ミラクルナイト☆第90話
夕方のファミレス。角のボックス席に、牛島と渚が座っていた。
渚はメニューから目を上げて、ぼやいた。
「なんでまたこんな場所で待ち合わせなんですか?」
「いつものファミレスだろ。何を不満に思ってるんだ」
と牛島が答えた。
渚は眼鏡を掛け直して、
「今度の護衛は誰です?」
とため息混じりに尋ねた。
牛島は深い息を吸い、ゆっくりと言った。
「今回は護衛じゃない。囮だ」
渚の顔が曇った。
「囮?私たち、面倒臭そうな仕事ばかり押し付けられてませんか?」
牛島はまじめな顔で説明を始めた。
「街を暴れ回ってセイクリッドウインドを誘い出す。それが今回の任務だ」
渚は目を丸くして反応した。
「ミラクルナイトじゃないんですか?」
「勅使河原さんが、セイクリッドウインドに直接会うことを望んでるんだ」
と牛島は続けた。
「それを邪魔させないように、俺たちはミラクルナイトやドリームドリームと戦うことになる」
渚の顔に邪悪な笑みが浮かんだ。
「それなら、ミラクルナイトを思う存分、苛めてやれるってことですね」
牛島は警戒の色を見せながら言った。
「だが、最近のミラクルナイトは少し手強いぞ。過信は禁物だ」
渚は眼鏡の奥の目をキラキラさせた。
「モンシロ女なんかと一緒にしないでください。あの我儘娘、偉そうにしてたくせに弱くて笑えましたね。私は負けるつもりはありませんよ」
彼女の言葉には、強烈な意気込みと自信がこもっていた。
夕方の水都市は警報の音で静寂を破られた。街の中心、水都公園に異形の影が浮かび上がった。彼らの名はウミウシ男とシオマネキ女。彼らの目的は、水都市を混乱に陥れ、セイクリッドウインドウを誘い出すこと。
その知らせを受けた奈理子は、アイマスクを装着し、まばゆい光の中からミラクルナイトとして現れた。水都の守護神、彼女の登場に市民から歓声が上がった。
「水都の平和を乱す者はミラクルナイトが許しません!」
と勇ましく宣言するミラクルナイト。風が通り過ぎるたびに、ミラクルナイトのスカートが舞い上がり、その下の水色のショーツがちらりと覗いた。
シオマネキ女は邪悪な笑顔で
と言ってから、電磁鋏を振り上げ、攻撃の構えを取った。
「まずは、いつものようにスカートから剥いで、自慢のパンチラをできないようにしてやるわ!」
ミラクルナイトは冷静に応戦した。
「私のスカートはそう簡単には奪わせません!」
と叫び、右足を高く振り上げてシオマネキ女にキックを繰り出すも、シオマネキ女は楽々とその攻撃を避けた。
「パンツ丸見え〜。黄色いシミがついてるよ」
とシオマネキ女が嘲笑う声で叫んだ。ミラクルナイトの顔は赤くなり、その怒りで再度、キックを放ったが、これも避けられてしまった。
シオマネキ女は笑顔で
「あなた、本当にパンツ見せるの好きでしょ?」
と挑発してきた。
ミラクルナイトは全力でシオマネキ女に蹴りを放ったが、不覚にもスカートを掴まれてしまった。一瞬の隙をつかれ、スカートははぎ取られてしまった。
その瞬間、ミラクルナイトの悲痛な声が響き渡った。
「あぁぁ…」
周りの市民たちは息を呑んで、ミラクルナイトの次の行動を見守った。彼女は、この状況を打破できるのだろうか?
みんなのヒロイン奈理子の運命が、この瞬間にかかっていた。
夕焼けの水都公園。響く警報音の中、苦戦を強いられるミラクルナイトの姿があった。スカートを失った彼女は、
「いやぁ…」
と座り込んでパンツを隠す。
「あんたにはその格好がお似合いよ!」
シオマネキ女の甘く冷たい声が笑うように響いた。
彼女の意地と勇気で立ち上がるミラクルナイト。だが、シオマネキ女の攻撃は容赦なく、電磁鋏の一撃で彼女を地面に叩きつける。
「ああっ!」
と悲鳴を上げて飛ばされるミラクルナイトに、ウミウシ男が迫る。ウミウシ男はミラクルナイトを受け止めた。
「奈理子の腋は良い匂いがするな」
とウミウシ男はミラクルナイトの腋の匂いを嗅ぐ。そして、舐める。
「やめて…」
彼の言葉に恥ずかしさで顔を赤く染めるミラクルナイト。
そんな彼女の無防備な姿を眺めて楽しむ二人の怪人。しかし、シオマネキ女の目には残忍な輝きが宿っていた。
たっぷりと奈理子の臭いと汗を楽しんだウミウシ男は、ミラクルナイトをシオマネキ女に突き飛ばす。
シオマネキ女はミラクルナイトの髪を掴み、彼女の首筋の匂いを嗅ぐ。
「これのどこがいい匂いなんですか?」
「美少女奈理子の匂いだぞ。その辺の女の汗の匂いとは全く違う」
ウミウシ男の答えに、更に残忍な笑みを浮かべるシオマネキ女。
「ふ~ん、美少女ってだけでチヤホヤされるアンタみたいな奴、私は大嫌い」
と舌打ちするように言い放ち、ミラクルナイトをウミウシ男に投げ返した。ウミウシ男に羽交い絞めにされるミラクルナイト。
ミラクルナイトは二人に囲まれ、足元も固まりそうになる。
「いや…」
とこれから何をされるのか、恐怖で怯えるミラクルナイト。
シオマネキ女がミラクルナイトのアイマスクとパンツを剥ぎ取り、彼女の恥ずかしい姿を全ての人々にさらけ出す。
「さあ、アンタの美少女っぷりを街の人たちにたっぷり見てもらいなさい!」
とシオマネキ女はミラクルナイトを抱え上げた。
「ドリームキャンディ、セイクリッドウインド、早く助けに来て」と、彼女の心の中で小さな叫びが響き渡る。彼女の瞳には、絶望ではなく、仲間への信頼と希望が輝いていた。
黄昏の水都公園。静寂が一気に破られるようにして、空から煌めく黄色の光が舞い降りる。その光の中心には、美しさと強さを併せ持つ少女、ドリームキャンディの姿があった。
しかし、彼女が目にしたのは、公園のど真ん中でシオマネキ女に抱えられたミラクルナイト、奈理子の姿があった。そこでは、素顔と大切な箇所が露わになった奈理子の撮影会が行われていたのだ。目の前の光景に、一瞬の驚きとともに、冷たい怒りが彼女の中を駆け巡る。
しかし、彼女の意気込みも束の間、ウミウシ男の毒液攻撃が直撃。地へと叩き落されるドリームキャンディ。腰を支え、弱々しくも立ち上がる彼女の瞳は、決意に満ちていた。
「セイクリッドウインドはどうした?」
とウミウシ男。
「あなたたちなんか私一人で十分よ!奈理子さんを離しなさいっ!」
と力強く叫ぶ彼女。しかし、シオマネキ女の反応は冷徹だった。
「奈理子は喜んでるみたいよ」
と、ミラクルナイトの姿をドリームキャンディに見せつける。夕日を浴びて輝く奈理子の大切な箇所から、液体が溢れ堕ちる。
「ドリームキャンディ、見ないで…」
と顔を背けながらも、手で隠そうとはしないミラクルナイト。その姿に、ドリームキャンディは何も言えず、目を伏せた。
「前回の戦いを忘れたのかい?ドリームキャンディ1人で僕たちに勝てるはず無いだろう」
ウミウシ男の嘲笑の言葉、前回の敗北の記憶が彼女の胸を圧迫する。奈理子を助けるためには、力を合わせなければ勝てないという現実。それを痛感するドリームキャンディ。「凜さん、早く来て…」と心の中で、彼女は最後の切り札、セイクリッドウインドを切に呼ぶ。彼女の叫びは、果たして遠くの空に届くのだろうか…。
水都公園の空気は張り詰め、シオマネキ女の言葉が周囲の人々をさらに興奮させる。
「ミラクルナイトはもう飽きたし、次はドリームキャンディで遊んでやるわ」
という彼女の宣言と同時に、ミラクルナイトをさらに高く宙に持ち上げる。公園のあちこちからフラッシュの光が走る。
緊迫の中、ミラクルナイトは深い絶望に顔を歪める。
「あぁ…やめて…」
その小さな声にもかかわらず、シオマネキ女はそのままミラクルナイトをブリッジして後方へと反り投げる。
「奈理子さん!」
というドリームキャンディの叫びと共に、ミラクルナイトはまんぐり返しのまま固まり、意識を失ってしまった。
「奈理子の可愛い姿をたっぷり街の人たちに見てもらいなさい」
シオマネキ女は得意げにミラクルナイトの露わとなった姿をさらけ出す。更に、指で奈理子の大切な箇所を弄び、観衆の興奮をさらに煽る。
「これ以上、奈理子さんを侮辱するのはやめなさい!」
その言葉と共に、ドリームキャンディの手からキャンディチェーンが飛び出し、シオマネキ女の足元に向かって襲い掛かる。しかし、その真の狙いは、シオマネキ女の足元に落ちている奈理子の水色のショーツだった。キャンディチェーンで奈理子のショーツを掴んだドリームキャンディ。
「何とかして奈理子さんにパンツを穿かせないと…」
とドリームキャンディが呟いたとき、空から再び新たな輝きが現れる。緑色の光。シオマネキ女とウミウシ男はその光に目を向ける。
「ようやく来たか」
とウミウシ男の低い声が公園に響く。次の瞬間、公園は新たな戦闘の幕開けを迎えることとなる。
水都公園には緊迫した静寂が流れていた。ドリームキャンディの手には、奈理子の白いリボンとレースが飾り付けられた水色のショーツがあった。その可愛らしいショーツは、クロッチ部分に汚れが付着していた。彼女の瞳からは、奈理子がこのショーツを剥ぎ取られたときのの気持ちを思うと、その悔しさとともに涙がこぼれそうだった。
突如、公園に緑の閃光が現れた。セイクリッドウインドが登場したのだ。彼女の瞳は、大切な部分をさらけ出しているミラクルナイトに一瞬だけ向けられたが、すぐにウミウシ男とシオマネキ女へと移った。この二人は過去にミラクルナイトとドリームキャンディを倒した強敵であることを彼女は知っている。
「遅かったな、セイクリッドウインド。待ちわびたぞ」
とウミウシ男が言った。彼の声は、水都公園に響き渡り、観衆の背筋を凍らせた。
「ミラクルナイトとドリームキャンディじゃ弱すぎてつまんないからね」
とシオマネキ女はニヤリと笑う。
奈理子のショーツを握り締めるドリームキャンディは、その言葉に耐えかねて、悔しさで顔を歪めた。しかし、セイクリッドウインドは冷静さを保っていた。
「クラゲ男と戦いたかったけど、アンタたちで我慢してやるわ」
と言って、敵に挑戦を投げかけた。
するとウミウシ男が意味深く背後を見た。
「丁度良かった。セイクリッドウインドの相手をするのは僕たちじゃない」
と言った瞬間、その背後から、クラゲ男が姿を現した。その存在感は圧倒的で、セイクリッドウインドも驚いた顔で、
「勅使河原…」
とつぶやいた。
公園の風が止んだかのように、時間が凍結した瞬間、セイクリッドウインドの心には過去の影が重く押し寄せてきた。彼女の瞳には、クラゲ男である勅使河原と過ごした日々の甘く痛い記憶が宿っていた。
「気を付けてください!」
ドリームキャンディの叫び声が空に響き渡る中、セイクリッドウインドは懐かしんでいた恋人、勅使河原へと歩み寄った。しかし、彼女が期待していた愛の再会とは裏腹に、クラゲ男の触手がセイクリッドウインドを捕らえ、力強く引き寄せた。この瞬間、彼女の心はクラゲ男の求める力により、胸が高鳴るほどの期待で満ちていった。
クラゲ男の目には、セイクリッドウインドのゴーグル越しの凜の媚びるような表情が映っていた。彼は勝ち誇った表情で、
「セイクリッドウインドは捕らえた。お前たちも適当に遊んで引き上げろ」
とウミウシ男とシオマネキ女に告げ、セイクリッドウインドを抱えて、去って行ってしまった。
呆然と立ちすくむドリームキャンディの前に、シオマネキ女の冷たい声が響いた。
「そういう訳だから、ドリームキャンディは私たちが可愛がってあげるわ。奈理子みたいに晒し者にしてあげようか?」
と彼女はニヤリと微笑んだ。公園の観衆は、ミラクルナイトの素顔と大切な箇所を撮影するために集まっていた。ドリームキャンディの頭の中は、一つの考えでいっぱいだった。彼女は一人でウミウシ男とシオマネキ女には勝てない。何とかしてミラクルナイトにパンツを穿かせ、彼女を戦場に戻さなければ、と。
公園内の戦闘の渦中、ドリームキャンディはウミウシ男へと得意のキャンディチェーンを振り下ろす。だが、彼のゼリーのような体はその攻撃を滑らかに受け流した。背後からはシオマネキ女の獰猛な電磁鋏が迫っている。ドリームキャンディは彼女の攻撃を辛うじて避けつつ、ミラクルナイトの元へ駆ける。
「奈理子さんから離れなさい!撮るな!!」
彼女の怒りを込めた声が公園内に響き渡った。その声に驚き、周囲の群集は緊迫した空気を感じ取り、あたかも風前の灯のように消えていった。ミラクルナイトは目の前にいるのに、まだその距離は遠く感じられる。
しかし、突如としてウミウシ男の毒液が飛んできた。直撃を背中に受けたドリームキャンディは地面へと倒れ込む。痛みにもめげず、彼女は奈理子のショーツを必死で握りしめていた。その姿はまさに絶望の中の一筋の希望のようだった。
「奈理子さん、目を覚まして!」
彼女の声は緊急を要するものだった。しかしながら、ミラクルナイトはまんぐり返しの姿勢のままで応答しない。シオマネキ女が電磁鋏を振り下ろす。近づきつつある危険を察知したドリームキャンディは、ドレスを裂かれながらも転がり避け、シオマネキ女の脚を払い、彼女を地に倒した。
露出された奈理子の大切な個所が夕日を浴びてキラキラと輝いているのを目の当たりにしたドリームキャンディは、緊張の糸が切れるようにミラクルナイトのもとへ駆け寄った。そして、
「早く起きてよ!」
彼女の頬を叩く。
「んっ!」
と呻くミラクルナイト。だが起きないので、ドリームキャンディはショーツを彼女の足首まで通す。
ミラクルナイトは意識を取り戻し、
「ドリームキャンディ、なっ、何をしているの!」
何をされているのか分からず戸惑うミラクルナイト。
「起きてるなら自分でパンツ穿いて下さい!」
とドリームキャンディが怒鳴る。ミラクルナイトは自らの現状を理解すると、顔を赤らめながらショーツを速やかに穿いた。その一連の流れをニヤリと微笑みながら眺めるウミウシ男とシオマネキ女。公園の中心で繰り広げられる二人のヒロインの物語は、次第に一つの結末へと向かっていた。
公園の陽の光はミラクルナイトが身に付けた水色のショーツに輝きを与えた。
「私のスカートは?」
という疑問が、彼女の口から自然とこぼれ落ちた。シオマネキ女の悪戯っぽい顔で、彼女の手にあるスカートをヒラヒラと振っている。
「私のスカートを返して!」
と手を伸ばすミラクルナイト。
シオマネキ女の電磁鋏は、無慈悲にもそのスカートをズタズタに切り裂いてしまう。ミラクルナイトの瞳は、失われたものを追うようにして、シオマネキ女の仕業を見つめていた。
「私のスカートを…」
彼女の声は、失意と悲しみで震えていた。
シオマネキ女は、その悲劇を楽しむかのように、
「今頃、あんたの可愛い動画が世界に拡散されているよ。スカートくらいどうだっていいでしょ」
と嘲笑った。しかし、そんな状況でも、ドリームキャンディはミラクルナイトを支え、共に戦う決意を固めた。
「パンツ丸出しの姿が、ミラクルナイトさんらしいですよ。さぁ、この戦いを終わらせましょう」
と励ました。
「でも、セイクリッドウインドはどこ?」
ミラクルナイトの顔は、彼女の安否を案じるものだった。ドリームキャンディはその心の中で、セイクリッドウインドのことを思い悩んでいることを隠すように、
「今は、目の前の敵との戦いだけを考えててください」
とミラクルナイトを鼓舞した。
ミラクルナイトは、深く息を吸い込み、その冷たい視線をウミウシ男とシオマネキ女に向けた。自分の戦いに集中しなければウミウシ男とシオマネキ女には勝てないことを彼女は分かっている。
「分かったわ。2人でウミウシ男とシオマネキ女を倒しましょう」
と、彼女の声には新たな決意と覚悟が込められていた。
夕暮れの空を背景に、水都公園は暗闇に飲み込まれつつあった。その真っただ中、二つのバトルが繰り広げられていた。ドリームキャンディがキャンディチェーンを振るう。
「そんなもの効かん!」
とドリームキャンディにウミウシ男が迫る。ミラクルナイトがウミウシ男に体当たりをし、ドリームキャンディを救う。しかし、ミラクルナイトはウミウシ男に捕まってしまった。
「あぁっ!」
とミラクルナイトの悲鳴。
「ウミウシは毒を体内に取込んで使うことができるんだよ」
とウミウシ男が説明する。苦しむミラクルナイトを吸盤で押さえ付け、舌と鼻でミラクルナイトの味と匂いを楽しむウシウミ男。
「奈理子さん!」
と叫ぶドリームドリームにシオマネキ女が電磁鋏を振るう。
「アンタの相手は私がしてやるよ」
とシオマネキ女。
「今日は前回のようにはいかない!」
とキャンディチェーンを振るうドリームキャンディ。彼女の眼はキャンディチェーンとシオマネキ女の電磁鋏の交錯に焦点を合わせていた。それでも彼女は一歩も退かず、シオマネキ女の圧倒的な攻撃に立ち向かっていた。しかし、その間にウミウシ男はミラクルナイトの弱点を攻めていた。彼の舌が滑らかに彼女の肌を這い、毒の力で彼女を追い込んでいた。
「ここの美味しそうなお汁も味わわせてもらおう」
ウシウミ男は奈理子のショーツをずらす。
「そこは…ライム以外はダメぇ…」
と泣くミラクルナイト。ミラクルナイトのピンチだが、ドリームキャンディはシオマネキ女の激しい攻めに助けに入る余裕がない。
「ライム…私を助けて…」
ミラクルナイトの甘い声が空気を震わせたが、ライムが助けに来るはずはなかた。ウシウミ男の舌が奈理子の大切な箇所に迫る。
「あぁ…」
と嘆くミラクルナイト。
「奈理子さん、チャンスです!」
ドリームキャンディが叫ぶ。彼女の内には、仲間を守るという強い決意が宿っていた。ハッとするミラクルナイト。ウミウシ男の舌が股間にせっ待っていた。その瞬間、シオマネキ女の電磁鋏がドリームキャンディを殴りつけ、ドリームキャンディは地面に叩きつけられてしまう。。彼女の内には、仲間を守るという強い決意が宿っていた。
突如、彼女は深呼吸をし、眼には新たな光が宿った。
「ミラクルハピネスシザーズ!」
という掛け声とともに、彼女はウミウシ男の首を太腿で挟んだ。強烈な太腿絞めに耐えられず、悲鳴を上げるウシウミ男はミラクルナイトを振り解こうと立ち上がる。
シオマネキ女は仲間のピンチに気付き、ウミウシ男の助けに入ろうとする。しかし、ドリームキャンディもまた、このチャンスを逃すわけにはいかないと感じていた。
二つの戦いは、この都市の夜の中で、さらに激しくなっていくことだろう。
水都公園の夜景が、背後のビル群のライトアップと共に美しい輝きを放つ中、二つのヒロインの勇気と熱意による戦闘の結末が描かれていった。
水鏡のように静かだった公園の地面に、倒れたままドリームキャンディが放ったキャンディチェーンが、煌めく光を放ちながらシオマネキ女を縛り上げていた。一方、ミラクルナイトの美しい太腿で挟まれたウミウシ男の顔には、悪戦苦闘の面持ちとともに、彼女の魅力に心奪われた幸せそうな微笑みが浮かんでいた。
「ミラクルハピネスホイップ!」
の掛け声と共に、敵を放り投げるミラクルナイトの美しいバク宙は、夜の公園に一筋の光となって切り裂いていった。ウミウシ男とシオマネキ女は激しくぶつかり合い、大地に吹き飛ばされる。
「とどめよ!」
と水色に光り輝くミラクルナイトはリボンストライクの体勢に入る。
だが、敵はなかなかの根性を持っていた。ウミウシ男とシオマネキ女は、互いの傷を労わり合いながらも立ち上がった。彼らの目には、決して諦めない強い意志が宿っていた。そして、
「待て、ミラクルナイト。今日のとこは負けてやるが、お前たちとはまだまだ1勝1敗だ。勝負は次に会ったときだ」
とウミウシ男。
「ミラクルナイトには夏祭りの日にも勝っているから2勝1敗ね」
とシオマネキ女。彼らは再戦を約束するような言葉を残し、公園の運河へと姿を消した。
「ドリームキャンディ!」
ミラクルナイトの心の叫びとともに、彼女は彼の元へと走っていった。
「いつも助けてくれてありがとう」
とドリームキャンディを抱き起こすミラクルナイト。
「奈理子さん、白もいいけど、水色のパンツも似合ってますね」
ドリームキャンディの柔らかな笑顔と彼の言葉に、ミラクルナイトは少し照れくさい気持ちを覚えながらも、彼女の大切さを改めて感じていた。
だが、ドリームキャンディの心の中には、他の仲間、セイクリッドウインドの安否への心配が渦巻いていた。彼女たちの戦いは、まだまだ終わりを迎えていないのだった。
「あぁぁ!」
水都郊外の深い山中に響き渡るのは、苛烈な電撃の音とともに、セイクリッドウインドの断末魔のような悲鳴だった。気高き戦士の身を焦がす電撃は、クラゲ男の冷徹な意志の具現のようであった。
「何故、栗生に抱かれた?」
クラゲ男の声は、感情の色を欠いた切り返しの刃のようだった。
セイクリッドウインドは瞼を重くし、苦しむ息を乱しながら答えた。
「勅使河原から私を守ってくれると言ったから…」
このシンプルな答えに対し、クラゲ男は更に厳しい問いを投げ掛ける。
「ならば、何故、敵として私の前に現れた?」
「それは…」
その答えには、彼女の胸の内に秘められた一途な気持ちが潜んでいた。だが、彼女はその気持ちを素直に表現できず、心の中に閉じ込めていた。
凜の顔を見たくなったクラゲ男は冷酷な命令を下す。
「変身を解け。」
この状況で変身を解いて電撃を受ければ、確実に命を失う。その事実を知りながらの命令に、セイクリッドウインドは首を激しく振り、拒絶する。
すると、クラゲ男は意外な行動に出た。自らの変身を解き、かつて彼女が心から愛していた男、勅使河原の姿に戻った。
勅使河原の姿を目の当たりにした彼女は、その美しさと過去の思い出に打ちのめされ、変身を解き、彼女の本来の姿、凜として再び立った。
凜の瞳に宿る涙は、彼女の純粋な心と、彼に対する深い想いを物語っていた。
「勅使河原に抱かれたい…」
と彼女は、その真摯な気持ちを口にした。しかし、勅使河原は凜に平手をもって応え、その気持ちを容赦なく打ち砕き、冷たく拒絶する。そして、再び凜に問う。
「何故、俺の敵になった」
凜は再び涙に濡れた瞳で彼を見つめ、
「勅使河原の気を引きたかったから…」
と切なく告白する。しかし、その心の叫びは、勅使河原の心の壁を打ち破ることはできなかった。
「少しは気概のある女だったのかと思っが、やはりお前はクズだな」
と勅使河原は背を向けた。
「始めはそうだった、今は違う。ドリームキャンディとミラクルナイトを守るために私は戦っている」
と凜。勅使河原は振り返らずに、
「部下にお前の処分を命じる」
と冷たい声を残して去って行った。
凜の一途な想いと、勅使河原の冷徹な態度。その対比が、水都郊外の山中の静寂を切り裂いていた。
(第91話につづく)













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