ミラクルナイト☆第216話
水都神社・夕方
参道に並ぶ提灯が夕陽に照らされ、柔らかい光を放つ。
「ようこそお参りくださいました」
凜は白衣と緋袴の巫女装束で、参拝客一人一人に笑顔を向けていた。
今や「水都神社の看板巫女」としての凜を目当てに訪れる市民も多く、カメラやスマホを手にする姿も目立つ。
しかし、その笑顔の裏で――。
(またSNSに……。昨日の“全裸失神”画像がトレンド入りしてた……
街を守るために戦っているのに……私のこと、みんな本当はどう思ってるんだろう?)
「――疲れているな」
拝殿の影から、大谷悠真が声を掛けてきた。
「悠真……」
凜は自然に肩を落とし、素直に彼を見つめる。二人きりのときは「大谷」ではなく名前で呼ぶ関係になっている。
「みんな私のこと……結局は笑い者なんじゃないかって」
「そんなことない」
大谷は首を振った。
「凜は、水都神社の顔であり、街を守る風の戦士セイクリッドウインドだ。市民はそれを知ってる」
「でも私は、奈理子みたいに立ち直る強さもない……。寧々みたいに強くもない……」
凜の声は小さく震えていた。そして、
「悠真、私もっと強くなりたい。キャンディのようにパワーアップしたい」
と口にした。
大谷はしばらく彼女を見つめ、やがて低く言った。
「それは、ミラクルナイトにより近い存在になるってことだぞ」
「……分かってる」
凜は真剣な瞳で答える。
ドリームキャンディは元々ドレスの下にスパッツを穿いていた。
パワーアップの際にそのスパッツはブルマーへと変わり――ほんの少しだけ奈理子=ミラクルナイトの「生パンツ」に近づいたのだ。
「私は……ブルマーなんか恥ずかしくない!」
凜は拳を握りしめた。
「いや、凜はブルマーじゃない」
大谷が口を挟む。
「え?」
「寧々はまだ子供だからスパッツから始まった。けど凜は大人だから、スタートはレオタードだ。次に来るのは……奈理子と同じだ」
「……見せてはいけない本物の下着?」
凜は唖然とした。
「奈理子は女子高生だから、パンツが見えても『可愛い』で済まされる。だが……23歳、成熟した大人の凜は……」
大谷は言葉を選ぶように目を逸らす。
凜は一瞬だけ頬を赤らめたが、すぐに真剣な眼差しに戻った。
「……それでも! 素っ裸にされるよりマシよ! やるわよ、生パン!!」
悠真は思わず吹き出しそうになったが、真剣な凜を見て苦笑するしかなかった。
「そうだな……ただし、海外の違法サイトにはもう“無修正動画”が流れてるけどな」
「……悠真、そんなもの見てるの?!」
凜の声が一瞬だけ本気で怒る。
「……冗談だよ」
大谷は手を上げて宥める。
「分かった。じゃあ、着替えて神泉に来なよ。お前に新しい風を授けてやる」
「私は……奈理子や寧々みたいに光線技が欲しい」
「セイクリッドウインドはファイトスタイルが違うからな。だが――」
悠真はふっと笑った。
「ガストファングを“風”だけじゃなく、“光”に乗せることはできるかもしれない」
凜の心臓がドクンと跳ねる。
「光る……カッコいい技……」
その夜、神泉の水面に佇む凜の姿があった。
風が吹き抜け、白い巫女衣の裾を翻す。
(もう、負けてばかりじゃいられない……!)
凜=セイクリッドウインドの新たな力が、静かに芽生え始めていた――。
穢川研究所・研究室
静かな研究室。薬品や器具が並ぶ中、篠宮=ブナシメジ男は落ち着かぬ様子で立っていた。
「先生、私が……ホンシメジではなく、ブナシメジの私でよろしいのですか?」
その声には自信の無さと驚きが入り混じっていた。
九頭は机に肘をつきながら、静かに微笑んだ。
「君は地味だが、いつも丁寧で堅実な仕事をしてきた。表に出る機会がなかっただけで、実力は確かだよ。だからこそ、異例ではあるが今回の抜擢に値する」
篠宮の胸に、わずかな誇らしさが灯った。
そのとき、九頭がちらりと扉に目を向けた。
「……君の部下が、そろそろ来るはずだ」
コン、コン。控えめなノック。
「……失礼します……」
入ってきたのは九頭の助手・絹枝だった。涙に濡れた目元を拭いながらの登場に、篠宮は驚いた。
「絹枝くん、涙は似合わないな」
九頭がやわらかく言う。
「先生、彼が……」
と絹枝が言いかけたとき、続いて現れたのは黒いジャケットを羽織った一人の青年だった。切れ長の目に自信の光を宿し、絹枝を横目で見やりながら、堂々と歩を進める。
「紹介しよう」
九頭が立ち上がった。
「カラシ男――篠田烈くんだ」
「カラシ男……」
篠宮は立ち上がり、青年を見つめた。
「噂では耳にしたことがあります」
九頭は満足げに頷く。
「篠田くんは腕が立つ。からし菜の能力を自在に操れる。辛味と刺激は、人間の本能を直撃する。彼なら、ドリームキャンディの飴玉にも負けないはずだ」
篠宮は深く一礼した。
「篠宮です。よろしくお願いします」
烈はニヤリと笑い、絹枝に視線を流してから篠宮を見据えた。
「篠宮さん……俺に任せてくださいよ。ドリームキャンディも、奈理子も、風間凜も……この絹枝ちゃんみたいに泣かせてやります」
絹枝はビクリと肩を震わせ、顔を伏せた。
篠宮は彼女を横目で見ながら、胸の奥で小さく息を吐いた。
穢川研究所・記録保管室。
分厚いファイルを机に積み上げ、静かな部屋に紙をめくる音だけが響いていた。篠宮は眼鏡の奥の瞳を細め、真剣に資料を読み込んでいた。
「ワサビ男ほどの強豪が、なぜミラクルナイトに……」
彼の指先は、記録写真の一枚に止まった。空中からフェアリーシールドを展開するミラクルナイト。その下で、無数の山葵汁を放ちながらも届かず、苛立つワサビ男の姿が映っている。
「やはり……空だ。飛べるか飛べないか、それが決定的な差だった」
篠宮は手帳に冷静に記していく。
- ドリームキャンディ → 甘さを逆手にとった辛味攻撃に弱い。
- セイクリッドウインド → 瞬発力があるが、持久力で劣る。
- ミラクルナイト → 最弱、だが空戦能力を持つ。
「ワサビ男が敗れた理由は、空への対応力不足。カラシ男も同系統……同じ轍を踏む可能性は高い」
篠宮は静かに目を閉じる。脳裏に、勝ち気に空を舞う奈理子=ミラクルナイトの姿が浮かぶ。
「ならば……空を封じる術を考えねばならない」
ブナシメジ男としては地味な存在。だが、篠宮は常に愚直なまでに真面目で、戦いを分析する姿勢だけは誰にも負けなかった。
「辛味で視覚を奪い、嗅覚を狂わせ、呼吸を封じる。空を飛んでいようと、盾を張ろうと……感覚を塞いでしまえば、必ず地に落ちる」
小さく呟いたその言葉には、確かな決意が宿っていた。
篠宮はファイルを閉じ、次に備えるように椅子から立ち上がった。
穢川研究所・訓練場。
まだ冷たいコンクリートの空気に、からし菜のツンとした匂いが漂っていた。
篠宮はノートを片手に立ち、目の前の青年・篠田を見据えていた。
「……篠宮さん、僕はワサビ男を尊敬していました。あの人の“山葵烈辛撃”でドリームキャンディに完勝した姿、今でも鮮明に覚えています」
カラシ男は拳を握りしめる。
「だが、ワサビ男は敗れた。ミラクルナイトに」
篠宮は冷静に切り出した。
「敗因は明確だ。飛べない彼に、空を飛ぶ奈理子=ミラクルナイトを封じる術がなかった」
ノートを開き、篠宮は図解を見せた。そこには空中にいるミラクルナイトを矢印で囲み、その周囲に「嗅覚封殺」「視覚阻害」「呼吸困難」と赤字で書き込まれていた。
「……なるほど。空を飛ばせなければ、ただのザコ……」
カラシ男の瞳が光る。
「ミラクルナイトは武器を持たず、徒手空拳だけ。だが、その一撃は市民の期待を背負っているからこそ侮れない。君の“辛味閃光”や“辛烈からし霧”なら、目も鼻も呼吸も奪える。盾を張ろうが空を飛ぼうが、必ず落ちてくる」
篠宮の分析に、カラシ男はしばらく黙っていた。だが、やがて笑みを浮かべる。
「……さすがです、篠宮さん。ブナシメジなんて地味だと誰もが思っていたのに、実は一番の参謀だったとは」
「私は派手な力は持っていない。ただ……目の前の資料と、失敗の記録から学んできただけです」
篠宮は淡々と答える。
「その真面目さ、僕は好きですよ。ワサビ男が叶えられなかった“ミラクルナイト完全撃破”、今度こそ僕たちが果たしましょう!」
カラシ男の声には、確かな熱がこもっていた。
篠宮は初めて、僅かに口元を緩めた。
「ええ。君となら、成せるはずです。まずは、手始めにドリームキャンディからいきましょう」
ブナシメジ男とカラシ男――派手さはないが、確かな理と辛味を武器にする二人の戦士の間に、新たな絆が芽生えた瞬間だった。
水都第一中学校近く
放課後。夕暮れの街に、突如として黄色い霧が立ち込めた。鼻をつくツンとした刺激に、行き交う市民が咳き込み、慌てて逃げ出す。
「くっ……目が……!」
「何だこの臭い……からし……?」
そこに立つ一人の怪人。
黒いロングコートを脱ぎ捨て、全身が辛子色に染まった戦闘形態へと変貌する。
「俺はカラシ男。ワサビ男の意志を継ぎ、甘い飴玉の戦士を叩き潰す者だ!」
その声が、夕暮れの商店街に響き渡った。
――その情報はすぐに水都第一中学校にも届いた。
「隆くん、危ないから帰って!」
制服姿の寧々は隆を庇いながら駆け出す。
(この匂い……まさか……!?)
心臓が高鳴る。ドリームキャンディは香辛料系の敵を苦手とする。過去の敗北が頭をよぎる――
寧々はリュックの中からキャンディコンパクトを握りしめた。
「ミラクルナイトさんがワサビ男を倒した……でも、私は負けた……」
かつてワサビ男の辛烈な攻撃に敗れ、涙を流した過去が脳裏に蘇る。
その瞬間、頭の奥にまで辛味が沁み込むような幻覚が襲った。
「また……あのときみたいに……」
震える寧々。
「来い、ドリームキャンディ!」
カラシ男が両腕を広げ、黄色いからし霧を噴き上げる。
逃げる市民の悲鳴がこだまする。
「くそっ……みんなが……!」
寧々は怯えながらもアイテムを掲げた。
「ミラクルナイトさんみたいに負けられない……! 変身っ!」
黄色い光に包まれ、オレンジのドレスが現れる。
「キャンディ・スイーツ…ドリーム・キャンディ!」
夕陽を背に、怯えながらも立ち上がったドリームキャンディの瞳には、恐怖と闘志が入り混じっていた。
「ワサビ男に負けた過去……克服してみせる!」
商店街の戦い
夕暮れの商店街。
蕎麦屋の暖簾が風に揺れる中、黄色い霧が充満していた。
鼻をつく刺激臭に、買い物帰りの市民たちが顔をしかめる。
「こ、これは……からしの匂い……!目が……沁みる……!」
ドリームキャンディはキャンディチェーンを構えたが、足が震えていた。
目の前で不敵に笑うカラシ男の姿が、過去のワサビ男と重なって見える。
「どうした、飴玉戦士。震えているぞ?」
カラシ男が踏み込むと、ドリームキャンディは咄嗟にキャンディーチェーンを振り下ろす。
――だが、空を切る。
「遅い!」
鋭い蹴りがドリームキャンディの横腹を抉った。
「うっ……!」
膝をついたドリームキャンディの視界が、涙で滲む。
「キャンディちゃん、頑張れー!」
蕎麦屋の店主が丼を投げ出して叫ぶ。
「奈理子ちゃんの次に頼りになるのは君なんだ!」
果物屋のおじさんも声を張る。
「寧々!」
隆が手を握りしめる。
その声は届いていた。
だが、カラシの刺激臭が呼吸を奪い、胃の奥からこみ上げるような辛味が意識を鈍らせる。
「う……苦しい……。奈理子さんや凜さんと違って、私……辛さには強くない……」
震える声で呟いたドリームキャンディの頬に汗が伝った。
――その時だった。
「市民の皆様にお知らせします。只今、水都第一中学校付近にて怪人カラシ男が出現しました。不要不急の外出は控え、安全を確保してください」
水都放送局の町内スピーカーから、緊急警報が鳴り響く。
下校中の奈理子
奈理子は、足を止めた。
「カラシ男……!? ドリームキャンディが……!」
胸が締め付けられるような感覚。
昨夜、菜々美に「甘い」と叱られたことが頭をよぎる。
(でも……仲間を見捨てられない!)
奈理子は鞄に手を伸ばした。
商店街・夕暮れ
黄色い辛味の霧が漂う中、ドリームキャンディはロリポップハンマーを杖のように地面に突き立て、必死に立とうとしていた。
「はぁっ……はぁっ……。鼻がツーンとして……涙も出てきて……身体が思うように……」
涙で潤んだ瞳に映るのは、不敵に立つカラシ男。
彼はワサビ男を思わせる辛味のオーラを纏い、勝利を確信していた。
「飴玉では辛味に勝てぬ!お前も、ここで終わりだ!」
カラシ男がとどめの一撃を構えた瞬間――
「キャンディ、しっかりして!」
水色の光が走った。
翼を広げ、白いミニスカートを翻した少女がドリームキャンディの前に舞い降りる。
「ミラクルナイト……奈理子さん……!」
朦朧とした意識の中で、ドリームキャンディは安堵の笑みを浮かべる。
ミラクルナイトはしゃがみこみ、ドリームキャンディの肩を抱いた。
「キャンディ、もう無理しないで!あとは私に任せて!」
「でも……あの辛さ、気を付けて……」
「分かってる。だからこそ、私が行くの」
ミラクルナイトは立ち上がり、カラシ男と真正面から対峙した。
「水都の守護神・ミラクルナイトが相手です!」
カラシ男が不敵に笑う。
「来たか……噂通り“可愛いだけのパンチラヒロイン”だな」
その背後に、別の気配が忍び寄る。
灰色のローブに身を包み、地味な顔立ちの男――篠宮=ブナシメジ男が姿を現した。
「おや、もう一体怪人が……!」
市民のざわめき。
「ふむ……ドリームキャンディはもう戦えそうにない。ここからは、私とカラシ男の役目だ」
淡々とした声で告げるブナシメジ男。
「二人がかり……!」
ミラクルナイトの顔に一瞬、緊張が走った。
「大丈夫、奈理子さん!」
必死に声を振り絞るドリームキャンディ。
「私の分まで、お願いします……」
ミラクルナイトはドリームキャンディを優しく見下ろし、そして鋭く前を睨んだ。
「キャンディの思いも背負って、私は絶対に負けない!」
商店街のざわめきが熱気へと変わる。
ミラクルナイト vs カラシ男&ブナシメジ男――
次なる戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
商店街・夕暮れの戦場。
「行け、カラシ男。君の辛味でミラクルナイトの動きを封じるんだ」
背後からブナシメジ男の冷静な声が響く。
「心得た!」
カラシ男が翅を広げると、鮮烈な黄色の光が迸った。
「必殺・辛味閃光!!」
閃光は唐辛子のような刺激を伴い、奈理子の瞳を直撃する。
「うあっ……目が……!光が……沁みるっ!」
視界が霞み、涙が止まらない。
「奈理子さん!」
に倒れたままのドリームキャンディが叫ぶ。
観衆からも声が飛ぶ。
「奈理子ちゃん、どうした?!」
「光を浴びただけでこんなに苦しそうに……」
ブナシメジ男は冷ややかに観察していた。
「ふむ……やはり視覚と粘膜を攻めれば、このヒロインは防御の余地がない。フェアリーシールドも使えないな」
「次は鼻と喉だ……」
カラシ男が怪しく笑い、両手を大きく広げた。
「必殺・辛烈からし霧!!」
濃厚なからしの刺激霧が一気に辺りを覆う。
鼻をつく刺激臭に市民たちが
「うぅ、ツーンとする!」
と顔をしかめる中、奈理子はまともに吸い込んでしまった。
「げほっ……かはっ……! 喉が……焼ける……!」
涙と咳で体が震え、翼を広げようとしても力が入らない。
「飛べない……?!」
ミラクルウイングがバサリと力なくたたまれ、ミラクルナイトは地上へ膝をついた。
「はっはっはっ!ザコヒロインの翼を折るのに、刃も爪もいらない!」
勝ち誇るカラシ男。
「分析通りだ。翼を失えば、この娘はただの少女同然。あとは地上戦で嬲ればいい」
ブナシメジ男の眼鏡が冷たい光を反射した。
「……こんな……ことで……!」
息を詰まらせながらも立ち上がろうとする奈理子。しかし、全身が震え、涙と鼻水で顔はぐしゃぐしゃ。
観衆は騒然となった。
「奈理子ちゃん、頑張れ!」
「泣いてる顔も可愛いけど……ヤバいんじゃないか!?」
ドリームキャンディは地面に倒れたまま拳を握りしめる。
「奈理子さん……負けないで!」
「さあ――地に足をつけた弱小ヒロインを、存分に料理してやろう!」
カラシ男がじりじりとにじり寄る。
「来ないで……っ!」
涙と鼻水で顔を濡らしながら、ミラクルナイトは震える腕を前にかざした。
「辛撃脚!」
カラシ男の膝が突き上げるように奈理子の腹を直撃。
「くはっ……!」
白いスカートが翻り、ミラクルナイトは仰向けに転がる。
観衆から声が飛ぶ。
「奈理子ちゃんのパンツ、また見えたぞ!」
「白いのが夕日に映えて綺麗だ!」
「やめっ……て……」
必死にスカートを押さえるミラクルナイト。しかしその腕を、容赦なくカラシ男の脚が弾き飛ばした。
「辛烈からし投げ!」
両足でミラクルナイトの細い腰を挟み込み、そのまま後方へ豪快に投げ飛ばす。
「きゃあぁぁっ!」
再び石畳に叩きつけられたミラクルナイトのブラウスがビリビリと裂け、下着が露わになった。
「おーっ!今日も全敗コースか!」
「泣き顔の奈理子ちゃん、最高!」
観衆は熱狂。
「……も……もう……立てない……」
膝をつき、涙でぐしゃぐしゃの顔を横に振るミラクルナイト。
「お前は翼を失ったただの小娘だ。ここで終わりだ!」
カラシ男が振り下ろす後脚は、鎌のように光り輝く。
「やめてぇぇ!!」
必死の悲鳴を上げる、ミラクルナイト。
だがその瞬間――。
「風よ、我が刃となれ!」
緑の光が商店街を裂き、颯爽と一陣の風が吹き抜けた。
「なっ?!」
カラシ男が後脚を止める。
舞い降りたのは、銀と緑のコスチュームに身を包んだ戦士。
「セイクリッドウインド……凜ちゃんだ!」
市民の歓声が湧き上がる。
「奈理子、泣き顔で終わらせない。ここからは私が相手よ!」
セイクリッドウインドの瞳は鋭く、奈理子を守る決意に燃えていた。
観衆は熱狂する。
「凜ちゃん来たー!」
「23歳清楚系美人巫女の本領発揮だ!」
「カラシ男、風間凜も泣かせてコスチュームをビリビリにしてやるんだ」
ブナシメジ男が静かに命じる。
「おう!奈理子たちと違って風間凜は成年だから容赦はしないぜ!」
カラシ男の声が響き、観衆がどよめく。
「フッフッフ……今日の私は昨日までの私とは一味違う!」
胸を張り、自信たっぷりに笑うセイクリッドウインド。
しかし、その横でドリームキャンディがポツリ。
「……その台詞、前に聞いたことがあるような……」
ハッとしたドリームキャンディは、そっとセイクリッドウインドのスカートの裾に手を伸ばす。
「まさか……」
――ペラッ。
「わ、わぁッ!? キャンディ、何してんのよ!?」
慌ててスカートを押さえるセイクリッドウインド。
信じられないものを見たように固まるドリームキャンディ。
「おぉっ、さっきチラッと白いのが見えたぞ」
麦屋の店主が叫ぶ。
「凛ちゃんが白いパンツ?!大人なのに?!」
と隆。
商店街は一気にどよめきに包まれる。
「し、仕事のときは……私は白にしているのよっ!」
必死に言い訳するセイクリッドウインド。
「さすが神様に仕える凜ちゃん。下着まで清らか!」
「巫女さんの鑑だ!」
なぜか感動する市民。
「……大谷さんのパワーアップ、あまり期待しない方がいいですよ」
ドリームキャンディが冷ややかに言う。
「ど、どういうことよ?」
とセイクリッドインド。
「私のときも、確かに強くなった気はしましたけど……今思うと、スパッツがブルマーに変わっただけ…だったかもしれませんからね」
「私は違うわ!」
セイクリッドウインドはムキになる。
「どうだか……大谷さん、真面目そうな顔して、意外とスケベなのかも。私たちに恥ずかしい格好をさせて楽しんでいるとか…」
「そ、そんな……悠真は……」
セイクリッドの表情が揺れる。
「キャンディ、大谷さんを信じようよ」
ミラクルナイトが口を挟む。
「大谷さんは、今まで何度も私たちを助けてくれたんだから」
「……奈理子……」
セイクリッドウインドは少し落ち着きを取り戻す。
「お前ら、何をコソコソ言い合っているんだ?!」
カラシ男が不機嫌に声を張り上げる。
「新しい私の力を見せてやるって言ってんのよ!!」
セイクリッドウインドはガストファングを高々と掲げ、緑の光を纏った。
「凜ちゃん行けー!」
「23歳の生パン戦士の実力見せろ!」
商店街の住民はなぜか下着絡みで盛り上がる。
「俺の辛味に耐えられるかなぁ?!」
カラシ男が両手を広げると、立ち込めるように強烈な 辛味ガス が噴き出した。
「うわぁ!アリルイソチオシアネートだっ!」
蕎麦屋の店主が両目を押さえながら悲鳴を上げ、屋台から転げ出る。
「目が痛ぇぇぇ!」
果物屋のおじさんは涙をボロボロ流し、りんごを落として転がす。
「いやぁ~~っ!」
ドリームキャンディが慌てて隆にしがみついた。
「隆!キャンディのお尻触らない!!」
ミラクルナイトが涙目で怒鳴る。
「鼻がツーンとして、それどころじゃないだろ!」
隆は必死に抗議しながらも、抱きついてくるドリームキャンディに真っ赤になった。
商店街は一瞬にして 大混乱。
だが――。
「フン、私には通用しないわ!」
セイクリッドウインドが颯爽と前に出ると、ガストファングを一閃。
「それ――っ!」
ガストファング一振りで突風を生み出し、辛味ガスの霧を一気に吹き払った!
「す、すげぇ!ガスが消えた!」
涙で顔をぐちゃぐちゃにしていた果物屋のおじさんが歓声を上げる。
だが同時に――
バッサァァァッ!
突風はセイクリッドウインド自身のスカートを盛大に捲り上げてしまった。
「うおおおっ!奈理子ちゃんと同じ白パンツだぁー!」
果物屋のおじさんが思わず叫ぶ。
「同じ白でも、奈理子ちゃんより色っぽいぞ!」
蕎麦屋の店主は涙目のまま親指を立てる。
隆まで歓喜の声を上げた。
「た、隆!見ちゃダメでしょ!!」
ミラクルナイトが慌てて怒るが、当の本人は真っ赤になって視線を逸らす。
「くっ……一振りでこの威力……やっぱりパワーアップは本当だったのね」
セイクリッドウインドは真っ赤になりながらスカートを押さえつつも、凛々しく言い放つ。
「ガストファングの風圧がここまでとは……」
ブナシメジ男は予想外の威力に驚きを隠せなかった。
「クソッ!だが……」
カラシ男は地面を強く蹴り、全身から熱気を放つ。
「風を起こす度にパンツが見えるぞ!その状態で戦えるのか?!」
からし菜の 辛味成分 が体内を巡り、筋肉を熱く震わせる。血行が促進され、カラシ男の身体能力はさらにブーストされていく――!
翠の風を纏ったセイクリッドウインド――その姿になった凜は、名に違わぬほど凛々しい輝きを放っていた。
スレンダーな体に映えるファショナブルなコスチューム。
胸の膨らみはDカップと決して大きくはないが、引き締まった肢体と長い脚線美がその分、清楚な美しさを引き立てていた。
「はああッ!」
セイクリッドウインドはガストファングを薙ぎ払い、翠の光を帯びた風刃を叩き込む。
「クッ……勢いが違う!」
カラシ男が跳び退く。
しかし、その度に――
バサァッ!
緑の風がコスチュームを翻し、ミニスカートの奥、真っ白な生パンツが露わになる。
「うぉぉ!清楚系美女の白パンツ!!」
「凛ちゃんの太腿が神々しいっ!」
「奈理子ちゃんのパンツもいいけど、大人の凛ちゃんのは破壊力が違う!」
商店街の住民たちはもう完全に目を奪われていた。
「くっ……!」
羞恥に顔を赤らめるセイクリッドウインド。しかし、足は止まらない。
「私は……見られても戦う!」
彼女の自由奔放な性格が、羞恥を逆に力へと変えていた。
「さすが風間凜……俺の辛味にも耐えるか!」
カラシ男は感心したように嗤う。
全身から再び辛味ガスを吹き出しながら、猛然と突進する。
「こんな匂い……っ!」
鼻を突く刺激に涙が滲む。それでもセイクリッドウインドは怯まず、翠光を纏った刃を構え直す。
スカートを翻し、白いパンツを惜しみなく晒しながら――
それでも凛々しく、誇り高く戦う姿に、市民たちは声援を送らずにはいられなかった。
「凛ちゃん、頑張れぇぇっ!」
「白パン見せながら戦うなんて……さすが巫女戦士!」
「セイクリッドウインド最高ぉぉっ!!」
羞恥と辛味の中、セイクリッドウインドは確かに――食い下がっていた。
「辛烈・からし竜巻ッ!!」
カラシ男が両腕を大きく振るい、黄色い霧と辛味の旋風が一気に巻き起こる。
刺激臭に加え、目に沁みる揮発成分が風に乗り、商店街の建物さえ軋ませた。
「ぐあああっ……!」
セイクリッドウインドの翠の風も押し返され、コスチュームがさらにビリビリと裂けていく。
肩口から腕、太腿まで――清楚な肢体があらわになり、凜は必死に耐える。
「凜さん、危ない!!」
ドリームキャンディが叫ぶ。
「これが……私の限界……なの……?」
セイクリッドウインドの膝が落ちかけた、そのとき――
「まだ……終わってないっ!」
瓦礫の中から、ボロボロの姿で立ち上がる影。
それは、上着もスカートも破れ落ち、白いブラと純白のコットンパンティだけが残る――
ミラクルナイトだった。
「奈理子さん!」
ドリームキャンディが涙ぐむ。
観衆が一斉にどよめいた。
「おおおお!純白の天使、ミラクルナイト復活だぁぁっ!」
「白パン一丁で立ち上がるなんて、さすが俺たちの奈理子ちゃん!」
「下着姿であんなに凛々しいなんて、可愛すぎる!!」
奈理子は赤くなりながらも、まっすぐにカラシ男を睨み据える。
「……純白のパンツは、水都の守護神の象徴。
恥ずかしいけど……白を穿く者として、黙ってなんていられない!」
風に舞う黒髪のリボン、そして眩い白の輝き。
彼女は確かに、パンツ一枚でも――
“純白の天使”だった。
カラシ男は鼻で嗤った。
「ククッ……立ち上がってもまた辛味に泣かされるだけだ。だが、その根性……叩き潰しがいがあるぜ!」
セイクリッドウインドが力なくも微笑む。
「奈理子……貴女の白が、私をまだ戦わせてくれる……」
そして、商店街の住民たちの声が重なった。
「奈理子ー!純白の天使ー!!」
「白パンツが俺たちの誇りだー!」
「可愛いぞ、奈理子ちゃーん!!」
ミラクルナイトは胸を張り、顔を真っ赤にしながらも高らかに叫ぶ。
「私は――水都の守護神、ミラクルナイト!純白を信じる限り、負けないッ!!」
「奈理子……まだ戦える?」
肩で息をするセイクリッドウインド=凜が横に並んだ。
コスチュームは消え、彼女も奈理子と同じく、白の下着姿を晒している。
「恥ずかしいけど……私、白いパンツを穿く者として負けられない!」
ミラクルナイトは涙目になりながらも拳を握りしめた。
観衆が爆発する。
「おおおおーっ!!」
「純白のダブルヒロインが並んだぞ!」
「奈理子ちゃんと凜ちゃんの白パンツ共演!これは奇跡だ!!」
「白パンツ二人揃い踏みとは……まるで悪夢だな」
カラシ男が鼻で笑い、再び辛味ガスを噴き上げた。
だが、今度は凜が力強く叫ぶ。
「えいッ!」
翠の光を帯びた風刃が走り、ガスを切り裂く。
「奈理子、今だ!」
セイクリッドウインドが風で作った空間に奈理子を押し上げる。
「うんっ!白いパンツの誇りを込めて――!」
ミラクルナイトは翼を広げ、風に乗って高速回転。
二人の力を合わせた必殺の連携技が放たれる。
「ミラクル・スピン――クロスチョップッ!!」
しかし…
「あぁっ…また風圧でパンツが……」
ミラクルナイトは左手でとっさにずり下がるパンツを掴んだ。
そして、セイクリッドウインドの風で加速しながら、ミラクルナイトの右腕がカラシ男に叩き込まれた。
ズガァァァァァン!!
「ぐはぁッ!」
カラシ男は辛味の爆炎にまみれながら後方に吹き飛ぶ。
「おおおおーっ!!」
「奈理子の白パンツが勝ったぞ!」
「凜ちゃんの白も最高だー!」
商店街の人々は涙を流しながら拍手喝采。
「私たち……恥ずかしいけど……」
ミラクルナイトが頬を赤らめる。
「恥ずかしい姿を晒しても、守るものがある。それが私たち“白パン連携”よ!」
セイクリッドウインドは堂々と言い放った。
カラシ男は膝をつきながらも笑った。
「ククッ……確かに効いたぜ。だが、俺はまだ終わっちゃいねぇ……」
ブナシメジ男が歩み出る。
「いい、もう十分だ。今日の成果は大きい。ここは退くぞ」
そう言ってカラシ男を制止した。
「ふん……覚えていろ、白パン共!」
吐き捨てながら、カラシ男は辛味煙幕を撒き散らし姿を消した。
辛味の煙が消え、商店街には再び静けさが戻った。
倒壊した看板や散乱する商品、けれども市民の顔には安堵の笑みが広がっていた。
その中心に立つのは、白パンツ丸出しのミラクルナイト=奈理子と、同じく白パンツを惜しげもなく晒しているセイクリッドウインド=凜。
二人は肩を寄せ合い、疲れ切った顔で、それでも誇らしげに立っていた。
「凜さん、ごめんなさい。スカートがないと、ミラクルスピンクロスチョップは……」
「パンツがずり落ちないようにパンツを必死に掴む奈理子の姿も可愛かったよ」
セイクリッドウインドは、カラシ男を仕留めることができなかったことを詫びるミラクルナイトをギュッと抱きしめた。
「奈理子ちゃん!凜ちゃん!今日もありがとう!」
果物屋のおじさんが叫ぶ。
「白いパンツが、今日も俺たちを救ってくれたんだなぁ!」
蕎麦屋の店主は涙ぐみながら手を合わせた。
「奈理子ちゃんの純白は“天使の白”!凜ちゃんの純白は“大人の白”だな!」
「ダブルで拝めるなんて、奇跡のご利益だ!」
市民たちは口々に讃え、シャッター音が鳴り止まない。
奈理子は顔を真っ赤にして
「も、もう……そんなこと言わないでください!」
と両手で白パンツを必死に隠す。
「凜ちゃんも白いパンツだったことには驚いたよ!」
「これからずっとセイクリッドウインドもスカートの下は凜ちゃんのパンツ?」
セイクリッドウインドは逆に堂々と腰に手を当て、観衆に向かって
「そうです!お仕事のときは襦袢の下に白い下着を身に着けています!」
と胸を張った。
「凜さん、強い……!」
と奈理子が呟く。
「奈理子だって、可愛いパンツ見せてくれてありがと」
セイクリッドウインドがウインクを返す。
「奈理子ちゃんも凜ちゃんも、最高だったぞー!」
「やっぱり水都のヒロインは“白パン”で決まりだ!」
商店街全体が拍手と歓声に包まれる。
恥ずかしさと温かさに包まれた二人の白パンツは、今日も水都の平和の証だった。
穢川研究所・作戦報告会議
出席者は、社長・勅使河原、側近の渦巻、秘書の一ノ木多実、研究部門責任者の九頭、そして実働幹部の篠宮=ブナシメジ男と篠田=カラシ男。
「カラシ男、よくやった」
勅使河原はゆっくりと口を開く。
「水都の商店街を混乱に陥れ、ミラクルナイトとセイクリッドウインドを下着姿にまで追い込んだ功績は大きい」
「へっへっ、ありがとうございます社長!」
篠田は誇らしげに胸を張る。
「奈理子の“純白”を辱めたと聞いて、ワサビ男の兄貴も天国で喜んでるはずです!」
「ふむ……だが最後には、セイクリッドウインドと共に反撃を許したな」
渦巻が冷たく指摘する。
「最終的に退いたのは君ではなく、我々の判断だったのだ」
「す、すみません!でも俺はまだまだやれました!」
と篠田。
「うん、それは分かっているよ」
九頭が静かにフォローする。
「初戦としては上出来だ。奈理子と風間凜を同時に“白パン丸出し”にしたのだからな」
「……九頭先生、その表現はやめてください」
多実が眉をひそめる。
「ですが事実でしょう?」
と九頭は笑った。
篠宮は席を正し、淡々と述べる。
「カラシ男の戦い方は十分に実証されました。今後は我々が連携して、さらなる戦果を狙うべきです」
「ほぉ、篠宮。君は相変わらず地味だが、意見は的確だな」
勅使河原が満足げに頷く。
「ツルバナ女が休養中で、カマドウマ男も傷を癒している今、君とカラシ男が実行部隊の中心となる」
「えっ、俺が?!」
篠田は目を丸くする。
「はい」
篠宮は力強く答えた。
「あなたはドリームキャンディを圧倒し、ミラクルナイトとセイクリッドウインドに恐怖を刻みました。次の作戦でも必ずや、大きな成果を挙げられるでしょう」
「……フッ、気に入ったぜ、篠宮さん。あんたとは気が合いそうだ!」
篠田は拳を握りしめた。
「よろしい」
勅使河原は立ち上がり、全員を見渡した。
「水都の市民は、白パンヒロインどもに熱狂している。しかし、その熱狂は容易く絶望へと変わる。次こそ、市民の目の前で彼女たちを完全に叩き潰すのだ」
研究所の会議室に、不気味な笑いが広がった。
翌日の水都商店街
戦いの翌日、セイクリッドウインド=凜の白パン姿はすでにSNSで拡散されていた。
「昨日の凜ちゃん、すごかったなぁ!」
八百屋のおばちゃんが盛り上がっている。
「清楚系の巫女さんだと思ってたけど、まさか奈理子ちゃんと同じ本物のパンツになったなんて!」
「俺なんか泣きそうになったよ!」
麦屋の店主が大げさに胸を叩く。
「奈理子ちゃんの白は“可愛さ”だけど、凜ちゃんの白は“大人の色気”だ!あのスラリと伸びた脚に生パンチラ、神々しかったぞ!」
「えぇ〜でも、23歳であれはどうなのかしら?しかも、水都神社の巫女なのに……」
魚屋の奥さんが首を傾げる。
「いやいや、年齢なんて関係ねぇ!むしろ大人の白だからこそ価値があるんだ!」
果物屋のおじさんは力説する。
「やっぱり凜ちゃんが一番だよな!」
「いや、やっぱ奈理子ちゃんの方が可愛いって!」
「二人並んで白パン見せてくれた昨日は神回だったな!」
通りすがりの女子高生までもがスマホで盛り上がる。
「奈理子ちゃんの白パンは毎度のことだけど、凜さんが白だったのはヤバすぎでしょ!」
「バズってるバズってる!“#白パン巫女”トレンド1位だよ!」
水都神社・授与所
その噂は当然、本人の耳にも届いていた。
巫女装束で授与所に立つ凜の前に、参拝客が次々とやって来る。
「昨日の白、最高でした!」
「清楚なお顔と大胆な白パン、ギャップにやられました!」
「……お参りありがとうございます」
凜は笑顔を崩さずに応じるが、心の中では
(うぅ〜っ、何でみんなパンツのことばっかり言うのよ……!)
と赤面していた。
さらに追い打ちをかけるように、同僚の巫女が囁く。
「凜さん、昨日から“巫女さん=白パン”って噂になってますよ」
「ちょっと!やめてよ!」
思わず声を荒げてしまう凜。
奈理子と寧々
その頃、奈理子と寧々は商店街で買い物をしていた。
「凜さん、すっかり奈理子さんと同じ扱いですね」
寧々が呟く。
「ね、ねぇ…寧々ちゃん、それどういう意味よ!」
奈理子が慌てる。
「パンツ見せて喜ばれるヒロインって意味です」
冷静な寧々。
奈理子は肩を落とした。
(私と同じ…って、凜さんに悪いような、パンツを見られるのが私だけじゃなくなったって、ちょっと嬉しいような……)
(第217話へつづく)
(あとがき)











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