ミラクルナイト☆第147話
この国は政治や経済といった国家の高次機能を首都に集約する方針を取り続けた。その結果、人、金、物が極端に首都周辺に集中し、首都は一時期世界最大の都市として栄華を極めた。しかし、その一方で、人口流出、それに伴う労働力の減少より地方は次第に疲弊していった。そして、出生率の低下による少子高齢化の波がこの国を襲う。首都もまた少子化に直面していたが、地方からの人口流入が続く限り、その問題は隠れていた。国は地方の衰退に対して何の手も打たず、首都の繁栄に甘んじていた。
しかし、ついに急激な人口減少が首都までをも襲い、繁栄の終わりが見え始めた。地方はすでに首都に人材を供給する力を失い、国家全体が深刻な危機に直面した。ようやく国は国家存亡の危機を認識したものの、急激な政策変更は難しく、試験的な対策を取ることにした。それが、国の中に新たな国を作るという大胆な計画だった。かって、この国の中心だった水都周辺を特区とし、この特区に限り、これまでの社会システムをリセットし、司法、外交、国防、通貨管理を除くすべての権限を与えたのだ。
当初は混乱もあったが、水都は驚異的なスピードで変貌を遂げ、我が国の金融経済の中心地となった。「水都を制する者は世界を制す」と言われ、国内外から多くの人々が集まり、欲望と野望が渦巻く都市へと成長していった。
ホテル水都インターナショナルの最上階ラウンジから、そんな街を見下ろしながら勅使河原は静かに呟いた。
「素晴らしい街だな」。
その隣で、多実が相槌を打つ。
「ええ」
と彼女は短く答えた。
「次の選挙が正念場だ」
と勅使河原が言うと、多実は自信を持って答えた。
「抜かりはありません。或る或る教団の票はすでに押さえています」
或る或る教団の組織票は絶大で、その影響力は計り知れない。しかし、勅使河原の目には、その教団さえもいずれ切り捨てるべき駒に過ぎないようだった。陰から水都の支配を目論む勅使河原に取って、荒唐無稽な教団の教えを信じる者たちは不気味な存在だった。
「インチキ教団もいずれ潰さねばならんな」
と勅使河原は冷たく言い放つ。
一方で、穢川研究所と或る或る教団は現時点では利害が一致している。
「教団に不穏な動きがあります」
と多実が報告すると、勅使河原はあまり興味がなさそうに
「好きにさせておけ」
と告げた。
水都の未来を巡る思惑は、静かにしかし着実に進行していた。
宗教法人或る或る教団の水都における一大拠点である或る或る天国。その厳かな施設に、首都の教団本部から一人の男がやってきた。彼の到着を迎えたのは、或る或る天国の責任者である天野妙華だった。
「ようこそ水都へ」
と微笑みながら妙華は声をかけたが、男は彼女を無視し、手にしたタブレットの画面を見つめていた。
画面にはセイクリッドウインドの画像が映し出されている。男は無言で指を動かし、画像をフリックする。次に現れたのは巫女衣装を身に纏った風間凜の姿だった。
「なかなか良い女だな」
と、男は冷静に凜の容姿を評価した。そしてさらに画面を進めると、次に現れたのはミラクルナイトの画像だった。
「これが噂の水都のヒロインか…」
と呟きながら、男は関心を示した。
さらに画面をスワイプすると、今度は水都女学園の制服を着た野宮奈理子の画像が映し出された。
「ほぅ、これは噂に違わぬ絶対アイドルだ」
と男は驚きと感嘆の声を漏らした。その美少女ぶりに、彼の目が鋭く光る。最後に現れたのはドリームキャンディの画像。しかし、画像はそれで終わっていた。
「この娘の正体は分からないのか?」
と男は問いかける。
「ドリームキャンディについては、中学生であることしか分かっておりません」
と妙華が慎重に答える。それに対して、男は
「まぁ、いい。まずは野宮奈理子から手に入れるとしよう。これほどの女子高生は首都でも滅多にお目にかかれない」
と言い、奈理子の画像に戻してピンチアウトし、その顔を拡大してじっくりと眺めた。
その様子を見ていた妙華が、小さな瓶を男に差し出した。
「カエルの薬です。この薬は量産型とは異なり、特別に作られたものです」
と彼女が説明すると、男は興味深げに
「面白い。君の希望通り、野宮奈理子に最大の恥辱を与えてあげよう」
と笑みを浮かべながら薬の瓶を手に取った。
教団内では、市警を一網打尽にするはずだった水上公園での作戦が、ミラクルナイトの協力によって失敗に終わったと考えられていた。その報復として行った奈理子捕獲作戦も、奈理子を一度は捕らえたものの、最終的には逃げられてしまい、教団の拠点の一つがミラクルナイトに潰されている。妙華はミラクルナイトが教団に仇なす存在であると強く確信していた。
そのミラクルナイトを討伐するために、首都の教団本部から呼び寄せたのが、教団きっての武闘派であるこの男だったのだ。
「存分に野宮奈理子の肉体をお楽しみください」
と、妙華は不敵な笑みを浮かべて男に告げた。
水都公園の夕暮れ。水都高校一年生の綾香は、目の前に立ちはだかる三人のカエル男たちに必死で哀願していた。
「お願いです、通してください!今から塾に行かないといけないんです!」
公立の進学校に通う彼女にとって、塾は大切な学びの場だ。しかし、カエル男たちは冷たく笑い、
「ダメだー!お前は水都中学時代の奈理子の親友だろう。お前を人質にして、奈理子をおびき出してやるんだ」
と言い放った。
綾香は混乱した。
「奈理子は水都女学院の生徒ですよ。どうして私なんですか?」
彼女は困惑しながらも問い返す。奈理子とは中学時代からの親友だったが、高校が別れてからは、それぞれ新しい人間関係ができていた。綾香は、なぜ自分が人質にされるのか理解できなかった。
「水都女学院の生徒は襲えないんだよ。お嬢様学校だから、色々と面倒事が多くてな。だから庶民が通う学校のお前が適任なんだよ」
と、カエル男はよだれを垂らしながらニヤリと笑って綾香に迫った。
「奈理子、助けて!」
綾香は思わず叫んだ。
その時、公園に響き渡る力強い声が。
「水都の平和を乱す者は、ミラクルナイトが許しません!」
ミラクルナイトが颯爽と現れたのだ。
「奈理子!」
綾香は喜びの声を上げ、カエル男たちの間をすり抜けてミラクルナイトの元へ駆け寄った。
「ごめんね、綾香。私のせいで怖い思いをさせてしまって…」
ミラクルナイトは申し訳なさそうに綾香に謝った。しかし綾香は微笑みながら、
「いいの。奈理子、助けに来てくれてありがとう」
と言い、ミラクルナイトの背中にしがみついた。SNSでは繋がっていたが、こうして実際に会うのは久しぶりだ。
「奈理子、水都女学院に行って垢抜けたね。中学の頃よりもずっと人気があるし、今では雲の上の存在みたい」
と綾香は感慨深げに言った。
「そんなことないよ。私は何も変わってない。綾香の親友、奈理子のままだよ」
とミラクルナイトは微笑み返した。
二人は、かつて水都中学で過ごした日々を思い出し、心の中で懐かしさが込み上げてきた。放課後に毎日一緒に勉強していたあの頃が、今では遠い昔のように感じる。
しかし、その穏やかな再会の時間は長くは続かなかった。
「おいおい、俺たちを無視するんじゃねえ!」
カエル男たちはミラクルナイトに気づき、彼女に向かって一斉に突進してきた。
「奈理子を捕まえろ!」
と叫びながら迫り来る三人。
「邪魔しないで!」
ミラクルナイトは強く叫び、両手から水のオーラを解き放った。
「ミラクルアクアティックラプチャー!」
その瞬間、三人のカエル男は水の渦に包まれ、もがき苦しむ。
「うわー!」
と叫びながら、
「奈理子のパンチラすら拝めずに終わりたくねー!」
と嘆く声を最後に、彼らは消滅していった。
平和を取り戻した水都公園に、夕日の光が優しく差し込んでいた。
「ふむ…あれがミラクルナイト、野宮奈理子か」
首都からやって来た或る或る教団の男が、興味深げに呟いた。彼の目は、公園で綾香と再会し、安堵の表情を浮かべるミラクルナイトに注がれていた。
「接近してしまえば、ミラクルナイトなどただの雑魚ヒロインにすぎません。しかし、あの距離を保たれたまま技を繰り出されると、我々には太刀打ちできません」
と、傍らに控える信者が説明する。
しかし男は、そんな戦術的な話には関心がない様子で、ただ一心にミラクルナイトを見つめていた。
「あのヒラヒラスカート…まさしく、魅惑の太股だな」と、彼は満足げに呟く。
その時、ミラクルナイトが変身を解き、水都女学院のセーラー服姿へと戻った。六月に入り、その制服は夏服に代わっている。男の目が一層輝く。
「おお、制服姿もまた素晴らしい。極上の女子高生だ。首都ではまず見られないほどの美少女が、こんな地方都市にいるとは…。あの濃紺のプリーツスカートの下には、いったいどんな色のパンツが隠れているのだろうか?」
男は、清純で可憐な奈理子の姿に心を奪われた。
「奈理子のパンツは、だいたい白ですよ。中学時代は水色やピンクもありましたが、高校に入ってからはほとんど白です。それと、水都市民は首都に対してあまり良い感情を持っていないので、あまり首都首都と言わない方が賢明かと…」
と信者が忠告する。
だが、男の耳に届いたのは「白」という言葉だけだった。
「なるほど、安心の白か。水色スカートに純白パンティ、正しく清純可憐な乙女の装いだ。奈理子はよくわかっているな」
と、彼は呟く。どうやら彼にとって重要なのは、奈理子の下着の色だけのようだ。
「次は俺も出る。カエル男一個小隊を準備させろ」
と、男は信者に命じた。
「ミラクルナイトではなく、制服姿の野宮奈理子を捕らえてやる」
彼は奈理子を眺めながら、不敵な笑みを浮かべた。
その翌日の放課後。昨日と同じように、水都公園の遊歩道を歩いて特訓の場に向かう奈理子。木々の間から差し込む夕陽が、彼女の清楚なセーラー服を柔らかく照らしていた。
「奈理子ちゃ~ん!」
と、母親と手を繋いだ幼い女の子が、奈理子に向かって元気に手を振る。奈理子はその無邪気な声に応えるように、柔らかい笑顔を浮かべた。
野宮奈理子。彼女は水都の守護神、ミラクルナイトとして街の平和を守るために戦う少女だ。市民たちは、奈理子が仲間のセイクリッドウインドやドリームキャンディよりも弱いことを知っている。奈理子は怖がりで、戦う前から怯えてしまうこともある。打たれ弱く、すぐに失神してしまうことも珍しくない。敵に捕らえられ、陵辱されることも多い。しかし、その優しくて正義感あふれる可憐な美少女が、平和を守るために果敢に強敵へと立ち向かう姿は、市民にとって何よりの勇気と希望を与えていた。たとえ無様な敗北を重ねようと、ミラクルナイトこと野宮奈理子は水都市民にとって絶対的なヒロインであり、絶対的なアイドルであり続けるのだ。
そんな奈理子に、今日も新たな試練が襲いかかる。
「奈理子、昨日の仕返しに来てやったぜー!」
突然、奈理子の前に三人のカエル男が飛び出した。
「なに?!」
奈理子は驚き、思わず体がビクッと震えた。周囲の市民たちは、ミラクルナイトとカエル男たちの対峙にワクワクしながら、遠巻きにその様子を見守っていた。市民たちの心には、たとえミラクルナイトが弱くても、カエル男たちには負けないだろうという安心感があった。
「今日は負けないぞ!」
と意気込むカエル男たち。
「首都から強い幹部に来てもらったからな!」
三人のカエル男が口々に言う。そして、その三人のカエル男を割って前に出てきたのもカエル男だった。だが、彼の姿は他のカエル男とは明らかに違っていた。鮮やかな緑色の三人のカエル男とは対照的に、その体は不気味な暗褐色で、体格も一回り大きい。
「君が噂の野宮奈理子かい?」
その男が言葉を発する。
「カエル男の親玉?」
と、奈理子は恐る恐る尋ねた。
「カエルはカエルだが、他のアオガエルとは一緒にされたくはないな。俺はガマガエル、ガマ男とでも呼んでもらおうか」
と、不気味な笑みを浮かべながらガマ男は奈理子に告げた。
奈理子の心に緊張が走る。これまでの敵とは違う、ただならぬ雰囲気を持つガマ男。水都の平和を守るため、彼女は再び戦いに身を投じる覚悟を決めなければならない。
「俺は女子高生のパンツが好きだ!特に野宮奈理子のような清楚可憐な女子高生のパンツがな。水色スカートの中の純白パンツをたっぷり楽しませてらうぜ!」
ガマ男の下劣な言葉に、奈理子は愕然とした。
「このカエル、変態…」
奈理子は思わず呟いた。
周囲にいた市民たちも怒りを覚え、奈理子に声援を送る。
「首都から来た奴なんかやっつけちゃえー!」
「水都のヒロインの力を見せてやれ!」
「奈理子、変身だー!」
奈理子はガマ男の視線を感じながら冷静に状況を分析した。敵には二種類いる。変身中の無防備な状態を襲わない「お約束」を守る敵と、そのお約束を無視して襲いかかる下劣な敵。ガマ男は後者であると奈理子は判断した。こんな相手の前で変身するのは危険すぎる。
「貴方なんかに、私のパンツは見せないわ!」
奈理子は毅然とした声で言い放った。会話で時間を稼ぎ、ドリームキャンディの助けを待つことにしたのだ。
「怒った顔もまた可愛いねぇ。やれ!」
ガマ男が側に立つカエル男に指示を出す。
「ヘヘッ、まずはスカート捲りだ!」
と、カエル男が嬉々として奈理子に迫る。しかし、奈理子は素早く動いてカエル男を躱し、
「ヒップストライク!」
と叫びながらカエル男の顔面にヒップアタックをお見舞いした。
「やった?」
見事な手応えを感じて奈理子が着地した瞬間、市民たちから歓声が上がった。
「今日も奈理子のパンツは白だ!」
「可愛いぞ、奈理子!」
「水女制服パンチラ最高!」
奈理子の動きに合わせて、水色のプリーツスカートが翻り、白いパンツが一瞬見えてしまったのだ。
「パンツは見せないんじゃなかったのか?」
ガマ男が皮肉っぽく笑いながら言った。
「奈理子のパンツはいい匂いだったぜ。もう一回喰らいたいなー」
と、ヒップストライクを受けたカエル男がニヤニヤと語りかける。奈理子は焦った。変身していない状態のヒップストライクでは、カエル男にダメージを与えるどころか、かえって喜ばせてしまうだけだった。
「キャンディ、早く助けに来て…」
奈理子は心の中で祈った。ミラクルナイトに変身できない今、三匹のカエル男に取り囲まれた奈理子は危機的な状況に追い込まれていた。
捕らえられた奈理子は、左右からカエル男にガッチリと腕を掴まれ、無力なままガマ男の前に引き据えられてしまった。
「噂通りの雑魚っぷりだな、野宮奈理子。お持ち帰りして、じっくりと奈理子のパンツを楽しませてもらうぞ」
ガマ男は冷酷な笑みを浮かべながら奈理子を見下ろした。
「変態!」
奈理子はガマ男を睨みつけ、その言葉を吐き捨てた。しかし、ガマ男はその視線さえも楽しんでいるかのように、
「いい目だ。しかし、実力が伴わない弱小ヒロインの末路は哀れだな」
と、彼女をあざ笑う。奈理子は悔しさで顔を背け、自分の無力さを噛み締めるしかなかった。
水都の絶対ヒロインである野宮奈理子が捕らえられた状況に、市民たちは一時的に息を呑んだが、それでも希望を失わなかった。
「奈理子ちゃん、まだ諦めないで!」
「もう少しの辛抱だ!」
彼らは皆、奈理子のピンチに駆けつける誰かがいることを信じていた。
そのとき、突然、水都公園に黄色い光が降り注ぎ、その中から現れたのは中学生戦士ドリームキャンディだった。
「奈理子さんを苛める者は、中学生戦士ドリームキャンディが許しません!」
「お前がドリームキャンディか?」
ガマ男が不敵な笑みを浮かべ、前に出た。すると、その瞬間、
「あぁッ!」
という奈理子の悲鳴が響く。ガマ男が奈理子の制服スカートの裾を掴み、ちらりと白いパンツが見えるギリギリのところで止めた。
「奈理子は持ち帰る。邪魔をするならば、奈理子のスカートを捲るぞ」
と脅すようにガマ男はスカートを少しずつ引き上げた。
「いや、やめて…」
哀願する奈理子。
「奈理子のパンツを市民の前に晒されたくなければ、引け!」
ガマ男の言葉に、ドリームキャンディは一瞬言葉を失ったが、すぐに怒りがこみ上げてきた。
「この下衆…」
ドリームキャンディは呆れた表情を浮かべたが、すぐに決意を固め、キャンディチェーンをバシン!と地面に叩きつけた。
「私は貴方のような下衆なやつが大嫌い!こてんぱんにやっつけてやるから、覚悟しなさい!」
「おのれ、やれ!」
ガマ男がカエル男に指示を出すと、カエル男は奈理子の制服スカートを一気に捲り上げた。
「いやぁ~!」
白いパンツが無防備に晒され、奈理子は叫び声を上げる。それに呼応するように、
「おー!」
と市民からは歓声が上がった。
「奈理子さん、我慢してください。仇は討ちます!」
ドリームキャンディは決意を込め、ガマ男に立ち向かっていった。
カエル男が奈理子のスカートの裾を腰に丁寧に差し込んで固定し、まるでミニ茶巾、全方位からパンツ丸見えの状態にしてしまった。
「こんな見られ方はいやぁ!一思いに脱がして!」
奈理子は羞恥心に耐えきれずに叫んだ。しかし、ガマ男は冷たく
「水色と純白のコントラストが良いのだ。スカートは脱がさんぞ」
と言い放った。
「奈理子さんの恥ずかしい姿を市民に見せ付けて楽しむなんて許さない!」
ドリームキャンディは怒りに満ちた声で叫び、キャンディチェーンをガマ男に向かって振りかざした。しかし、ガマ男は軽々とそれを交わし、
「お前は、以前はスパッツを履いていたが、最近は色気付いて黄色いパンツに替えたと報告書に書いてあるぞ」
と不敵に笑った。
「色気なんかついてません!それに、これは黄色いブルマーです!パンツじゃありません!その報告書、インチキです!」
ドリームキャンディは顔を赤らめながら、必死に否定した。
激しい戦いが続く中、カエル男はニヤリと笑いながら
「ヘヘッ、奈理子のパンツにお汁をたっぷりと染み込ませてやろうぜ」
と手を伸ばした。
「やめて…」
奈理子は力無く哀願するが、カエル男は
「優しく可愛がってやるぜ」
と薄ら笑いを浮かべ、奈理子のパンツに触れようとした。
その瞬間、カエル男の頭がハリセンのようなものでパンパン!と叩かれた。
「何だ??」
驚いて振り返るカエル男の視線の先には、セイクリッドウインドが立っていた。
「奈理子は返してもらうよ」
と言いながら、彼女は奈理子を引き寄せた。
「凜さん!」
奈理子は救世主の登場に目を輝かせた。
「奈理子、変身よ。変身中は私が守ってあげる」
セイクリッドウインドは、さり気なく奈理子を安心させるように彼女の肩を軽く叩いた。
奈理子は力強く頷くと、アイマスクを取り出し、セイクリッドウインドに守られながら静かに装着した。
奈理子は水色の光に包まれ、ミラクルナイトへと変身した。
「セーラー服姿のままの野宮奈理子を楽しみたかったが、ミラクルナイトも悪くはないな」
と、ガマ男は不気味に笑みを浮かべ、風に揺れるミラクルナイトのミニスカートに目を光らせた。
「奈理子さんのパンツは私が守る!この変態カエルは私が倒す!」
ドリームキャンディがガマ男に向かってキャンディチェーンを振りかざす。しかし、ガマ男の分厚い皮膚はチェーンの攻撃をものともせずに弾き返した。
「俺の強靭な皮膚にこんな玩具は効かない。次は俺の番だ!」
ガマ男が不快な悪臭をドリームキャンディに放つ。
「キャンディデフェンス!」
とドリームキャンディはとっさにチェーンを螺旋状に回転させ、悪臭を防いだ。
「変身してしまえばカエル男なんか怖くないわ!」
ミラクルナイトは白い翼、ミラクルウイングを広げ、空からカエル男に攻撃を仕掛けようと舞い上がった。しかし、その瞬間、
「アオガエルの跳躍力を舐めるなよ!」
と一疋のカエル男が素早く跳躍し、ミラクルナイトの背中に取り憑いた。
「あぁッ!」
と悲鳴を上げながら、ミラクルウイングを掴まれたミラクルナイトは無防備なまま地面に叩きつけられてしまった。
その隙に、三疋のカエル男がミラクルナイトに群がり、手足を押さえつけた。
「奈理子の太股を舐め回しやるぜ!」
「じゃあ、俺は奈理子にベロチューしてやる!」
「俺は奈理子の小さい胸を揉んで大きくしてやるぜ!」
彼らの下劣な言葉に、ミラクルナイトは必死に抵抗しようとしたが、非力な彼女では三疋のカエル男の力に抗うことはできない。絶体絶命の危機に瀕したその時、
「やめなさい!」
とセイクリッドウインドの声が響いた。
ガストファングを手にしたセイクリッドウインドが、カエル男たちを次々に叩き飛ばし、ミラクルナイトを救い出した。
「大丈夫、奈理子?カエル男だからって油断しちゃダメよ」
と、優しく抱き起こしながら彼女に語りかける。
「ありがとう、凜さん…」
胸を押さえながらミラクルナイトは小さく頷いた。
水都公園での戦いは、これからが本番だった。
ドリームキャンディは、ガマ男が放つ強烈な悪臭から身を守るのに必死だった。このままでは、ドリームキャンディが危険にさらされると判断したセイクリッドウインドは、
「キャンディと一緒にガマ男を倒すから、奈理子はカエル男たちをお願い」
とミラクルナイトに告げた。
「任せて!」
と力強く答え、ミラクルナイトはカエル男たちと向き合った。
セイクリッドウインドはガストファングを使い、強力な風を巻き起こしてガマ男の悪臭を吹き飛ばした。
「風間凜、元ナメコ姫。男に捨てられて復讐心で敵に寝返ったバカ女だと報告書に書かれていたが、あれは本当か?」
ガマ男が挑発的に問いかける。
「そんなのウソに決まってるでしょ!」
セイクリッドウインドは冷静に答えたが、
「バカ女は余計だけど、他は正しいんじゃ…」
と、ドリームキャンディが小さな声で呟いた。
「キャンディ、何か文句でもあるの?」
セイクリッドウインドが睨みつけると、
「いえ、その報告書はウソです!」
とドリームキャンディは慌てて否定した。
そのやり取りを見て、
「やっぱり報告書は正しかったんだな」
とガマ男は確信を深めた。
「私についての報告はデタラメよ!」
と、ドリームキャンディが憤りの声を上げたその瞬間、ガマ男の舌が伸び、ドリームキャンディのドレスを引き裂いた。
「きゃぁ~!」
とドリームキャンディが悲鳴を上げる。
「やっぱり黄色いパンツだったか」
とガマ男が嘲笑する。
「だから、パンツじゃなくてブルマーだって言ってるでしょ!もう許さない、ロリポップハンマー!」
ドリームキャンディは怒りを込めて、キャンディチェーンを巨大なチュッパチャプス、ロリポップハンマーに変形させた。
「ロリポップ凄い突き!」
強烈な突きがガマ男に向かって炸裂する。
ドリームキャンディ、セイクリッドウインドがガマ男との激闘を繰り広げる一方で、ミラクルナイトは三疋のカエル男に追い詰められていた。彼女の得意技である「ミラクルアクアティックラプチャー」を放つためにはある程度の距離が必要だが、カエル男たちは巧妙に連携し、彼女にその隙を与えない。
「えいっ!」
と叫びながら、一疋のカエル男Aに得意のハイキックを繰り出すミラクルナイト。その一撃でカエル男Aは吹き飛ばされる。しかし、瞬く間にカエル男Bが背後に忍び寄り、ミラクルナイトのスカートを捲り上げる。驚きと怒りが交差する中、彼女が振り返ると、スカートを捲ったカエル男Bはすでにその場にはいない。
「くっ…!」
悔しさを抑えきれないミラクルナイト。しかし、その瞬間、カエル男Cが背後から抱き着き、ミラクルナイトを羽交い締めにする。
「ああっ!」
と叫ぶ間もなく、ハイクックを喰らったカエル男Aが戻り、身動きができないミラクルナイトの腹部に強烈なパンチを叩き込む。
「ぐはっ…!」
激痛が走り、ミラクルナイトは歯を食いしばるが、力が抜けていくのを感じる。
追い打ちをかけるように、スカートを捲ったカエル男Bも彼女の髪を掴み、頬に平手打ちを見舞う。
「あぁ…もうやめて……」
ミラクルナイトは力なく声を漏らし、視界が揺らぐ。羽交い締めにしていたカエル男Cがさらに力を込め、彼女を地面に叩きつける準備を整えているのが感じ取れる。
ミラクルナイトは必死に抵抗しようとするが、カエル男たちの連携に苦しめられ、打開の糸口が見えない。彼女の戦いは続くが、その道のりは厳しいものであった。
カエル男Cに投げ飛ばされないように踏ん張るミラクルナイト。しかし、非力かつ軽量のミラクルナイトでは、カエル男Cに投げられるのも時間の問題だ。
「へへへ、奈理子いい匂いだ」
ミラクルナイトに密着して羽交い締めにするカエル男Cは直ぐには投げず、ミラクルナイトの体臭を満喫していた。
「奈理子頑張れ!」
「もっと力入れなきゃ投げ飛ばされるぜ」
カエル男Aとカエル男Bが藻掻くミラクルナイトをはやし立てる。
三疋のカエル男に遊ばれるミラクルナイトの瞳には悔しさのあまり涙が浮かんできた。だが、彼女は水との守護神ミラクルナイトだ。こんなとこで倒れるわけにはいかない。
「こうなったら…」
ミラクルナイトがミラクルパワーを発動させようとしそのとき、
「おっと、何か良からぬことを企んでるな」
とミラクルナイトを羽交い締めにしていたカエル男は危険を察し、軽々とミラクルナイトを持ち上げた。そして、そのまま勢いよくドラゴンスープレックスを決め、彼女を後方に投げつける。その衝撃は凄まじく、ミラクルナイトは力なく倒れ、意識を失ってしまった。
「やったぞ、奈理子を倒した!」
カエル男たちは歓喜の声を上げる。
「見ろ、これが俺たちの実力だ!」
「これで俺たちの勝利だ!」
三疋のカエル男は、誇らしげに白いパンツを天に向けたまま動かないミラクルナイトを囲んで叫ぶ。
ミラクルナイト完全敗北。その衝撃的な事実が突きつけられた瞬間、観衆の間にどよめきが広がる。
「奈理子、目を覚まして!」
セイクリッドウインドが叫ぶが、その声は届かない。
「余所見をするな、風間凜!」ガマ男が長く粘着性のある舌を伸ばし、セイクリッドウインドを絡め取る。
「ぐぅ…!」
ガマ男の舌は非常に強力で、セイクリッドウインドは必死に抗うが、逃れることができない。
「凜さんを離しなさい!キャンディシャワー!」
ドリームキャンディが虹色の光をガマ男に向けて放つ。光がガマ男を包み込むと、ドリームキャンディは勝利を確信した。
「やった!」
と歓喜の声を上げるが、すぐにガマ男の舌から解放されたセイクリッドウインドが
「キャンディ、まだ終わってない!」
と警告する。彼女の言葉通り、ガマ男は無傷で立っていた。
「そんな…キャンディシャワーでノーダメージなんて…」
ドリームキャンディは愕然とする。
「こんな甘ちょろい光は、ガマ油には通用しない!」
ガマ男は笑みを浮かべ、伸ばした舌でドリームキャンディを殴り飛ばす。
「ならば、斬撃はどう?」
セイクリッドウインドがガストファングを構え、風の刃を生み出す技を繰り出す。
「エアリアルダンスブレード!」
無数の風の刃がガマ男に向かって放たれる。ガマ男はその場に踏みとどまり、強靭な皮膚で風の刃を受け止める。
「うぉ!」
と一瞬声を上げるも、ガマ男はまだ倒れない。
セイクリッドウインドとドリームキャンディは、想像以上に強力な敵を前に、激しい戦いを続けることになる。倒れたままのミラクルナイトを横目に、二人は決して諦めない決意を胸に、ガマ男に立ち向かっていく。
三疋のカエル男は、ミラクルナイトのアイマスクとパンツを剥ぎ取り、意識を失った彼女を抱え上げ、
「見ろ!これが水都の絶対ヒロイン、野宮奈理子の姿だ!」
と市民に向かって誇らしげに奈理子の大切な箇所を見せびらかしていた。完全に敗北したミラクルナイトの美しい姿に、市民は衝撃を受けつつも目が離せない。
その一方で、セイクリッドウインドとドリームキャンディはガマ男との戦いに必死で挑んでいた。エアリアルダンスブレードを受けたガマ男は、強靭な皮膚で耐え抜くものの、二人のヒロインと繰り広げる激闘に徐々にその限界が近づいていた。
「キャンディ、今よ!」
セイクリッドウインドが合図を送る。
「はい!」
とドリームキャンディは、ロリポップハンマーを高々と掲げ、最大の技、キャンディスターバーストを放つ準備を整えた。
しかし、ガマ男も黙ってはいない。
「させるか!毒液噴射!」
と、力を振り絞ってドリームキャンディに毒液を放つ。その瞬間、セイクリッドウインドが咄嗟に飛び込み、ドリームキャンディを庇った。
「うわぁ…」
毒液を浴びて倒れ込むセイクリッドウインド。
「凜さん!」
ドリームキャンディは叫んだが、セイクリッドウインドは苦しみながらも
「私はいいから、早くガマ男を…」
とドリームキャンディを促す。
ドリームキャンディはセイクリッドウインドの言葉に頷き、全力でロリポップハンマーを振り下ろした。
「キャンディスターバースト!」
と叫ぶと、ロリホップハンマーから放たれる色とりどりの星々がガマ男に直撃し、ガマ男は
「ぐわー!首都で鳴らしたこの俺が、水都のヒロインごときに殺られるとは…」
と最後の言葉を残して消滅した。
「凜さん!」
ドリームキャンディは急いでセイクリッドウインドに駆け寄る。
「勝ったのね…」
とセイクリッドウインドは苦しそうに微笑む。しかし、彼女の視線は完全に敗北したミラクルナイトへと向けられていた。
「私よりも、奈理子を助けてあげて…」
セイクリッドウインドの言葉に、ドリームキャンディはミラクルナイトのもとへ走った。
三疋のカエル男に晒しものにされるミラクルナイトを見て、ドリームキャンディは怒りを爆発させた。
「ロリポップ三段突き!みなさんも、奈理子さんを撮影しないでください!!」
高速の三段突きでカエル男たちを次々と消滅させ、市民に注意しながらミラクルナイトを救い出すと、彼女の肩に担ぎ、脱ぎ捨てられていた白いパンツを拾い上げた。
「奈理子さんのパンツを守れなかった…」
ドリームキャンディは、「奈理子さんのパンツは私が守る!」と宣言しながらも、守ることができなかった奈理子のパンツをじっと見ながら呟く。
戦いは終わったが、ミラクルナイトもセイクリッドウインドも深い傷を負っていた。水都の守護神たちは辛い勝利を手にしたものの、その代償は決して小さくはなかった。しかし、彼女たちは再び立ち上がり、傷を癒しながら、次なる戦いに備えるだろう。水都の平和は、まだ彼女たちの手に委ねられているのだ。
(第148話へつづく)












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