ミラクルナイト☆第232話
新年の空気はまだ水都の街に薄氷のように張り付いている。風間凜は石段を一段ずつ、静かに上っていく。境内の喧騒は背後に遠のき、耳に入るのは自分の足音と風の音だけだ。彼女の目的地は本殿の裏手にある、古びた展望台。通称、望楼。水都神社で最も高 ...
ミラクルナイト☆第227話
―対シグマ戦略会議―
ストーブの熱がじんわりと部屋を温める夕暮れ。
応接室には緊張と甘い香りと、奈理子の柔らかい気配が混じっていた。
「シグマ……あの人、何者なんでしょうね」 ...
ミラクルナイト☆第226話
放課後のチャイムが鳴り響くと、教室の窓から淡い夕陽が差し込んだ。
制服の水色のセーラーが橙色に染まり、
カーテンの影がゆらゆらと教室の床を揺らす。
「すみれちゃん、バス停まで一緒 ...
ミラクルナイト☆第225話
放課後の街に、突如として混乱が走った。
ブナシメジ男の撒いた幻覚胞子が、まだ一部の市民の神経に残っていたのだ。
噴水広場では、人々が錯乱し、互いに掴み合い、悲鳴と怒号が交錯する。
「やめて!落 ...
ミラクルナイト☆第217話
水都神社・大谷家
夕餉を終え、居間でスマホを見ていた大谷悠真がため息をついた。そこに、仕事を終えた凜が巫女衣装のまま帰って来る。
「“#白パン巫女”……やっぱりまだトレンドに残ってるな。これから年末年始でバイト ...
ミラクルナイト☆第216話
参道に並ぶ提灯が夕陽に照らされ、柔らかい光を放つ。
「ようこそお参りくださいました」
凜は白衣と緋袴の巫女装束で、参拝客一人一人に笑顔を向けていた。
今や「水都神社の看板巫女」としての凜を ...
ミラクルナイト☆第215話
夜のファミレス。蛍光灯の白い光に照らされ、ガラス越しに車のテールランプが流れていく。
窓際のボックス席に座るのは、牛島と渚。牛島はラフなパーカー姿、渚は仕事帰りらしく地味なカーディガンに眼鏡。彼女の横には通勤用の折りたたみ自転 ...
ミラクルナイト☆第214話
穢川研究所・社長室。
重厚な黒革の椅子に腰かけた社長・勅使河原が、窓の外の夜景を見下ろしていた。壁には時計の針が静かに回り、重苦しい沈黙を刻む。
会議卓を囲むのは、社長側近の渦巻、秘書の多実、研究部門責任者の九頭、 ...
ミラクルナイト☆第211話
【穢川研究所・最上階、社長室】
分厚い防音扉が閉ざされ、重厚な机の奥に座るのは社長・勅使河原。
その左右には、側近の渦巻と、タイトスカート姿の社長秘書・多実が控えていた。
ソファには白衣姿の研究部門の責任者 ...
ミラクルナイト☆第202話
穢川研究所・最上階 社長室
分厚い絨毯に重厚なデスク。豪奢な空間を飾るのは、一枚の絵画――白衣をまとった異形の生物が、街を焼く光景。
その絵を背に、穢川研究所社長・勅使河原が革張りの椅子に沈み、鋭い視線で部下たちを ...
ミラクルナイト☆第195話
水都郊外、穢川研究所・社長室。
革張りの重厚な椅子に背を預ける一人の男。
その目は眼前のガラス越しに見える工業都市の煙を睨みつけていた。
──合同会社穢川研究所・社長、勅使河原宗一郎。
老獪さと ...
ミラクルナイト☆第179話
夜。
水都を見下ろす高層ホテルの一室。
黒曜石のように輝く大理石の床、窓の外には遠く水都公園のライトアップが微かに光っている。
その部屋の中央――
流れるような動きで脚を組んで座る男の姿。 ...
