ミラクルナイト☆第50話
昼休み、水都中学の校舎の屋上にある塔屋の上。時刻はいつものとおり、場所もいつものとおり。奈理子はライムに抱かれていた。本来は、生徒たちの立ち入りが禁止されているこの場所。水都の街を守るミラクルナイトでありながら、ライムとの特別な時間のためなら、奈理子はそんな小さな罪も厭わない。
「最近、やたらとスカートを脱がされてるな」
と、ライムが奈理子の制服のスカートに手を伸ばす。敵にスカートを剥がされるミラクルナイトの姿は、もはや日常的な光景となっていた。
「やめてよ」
と、彼女は恥ずかしげに反抗するものの、実際には腰を浮かせて脱がせやすい体勢をとる奈理子。ライムに身を任せてスカートを脱がされ、紺色のセーラー服と白いパンツ、そして紺色のハイソックスだけの姿になる奈理子。ミラクルナイトとして敵にスカートを剥がされるのにはもう慣れてしまっていたが、制服姿でスカートを脱がされるのは初めてだった。その新たな羞恥感に、奈理子は思わずライムの胸に顔を埋めて隠れてしまった。
しかし、その隠れる行為はあくまで彼女自身の顔を隠すためのもの。奈理子の下半身は白いパンツと紺のハイソックスだけに包まれた姿のまま露出していた。その姿は、ライムの前だけでなく、空と風にも晒されていた。風が太股とパンツに当たる感触が何とも言えず心地よい。そうして彼女の初々しい姿は、屋上の秘密の時間の一部となっていくのだった。
そんな折、突如として突風が吹き抜け、奈理子のスカートを飛ばしてしまった。スカートは校舎の横にある木の枝に引っかかり、奈理子は絶望的な表情を浮かべる。この格好ではスカートを取りに行くことはできない。
「ライム、取って来てよ」
と奈理子は頼んだが、
「ミラクルナイトに変身すればいいだろ」
とライムに言われてしまう。奈理子は仕方なくミラクルナイトに変身。ミラクルウイングを広げて飛び立つと、校舎にいる生徒たちは突然現れたミラクルナイトを見つけて大歓声を上げる。
ミラクルナイトは機転を利かせ、
「敵は逃げて行ったからもう大丈夫。安心して」
と声を上げ、そのままスカートを回収。奈理子はこれが水都中学での楽しい日常だと感じていた。常識からは少しだけ外れた中学生活、だけどそれが奈理子にとっては特別な時間だった。
スカートを回収し、一息ついたミラクルナイト。しかし、その安堵も束の間、商店街からデコポン男出現の報せが町内放送により鳴り響いた。彼女は急いで塔屋へと戻った。
「スカートは預かっといてやる」
そんなことを言いながらライムはニヤリと笑い、手を差し出した。ミラクルナイトはスカートを渡そうとしたが、同時にライムが絶対にスカートを隠して自分に意地悪するのではないかと思った。
「早くしろよ。早く行って片付けないと昼休みが終わるぞ」
ライムの言葉にミラクルナイトは心の中でため息をついたが、彼の言う通り、時間は刻一刻と過ぎていた。
躊躇いつつも、ミラクルナイトはスカートをライムに渡した。
「私が戻ったらちゃんと返してよ」
そう念を押し、彼女は商店街に向けて飛び立った。
風がミラクルナイトのプリーツスカートに絡みつき、白いパンツが隠れるかと思えば、時折、姿を見せる。それでも、彼女は目の前の任務に集中し、瞬く間に商店街へと辿り着いた。塔屋に残されたスカート、そしてライムの預言通りの意地悪…それらを乗り越えて、彼女は街の平和を守るために戦うのだった。奈理子のミラクルナイトとしての生活は、常に予想外の挑戦と溢れていた。
商店街に到着したミラクルナイトが目にしたのは、すでに姿を消してしまったデコポン男の跡だけだった。その日、果物屋に現れたデコポン男は姿を現わすとすぐに姿を消してしまったらしい。ミラクルナイトは心の中で一息ついた。昼休み中に学校に戻ることができそうだ。
「奈理子ちゃん、ジュース飲んで行きなよ」
そう言って果物屋のおじさんがパイナップルをミキサーにかけてくれた。子供の頃からなじみの深いこの商店街。いつも彼女を見守ってくれる店主たちの優しさに包まれ、ミラクルナイトは
「ありがとう」
と感謝の言葉を返し、一気にパインジュースを飲み干した。
気分爽快な彼女は、
「5時限目が始まるから」
と言い、ミラクルウイングを広げて空へと舞い上がった。商店街の人々はミラクルナイトを見上げながら、手を振り続けた。
「今日の奈理子ちゃんのパンツは白だねぇ」
と、彼らは微笑みながら語り合っていた。
彼女が飛び立つたびに、彼女の勇敢さや、奮闘する姿に心を打たれて、彼女の白いパンツが視界から消えるまで見つめ続ける商店街の人々。その風景は、奈理子とミラクルナイト、そして街の人々との絆の象徴でもあった。
空を舞うミラクルナイトの身体が、突如、甘酸っぱいエネルギー弾に直撃された。彼女は理解する間もなく空から墜落した。ダメージは甚大で、彼女は一時的に身動きが取れなくなった。
「どうだ、俺のデコポンブラストの味は」
と嘲笑う声。ミラクルナイトの視界に、デコポン男の姿が浮かび上がった。彼から放たれたエネルギー弾は、確かに美味しそうな匂いを放っていた。しかし、それは危険な攻撃だった。
「何が目的なの?」
ミラクルナイトが弱々しい声で問う。デコポン男は嘲笑を浮かべ、
「俺もミラクルナイトと遊んでみようと思ってな。ちょっと姿を現したら、思ったとおりお前は飛んできた」
と答えた。
「バカにしないでよ!」
と言いながら、彼女はよろめきながらも立ち上がった。そして、彼女は掌から水色の光弾を放った。しかし、デコポン男の体がオレンジ色に輝き、その光弾はただちに弾き飛ばされてしまった。
「次はこっちの番だ。シトラスチャージ!」
デコポン男が言い放つと、彼の身体が輝きを増し、ミラクルナイトに向けて強烈なスモウタックルを放った。その衝撃に、彼女の意識は飛んでしまった。ミラクルナイトが倒れた地面に、甘酸っぱい香りが広がっていった。
商店街の人々は心からの声援を送りつつ、静かに見守っていた。
「奈理子ちゃん、頑張れ!」
という声が聞こえる中、倒れたミラクルナイトは微動だにせず、地面と一体化しているように見えた。
「ねんねするには早いぜ」
デコポン男の声が響くと、彼はミラクルナイトの胸元にあるリボンを掴み、無理矢理に立たせる。その大男の手から繰り出される往復ビンタは、無力な彼女の頬を何度も打ち付けた。その衝撃でミラクルナイトの意識が一瞬戻ったが、力が無く、自分で立つことすら出来なかった。
「さぁ、いつものお約束だ」
とデコポン男が言うと、彼の手がミラクルナイトのスカートに伸びていく。
「やめて…」
とか細く声を挙げるミラクルナイトだったが、その声に力は無かった。あっけなくスカートが身体から離れると、デコポン男はそれを遠くへと放り投げた。
辺りは一瞬の静寂に包まれ、その次の瞬間、座り込むミラクルナイトが必死に白いパンツを手で隠す姿が人々の目に飛び込んだ。失意と羞恥に彼女の顔は真っ赤になり、しかし、それでもなお、彼女は必死に立ち向かう覚悟を決めていた。
「奈理子ちゃんはまだ中学生だぞ!なんて酷いことをするんだ!」
と商店街の人々が怒りに満ちた声を上げた。しかし、デコポン男はまるでそれを楽しんでいるかのように、無情にもミラクルナイトをM字開脚の姿で上げ、向き合わせた。
「こんなの嫌ぁ!」
と彼女の声が絞り出され、その手が必死に身を隠した。
「おい、果物屋、俺はみかんの横砂デコポン男だ!お前の店でデコポンジュースをやれ!」
デコポン男は命令を放つと、ミラクルナイトを人々に投げつけて去っていった。彼の笑い声が街に響き渡り、その場には凍り付いたような静けさが広がった。
果物屋のおじさんは、高価なデコポンをジュースについての指示に頭を悩ませつつも、すぐに自身の前掛けを外して、露わになってしまったミラクルナイトの白いパンツを覆った。
「おじさん、ありがとう」
彼女の声が小さく響き、その次の瞬間、ミラクルナイトの姿は普通の中学生、奈理子へと戻った。はずだった…。
「商店街の皆さん、私は弱いけど街の平和を守るために精一杯頑張ります。これからも応援よろしくお願いします」
彼女は目を閉じて深々と頭を下げた。普段ならば、ここで大歓声が上がるはずだった。だが、そのときは異様な静けさが広がっていた。
そして、その静寂が破られたのは、奈理子が下半身のスースーとした感覚に気づき、座り込む声であった。顔を真っ赤にしながら、彼女はライムにスカートを脱がされ白いパンツが露わであることを思い出した。しかし、商店街の人たちと一緒にミラクルナイトの戦いを見ていた占い師の鈴が優しげな手が、奈理子の腰にストールを巻いてくれた。
「ありがとう、鈴さん」
と小さく声を出し、奈理子はライムに預けてしまったスカートに思いを馳せた。不安とともに、彼女はその場を後にし、学校へと向かった。未来は不透明だったが、奈理子は誓った。この街、そして自分自身を守るために、必ず強くなると。そして、その決意を胸に、彼女の物語は新たな章へと進んでいくのであった。
(第51話へつづく)
(あとがき)












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