウデムシ男の声が響く。俯せのまま立ち上がれないミラクルナイトは、カニカゲロウ、ウデムシ男、そして撮影を続ける五人のウズムシ男に取り囲まれた。
「逃げられないぜ、奈理子ちゃん」
ウデムシ男がにやりと笑う。
「さあ、可愛い姿をたっぷりと見せてもらおうか」
ミラクルナイトは歯を食いしばりながら立ち上がろうとする。
「私は…水都の平和を守るミラクルナイト…こんなところで負けるわけにはいかない…」
しかし、ウデムシ男がすかさずその動きを封じる。長い腕がミラクルナイトの身体に絡みつき、再び地面に押さえつけられる。
「うぅ…放して…」
「撮影開始だ、ウズムシ男たち!」
ウデムシ男が命令を下すと、五人のウズムシ男たちは一斉にカメラを回し始めた。ウデムシ男はミラクルナイトのスカートを捲ろうと、無数の腕でスカートの裾を掴む。
「やめて…」
ミラクルナイトの声が震える。周囲の住民たちはその様子を不安そうに見守っている。商店街の人々の安全を守るために戦ってきたミラクルナイト。その姿が無惨に晒されることに、皆が心を痛めていた。
たくし上げられたスカートの裾は丹念に腰に差し込まれ、奈理子の白いパンツが全開になってしまった。
「恥ずかしい…」
「ミラクルナイト、諦めるな!」
誰かの声が響いた。周囲の人々からも次々と声援が飛ぶ。
「奈理子ちゃん、頑張って!」
「負けないで!」
その声援がミラクルナイトに力を与える。
「みんな…ありがとう…私は負けない!」
ミラクルナイトの身体が再び水色の光に包まれる。
「ミラクルパワー!」
力強く叫び、聖なる力でウデムシ男の無数の腕を振りほどいた。
「チッ、まだ余力があったか」
ウデムシ男が忌々しそうに呟く。
「私は水都の守護者!この街を守るため、絶対に負けない!」
ミラクルナイトが立ち上がり、再び戦いの構えを見せた。商店街の住民たちの声援が響く中、ミラクルナイトは勇気を取り戻し、戦いに挑むのであった。
混乱の商店街に緑色の光とともに、風の戦士セイクリッドウインドが現れた。ウデムシ男は奈理子を辱めることが目的であり、奈理子に直接危害を加えることはないが、カニカゲロウは強敵だ。
「奈理子、大丈夫?」
セイクリッドウインドが問いかけると、ミラクルナイトは力強く頷いた。
続いて、黄色い光とともにドリームキャンディも商店街に降臨する。
「奈理子さんを苛める者は中学生戦士ドリームキャンディが許しません!」
高らかに宣言した。
「キャンディ、中学生になったのか!」
少しだけ大人になったドリームキャンディの姿に、商店街の住民たちは感嘆の声を上げた。
そして更には、
「ミラクルナイト、私と勝負しなさい!」
とシオマネキ女まで商店街に現れた。
「あ~、シオマネキ女!この人、奈理子さんがまだ中学生だと思って、水中に現れたんですよ~!」
ドリームキャンディがシオマネキ女を指さして笑った。
「間抜けな奴だな。奈理子ちゃんは女子高生だぞー!」
商店街の住民もドリームキャンディと一緒にシオマネキ女を嘲笑った。
「煩い!私は奈理子を倒してかつての輝きを取り戻すの!!」
「貴方に輝いている時期なんてあったかしら?」
ドリームキャンディが皮肉を言う。
「黙れ!子供は引っ込んでなさい!」
シオマネキ女が怒鳴る。
言い合うドリームキャンディとシオマネキ女。それを制したのはミラクルナイトだった。
「今日はカニカゲロウと決着をつけるわ。シオマネキ女はまたの機会にして」
とミラクルナイトはシオマネキ女に告げた。
「奈理子の言う通りだ。奈理子のことは俺が任されている。今日はミラクルナイト対カニカゲロウの撮影にする」
ウデムシ男もミラクルナイトに同意する。
「くッ…ミラクルナイト、貴方を苛めるのはこの私よ!カニカゲロウに負けたら、この場で貴方の恥ずかしい撮影会を開いてやるわ!」
悔しげに告げるシオマネキ女。
ミラクルナイトは毅然とカニカゲロウに向き直り、
「カニカゲロウ、一対一の勝負よ!ウデムシ男、今日は痴態は晒さないわ。カッコよく撮ってよ!」
と告げる。
「奈理子のご指名であれば仕方がない」
カニカゲロウは鋭い鋏を振り上げ、戦闘態勢を整えた。ミラクルナイトはウデムシ男に背を向け、緊張感が高まる中、商店街の人々も息を呑んで見守っていた。
カニカゲロウと対峙するミラクルナイト。カニカゲロウの強さはここにいる誰もが知っている。ミラクルナイトには荷が重すぎる相手だ。
「ダメだ、姉ちゃん!姉ちゃん一人じゃ危険だ!!」
商店街に駆け付けた隆が叫んだ。
「放課後は女の子がトキメク時間よ!隆は寧々ちゃんと遊んで来なさい!!」
ミラクルナイトは隆に怒鳴る。
「奈理子さん…」
ドリームキャンディがミラクルナイトに声を掛ける。
「キャンディ、隆をどこか連れて行くか、黙らせるかして!」
ミラクルナイトはドリームキャンディに言い放つ。
「今日の奈理子、テンション高いね…」
セイクリッドウインドはボソリとドリームキャンディに言う。ドリームキャンディは両掌を上に向け肩をすくめると、
「隆、奈理子さんを信じて見守ろう」
と隆に告げた。
「行くわよ!」
ミラクルナイトがカニカゲロウに飛び掛かる。ミラクルナイトの鋭いハイキック。軽く躱すカニカゲロウ。
「ウデムシ男、今日は奈理子のコスチュームを剥いでもいいのか?」
ウデムシ男に問うカニカゲロウ。
「奈理子もやる気だし、スカート脱がしていいぜ」
と答えるウデムシ男。
「だそうだ。奈理子には今から皆の前で恥を晒してもらうとするか」
ミラクルナイトの猛攻を余裕で躱すカニカゲロウ。
「コスチュームを剥がれたりしないわ。私の未来は私が決める!えい!」
ミラクルナイトの上段回し蹴り。しかし、それよりも早くカニカゲロウの左腕の鋏がミラクルナイトの白いスカートを斬り裂き、奈理子の白いパンツが露わになってしまったミラクルナイト。
「女子高生になってからは白ばかりだな。毎日のパンツ選びに手を抜いているのか?」
ウデムシ男がミラクルナイトを嘲笑う。
「私は、毎日が勝負パンツよ!」
スカートを剥ぎ取られても怯まぬミラクルナイト。
その凜々しい姿に、占い師の鈴が
「奈理子、綺麗よ!!」
と声を上げる。
「可愛いぞ、奈理子ちゃん!」
「女子高生になった奈理子ちゃんの力を見せてやれ!」
蕎麦屋の店主が、果物屋のおじさんが、商店街のみんながミラクルナイトに熱い声援を送る。
「鈴さん、みんな、ありがとう。私は幼い頃から商店街のみんなに可愛がられて育った。ここは私のホームグラウンド。ココで戦う限り、絶対に負けない!」
ミラクルナイトが宣言する。
「今までココで何度も無様な姿を晒してきた奈理子が何を言うか!」
カニカゲロウが鋏をミラクルナイトに振るう。
カニカゲロウの鋏を躱したが、ブラウスを裂かれ、裂け目から奈理子の白い肌とブラが覗く。
「ミラクルヒップストライク!」
ミラクルナイトのヒップアタック。よろめくカニカゲロウ。しかし、至近距離からのヒップストライクでは大したダメージは与えられない。
ウデムシ男の指揮の下、五人のウズムシ男が二人の戦いを撮影する。セイクリッドウインドが、ドリームキャンディが、シオマネキ女が、商店街の住民たちが二人の戦いを見守る。
「奈理子ちゃん、頑張れ!」
と蕎麦屋の店主が声援を送る。
「奈理子ちゃん、負けないで!」
と商店街の住民たちも続く。ミラクルナイトの心は決して折れない。彼女は商店街の皆に支えられている。
「この程度か、奈理子。お前には俺を倒す力はない!」
カニカゲロウが嘲笑する。
「そんなこと、言わせない!」
ミラクルナイトは再びミラクルウイングを広げ空中に舞い上がり、カニカゲロウに挑む。
カニカゲロウは飛翔能力を活かし、鋏を振るってミラクルナイトに迫る。ミラクルナイトは巧みに避けながらも、ブラウスはズタズタに裂かれ、下着姿にされてしまう。痛みと恥じらいを感じつつも、彼女は戦い続ける。
「えい!」
と叫び、彼女はカニカゲロウに水色の光弾を放つ。
「その程度の攻撃では俺を倒せない!」
カニカゲロウは鋏を振り上げ、ミラクルナイトに襲いかかる。ミラクルナイトはその一撃を間一髪で避けるが、再び鋏が迫る。今回は避けきれず、ブラを完全に剥ぎ取られ、奈理子の控え目な胸が露わになる。
「このままでは…」
ミラクルナイトは腕で胸を隠しながら、心の中で焦る。しかし、彼女の目には商店街の人々の応援が映る。彼らの声援が彼女に力を与える。
「私は負けない!」
と再び決意を固め、ミラクルナイトは股を広げ、カニカゲロウに向かって飛び掛かる。カニカゲロウは、奈理子の美しい太股とその奥の少し汚れたクロッチに一瞬だけ目を奪われてしまった。
「ミラクルハピネスシザース!」
ミラクルナイトは迫りくる鋏を掻い潜り、カニカゲロウの頭を太股で挟み込んだ。
「ムグ……」
振り解こうとするカニカゲロウだが、ミラクルナイトは股間をカニカゲロウの顔面に押し付け離さない。傍から見れば奈理子の匂いを堪能できる幸せそうな絞め技だが、掛けられる方にとっては地獄の苦しみだ。ミラクルナイトの股間が水色に輝き始める。
「これで決める!」
ミラクルナイトはカニカゲロウの頭を両太腿ではさんだまま状態を反らし回転する。水色の光は、ミラクルナイトとカニカゲロウを包み込む。
「ミラクルハピネスホイップ!」
ミラクルナイトの太股に頭を挟まれたまま、真っ逆さまに落下するカニカゲロウ。
地面に激突し頭部をめり込ませたカニカゲロウ。優雅に着地したミラクルナイトの水色の輝きが更に増す。ミラクルハピネスホイップで決めるつもりだったが、カニカゲロウはまだ立ち上がってくるとミラクルナイトは思った。
「さすが、カニカゲロウ…でも、貴方との戦いも今日で最後……」
水色の光を両掌で集めるミラクルナイト。
「あの弱かった泣き虫の奈理子があそこまで成長するなんて……」
鈴が感嘆の声を漏らす。
「奈理子の姿をしっかり撮れよ!」
ウデムシ男がウズムシ男たちに命じる。半裸状態のミラクルナイトの美しい舞に、商店街の誰もが見とれていた。
「おのれ…奈理子……」
カニカゲロウが立ちあがる。しかし、自慢の甲殻には処々にヒビが入っていた。
「これで本当に決めるわ!リボンストライク!!」
ミラクルナイトの両掌から、水色の光が放たれる。水色の光は光り輝くリボンに形を変え、カニカゲロウを包みこんだ。
「この俺が奈理子ごときに……」
カニカゲロウはそう呟きながら消滅していった。
ミラクルナイトが勝利を収めた瞬間、商店街は歓声に包まれた。
「奈理子ちゃん、やったね!」
「奈理子ちゃんの背中、ゾクゾクするよ!」
蕎麦屋の店主や商店街の住民たちが口々に声援を送る。
「みんな、ありがとう!」
ミラクルナイトは笑顔で応えた。
「今日は商店街の平和を守るために戦ったけど、これからもみんなのために頑張るわ!」
ミラクルナイトの決意に、商店街の住民たちは再び拍手を送った。彼女の戦いはまだ続くが、その強さと美しさは誰の心にも深く刻まれた。
「奈理子、見事な勝利だった。カメラに向かってファンに一言」
ウデムシ男がミラクルナイトに促す。両腕で胸を隠すミラクルナイトにウズムシ男がカメラを向ける。
「ファンの皆さん、やっと、カニカゲロウを倒すことができました。皆さんの思いは、頑張る糧です……。ちょっと、パンツをアップで撮らないで!」
慌てて両手でパンツを隠す奈理子。
「今だ!奈理子のちっぱいを撮れ!」
ウズムシ男たちが楽しそうにミラクルナイトを撮影する。
「今日はもういい。奈理子、次回は奈理子の種付け動画の撮影だ。楽しみにしておけよ」
と言い残し、ウデムシ男はウズムシ男を引き連れて去って行った。
「カニカゲロウに勝ったことは誉めてやるわ」
シオマネキ女がミラクルナイトに声を掛ける。
「私の望みは奈理子を辱めること。次に会ったときは、奈理子の身体の隅々まで市民の前に晒してあげるわ」
シオマネキ女もそう告げると去って行く。
怪人たちが去り、隆がミラクルナイトの前にやって来た。
「まさか、姉ちゃんが一人でカニカゲロウを倒すとは思わなかったよ」
「お姉ちゃんを少しは信用しなさい。それに、一人じゃないよ」
ミラクルナイトは商店街の住民たちを見た。ミラクルナイトの勝利を讃える商店街の住民たち。彼らの声援のおかげで、ミラクルナイトは勝てたのだ。
「奈理子さんはいつも放課後にトキメクんですか?」
ドリームキャンディがミラクルナイトの背中を撫でる。
「そうよ。好きな人と一緒にいられる時間は放課後しかないじゃない」
と答えるミラクルナイトにセイクリッドウインドが
「奈理子は好きな人と学校が違うからそうだよね。いつライムに襲われてもいいように毎日が勝負パンツなんだ〜」
と奈理子の白いパンツを撫でる。
「それは…放課後に襲われることが多いから……」
ミラクルナイトのコスチュームにパンツは無い。ミラクルナイトはミニスカートの下は奈理子の生パンツで戦うしかないのだ。
「奈理子のおっぱいと勝負パンツを楽しめたし、私たちは行くわ」
とセイクリッドウインドはドリームキャンディを連れ、商店街をあとにする。
「お腹空いたね、隆、お蕎麦食べて帰ろう」
ミラクルナイトが優しいお姉ちゃん顔で隆に言った。隆は頷き、
「早く変身解けよ。いつまで裸みたいな格好でいるつもりだ?」
と奈理子の白いパンツに目を遣る。
「ああッ!」
弟に指摘され、急に恥ずかしくなったミラクルナイトは変身を解き、水都女学院の制服姿の奈理子に戻る。清楚で可憐な奈理子のセーラー服姿に商店街に歓声が上がる。
セイクリッドウインド、ドリームキャンディ、そして商店街の住民に守られ
「おじさん、かけ蕎麦二つ!」
奈理子は蕎麦屋の店主に爽やかな笑顔で告げた。
(第136話へつづく)













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