ミラクルナイト☆第216話
参道に並ぶ提灯が夕陽に照らされ、柔らかい光を放つ。
「ようこそお参りくださいました」
凜は白衣と緋袴の巫女装束で、参拝客一人一人に笑顔を向けていた。
今や「水都神社の看板巫女」としての凜を ...
ミラクルナイト☆第215話
夜のファミレス。蛍光灯の白い光に照らされ、ガラス越しに車のテールランプが流れていく。
窓際のボックス席に座るのは、牛島と渚。牛島はラフなパーカー姿、渚は仕事帰りらしく地味なカーディガンに眼鏡。彼女の横には通勤用の折りたたみ自転 ...
ミラクルナイト☆第214話
穢川研究所・社長室。
重厚な黒革の椅子に腰かけた社長・勅使河原が、窓の外の夜景を見下ろしていた。壁には時計の針が静かに回り、重苦しい沈黙を刻む。
会議卓を囲むのは、社長側近の渦巻、秘書の多実、研究部門責任者の九頭、 ...
ミラクルナイト☆第211話
【穢川研究所・最上階、社長室】
分厚い防音扉が閉ざされ、重厚な机の奥に座るのは社長・勅使河原。
その左右には、側近の渦巻と、タイトスカート姿の社長秘書・多実が控えていた。
ソファには白衣姿の研究部門の責任者 ...
ミラクルナイト☆第210話
朝の冷え込みが少しずつ肌にしみるようになった十一月。
まだ陽も登りきらない頃、水都神社の森の木々からは、ひんやりとした朝靄が薄く流れていた。
「……今日も、良い一日にできますように ...
ミラクルナイト☆第207話
鄙野の冬空はどこか重たく、風も冷たい。枯れた草がざわりと揺れる音が、沈黙の中でやけに耳につく。
鄙辺神社──かつては町の人々に親しまれていた小さな神社。だが、今では参拝客の姿も無く、鳥居は苔むし、鈴の紐は風に吹かれてかすか ...
ミラクルナイト☆第206話
放課後の水都女学院高校。クラシックな校舎の廊下に、制服姿の野宮奈理子の足音だけが微かに響いていた。
「……はぁ……」
どこか上の空の表情。ロッカーを開けると、ハンカチやノートがバラバラと落ちた。拾い上げようとし ...
ミラクルナイト☆第205話
放課後の校舎を、奈理子はひとり歩いていた。
水色のセーラー服の襟を、乾いた風がかすかに撫でる。季節は確かに秋なのに、奈理子の胸の奥には、蒸れたような熱と不安が燻っていた。
「奈理子さーん、バス停まで一緒に帰りま ...
ミラクルナイト☆第204話
水都女学院高校──十月の昼下がり
秋風の匂いを含んだ風が、教室のカーテンを柔らかく揺らしていた。
昼休みの教室は、明るく、穏やかで、そして、静かだった。
「……」
窓際の席に座る野宮奈理 ...
ミラクルナイト☆第203話
穢川研究所・地下実験棟 ――「生誕の間」
青白い蛍光灯の下、密閉された培養槽の中心で、蠢く黒い影。
透明な液体の中でくるくると泳ぐそれは、やがて浮かび上がり、四肢を広げて大きく背を反らした。
「……始ま ...
ミラクルナイト☆第202話
穢川研究所・最上階 社長室
分厚い絨毯に重厚なデスク。豪奢な空間を飾るのは、一枚の絵画――白衣をまとった異形の生物が、街を焼く光景。
その絵を背に、穢川研究所社長・勅使河原が革張りの椅子に沈み、鋭い視線で部下たちを ...
ミラクルナイト☆第199話
【水都郊外・穢川研究所 地下第六指令室】
白い花嫁装束の残滓をまだ纏うかのような風情で、柚月は静かに九頭の前に膝を折った。
「……申し訳ありません。『花嫁の罠作戦』は、ミラクルナイトの予想外の根性により失敗しま ...
