ミラクルナイト☆第118話
放課後の水都公園の運河の畔に座る奈理子とライム。静かな水面が周囲を包み込む中、受験のプレッシャーが奈理子の心を押し潰そうとしていた。ライムがスカートの中を覗くが、奈理子は構わずに英単語帳を睨みつけている。
「今日は黄色か。珍しいな。買ったのか?」
ライムが鮮やかなイエローに興味津々の様子で尋ねる。
奈理子は慌ただしく英単語帳に視線を落とし、
「I bought yellow panties for a change.」
と淡々と答える。ライムはその英語での返答に一瞬驚きを隠せなかった。ライムは遠くを見つめる。
「水女は色んな奴らがいるからな…」
ライムのぼんやりとしたつぶやきが、奈理子の耳を通り過ぎる。奈理子の志望校の水都女学院、略して「水女」は女子校だ。奈理子はその言葉に何かを感じ取り、思いを巡らせる。
「ライム、水女に知り合いがいるの?中等部?」
奈理子が英単語帳から視線を移すと、ライムはぶっきらぼうな態度を取る。
「別に」
とライムは言葉を濁す。小学校が一緒だった女の子が水女に行ったのだろうか?ライムに同世代の親しい女の子がいるのは奈理子にとっては大事件だった。
「誰よ」
と奈理子が詰め寄ると、ライムはさらに淡々とした様子で答える。
「高等部の生徒会長と知り合いなだけさ」
と。奈理子の心には、ライムと高校の生徒会長との接点が思い浮かばない。
「生徒会長って高二?」
奈理子の問いかけに、ライムはうなずく。
「ああ。綺麗な人だ」
と続ける。
「ライムとどんな関係?」
奈理子はライムの表情を窺いながら問い詰める。ライムはうんざりした様子で答える。
「だから、ただの知り合いだって。一度会ったことがあるだけだ。奈理子は勉強に集中しろ」
とライムの言葉に、奈理子の胸はざわめく。
一度会っただけでライムに強烈な印象を与えた年上の女性。その存在だけで奈理子の心は乱れ、ミラクルナイトとしての使命、受験のプレッシャー、そして恋に休む間もない日々が続いていた。
穢川町に新しく建設された水都製薬の研究所。その社長室では、牛島が勅使河原にイチゴ女の報告を行っていた。イチゴ女こと姫野真衣香の能力は予想以上のものだった。
「柏原さんが可愛がっていたいただけのことはあるな」
と勅使河原は満足気に報告を聞いていた。柏原が以前目をかけていた女性が、今やイチゴ女として活躍していることに、勅使河原は納得した様子だった。
一方、ミラクルナイトに敗北を喫したシオマネキ女こと潮田渚は、そのショックから立ち直れずにいると牛島が報告する。
「潮田はもうダメかもしれませんな」
と渦巻が口にする。
「渚は…潮田さんは初めての敗北で落ち込んでいるだけです。時間が経てば立ち直れます」
と牛島が渦巻に語る。勅使河原は牛島に対し、
「潮田のことは君に任せよう。君と潮田への期待は変わらない」
と言う。
イチゴ女とシオマネキ女の話が終わり、勅使河原は渦巻に
「例の計画は進んでいるか?」
と問う。
「はい、抜かり無く」
と渦巻が応える。
「市民の目を逸らすために、誰かを街で暴れさせよ」
と勅使河原が命じる。
「ヒジキ男に奈理子を襲わせましょう」
と渦巻が提案する。
「ウズムシ男も二匹ほど付けてやれ」
と勅使河原はそう言うと、窓から新しい研究所を見下ろした。彼らの計画は着々と進行していた。
勉強に区切りをつけ、水都公園でライムと戯れる奈理子。しかし、噴水広場の方が何やら騒がしい。
「何だろう?」
奈理子が噴水広場の方を見ると、逃げてくる人たちが奈理子を見て驚いた顔をした。
「何があったんだ?」
ライムが一人捕まえて何があったか聞く。怪人が、奈理子を呼んでいるらしい。
「行かなきゃ」
奈理子が呟く。
「気を付けろよ。逃げ回ってドリームキャンディたちが来るまで時間を稼ぐんだ」
とライム。奈理子はライムを見据え
「私は水都の守護神ミラクルナイト。水都の平和を乱す者は私が倒すわ」
と言うと、噴水広場へ走って行った。
噴水広場では
「奈理子、早く出てこい!」
とヒジキ男が吠えている。
「何?私はここよ!」
と颯爽と奈理子が駆け付ける。奈理子の登場に逃げ惑う市民も歓声をあげる。
「変身するからちょっと待ってなさい!」
奈理子がアイマスクを掲げる。
「変身中を襲うような卑怯な真似はしないでよ!」
奈理子がヒジキ男をキッと睨み、アイマスクを装着した。奈理子の体が水色の光に包まれる。光の中で、水都中学の制服が消滅し、下着姿になる奈理子。そして、髪に白いリボン、白いノースリーブのブラウスに胸には水色のリボン、手足に水色のグローブとブーツ、最後に白いプリーツスカートが現れる。水色の光の中で奈理子は水都の守護神ミラクルナイトに変身した。
正義のヒロインミラクルナイトの可憐な姿に、噴水広場にいる市民たちも大きな歓声を上げる。彼らはミラクルナイトの登場に安心し、怪人に立ち向かってくれることを期待していた。
「今日も楽しませてくれ、奈理子!」
市民が奈理子に声援を送る。
ミラクルナイトは覚悟を決め、噴水広場に立ち向かう。彼女の眼差しは決然としていた。
水色の光が消え、ミラクルナイトは地面に降り立つ。その瞬間、ミラクルナイトのスカートがフワリと舞い上がった。その瞬間、見守る市民の間でどよめきが起こる。
「おー!今日は黄色だ!!」
「白でも水色でもないぞ!」
初めて見る奈理子の黄色いショーツに皆が驚いていたるのだ。頬を赤らめ、慌ててスカートを抑えるミラクルナイト。
「何故、黄色なんだ?理由を言え!」
とヒジキ男が市民の疑問を代弁する。
「理由なんか無いわ!ただの気分転換よ!!」
恥ずかしさのあまりムキになって答えるミラクルナイト。
「言いたくなくても言わせてやる、黄色いパンツの意味をな!」
ヒジキ男が迫る。
「だから、理由は無いって言ってるでしょ!」
ミラクルナイトがヒジキ男に向けて水色の光弾を放つ。ヒジキ男は躱しながらミラクルナイトの懐に飛び込んだ。パンチが来ると思い、身構えるミラクルナイト。しかし、ヒジキ男はミラクルナイトのスカートを捲った。
「確かに黄色だ」
と呟くヒジキ男。スカートを捲られた怒りを込めて右ハイキックを放つミラクルナイト。しかし、ミラクルナイトの高く上がった右足は、ガッシリとヒジキ男に掴まれてしまった。
「楽しませてもらうぞ、奈理子の黄色いパンツを!」
ヒジキ男の残忍な笑みにミラクルナイトは恐怖した。
ミラクルナイトは必死に抵抗しようとするが、ヒジキ男の力は圧倒的だ。見せしめとして、ヒジキ男はミラクルナイトのスカートをさらに上げて彼女のショーツを晒す。その光景に周囲の市民たちも驚愕し、恐れを感じる。
しかし、ミラクルナイトは決して屈することなく、精神を集中させて反撃のチャンスを伺っていた。彼女の中には悔しさと怒りが渦巻いていたが、それでもなお、市民たちの安全を守るために戦い続ける決意を胸に秘めていた。
右足をヒジキ男に高く持ち上げられ、スカートをヒジキ男の体から伸びる枝に捲り上げられたミラクルナイト。左足で自身の身体を支えるしかないミラクルナイトは身動きが出来ない。市民はミラクルナイトを励まそうと
「奈理子、可愛いぞー!」
「黄色いパンツも似合ってるぞー!」
と必死の声援を送る。ミラクルナイトの体重を支える左脚が震えている。
「離して!」
とヒジキ男に訴えるミラクルナイト。
「嫌だね。代わりにこうしてやる」
とヒジキ男はミラクルナイトの左足を払い、倒れるミラクルナイトをまんぐり返しの形で組み伏せてしまった。
「せっかくの黄色いパンツだから、皆にしっかり見せてやらないとな」
とヒジキ男。
「いやぁ…」
と首を振るミラクルナイト。
「奈理子の黄色いパンツはどんな臭いがするかな?」
ヒジキ男が奈理子の大切な箇所に顔を近づける。
「それだけは止めて!臭いは嗅がないでぇ…」
既にミラクルナイトは涙声になっていた。
そのとき、噴水広場に黄色い光が舞い降りた。光の中から現れたのは小学校戦士ドリームキャンディ。
「ヒジキ男、奈理子さんを苛めるのは止めなさい!」
高らかに宣言するドリームキャンディ。
「出よ、ウズムシども!」
ミラクルナイトを組み伏せるヒジキ男の叫びとともに、二体のウズムシ男が現れた。彼らの姿にもかかわらず、ドリームキャンディは決して怯まなかった。
「ウズムシなんか、どっうてことないわ!」
ドリームキャンディはキャンディシャワーを放とうとしたが、ヒジキ男が
「ドリームキャンディ、奈理子がどうなってもいいのか?」
「やめて…」
と怯えるミラクルナイト。
「奈理子さんを人質にするなんて、卑怯者!」
と怒りを露わにするドリームキャンディ。
ヒジキ男は
「これから、奈理子のお汁を黄色いパンツにたっぷり染み込ませるんだ。ガキはウズムシどもと遊んでいろ」
と言い放つ。手も足も出ないドリームキャンディの怒りの矛先はミラクルナイトに向う。
「奈理子さん、いつまでヒジキ男に遊ばれてるんですか!ミラクルパワーで逃げられるでしょ!!」
そう言われても、ミラクルパワーは精神を集中させなければ発揮できない。大切な箇所を指で撫でられている今のミラクルナイトの精神状態ではミラクルパワーを発揮することはできなかった。ミラクルナイトは
「キャンディ、私はどうなってもいいから、戦って…」
とドリームキャンディに告げるのが精一杯だった。
「おっ、だんだんシミが広がってきたぞ。奈理子は本当にマゾっ子だな」
とヒジキ男が嘲る。
そこに一筋の竜巻がミラクルナイトとヒジキ男を舞い上げる。落ちてくるミラクルナイトを受け止めたのは風の戦士セイクリッドウインド。
噴水広場では、セイクリッドウインドとドリームキャンディがヒジキ男と対峙していた。
「ありがとう、ナメコ姫」
セイクリッドウインドに抱えられたミラクルナイトがセイクリッドウインドに感謝の言葉を述べる。
「いつも敵に狙われて大変だね」
セイクリッドウインドはミラクルナイトに微笑みかける。
「せっかく奈理子の黄色いパンツで遊んでいたのに、許さんぞ!」
ヒジキ男が立ち上がる。
「奈理子を弄んでくれた礼はたっぷりさせてもらうよ」
セイクリッドウインドが扇型の武器ガストファングを手に前に出る。
「私もいることを忘れないでよ」
ドリームキャンディが鞭状の武器キャンディチェーンを手にセイクリッドウインドの横に立つ。
「二人まとめて相手になってやる。ウズムシども、その間に奈理子の黄色いパンツに美味しい奈理子の出汁をたっぷり染み込ませろ!」
ヒジキ男がウズムシ男に命じる。ヒジキ男はヒジキの能力に絶対的な自信を持っていた。
激しい風が吹き荒れ、セイクリッドウインドとドリームキャンディが猛然と攻撃を仕掛けた。セイクリッドウインドのガストファングが風刃となってヒジキ男を襲い、同時にドリームキャンディのキャンディチェーンが巧みな操りでヒジキ男を翻弄する。しかし、ヒジキ男は容易には屈しなかった。
ヒジキ男はその巨体を生かしてセイクリッドウインドの攻撃をかわし、ドリームキャンディのキャンディチェーンを掴んで引き寄せる。一方、ウズムシ男はミラクルナイトに迫ろうとしている。
激しい戦いが噴水広場に轟く中、ミラクルナイトは自らの力を取り戻すべく必死になっていた。彼女の心には、仲間たちの固い絆と水都の市民たちへの責任が燃えていた。
ヒジキ男は力強くドリームキャンディのキャンディチェーンを引き寄せ、彼女を自分の前に引き寄せる。ドリームキャンディは必死に抵抗し、キャンディチェーンを振り回してヒジキ男を攻撃しようとするが、ヒジキ男の圧倒的な力には抗えない。
一方、セイクリッドウインドは風の力を駆使してヒジキ男に立ち向かう。風刃を操りながらヒジキ男に迫るが、ヒジキ男は巧みに風の刃をかわし、セイクリッドウインドの攻撃をかき消す。しかし、セイクリッドウインドは決して諦めることなく、風の力を更に高めてヒジキ男に挑み続ける。
ヒジキ男はドリームキャンディを手玉に取りながら、セイクリッドウインドの攻撃にも対処しなければならない。彼は強靭な肉体と戦闘の経験を活かして、二人の戦士たちに対抗する。しかし、セイクリッドウインドとドリームキャンディの連携は息を飲むほどのものであり、ヒジキ男も次第に追い詰められていく。
ウズムシ男たちが奈理子の黄色いパンツを奪おうとする中、ヒジキ男はセイクリッドウインドとドリームキャンディの連携攻撃によって次第に疲弊していく。彼女らの勇敢な戦いは噴水広場に響き渡り、水都の市民たちに勇気と希望を与える。
「止めて!そこはダメっ!」
ドリームキャンディとセイクリッドウインドの勝利の余韻を掻き消すかのようなミラクルナイトの悲鳴が噴水に響き渡った。二人のウズムシ男に弄ばれるミラクルナイト。それを取り囲む市民の中にはスマホでミラクルナイトを撮影している者もいる。
「ヘヘッ、奈理子の黄色いパンツグチョグチョだ」
「みんなに見せるつもりで黄色いパンツ穿いてきたんだろ?それっ!」
二人のウズムシ男がミラクルナイトのスカートを剥ぎ取った。
「いやぁ…」
両手を抑えられ、黄色いパンツを隠すこともできず涙を流すミラクルナイト。
「ブラもお揃いか?」
とウズムシ男はブラウスまでも剥ぎ取った。奈理子の小さい胸には黄色いブラ。
「アイマスクとグローブとブーツも外しちゃおぜ」
調子に乗るウズムシ男たち。
「アンタたち、いい加減にしなさい!」
セイクリッドウインドがガストファングを振るう。竜巻に飲み込まれるミラクルナイトとウズムシ男。しかし、すぐさまドリームキャンディがキャンディチェーンでミラクルナイトを捕まえ、引き寄せた。二人のウズムシ男は竜巻に飲み込まれたまま、どこかへ飛ばされていった。
ミラクルナイトの身に降りかかった屈辱的な瞬間が終わり、彼女はドリームキャンディとセイクリッドウインドに助けられ、再び立ち上がった。夕陽が彼女たちの背中を優しく照らし、噴水広場には静かな安堵の雰囲気が漂った。
「奈理子さん、大丈夫ですか?」
「奈理子、あなたを傷つけた彼らには天罰を与えてやったわよ」
ドリームキャンディとセイクリッドウインドが心配そうにミラクルナイトに声をかける。しかし、ミラクルナイトは微笑んで彼女たちに応えた。
「ありがとう、キャンディ、ナメコ姫」
とミラクルナイトは礼を述べると、ドリームキャンディが、
「さっきはキツイこと言ってごめんなさい」
とミラクルナイトに謝った。
「キャンディは悪くないの。私が弱すぎるのが悪いから…」
ミラクルナイトは自分の不甲斐なさを恥じていた。
セイクリッドウインドがミラクルナイトの濡れた股間を見ながら
「どうして今日は黄色いパンツなの?」
と話題を変える。
「どうして、みんなそんなこと聞くの…?」
ミラクルナイトは困った表情を見せる。
「白いパンツは奈理子さんの清純の証って奈理子さんが言ったでしょ。水色は何だったかな…?黄色いパンツにも何か意味があるんですか?」
とドリームキャンディが尋ねると、
「黄色に特に意味は無いわ…」
と恥ずかしげに答えるミラクルナイト。恥じらうミラクルナイトの美しい姿に市民の歓声が上がる。その完成を受け、彼女たちは再び力を合わせて水都の平和を守るために戦う決意を新たにした。
市民たちはミラクルナイトとその仲間たちに感謝し、彼女たちの勇敢な行動に敬意を表した。噴水広場には再び歓声と笑顔が戻り、夕陽の光が彼女たちの勝利を称えるかのように輝いていた。
(第119話へつづく)
(あとがき)














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