ミラクルナイト☆第233話
一月の冷たい風が窓の隙間から忍び込む。暖房器具はコタツ一つ。その熱気に顔を載せた魔界のプリンセス、コマリシャスが幸せそうにため息をついた。
「じいやのぜんざいは世界一だよ」
「お褒めにあずかり光栄でございます」 ...
ミラクルナイト☆第232話
新年の空気はまだ水都の街に薄氷のように張り付いている。風間凜は石段を一段ずつ、静かに上っていく。境内の喧騒は背後に遠のき、耳に入るのは自分の足音と風の音だけだ。彼女の目的地は本殿の裏手にある、古びた展望台。通称、望楼。水都神社で最も高 ...
ミラクルナイト☆第230話
穢川研究所・白い管制室。
年末特有の静けさが、装置音だけを際立たせている。
「今月は、ここまでだ」
九頭はそう言って、モニターを一つ閉じた。
「年末はノイズが多すぎる。
祝祭、警備 ...
ミラクルナイト☆第228話
(12月上旬/クリスマス商戦ピーク)
凜が掃除を終え、社務所に戻ろうとしていたそのとき——
境内に駆け込む影がひとつ。
「り、凜さん!! 大変です!!」 ...
ミラクルナイト☆第227話
―対シグマ戦略会議―
ストーブの熱がじんわりと部屋を温める夕暮れ。
応接室には緊張と甘い香りと、奈理子の柔らかい気配が混じっていた。
「シグマ……あの人、何者なんでしょうね」 ...
ミラクルナイト☆第225話
放課後の街に、突如として混乱が走った。
ブナシメジ男の撒いた幻覚胞子が、まだ一部の市民の神経に残っていたのだ。
噴水広場では、人々が錯乱し、互いに掴み合い、悲鳴と怒号が交錯する。
「やめて!落 ...
ミラクルナイト☆第224話
穢川研究所・第六実験棟。
白い壁と無機質な照明が反射する室内。
硝子越しのモニターには、ブラックナイトとニセミラクルナイトの戦闘映像が繰り返し流されていた。
空を舞 ...
ミラクルナイト☆第223話
トタン屋根を叩く小雨の音が、夜の鄙野を包んでいた。
築古の1Kアパート。その一室――散らかった床の上には、魔法陣の焦げ跡。
「ナメクジスプレーも消えちゃって……次はどうしよう?」
ミラクルナイト☆第222話
放課後の水都商店街。にぎやかな店内の片隅で、三人は大きなポテトを分け合っていた。
水色のセーラー服——水都女学院の制服を着た奈理子は、紙コップのソーダをストローでくるくる回しながら、少し困ったような ...
ミラクルナイト☆第221話
下駄箱の前。昇降口から差し込む夕陽が、制服姿の生徒たちを赤く染めていた。
寧々は靴を履き替えている隆に声を掛けた。
「奈理子さんの様子はどう?」
隆は顔をしかめ、ため息をついた。 ...
ミラクルナイト☆第219話
放課後、奈理子は呼び出されて凜と並んで椅子に座っていた。
「凜さん……?」
ミコール社員の一人が思わず声を上げる。
「私は、奈理子の保護者です」
凜は堂々と答えた。
ミラクルナイト☆第217話
水都神社・大谷家
夕餉を終え、居間でスマホを見ていた大谷悠真がため息をついた。そこに、仕事を終えた凜が巫女衣装のまま帰って来る。
「“#白パン巫女”……やっぱりまだトレンドに残ってるな。これから年末年始でバイト ...
