ミラクルナイト☆第217話
水都神社・大谷家
夕餉を終え、居間でスマホを見ていた大谷悠真がため息をついた。そこに、仕事を終えた凜が巫女衣装のまま帰って来る。
「“#白パン巫女”……やっぱりまだトレンドに残ってるな。これから年末年始でバイト ...
ミラクルナイト☆第216話
参道に並ぶ提灯が夕陽に照らされ、柔らかい光を放つ。
「ようこそお参りくださいました」
凜は白衣と緋袴の巫女装束で、参拝客一人一人に笑顔を向けていた。
今や「水都神社の看板巫女」としての凜を ...
ミラクルナイト☆第213話
水都女学院の朝の廊下は、まだ始業前のざわめきと華やかな香りに満ちていた。奈理子は1年2組の教室前で、菜々美の姿を見つけると、勇気を振り絞って声を掛けた。
「菜々美さん、昨日はありがとう……」
けれど、菜々美はプ ...
ミラクルナイト☆第211話
【穢川研究所・最上階、社長室】
分厚い防音扉が閉ざされ、重厚な机の奥に座るのは社長・勅使河原。
その左右には、側近の渦巻と、タイトスカート姿の社長秘書・多実が控えていた。
ソファには白衣姿の研究部門の責任者 ...
ミラクルナイト☆第210話
朝の冷え込みが少しずつ肌にしみるようになった十一月。
まだ陽も登りきらない頃、水都神社の森の木々からは、ひんやりとした朝靄が薄く流れていた。
「……今日も、良い一日にできますように ...
ミラクルナイト☆第209話
🥖魔界パン工房「クネクネベーカリー」――
地鳴りとともに、黒紫の煙が立ちこめる奇怪な空間。
天井から吊られた無数の発酵生地袋が、グルグルと揺れながらふくれ上がっていた。
壁という壁には、小麦粉とバターが ...
ミラクルナイト☆第208話
商店街、老舗蕎麦屋「大黒庵」の座敷に、いつもの面々が顔を揃えていた。
「さーて、今年も秋祭りが近づいてきたぞい!」
蕎麦屋の店主、黒田が威勢よく口火を切る。
「去年はちょっと地味だったからねえ。今年 ...
ミラクルナイト☆第207話
鄙野の冬空はどこか重たく、風も冷たい。枯れた草がざわりと揺れる音が、沈黙の中でやけに耳につく。
鄙辺神社──かつては町の人々に親しまれていた小さな神社。だが、今では参拝客の姿も無く、鳥居は苔むし、鈴の紐は風に吹かれてかすか ...
ミラクルナイト☆第206話
放課後の水都女学院高校。クラシックな校舎の廊下に、制服姿の野宮奈理子の足音だけが微かに響いていた。
「……はぁ……」
どこか上の空の表情。ロッカーを開けると、ハンカチやノートがバラバラと落ちた。拾い上げようとし ...
ミラクルナイト☆第205話
放課後の校舎を、奈理子はひとり歩いていた。
水色のセーラー服の襟を、乾いた風がかすかに撫でる。季節は確かに秋なのに、奈理子の胸の奥には、蒸れたような熱と不安が燻っていた。
「奈理子さーん、バス停まで一緒に帰りま ...
ミラクルナイト☆第200話
午後四時過ぎ、水都女学院高校の白壁の校門を抜け、制服の夏服姿の奈理子はいつもの坂道を歩いていた。
白い日傘を差し、軽やかに揺れる水色のプリーツスカート。蝉の鳴き声が、10月とは思えぬ陽射しを強調する。
「うぅ〜暑い ...
ミラクルナイト☆第199話
【水都郊外・穢川研究所 地下第六指令室】
白い花嫁装束の残滓をまだ纏うかのような風情で、柚月は静かに九頭の前に膝を折った。
「……申し訳ありません。『花嫁の罠作戦』は、ミラクルナイトの予想外の根性により失敗しま ...
