ミラクルナイト☆第205話
放課後の校舎を、奈理子はひとり歩いていた。
水色のセーラー服の襟を、乾いた風がかすかに撫でる。季節は確かに秋なのに、奈理子の胸の奥には、蒸れたような熱と不安が燻っていた。
「奈理子さーん、バス停まで一緒に帰りま ...
ミラクルナイト☆第200話
午後四時過ぎ、水都女学院高校の白壁の校門を抜け、制服の夏服姿の奈理子はいつもの坂道を歩いていた。
白い日傘を差し、軽やかに揺れる水色のプリーツスカート。蝉の鳴き声が、10月とは思えぬ陽射しを強調する。
「うぅ〜暑い ...
ミラクルナイト☆第199話
【水都郊外・穢川研究所 地下第六指令室】
白い花嫁装束の残滓をまだ纏うかのような風情で、柚月は静かに九頭の前に膝を折った。
「……申し訳ありません。『花嫁の罠作戦』は、ミラクルナイトの予想外の根性により失敗しま ...
ミラクルナイト☆第198話
場所は、穢川研究所の最奥。薄暗いガラス張りの観察室の中で、かつてのぷるぷるとした弾力を完全に失い、スカスカに乾ききったスポンジのような姿で横たわるコンニャク男が、保管カプセルの中で静かに眠っていた。
「……プルプル感を失っ ...
ミラクルナイト☆第195話
水都郊外、穢川研究所・社長室。
革張りの重厚な椅子に背を預ける一人の男。
その目は眼前のガラス越しに見える工業都市の煙を睨みつけていた。
──合同会社穢川研究所・社長、勅使河原宗一郎。
老獪さと ...
ミラクルナイト☆第194話
「……また、負けちゃったのね……」
畳の上に正座して、プリンセス・コマリシャスは小さな手にハンカチを握りしめていた。魔法陣の水晶玉が、ミラクルナイトのドヤ顔とミラーグモダンの爆散シーンを映し出している。
「み、 ...
ミラクルナイト☆第193話
黄昏が落ちきった鄙野の外れ、苔むした鳥居がぽつんと立つ旧神社の奥――
そこには、コマリシャスが描いた六芒星の魔法陣が青白く脈打ち、まるで心臓のように波打っていた。
「……いよいよ、ね」
魔法陣の縁にしゃ ...
ミラクルナイト☆第192話
──放課後の水都市立図書館。最上階のガラス張りのラウンジには、柔らかな夕陽が差し込んでいた。
野宮奈理子は、制服のまま静かに腰をかけ、校外活動記録ノートの空白を睨んでいた。
「恋人との関係について、将来への展望 ...
ミラクルナイト☆第191話
水都の夜は、光に溢れている。
高層ビルのLED、観覧車のイルミネーション、街角の巨大モニターには“奈理子のブラ&ショーツ”のCMが音もなく流れていた。
その光の下、駅前広場の片隅。
ベンチに腰掛けた一人の男 ...
ミラクルナイト☆第190話
九月の風が少しだけ秋の匂いを含み始めた、水都の昼下がり。
水都タワー前の大型ビジョンには、白い光に包まれた少女の姿が繰り返し映し出されていた。
《——“奈理子のブラ”。その胸に、あなたの夢を支える。》
《“ ...
ミラクルナイト☆第184話
水都テレビ・生放送スタジオ──
「さあああああッ!今夜のスペシャルゲストはこの人ぉぉぉっ!!
白くて可憐で、でもスカートはよくなくす!
“水都の守護神”こと、ミラクルナイトーーー!!」
カメラが ...
ミラクルナイト☆第183話
「奈理子さん、見た!?昨夜のSNS!もうすごいバズってたよ!」
「う、うん……ちょっとだけ、見たよ……」
すみれにスマホの画面を突き出され、奈理子は苦笑いを浮かべた。
昼休みの教室。水色のセーラー服の裾 ...
