ミラクルナイト☆第243話
穢川研究所の研究室。
「自分は、凡人だから失敗する…」
篠原=ブナシメジ男は溜息を付いた。一花拉致事件の際も、ミラクルナイトを襲撃したが、菜々美の一喝により退却してしまった。
「だからこそ、現場を任されているんですよ」
絹枝が、励ますように声をかけてきた。
「ブナシメジ男には、ホンシメジ男のような戦闘力も、フンコロガシ男のような怪力もありません。でも、ブナシメジ男には、姑息な菌糸による拘束力と、技の拙さを補う媚薬があるじゃないですか」
「それはそうですが…」
「奈理子は、毎回、中学生戦士ドリームキャンディに助けられて、精神的に揺らいでいます。今の彼女は、誰にでも負けますよ」
「なるほど…」
「ミラクルナイトの弱点は、見られること。特に、パンツを見られることは、ミラクルナイトにとって最大の羞恥であり、力の源であると同時に、力を失う源でもあるのです」
絹枝は、ブナシメジ男に、ある資料を渡した。
「これは…?」
「昨日のミラクルナイトとチョコレートクルミの戦いの記録です。ミラクルナイトは、大勢の観客の前で、パンツを見られる。ファンの期待に応えるために、ミラクルナイトは戦うことを放棄しています。魔物ではありますが、チョコレートクルミは最高の舞台を選びましたね」
「なるほど…」
ブナシメジ男は、ニヤリとした。
「水都女学院は期末テストに入ります。明日からですね。奈理子は、戦いの連続で勉強はあまりできていないはずです。放課後は、早く帰って勉強したいはず。タワー前広場はほどではありませんが、奈理子の帰宅路である水都公園にも多く市民がいます」
篠原は、絹枝の言葉を黙って聞いていた。
「自分は、凡人だからこそ、凡人なりのやり方がありますよ」
「ええ。それこそが、あなたの強みですから」
絹枝は、ブナシメジ男の肩に手を置いた。
「失敗しても構いません。大胆に、行きましょう」
「はい!」
篠原は、自信満々に答えた。
放課後、水都女学院高校校門前。
「明日は、いきないり数学かぁ…」
奈理子が、溜息をつく。
「奈理子さん、数学苦手だもんね」
すみれが、同情する。
奈理子とすみれに続いて、賑やかな一団が校門から出てきた。菜々美と、その取り巻きたちだ。
「奈理子さんが苦手なものは、数学だけじゃないわよね」
菜々美の声に、取り巻きたちがクスクスと笑う。その笑いは、昨日の戦いの記録を知っている者たちの、それだった。
「昨日の戦い、テレビで見たわ」
取り巻きの一人が、奈理子に言う。
「すごいわよね、奈理子さん」
その言葉に、奈理子は、期待する。だが、その期待は、あっさりと裏切られる。
「パンツをチョコレートで汚されながら、ファンの期待に応えるなんて、人気者って、大変ね」
「お漏らししたみたいに、見えてたもんね」
「ドリームキャンディに助けてもらわないと、どうなってたことか…」
「まあ、パンツをたくさん見せて、ミコールの宣伝はできたみたいだけど」
「水都の守護神は、パンツ見せて戦うの?」
「一花さんを助けたときは、奈理子さん、凄い、と思っけど、昨日のアレは、ねぇ…」
取り巻きたちの嘲笑は、奈理子の心に、突き刺さる。一花拉致事件は、ミラクナイトが一花を救出したと報道されているが、実は、ミラクルナイトは何もしていない。
「奈理子さん、無視しなさい」
すみれが、奈理子の手を握る。
「そうよ、奈理子さん。数学ができないだけで、パンツを見せるのが得意なんだから、それでいいじゃないの」
菜々美は、奈理子を挑発する。
「奈理子さん、今日はパンツを見られないように、早く帰って勉強しなさいね」
「菜々美さん、生徒会で奈理子さんに手伝ってもらっているくせに、やめなさい!」
すみれが、菜々美に抗議するが、菜々美は、気にも留めない。
「だから、奈理子さんにはいい点数を取ってもらわないと困るのよ」
菜々美は、奈理子に、ニヤリとして笑いかける。
「3年生を気持ち良く送り出せるように、明日は良い点を取ってね」
「えへへっ、菜々美さん、サイコー!」
「奈理子さんも、サイコーよ」
「明日こそ、数学を解いてみせるわ」
奈理子は、悔しそうに、菜々美を見つめる。
「解けるの?」
菜々美が、挑発的に問いかける。
「解けるわよ!」
奈理子は、決意したように、言い放つ。
「明日こそ、ミラクルナイトに変身して…」
「あら、変身して解くの?」
菜々美が、驚いたように言う。
「解けるはずがないわね」
「うぐっ…」
奈理子は、言葉に詰まる。
「じゃあ、明日の放課後、萬々亭で、解けたかどうか、確かめてあげる」
「うん!」
奈理子は、即答した。その直後、彼女は、自分の言葉に気づき、顔を真っ赤にした。
翌日の放課後、水都公園内カフェ萬々亭。
「一花さんも言ってたけど、菜々美さん、本当に意地悪だね」
奈理子は、磯部餅を頬張った。テーブルには、教科書が広げられている。
「あの子たちに言われて、勉強に力が入ったでしょ。奈理子さんは、負けず嫌いなんだから」
「でも、酷いよ」
「すみれさんが言ったように、無視すればいいのよ。あの子たちは、名もないモブだから。ちゃんとした台詞をもらったのは今回が初めてじゃない?」
菜々美も、磯部餅に手を伸ばした。
「私くらいには出来ているようね」
数学のテストの答え合わせを済ました菜々美が言うが、実は、菜々美も数学は得意ではない。
「えへへっ、明日の国語は得意なんだ。菜々美さんは?」
「あたし?まぁ、普通かな…そういえば、奈理子さん、最近イベント続きで、疲れたでしょう。敵に襲われないうちに、早く帰って休みなさいよ」
「うん。ありがと、菜々美さん。早く帰れるのはテスト期間中くらいだもんね」
奈理子は、菜々美の優しさに、嬉しくなって、笑顔を見せた。だが、その瞬間、萬々亭の窓ガラスが、粉々に割れた。店内の客は、悲鳴を上げて、床に伏せる。割れた窓から、キノコの胞子が舞い込み、店内は、胞子の霧に包まれた。
「きゃっ!」
奈理子は、慌てて、菜々美の体を抱きしめる。
「菜々美さん、大丈夫!?」
「私の磯部餅が…!」
「お金持ちなんから、磯部餅なんかどうでもいいでしょ!?」
奈理子は、磯部餅に手を伸ばす菜々美を引きずり、外に出るために入口のドアに向かう。
「他のお客さんは…」
奈理子は、菜々美を抱きしめたまま、店内を振り返る。
「また、ブナシメジね。店の人たちは私が避難させるから、やっちゃいなさい、奈理子さん」
菜々美の声に、奈理子は、安心する。
「お店の人たちは、お願い…」
だが、その安心は、すぐに、恐怖に変わった。
「うぐっ…」
「奈理子さん…?」
菜々美の声に、奈理子は、反応できない。体は、動かない。声は、出ない。見えるのは、菜々美の、心配そうな顔だけだ。
「何?これは…」
菜々美は、奈理子の体を調べる。体中から、キノコの菌糸が、生えてきている。菌糸は、奈理子の体に、絡みつき、動きを封じ込めていた。
「みんな、逃げて!」
菜々美は、戸惑う店内の人たちに叫ぶ。
「菜々美さんも逃げて…」
奈理子は、震える声で言う。
「無理よ。あたしが逃げたら、奈理子さん、どうするつもり?」
菜々美は、割れた窓の外を見る。そこには、ブナシメジ男が、立っていた。
「凡人の私が、凡人なりのやり方でやるだけだ」
ブナシメジ男は、そう言って、萬々亭に近づいてくる。
「奈理子さん、変身しなさい!アイマスクはどこ?」
菜々美は、奈理子の体を制服の上から探る。
「ひゃあ、くすぐったい!スカートのポケットにあるから!」
「あった!」
菜々美は、奈理子のスカートのポケットからアイマスクを取り出した。菌糸は、奈理子の体をどんどん覆い尽くしていく。
「しかっかりしなさい!ミラクル・チェンジ!!」
菜々美は、そう叫びながら、奈理子の目元にアイマスクを装着した。その瞬間、水色の光とともに、奈理子を覆う菌糸が弾け飛ぶ。
「水都の守護神ミラクルナイト!」
変身を終えたミラクルナイトは、ブナシメジ男に向き直る。だが、その体は、まだ、麻痺しているような、奇妙な感覚に包まれていた。
「奈理子さん、動ける?」
菜々美の声に、ミラクルナイトは、うなずく。
「動けるけど…なんだか…頭が…回らない…」
「菌糸の成分に、変な薬が混ざっているのね」
菜々美が、教えてくれる。
「凡人の私が考えた、凡人なりのやり方だ」
ブナシメジ男が、満足げに笑う。
「ミラクルナイトは、パンツを見られることで羞恥を感じ、力が増すと言うが、媚薬で体の感度が上がった状態ではどうだ?」
ミラクルナイトは、ブナシメジ男の言葉を理解できず、戸惑った顔で菜々美を見る。
「あたしが言うようにやってみなさい。そうすれば、勝てるわ」
と、菜々美。
「菜々美お嬢様、これは私とミラクルナイトの戦いです。手出しはお控えください」
ブナシメジ男が、菜々美に警告する。
「手出ししないわ。でも、口は出させてもらう。あなたのせいで、私は、磯部餅を食べられなかったんだから」
「磯部餅は関係ないでしょう!」
ミラクルナイトは、叫んだ。だが、その声は、力なく、震えていた。媚薬の影響か、自分の息遣いさえ、異様に感じられる。ブナシメジ男の術は、単なる麻痺ではなかった。全身の神経が、過敏になっているのだ。空気の流れ、服の生地が肌に触れる感覚、全てが、強烈な刺激となって脳に突き刺さる。
「奈理子さん、いい。まず、その媚薬のせいで、あなたの体は、ちょっと触れられただけで感じやすい状態になってるの」
菜々美の声が、冷静に響く。萬々亭から逃げ出した客たちが、遠くから戦いを見守っている。スマホのフラッシュが、いくつも光った。
「ふふっ、だからこそだ。水都の絶対ヒロインが、快感に泣き叫ぶ姿を、この目で見届けたい」
ブナシメジ男は、菌糸の鞭を振りかざす。その先端は、媚薬を塗り込められている。
「奈理子さん、彼の鞭に触れられたら、終わりよ」
「くっ…」
ミラクルナイトは、必死に立ち上がろうとするが、足がガクガクと震え、うまく力が入らない。菜々美の言う通り、自分の体が、まるで他人のもののようだ。
「こんな状態で、どう戦うばいいの…?」
「あたしが教えるから、戦えるわ!」
菜々美の声は、厳しかった。
「まず、スカートをめくりなさい。下着が見えるように」
「え…!?」
ミラクルナイトは、信じられないという顔で菜々美を見る。
「早くしなさい!あの鞭が、当たる前に!」
ミラクルナイトは、躊躇しながらも、自分のスカートの裾を、ぎこちなく持ち上げた。白色のシンプルなショーツが、大勢の観客とブナシメジ男の目に曝された。
「さあ、次!」
菜々美の指示に、ミラクルナイトは、慌てる。
「な、何を…」
「そのショーツの脇の、ゴムの部分に、指を入れなさい。そう、ゆっくりと」
「うぐっ…」
羞恥で顔がカッと熱くなる。それ以上に、媚薬に蝕まれた指先が、下着の生地に触れた感覚が、電流が走るように全身に広がる。
「いい。そのまま、引っぱりなさい。パンツが、あなたの股間に食い込むように」
「や、やだ…!」
「やらないなら、あなたの負けよ。あの人の鞭が、あなたの体を貫くのを待つだけ」
ミラクルナイトは、涙を浮かべながら、菜々美の言う通りにした。指に掛けたショーツのゴムを、引き上げる。薄い生地が、敏感になった局部に強く食い込み、堪えきれない快感が背筋を駆け上る。
「あっ…くぅ…」
「もっと上げるの!」
菜々美に促され、ミラクルナイトは、さらに下着を引き上げる。股間に深く食い込んだショーツは、薄い布一枚を隔てて、蜜壺を強く刺激する。全身を震わせる快感に、立ち姿が崩れそうになる。
「な、何…これ…体が…」
「快感で力がみなぎるのよ。羞恥心が、力に変わるの。それが、今のあなたの戦い方なのよ、奈理子さん!」
菜々美の言葉に、ミラクルナイトは、ハッとする。そうか、これが…自分の、今の戦い方なのか。
「ふっ、情けない」
ブナシメジ男が、嘲笑する。
「だが、それでいい。その屈辱的な姿のまま、私の鞭に耐えられるか?」
ブナシメジ男は、菌糸の鞭を、振り下ろした。媚薬を塗り込められた鞭は、紫色の光を放ちながら、ミラクルナイトめがけて袭来する。
「受けるのよ、奈理子さん!」
菜々美の叫びと共に、ミラクルナイトは、思わず、股間に食い込んだショーツを、さらに強く引き上げた。
「きゃっ!」
鞭は、ミラクルナイトの足元を叩き、砕けた。その衝撃で、彼女は、よろめく。だが、体にみなぎる力は、先ほどとは比べ物にならないほど強い。羞恥と快感から生まれた力が、媚薬の麻痺を打ち破ったのだ。
「やった…!」
ミラクルナイトは、自分の手の中に力が満ちているのを感じる。
「まだ、これからだ!」
ブナシメジ男は、再び、鞭を振りかざす。
「そんな格好で、どうするつもりだ?」
「こうよ!」
ミラクルナイトは、股間に食い込ませたショーツから手を離し、その手で、スカートの裾を掴んだ。そして、勢いよく、スカートを高く振り上げる。
「ミラクル・フラッシュ!」
下着と太ももの隙間から、まばゆい光が放たれる。ブナシメジ男は、その光を浴びて、目を覆う。
「ぐっ…!これは何だ?!」
「水都の絶対ヒロインの、恥じらいの光よ!」
菜々美が、宣言する。
「恥じらい…だと?」
「そうよ!」
ミラクルナイトは、スカートを振り上げたまま、自信に満ちた声で言った。
「水都の守護神ミラクルナイトは、どんな屈辱的な状況に追い込まれても、水都の平和を守るために戦う!それが、私の誇り!」
その言葉と共に、彼女の体から、水色のオーラが噴き出す。媚薬の影響で敏感になった体は、羞恥心を力に変える回路が、完全に開かれていた。パンツを見せる羞恥が、そのまま戦闘力に直結していたのだ。
「なんてことだ…」
ブナシメジ男は、自分の戦術が、裏目に出たことに気づく。
「終わりよ!」
ミラクルナイトは、敵に向かって突進する。ブナシメジ男の鞭は、彼女のスピードには追いつかない。ミラクルナイトは、ブナシメジ男の懐に飛び込み、パンチを繰り出した。
「ミラクル・パンチ!」
パンチは、ブナシメジ男の腹に、くい込む。
「ぐはっ!」
ブナシメジ男は、吹っ飛ばされ、遠くの壁に叩きつけられた。
「勝った…!」
ミラクルナイトは、ガクガクと震える足で、なんとか立ち直った。観客は、その姿を見て、拍手し始めた。
「奈理子ちゃん、すごい!」
「あのパンツ、見せてたおかげで勝ったんだね!」
「奈理子ちゃんのパンツ、もっと見たい!」
歓声の中、ミラクルナイトは、顔を真っ赤にした。
「早く、スカートを下ろしなさいよ。もう、パンツは見せなくていいから」
菜々美が、呆れたように言う。
「あ…は、はい…」
ミラクルナイトは、慌てて、スカートを下ろす。
「お疲れ様。ドリームキャンディが来るまでの時間稼ぎになればと思ったんだけど、まさか、本当に勝つとは思わなかったわ」
菜々美は、そう言って、ミラクルナイトの肩を抱いた。
「でも、菜々美さんのおかげだよ。あの指示、なければ確かに負けてた」
ミラクルナイトは、まだ媚薬の影響でぽっかりと火照った顔で、素直に礼を言った。菜々美はその顔を見てふっと息を漏らし、照れ隠しのように目を逸らしながらも、口の端を上げた。
「まあ、結果が良ければ全て良し、というわけ。でも、あの格好はもうやめなさい。水都の絶対ヒロインがパンツ一枚で見せびらかすのは、あくまで非常手段。それに…」
菜々美は、しゃがんでミラクルナイトのスカートの中を覗き込んだ。
「さっきより、さらに食い込んでるわ。早く直しなさい」
「きゃっ!」
ミラクルナイトは、叫び声を上げながら慌てて自分の股間に手をやり、ショーツの食い込みを直そうとする。しかし、媚薬の影響で指先が震え、うまくいかない。その様子を、拍手を止めない観客や、スマホを構える人々が、ただただ見守っている。
「ああ、もう!あたしが直してあげる!」
菜々美は、呆れると同時に、ミラクルナイトを守るかのように、彼女の体に隣り添った。そして、ミラクルナイトのスカートの下に手を滑り込ませ、ショーツの食い込みを直してあげた。その光景に、観客の歓声が、さらに大きくなった。
「菜々美さんっ!やめてっ!」
「恥ずかしがってない場合でしょ!早くしないと、ブナシメジ男が目を覚ますわよ!」
菜々美は、そう言って、ミラクルナイトの手を取り、萬々亭の中に引きずり込んだ。店内は、まだ、胞子の霧が、残っていた。
「磯部餅は…」
菜々美は、粉々に割れた窓ガラスの下に、落ちていた自分の磯部餅を見て、溜息をついた。
「今は、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」
ミラクルナイトは、菜々美の手を取り、萬々亭の店内を見渡した。胞子だらけで、これでは営業ができる状態ではない。
「萬々亭、このままじゃ帰れないよね…」
「そうね…」
菜々美は、ミラクルナイトに、頷いた。
「早く帰って、明日のテストの準備したけど…」
「何年か前に、商店街がめちゃくちゃにされたときにやった、アレをしたら?」
「うん…アレは、恥ずかしいんだけど…仕方ないかぁ」
ミラクルナイトは、菜々美に、微笑みかけた。
「磯部餅、また一緒に食べに行こうね」
「えへへっ、奈理子さんがそう言うなら、一緒に食べてあげるわ」
菜々美は、照れくさそうに、答えた。
そのとき、ドリームキャンディが萬々亭の前に舞い降りた。
「キャンディ!」
「奈理子さん!菜々美さん!ブナシメジ男は?」
ドリームキャンディは、ミラクルナイトと菜々美に、駆け寄ってきた。
「その辺で伸びているはずだけど…逃げたようね」
菜々美が、呆れたように言う。
「ドドメは刺さなかったんですか?」
「奈理子さん、こんな状態だから」
菜々美は、媚薬で火照ったミラクルナイトに目をやった。
「あぁ…奈理子さん、また、変な薬でおかしくされたんですね」
ドリームキャンディは、心配そうな顔で、ミラクルナイトに、手を伸ばした。
「大丈夫よ。もう、何ともないから。それより、キャンデイ、いいところに来てくれたわ。私を、後ろから抱え上げて」
ミラクルナイトは、そう言って、ドリームキャンディの手を握った。
「ええッ?どうして??」
「萬々亭を元の状態に戻すのよ。パンツは脱ぐんだっけ?」
菜々美が、奈理子のショーツに手を伸ばす。
「パンツは脱がなくていいから!」
ミラクルナイトは慌ててスカートを押さえた。
「わかりました。でも、奈理子さん、顔、赤いですよ。大丈夫ですか?」
ドリームキャンデイは、ミラクルナイトの背後に回った。
「キャンディ、心配してくれてありがとう。でも、もう、大丈夫だから。お願い」
ミラクルナイトは、そう言って、ドリームキャンディに体を預けた。
「じゃ、いきますよ。しっかりとお股を開いてくださいね」
ドリームキャンディは、ミラクルナイトの左右の太股を支えながら、ゆっくりと持ち上げる。
「敵にはこのポーズをよくされるけど、キャンデイにされるのは何だか新鮮ね。お漏らしした子供みたい」
「ヤダ、菜々美さん、じろじろ見ないでよ」
「奈理子さんは、いつもパンツ濡れてるわよね」
「仕方ないでしょ、ブナシメジの変な薬を嗅がされたんだからぁ!」
菜々美は、無防備に股間を晒すミラクルナイトの股間に顔と近づけると、濡れたクロッチを指で突いた。
「やめて!ツンツンしないで!」
「二人とも、遊んでないで、早くやってくださいよ」
ドリームキャンデイが呆れた口調で言った。
「はい…」
ミラクルナイトは、子宮に神経を集中せた。子宮から溢れる水色の光が、股間を輝かせる。
「ミラクルウームシャインシャワー!」
ミラクルナイトの股間から広がる水色の光が萬々亭の店内を照らし出す。光が消えた瞬間、萬々亭は元の姿に戻っていた。
「奈理子さん、ありがとうございます!」
「奈理子ちゃん、凄い!」
「奈理子さん、パンツから溢れた今の力はなんですか?」
店員や一度は逃げた市民、そして、マスコミたちがミラクルナイトに駆け寄ってくる。
「キャンディさん、奈理子さんをこっちに向けてください」
「もっと、股を広げて」
「奈理子さん、今の姿勢のまま、カメラに向かって勝利のピースを!」
大勢の人たちに取り囲まれ、ミラクルナイトの撮影会がはじまってしまった。
「こんな格好を撮らないで…キャンディ、早く下ろしてよ…」
ミラクルナイトは、目に涙を浮かべながらカメラに向かってダブルピースで市民の期待に応え続けるのであった。
(第244話へつづく)













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