DUGA

ミラクルナイト☆第24話

水都大学のキャンパス内は、後期授業が終盤を迎え、学生たちの間にはクリスマスや年末年始に向けた浮かれた雰囲気が漂っていました。人々は楽しみや期待に満ちた表情を浮かべ、キャンパスは華やかな雰囲気に包まれています。

その中で、水都大学に在籍する一団が熱狂的になっていました。彼らは自称する「奈理子私設ファンクラブ」のメンバーであり、動画投稿サイトでのミラクルナイトのピンチ動画に夢中になっていました。彼らはその動画を見ながら興奮し、ミラクルナイトがさらなるピンチに陥ることを願っていました。彼らにとって、ミラクルナイトのピンチは奈理子への愛と応援の表れであり、彼女を讃えるためにはミラクルナイトが困難に立ち向かう姿が必要だと信じていたのです。

彼らの注目はミラクルナイトとカブトムシ男の戦いの動画に集中していました。この動画は、ミラクルナイトがカブトムシ男にパワーボムを喰らい、逆さ吊りにされる姿が収められています。数あるミラクルナイトの動画の中でも、これは最高の再生回数を誇るものでした。

まだ中学生の奈理子に対する、酷い仕打ちに憤りを感じていました。彼らは自分たちがミラクルナイトを守る存在だという自負を胸に、激しく盛り上がっていました。

そんな奈理子私設ファンクラブの興奮を、ベンチに座って見つめていたのはカオリでした。彼女は医学部の学生であり、表向きには普通の学生として振る舞っていますが、彼女にはもう一つの顔があります。彼女こそがバラ女として知られたミラクルナイトの敵です。

カオリは悪戯っぽい笑みを浮かべ、何かを企んでいる様子でした。それを彼らに最高のクリスマスプレゼントとして提供しようと考えました。

「奈理子ちゃん、このクリスマスは特別な日になるはずだから。奈理子ちゃんのファンもきっと喜んでくれるはずだよ」とカオリは心の中でつぶやきました。

彼女は自らの存在を隠し、ミラクルナイトに恥をかかせることを目論んでいました。彼女は彼らが望むさらなるピンチを演出し、ミラクルナイトを屈辱的な状況に追い込むことで、奈理子私設ファンクラブへのクリスマスプレゼントとして差し出そうと計画していたのです。悪意に満ちた彼女の思惑は、クリスマスの喜びとは対照的な、不穏な空気をキャンパスに漂わせていました。


商店街では、下校中の寧々が準備中の巨大なクリスマスツリーを見つめて心が高鳴っていました。そのツリーに明かりが灯る瞬間を彼女は心待ちにしていたのです。寧々には幸せな笑顔が浮かんでいました。

一方、寧々の横では三馬鹿トリオが楽しそうにミラクルナイトの変身後の決めポーズや決め台詞を考えていました。彼らは無邪気に遊びながら、ミラクルナイトの姿を真似て盛り上がっているのです。その明るい笑顔と元気な声が商店街に響いていました。

しかし、寧々は奈理子が謎の少年ライムへの恋によって心を傷めていることを知っていました。奈理子の涙と悲しみを目撃した寧々は、彼女の心情を理解していました。それゆえに、寧々は奈理子の弟である隆に、奈理子に彼氏がいるのか尋ねました。

隆は寧々の質問に対し、夏休みに奈理子が男性とプールでデートしたことを話しました。しかし、その後は何も進展がなく、奈理子は振られたのかもしれないと笑いながら答えました。隆の言葉に寧々は奈理子が恋に傷ついていることを伝えたかったのですが、三馬鹿トリオの子供じみた会話が続いていたため、それを伝えることはできなかったのです。

商店街にはクリスマスの喧騒が広がっていました。寧々はクリスマスツリーの灯りが心躍る瞬間を待ち望みながら、奈理子の幸せを願っていました。彼女は奈理子の悲しみを知りながらも、支えの手を差し伸べることができる日を夢見ていたのです。


運河の畔を下校する奈理子は、期末テストの結果がまずまずだったことにほっと胸をなで下ろしていました。その成績の良さには、入院中にノートを持ってきてくれたクラスメイトたちや、図書館で一緒に勉強に付き合ってくれた彩香のおかげがあったと思っていました。思いを寄せるライムのことを思うと、胸が苦しくなることもありますが、そんな気持ちを少しでも晴らすべく、奈理子は始まりつつあるクリスマスや冬休み、そしてお正月のイベントに少しだけ明るい気分を抱いていました。

しかし、そこに現れたのは5人のブラックナイトたちでした。ブラックナイトが現れるときは必ずライムも近くにいるという法則があったため、奈理子は周囲を見回しましたが、ライムは姿を見せませんでした。ブラックナイトたちの攻撃をかわしながら、奈理子はアイマスクを装着し、ミラクルナイトへと変身しました。

1人ならば大したことはないブラックナイトたちですが、今回は5人のブラックナイトが集結し、ミラクルナイトを圧倒してきました。息が上がり、苦しい戦いを続ける中でも、奈理子は持ち前の勇気と覚悟を胸に、リボンストライクで、ついに5人のブラックナイトたちを倒すことに成功しました。

息を切らしながらも、奈理子は胸を張って立ち上がりました。彼女は自分自身の力を信じ、大切な人々を守るために戦う覚悟を持っていました。この一戦の勝利は、彼女にとって重要な一歩であり、成長の証でもありました。

奈理子は力強く立ち尽くし、闘いの余韻に浸りながら、クリスマスや冬休み、お正月のイベントに向けて前を見据えました。新たな戦いや試練が待ち受けることもわかっていましたが、奈理子はミラクルナイトとして、勇気と希望を胸に、未来へと歩き出すのです。


奈理子はブラックナイトを倒した後、ライムに呼びかけました。ブラックナイトの傍には必ずライムがいるという法則を知っていた彼女は、ミラクルナイトとしての勇気を胸に、ライムの姿を待ち望んでいました。

そして、奈理子の期待通り、ミラクルナイトの前に現れたのはライムでした。ライムの姿を見た奈理子は、胸が高鳴り、小さな胸がふくらんでいくのを感じました。彼女は言葉を発することなく、静かに緑色のスライムをミラクルナイトに放ちました。

スライムはミラクルナイトの衣装に絡みつき、太腿にまとわりつきました。しかし、このスライムは以前戦ったスライム男とは異なり、奈理子に優しさを感じさせました。奈理子はライムに抱かれたような幸せな気分に包まれ、一瞬、意識が飛んでしまうほどでした。彼女は自分が恥ずかしくなりましたが、その瞬間、彼女の体は熱くなっていきました。

そして、ライムはスライム男に変身し、ミラクルナイトを包み込みました。奈理子はスライムの中に溺れるように感じながら、ライムによって優しく包まれていくのを感じました。次第に彼女は意識を失っていきましたが、その状態でも彼女は心地よさと安心感に包まれていました。


ミラクルナイトは意識を取り戻すと、自分が玉鬘に拘束されていることに気づきました。彼女の前に立っていたのは薔薇の香りをまとったバラ女でした。バラ女は微笑みながら言いました。「私からのクリスマスプレゼントは喜んでもらえたかしら?」

しかし、ミラクルナイトにはその言葉の意味が理解できませんでした。バラ女はアイマスクを剥ぎ取り、ミラクルナイトがライムと遊んでいた様子を見て可愛かったと笑いました。ミラクルナイトは混乱しました。彼女はバラ女が自分を捕らえるためにライムを利用したのだと悟ったのです。ライムとの出会いは確かに嬉しかったけれど、それ以上に彼が敵であることを知ったことは彼女にとって悲しい出来事でした。

奈理子の瞳から涙がこぼれました。彼女はバラ女の行動から、自分がライムとの関係を喜ぶことで罠にはまったのだと理解しました。ライムとの出会いは美しい瞬間だったけれど、同時に彼女にとっては痛ましい現実でもありました。

バラ女はミラクルナイトのアイマスクを外し、奈理子の顔を見つめて「可愛いわよ、奈理子」と微笑みながら続けました。「次は水都市民へのプレゼントを用意するわ。」そして、彼女は奈理子にキスをしたのです。奈理子はその瞬間、心地よい薔薇の香りに包まれながら再び意識を失っていきました。彼女はバラ女の行動によって混乱し、心が傷ついたままでした。

この一連の出来事は、奈理子にとっては悲劇的な展開でした。彼女はライムとの出会いを喜び、それによってもたらされる幸せを感じていました。しかし、その幸せは同時に裏切りと悲しみをもたらすものであり、彼女の心はさらに傷ついていったのです。


商店街の広場には、クリスマスツリーの点灯を心待ちにしていた多くの水都市民が集まっていました。カウントダウンの後、壮大なクリスマスツリーに灯りがともりました。ツリーの電飾には星や玉、綿、そしてサンタクロースの飾りが輝き、神秘的な光景が広がります。その輝く飾りの中には、四肢を吊るされアイマスクを外したミラクルナイトの姿がありました。彼女の素顔が光に照らされると、神々しい輝きを放ちました。

水都市民は喜びの声を上げました。美しい水都の守護神であるミラクルナイトの姿を目にして、彼らは歓喜に包まれました。一方、バラ女によってクリスマスツリーに磔にされた奈理子は、予想外の水都市民の反応に戸惑いました。奈理子は恥ずかしいと思っていました。しかし、水都市民が喜んでくれるのなら、自分がクリスマスツリーの飾りになっていることも悪くないかもしれないと奈理子は考えました。

その後、商店街の人々はミラクルナイトの様子がおかしいことに気づきました。彼女がクリスマスツリーに飾られている姿は不自然でした。商店街のみんなで協力してミラクルナイトをツリーから降ろすと、奈理子は自由の身となりました。しかし、彼女の心にはライムに再び会いたいという思いがありました。

第25話へつづく)

あとがき