ミラクルナイト☆第179話
夜。
水都を見下ろす高層ホテルの一室。
黒曜石のように輝く大理石の床、窓の外には遠く水都公園のライトアップが微かに光っている。
その部屋の中央――
流れるような動きで脚を組んで座る男の姿。 ...
ミラクルナイト☆第175話
ちゃぶ台の上には、コマリシャス手描きの「水都侵攻作戦図」。クレヨンで描かれたミラクルナイトの似顔絵が真ん中に大きく貼られ、そこへ赤ペンで「弱っちい!」「涙目!」「今回こそ捕獲!!」と書きなぐられている。
「ふふふ…今回の新 ...
ミラクルナイト☆第163話
夏の午後、鄙野の町の広々とした原っぱで、幼女と女性が虫取りに興じていた。
「たくさん捕れたね~!」
幼女が無邪気な笑顔で女性に声をかける。その手には虫取り網、肩には虫籠。この幼女こそ、鄙野を支配する魔界の姫、コ ...
ミラクルナイト☆160話
最近導入されたドローンによる実況中継は、これまで以上に多くの市民がミラクルナイトの活躍を目にできるようになった。水都タワー前の巨大ビジョンや家庭のテレビには、彼女が敵と戦う姿が鮮明に映し出され、その息遣いまでもがマイクで拾われる。特に ...
ミラクルナイト☆第152話
水都女学院高校一年二組の教室。今日もその中心にいるのは、野宮奈理子だった。教室中が、彼女の話題で持ちきりだ。先日、奈理子は十三匹もの魔物を撃退したばかり。生徒たちは、ミラクルナイトとしての奈理子の活躍を称賛し、興奮した様子で彼女を取り ...
ミラクルナイト☆第150話
水呑町にある糸井探偵事務所。朝、静まり返る事務所のドアを叩いたのは剣崎だった。ドアを開けた糸井は、剣崎の姿を確認して一瞬だけ目を細めた。イカ男の剣崎がわざわざ事務所に訪れるとなれば、それは仕事の依頼ではない。もっと重大な何かを予感させ ...
ミラクルナイト☆第147話
この国は政治や経済といった国家の高次機能を首都に集約する方針を取り続けた。その結果、人、金、物が極端に首都周辺に集中し、首都は一時期世界最大の都市として栄華を極めた。しかし、その一方で、人口流出、それに伴う労働力の減少より地方は次第に ...
ミラクルナイト☆第144話
穢川研究所の社長室では、ワサビ男の敗北が多実から勅使河原に報告された。
「まさか、ワサビ男が奈理子に敗れるとは…」
と、勅使河原の側近である渦巻が溜息をついた。
「奈理子に空から攻められ、一方的に倒 ...
ミラクルナイト☆第142話
水都公園近くの雑居ビルの屋上。ライムは事後の奈理子を眺めていた。余韻に浸っているのか、奈理子はうつ伏せで腰を高く上げたままの姿勢でグッタリとしている。
これまでは、金を掛けずに二人きりになるには水都公園内の運河に架かる橋の ...
ミラクルナイト☆第138話
水都中学一年A組の教室。寧々は隆に尋ねた。
「奈理子さんの様子はどう?」
昨日、ミラクルナイトはシオマネキ女にこれまでにない無様な敗北を喫した。その動画がSNSに多く上がっている。ドリームキャンディとしてミラク ...
ミラクルナイト☆第136話
穢川研究所の社長室。重々しい空気が漂う中、カニカゲロウの敗北の報告を受けた勅使河原は信じられない表情で呟いた。
「あのカニカゲロウがミラクルナイトに破れることは…」
勅使河原の声には驚きと失望が混じっていた。カ ...
ミラクルナイト☆第133話
水都信用金庫襲撃事件の被害者である一之木多実が、鄙野から戻ってきた。穢川研究所の社長室には、社長の勅使河原、側近の渦巻、所長の九頭、そして御祖紗理奈が集まり、多実から鄙野での出来事を聞いていた。
「鄙野が魔界に占拠されたと ...
