ミラクルナイト☆第80話
グフグフハンバーガーの店内には、賑やかな会話と香ばしい焼肉の匂いが立ち込めていた。混雑する席の片隅、窓際のテーブルには大学生の凜と小学生の寧々が向き合って座っていた。彼女たちの間のトピックは、さっきのミラクルナイトとクワガタ男の戦いだった。
「奈理子って、弱いのか強いのか、本当によく分からないよね。」
凜は細く綺麗な眉をひそめて、少し混乱した様子で言った。
寧々は、凜の言葉に微笑みながら答えた。
「奈理子さんは打たれ弱くて、すぐ気絶することもあるけど、一度水色に光って復活すると、すごく強くなるんですよ。」
凜の瞳には思い出の中の奈理子の姿が浮かんでいた。突然、顔を歪めて言った。
「最近はおしっこ漏らすこともなくなったし…。奈理子も強くなったよね」
寧々は少し困った顔をしたが、真摯に続けた。
「最近の敵は、どうして奈理子さんの下着まで狙ってくるんですか?どんどんエスカレートし続けて、私も心配です。」
一息ついて、凜はちょっとからかうように、言った。
「寧々も奈理子のパンツを脱がそうとしたことあるじゃない。」
「あれは、ついカーッとなっちゃって…。でも、奈理子さんは可愛くてスタイルも良いのに、胸が小さいのは、ちょっと残念ですね」
寧々は、奈理子の小さい胸を思い出し、自分の胸を少し押さえながら、自信に満ちた声で返した。
「私の胸、奈理子さんよりも大きくなる自信ありますよ。」
凜は大笑いし、
「貧乳だって好きな人もいるんだから、奈理子のそれは欠点じゃないよ。それにまだ中学3年生だから、もうちょっと大きくなるかもしれない。」
そうですね、と窓の外の街並みを眺めながら、寧々は感慨深く言った。
「奈理子さんの人気、本当にすごいですよね。」
凜は寧々の方を向き、じっと見つめた。
「寧々も正体を公開すれば、ファンクラブなんてすぐにできるよ。ロリっぽいキャラクターは、人気があるから。」
寧々は、少し怒った顔で反論した。
「私はロリじゃありません!来年は中学生です。もう大人ですから。」
凜は微笑んで、寧々の成長を暖かく見守っていた。
「中学生もまだまだ子どもだよ。」
と心の中で思いながら、二人はミラクルナイトの今後の活躍に胸を膨らませた。
商店街の陽炎の中、寧々はあのファストフード店の香ばしい匂いを背にして歩いていた。フレアスカートの中は見せてはいけないパンツだけ、今日は隆と会うかもしれないと期待して、普段のレギンスやスパッツを省いてきたのだ。しかし、隆の姿はどこにも見当たらない。
ご近所とはいえ、そうそう出会うことはないと分かっていが、やっぱり隆はいないかと思ったところで、商店街の中心へと近づくと、周囲の雰囲気が明るくなるのを感じた。店先でおしゃべりする人々の間から、奈理子の明るい笑顔が際立っていた。そして、彼女の隣には、少し浮かない表情をした隆が立っていた。
「隆…!」
寧々の胸の中で、小さな期待と緊張が駆け巡る。隆と出会うことを期待していたのに恥ずかしさでうつむきがちになる。見つからないようにと2人の横を素早く通り抜けようとする。だが、奈理子の明るい声に、足を止めざるを得なくなった。
「あっ、寧々ちゃん!」
短い瞬間に、寧々は奈理子の夏らしい軽やかな装いと、隆の深い瞳に捉えられる。言葉を失ってしまうほどの緊張感の中で、
「こんにちわ、奈理子さん。ついでに隆も」
と声を弾ませて返す。隆の少し控えめな笑顔が、寧々の心をくすぐった。
「夕飯の買い物は私がするから、隆は寧々ちゃんと楽しんできたら」
奈理子の言葉は、2人にとっての小さな冒険の始まりを告げるかのようだった。
「ちょっと待ってて
と奈理子が果物屋から持ち帰った爽やかなパインジュースは、夏の日差しの中で2人の距離を少し縮めてくれた。
隆の手から受け取る冷たいジュース。その瞬間、寧々の心は、ドキドキと高鳴り、新しい一歩を踏み出す勇気を感じていた。
陽光が商店街を照らす中、隆の言葉が空気を揺らした。
「姉ちゃんのあのスカート、座ってるとき前からパンツが見えるんだぜ。」
寧々の純真な瞳は一瞬だけ固まる。脳裏に浮かぶのは奈理子のデニムのミニスカートの姿だった。隆の意図が彼女の心の中で、細かな泡となって弾けている。彼の言葉の裏には、自分にもそんなスカートを履いてほしいという期待が隠れているのかもしれない。純真さと好奇心が入り交じる中で、寧々は
「白いパンツ?」
と尋ねた。
隆の答えは無邪気だった。「今日も白だったな。」
可愛らしい寧々の思考は、自分のパンツの色へと移っていった。彼女の中でファッションの一部として存在するのは、シックなグレー、紺、黒のパンツだけだった。寧々は奈理子がよく履いている白やパステルカラーのパンツは持っていない。一瞬、白いパンツを手に入れることを考えたが、ふと別の疑問が浮かび上がった。
「隆、いつも奈理子さんのパンツをチェックしてるの?」
という、寧々の素朴な問いに、隆は驚きを隠せなかった。
「はぁ?」
と彼の顔には戸惑いしかない。しかし、彼の次の言葉は現実的だった。
「一緒の家に住んでりゃ姉ちゃんのパンツなんか嫌と言うほど見せられるぜ。夏は特に。」
寧々は一人っ子として、そういう家庭の日常について知る機会がなく、少しだけ羨ましさと驚きが入り交じった表情を浮かべていた。
しかし、そんな二人の足元で、何かがうごめいていた。地を這う蔓が、気付かれずにほのかに寧々の足に巻き付いてきているのだった。
「きゃぁ」
と悲鳴を上げる寧々。商店街の喧騒の中、突如として寧々の世界が上下逆転した。彼女の足首を絡め取る怪しい蔓は無慈悲にも彼女を空へと持ち上げた。彼女の驚きの悲鳴とともに、周囲の空気も一変。アマチャヅルの特徴を持つ、緑色に輝く怪人、アマチャヅル男の姿が現れた。
彼女の選んだフレアスカートが彼女の不運を招く結果となり、恥ずかしい姿を晒すことに。それに気づいた寧々は必死にスカートを押さえようとするが、その両手も次第に蔓によって拘束され逆さに大の字にされてしまった。
「おぉ!」
その瞬間、隆の声が聞こえた。しかし、それは彼女の救いを祈るものではなく、驚きと興奮に満ちた声だった。寧々の思いもよらない紺色のパンツが、彼の瞳に映り込んでいた。
「隆のバカ!見ないでよ!」
彼女の怒りと恥ずかしさが込み上げる中、隆の視線は、いつもガードが硬い寧々のパンツに釘付けになっていた。商店街の視線の全ても彼女に集まった。まるで時間が止まったかのような、その瞬間。
と、その時、水都の守護神、ミラクルナイトが颯爽と現れた。
「寧々ちゃんを苛めるのは許さないわ!」
と声を上げると、
「あんた、なに喜んでんのよ!」
隆の頭を軽く叩いた。アマチャヅル男はその守護神の前で、寧々を放り投げ、挑戦的な笑みを浮かべて立ちはだかった。
「待っていたぞ奈理子!お前の香しい体液をしゃぶり尽くしてやるぜ」
地面に転がる寧々の元に、再び隆が駆け寄ってきた。心配そうに彼女を抱き起こし、その瞬間、寧々は隆に抱きしめられる温かさを感じた。しかし、彼の視線が捲れ上がったスカートから覗く彼女の太腿に留まっているのに気づくと、その温もりは急に冷たく感じられ、寧々は隆を強く突き飛ばした。
そんな彼らの様子を背に、ミラクルナイトとアマチャヅル男の戦いが、商店街で幕を開けようとしていた。
商店街の狭間にて、異様な緊張が空気を纏めていた。
「隆、大丈夫?」
寧々は、自らの行動により突き飛ばしてしまった隆の姿に心を痛めながら、彼の安否を確かめた。しかし、その背後から響くミラクルナイトの絶叫に、彼女の頬は色を失った。
「触手と蔓はいやぁ~!」
彼女が振り返ると、アマチャヅル男の邪悪な蔓がミラクルナイトを緊密に拘束しており、ミラクルナイトの繊細な脇を舐め上げるその姿に、寧々の目は驚愕と怒りで燃え上がった。
「くすぐったい!気持ち悪い!」
ミラクルナイトの声が、痛々しくも商店街を埋め尽くす。
「脇汗だけじゃなく、全ての奈理子の体液をしゃぶり尽くすぞー」
と、アマチャヅル男の舌舐めずりするような声。その中、商店街の片隅からは、心温まる声が。
「奈理子ちゃん、しっかりしろ!」
と蕎麦屋の老店主が奮起の声を上げた。その声に続いて、果物屋のおじさんや占い屋の美しいお姉さんからも励ましの言葉が飛んできた。
寧々は隆の手を掴み、決意の表情を見せる。
「私も戦う。」
彼女の瞳は炎のように燃え、彼女は隆にその決意を告げると、商店街の路地裏へと駆け込んだ。
商店街の隅々に響くミラクルナイトの悲鳴とアマチャヅル男の歓喜の声。
そこで、彼女は神聖なる呪文を唱える。
「キャンディスイーツ、ドリームキャンディ」
と声に力を込めると、寧々の身体は黄金のオーラで包まれた。彼女の日常の衣装が消え去り、短い瞬間、全裸となった寧々の姿が露わとなったが、すぐさま彼女は魔法のドレスに覆われ、その輝きとともに、ドリームキャンディの姿となった。
新たなる戦士、ドリームキャンディとして、寧々は路地から飛び出し、アマチャヅル男との戦いに参戦する。そして彼女の眼前には、アマチャヅル男の蔓に捉えられ、もはやブラウスとスカートを奪われ、下着姿とされたミラクルナイトの姿があった。
「奈理子さんを苛めるのはやめなさい!」
ドリームキャンディの声は力強く、彼女の手からキャンディチェーンが放たれ、アマチャヅル男へと一直線に飛んで行く。
商店街の空気は、二人の戦士と怪人の激しい戦いによって、さらに緊張感に包まれるのだった。
アマチャヅル男の目が、新たに現れたドリームキャンディに絞り込まれた。
「お前がドリームキャンディか」
と彼は冷たく言った。しかし、彼の無数の蔓は一切動きを止めることなく、ミラクルナイトのアイマスクと、奈理子の清純の証である純白のブラとショーツをあっさりと剥ぎ取った。
奈理子の瞳は虚ろで、その純粋さが一層際立っていた。
「気をつけろ。アイツに引き寄せられると、姉ちゃんの様子がおかしくなった」
と、隆の声が荒げてドリームキャンディの耳に届いた。
「俺の発する甘い香りには…」
隆の声が聞こえたのか、アマチャヅル男は優越感に満ちた声で説明を始めた。
「相手を誘引する能力があってだな。ミラクルナイトもこのザマだ。」
彼は両手で奈理子をM字開脚にさせたまま抱え上げ、誇らしげに見せつけた。
「私の大切なところ…見ないで…」
奈理子の瞳に涙が浮かび、顔を赤くしながら呟いた。しかし、奈理子は両腕を力なく下げたままで、股を広げられ露わになった大切なところを隠そうとはしなかった。黒い茂みの下にあるその場所は、潤みながら花開き、眩しいばかりにピンク色の輝きを放っていた。更にその下には可憐な蕾も覗いている。幼少のころから彼女を見てきた市民たちも、成熟した奈理子の美しさに驚きの声を上げていた。
ところが、その光景を目の当たりにしたドリームキャンディは、奈理子の魅力に完全に捉えられてしまっていた。奈理子の大切なところから、透明な粘りのある液体が糸を引いて垂れ落ちた。だが、彼女の迷いは長く続かなかった。
「しっかりしなさい、ドリームキャンディ!」
という厳しい声と共に、緑色の光が現れた。それはセイクリッドウインドだった。
彼女は扇子のような武器、ガストファングを手にして立っていた。
「奈理子を助けるわよ」
と彼女は言い、ドリームキャンディも再び戦意を取り戻し、キャンディチェーンを構えた。二人のヒロインは、アマチャヅル男に立ち向かう覚悟を固めた。
アマチャヅル男の巧妙な蔓から奈理子を解放するため、戦士たちは結束して考えを練った。
「アマチャヅル男から奈理子さんを離さないと…」
と心配そうにドリームキャンディがつぶやくと、セイクリッドウインドが提案した。
「私がアマチャヅル男を飛ばすから、その隙に奈理子を取り返して。」
ドリームキャンディは隆の方に目を向け、
「奈理子さんは絶対助けるから」
と約束する。隆の瞳からは彼女への心配が見え、
「寧々も気をつけろよ」
と声をかけた。その瞬間、セイクリッドウインドが気付いた。隆がドリームキャンディの正体を知っていること。しかしその驚きも、寧々が好きな人は奈理子の弟だったという理解で和らいだ。
「行くよ、ドリームキャンディ」
と、セイクリッドウインドは空にガストファングを振りかざすと、巨大な竜巻が舞台となった。竜巻の中心に取り込まれたアマチャヅル男とミラクルナイト。ドリームキャンディはキャンディチェーンでミラクルナイトを引き寄せようとしたが、蔓が執拗に彼女を縛りつけていた。
「あぁぁ…」
キャンディチェーンと蔓の狭間で、ミラクルナイトの悲鳴が響き渡った。しかし、セイクリッドウインドの風の刃が正確に蔓を斬り、縛られていた束縛が解き放たれた。勢いよく飛び込むミラクルナイトを、ドリームキャンディが優しく受け止めた。
「ドリームキャンディ、ありがとう…でも…」
その言葉とともに、ミラクルナイトは意識を失った。その美しさに、一瞬ドリームキャンディの視線が奈理子の白い肌に映える黒い毛に釘付けになった。
「姉ちゃん、起きろ!」
隆の声が焦燥を帯びていた。そして、彼は普段こき使われている恨みを晴らすかのように容赦無く奈理子の頬を何度も叩いた。その様子に、
「隆、やりすぎよ」
と寧々が優しく制止する。そこに、占い屋の綺麗なお姉さんがバスタオルを持って駆け寄り、奈理子の裸体を覆った。
混沌とした戦場の中、アマチャヅル男は執念深く奈理子の方へ蔓を伸ばした。
「俺の奈理子を返せ!」
彼の声は深い闇と情熱を纏っていた。
しかし、ドリームキャンディの反応は瞬時だった。キャンディチェーンを振るい上げ、鋭く蔓を打ち落とした。
「奈理子さんはあなたのものじゃない!」
彼女の声は冷静でありながら、炎のような強さを秘めていた。
アマチャヅル男は、悪びれることなく
「この甘い香りの前では、お前たちの力など無意味だ!」
と言い放ち、身の回りから甘美な香りを放った。その香りは魅惑的であり、周りの空気をゆるやかに揺らしていた。
セイクリッドウインドが、扇子型の武器ガストファングを構えて前へ進み出る。
「その香りに騙されるものはもういないわ。」
風を起こすガストファングは、その甘い香りを散らばらせ、アマチャヅル男の策略を無効化した。
アマチャヅル男は怒りに震えながら
「この蔓でお前たちを縛り上げてやる!」
と叫び、複数の蔓をドリームキャンディとセイクリッドウインドの方へ放った。
しかし、ドリームキャンディはキャンディチェーンを華麗に振り回し、その蔦を一つずつ打ち落としていった。
「このキャンディチェーンの前では、あなたの蔦など無力よ!」
彼女の目は真剣そのもので、アマチャヅル男に対する意志をひしひしと感じさせた。
セイクリッドウインドは、ガストファングで風を纏わせながら
「終わりにしましょう。」
と静かに言い放った。その言葉とともに、強烈な風の一撃をアマチャヅル男に向けて放った。
アマチャヅル男はその風に飲み込まれ、絶叫を上げながら遠くへと吹き飛ばされた。静寂が戦場を覆い、ドリームキャンディとセイクリッドウインドは奈理子のもとへ駆け寄った。
戦場が静寂に包まれたとき、奈理子はバスタオルに包まれ、占い屋の美しいお姉さん、鈴の腕の中で無防備に眠っていた。奈理子の素顔は純真そのもので、黒髪に結ばれた白いリボン、そして彼女のブーツとグローブが、彼女がミラクルナイトであることをほのめかしていた。
ドリームキャンディは奈理子の裸の姿を覆うように動いた。彼女は繊細にバスタオルをめくり、奈理子の細い体にパンツを優しく履かせる。ドリームキャンディは奈理子にパンツを履かせながら、奈理子の大切なところをじっくり見た。続いて、奈理子の小さな胸にブラを付けた。奈理子の目がゆっくりと開くと、彼女の瞳に映ったのは、心配そうなドリームキャンディの顔だった。続いてセイクリッドウインド、鈴、そして隆の姿も見えた。しかし、寧々の姿はそこにはなかった。
「ドリームキャンディ、寧々ちゃんは?」
奈理子の声は震えていた。ドリームキャンディは答える言葉を探していたが、隆が先に
「寧々は無事だ」
と安堵させる答えを返した。
奈理子は少し涙目になりながら、
「よかった…寧々ちゃんを聞けんね目に合わせてゴメンね」
と隆に謝った。
ドリームキャンディの胸は痛みと共に温かくなった。彼女は、寧々として奈理子の前に現れることを切望していた。
「占い師さん、奈理子さんをお願いします」
と鈴に言い残し、彼女は黄色い光とともに飛んでいった。セイクリッドウインドも
「またね、ミラクルナイト」
と言って緑の光とともに姿を消した。
「変身解きなよ」
と鈴の言葉に、奈理子は自分が下着姿であることに気づき、変身を解いて日常の服装に戻った。その時、明るい声で
「奈理子さーん」
と、寧々が走ってきて奈理子に抱きついた。
「ミラクルナイトが助けてくれたんです!」
と彼女は言った。
汗と疲れの匂いが混ざり合う中、寧々は奈理子の体にしっかりと抱きついた。そして、彼女は理解した。敵が奈理子のこの香りに夢中になる理由が、少しだけわかったような気がした。
(第81話へつづく)












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