ミラクルナイト☆第39話
緑色のスライム男に抱かれるほぼ裸のピンクパンツブラックナイト。その姿にドリームキャンディは見惚れてしまう。セーラー服姿の奈理子は年上のお姉さんだが、裸の奈理子は胸が小さくて子供っぽいと感じた。しかし、そんな彼女のコスチュームが再生された。
その時、若い女性がスライム男の前に進み出た。ドリームキャンディは危険だと感じ、彼女を止めようとしたが、女性の剣幕に圧倒された。彼女は
「もう止めなさい」
とスライム男に厳しく言い放つ。スライム男は
「邪魔をするのか、鈴」
と返す。ドリームキャンディは敵の関係がますます分からなくなってきた。鈴という人はスライム男の仲間のようだが、なぜスライム男を止めようとしているのか。鈴はスライム男に向かって
「スライム男がやっていることは奈理子を弄んでいるだけ。奈理子が大切なら、ありのままの奈理子に寄り添ってあげなさい」
と激しく責めた。スライム男は動揺している様子だった。ドリームキャンディは思い当たった。スライム男の正体は奈理子が好きなライムなのだ。秋ごろに奈理子がライムに告白しているのを目撃した時、奈理子は緑色のスライムに拘束されていた。緑色のスライム男は、緑色のスライムを操るライムなのだ。
ドリームキャンディは敵と奈理子の関係も分からなくなった。しかし、スライム男はピンクパンツブラックナイトを解放した。彼女のコスチュームは完全に復活している。四つん這いになっているピンクパンツブラックナイトの体がピンクの闇に包まれた。
彼女は力強く立ち上がり、闇から覚醒したような表情を浮かべた。ピンクパンツブラックナイトは再び戦いの準備を整え、ドリームキャンディに立ち向かう覚悟を決めたのだ。
ピンクパンツブラックナイトのただならぬ気配にドリームキャンディは危険を感じた。彼女はライムの敵を許さないと呟きながら、掌からピンクの光弾をドリームキャンディと鈴に放った。鈴を庇いながら、ドリームキャンディは本気でピンクパンツブラックナイトを倒す決心をする。
両手に気を集中させたドリームキャンディは、静かなまでの呼吸を整えた。
「奈理子さん、ごめんなさい」
と呟きながら、彼女の両手から光り輝くキャンディシャワーが放たれた。キャンディの甘い光はピンクパンツブラックナイトとスライム男に向けて飛んでいった。しかし、渾身のキャンディシャワーはピンクパンツブラックナイトが展開したフェアリーシールドに跳ね返されてしまう。
驚愕の表情を浮かべながら、ドリームキャンディはピンクパンツブラックナイトがフェアリーシールドを使えることを知った。彼女は覚悟を決めた。ピンクパンツブラックナイトは両掌を高々と掲げ、そのピンク色の光に包まれた両手から放たれたのはリボンストライクだった。
黒い闇を帯びたピンクのリボンがドリームキャンディと鈴に迫る。ドリームキャンディは負けを覚悟し、心の中で奈理子に謝罪の言葉を送った。しかし、鈴は舌打ちをし、自分の腕にスタンプ注射を打った。
ドリームキャンディはハチの怪人に抱かれ、宙に浮かぶ自身の姿を見つめた。その目の下にはまだリボンストライクの光が輝いている。ハチの怪人は鈴が変身したのではないかとドリームキャンディは考えた。鈴はスライム男やクモ男の仲間だったが、ドリームキャンディを助けてくれたし、奈理子のことを心配している。鈴は敵でありながら、どこか優しい人なのだとドリームキャンディは感じた。
しかし、ドリームキャンディの頭にはまだ解決しなければならない問題があった。ピンクパンツブラックナイトとなった奈理子の覚醒は、どう扱ってよいのか悩ましい。その時、ドリームキャンディとハチの怪人は、ネバネバとした網に捕まってしまった。
「裏切りは許さないぞ、ヒメバチ女」
とクモ男の声が響いた。クモ男は素早く上空に蜘蛛の巣を張り巡らせていたのだ。
蜘蛛の巣に捕らえられたドリームキャンディとヒメバチ女は、クモ男の迫りくる姿に戦慄を覚えた。しかし、その時、響く勇ましい羽音が空を切り裂いた。それはミラクルウイングの音だった。広大な翼を広げ、華麗に飛翔する姿はまさに勇者のようだった。その姿をしたのは、ピンクパンツブラックナイト――奈理子である。
「姉ちゃん、下からパンツ丸見えだから飛ぶなと言っただろ!」
隆は声を荒げて叫んだ。隆はピンクパンツブラックナイトが姉奈理子であることを感じたのである。ピンクパンツブラックナイトは少し困惑しながらも、弟の言葉に反応した。
「お前は私のパンツに興味があったな。パンツなら好きなだけ見せてやる」
と言いながら、スカートを広げ、地上の隆にピンクパンツを見せつけた。
「俺の姉ちゃんはそんなことしねぇ!」
隆は驚きと引いた様子を見せた。かつての姉がこんな変わり果てた姿になっているなんて、信じがたい光景だった。しかし、ピンクパンツブラックナイトは変身前の記憶を持っていないはずだ。彼女がライムに変身する前の姿を覚えていることに、ヒメバチ女も驚いた。
「引いちゃダメ!大好きなお姉ちゃんでしょ。スライム男から奈理子を取り戻しなさい!」
ヒメバチ女は隆に向かって怒鳴りつけた。彼女は姉弟の絆を取り戻すべく、隆に力強い言葉を投げかけた。
ヒメバチ女の言葉に勇気づけられた隆は、ピンクパンツブラックナイトに向かって叫んだ。
「俺が姉ちゃんのパンツを臭いと言ったことは謝る!」
ドリームキャンディは、隆がそんなことを奈理子に言っていたことに呆れつつも、彼の言葉に注目した。隆が続ける。
「姉ちゃんが部屋で1人でコソコソとエッチなことをしているのを見てしまったことも謝る!」
この度合いの強い告白に、ドリームキャンディは顔を赤らめ、隆に視線を向けた。しかし、隆はまだ続ける。
「そんな姉ちゃんをエロいなと言って怒らせたことも謝る!」
ドリームキャンディは隆の言葉に驚きながらも、その真摯な気持ちに心を打たれた。彼はミラクルナイトに戻ってほしいと願っていたのだ。彼は普通の姉ミラクルナイトになった姉も同じく愛しているのだと告白した。
ピンクパンツブラックナイトは頭を抱えながら、彼の言葉に苦悩した。彼女は自分の二重の姿、奈理子とライムへの愛と、隆との姉弟愛の狭間で揺れ動いていた。このままでは続けられないと感じたピンクパンツブラックナイトは、叫び声を上げながら墜落していく。
ドリームキャンディはその様子を目で追いながら、心の中で隆の言葉を噛みしめた。奈理子のライムへの愛と、姉弟愛の間にはどんな結末が待ち受けているのだろうか。彼は隆が果たした役割を認めつつ、これからの道が彼らをどこへ導くのか、確信が持てなかった。
墜落するピンクパンツブラックナイトの姿が、空に描く一筋の軌跡となって消えていく。その瞬間、未来の行方は誰にも分からないまま、新たな章へと向かっていくのだった。
落ちるピンクパンツブラックナイトをクモ男が蜘蛛の糸で拾おうとするが、スライム男が
「もういい」
と止めた。スライム男はピンクパンツブラックナイトを諦めた。それを理解したクモ男は、蜘蛛の巣からドリームキャンディとヒメバチ女を解放し、スライム男とともに退散した。
蜘蛛の巣から解放されたヒメバチ女は変身を解き、元の姿の鈴となる。ドリームキャンディは鈴はヒメバチ女姿が好きじゃないのかもしれないと思った。鈴は着地すると素早くミラクルナイトに駆け寄り、ピンクパンツブラックナイトのリボンの首輪を外す。同時に、ピンクパンツブラックナイトは水色の光を放ち元のミラクルナイトへと姿を変えた。ミラクルナイトとなった奈理子は、自分が何が起こったのか理解できない様子だった。
隆がミラクルナイトに駆け寄る。鈴は、
「弟くんに感謝しなさい」
と優しくミラクルナイトに言った。
「姉ちゃん…」
とミラクルナイトに声を掛ける隆。、ミラクルナイトは戸惑いながらも、隆の声に安心を覚え、隆を抱きしめた。姉と弟の絆は深まり、困難な戦いを乗り越える力となっていく。
「やめろよ」
と恥ずかしがる隆。麗しい姉弟愛だ、とドリームキャンディは思ったが、視界の端に倒したはずのカエル男がが立ち上がっる姿を捉えた。
運河に塩を入れられたことに怒りを露わにするカエル男の前に、ドリームキャンディは立ちはだかった。彼女の目には覚悟が宿り、決して退かぬ覚悟が見て取れた。
ミラクルナイトは隆に向けて微笑みながら言った。
「お姉ちゃん、戦ってくる」
と立ち上がる。彼女の目は闘志に燃え、強さと勇気がにじみ出ていた。
カエル男は激しく攻撃を仕掛けてくるが、ドリームキャンディはキャンディチェーンを振り回し、ミラクルナイトも水色の光を放ちながら応戦した。しかし、カエル男の動きは素早く、攻撃をかわすことができない。
ミラクルナイトはカエル男に捕まり、彼の粘液によってコスチュームが溶け始める。いつも敵に捕まり恥ずかしい目に遭うことの多いミラクルナイトだが、ドリームキャンディは彼女が本来の姿に戻ったことに喜びを感じた。
弱いミラクルナイトを私が守るんだ!とドリームキャンディは意気込みを込め、キャンディチェーンをカエル男に直撃させた。その結果、ミラクルナイトはカエル男の腕から解放された。
ミラクルナイトのコスチュームは部分的に溶け、下着姿に近い状態だったが、彼女は決して諦めず、カエル男の顔面にミラクルヒップストライクを放った。カエル男は歓喜の表情を浮かべながら、中年の男性の姿に変化していく。
勝利の余韻に浸るミラクルナイトだが、自分のほぼ下着姿に気づき、慌てて変身を解いた。その結果、パーカー姿の奈理子に戻った。その様子を見てドリームキャンディは、やはり奈理子さんは可愛いなと感じ入った。
この一瞬の間に、奈理子の優しさと強さ、そして彼女の変身ヒーローとしての闘志が融合し、ドリームキャンディの心に深く刻まれた。彼女たちの絆はさらに強まり、未来への決意が新たに燃え立ったのであった。
翌日、奈理子は路地裏の占い師、鈴のもとを訪れた。彼女はピンクパンツブラックナイトとなった時の記憶を持っていなかったが、鈴から大まかな出来事を聞くことができた。
鈴が奈理子にピンクのパンツを履くと変身してしまう術をかけたこと、それはライムの依頼だったこと。そして、隆がその術を解いてくれたこと。また、鈴がヒメバチ女に変身することも知った。
カエル男の正体は市の職員であり、妻と別れて中学生の娘を失ったことも鈴から聞かされた。カエル男が奈理子を狙っていたのは、彼女に娘の面影を見出し、娘を取り戻そうとしていたのかもしれない。
商店街の人々がカエル男を倒すために運河に大量の塩を投入したことは、市からの非難を浴び、運河はすぐに閉鎖された。しかし、その結果、多くの生き物が犠牲となった。
奈理子は鈴に対し、薬の力を使って他人を操ることが良くないことを伝えた。鈴も占いにおいて薬の力を使うことはもう止めるつもりであった。奈理子は自分に術をかけた鈴を許せなかったが、鈴の願いは本物であり、彼女は他の女の子たちを幸せにしたいという思いを抱いていたのだ。
鈴は奈理子に別れ際に言った。
「ライムのやり方は間違っているけれど、彼は本当に奈理子のことを好きだと思うよ」
と。奈理子は恥ずかしそうに頷きながら答えた。
記憶はないが、ピンクパンツブラックナイトの奈理子に対して、ライムは非常に優しく接してくれたような気がした。鈴の占いテントを後にする奈理子は、中学3年生になる来週からの学校生活やミラクルナイトの活動、そしてライムへの思いに向けて頑張る決意を新たにした。
自身の成長と、大切な人たちとの絆を胸に、奈理子は未来へ向かって進むのだった。
(第40話へつづく)












ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません