ミラクルナイト☆第202話
穢川研究所・最上階 社長室
分厚い絨毯に重厚なデスク。豪奢な空間を飾るのは、一枚の絵画――白衣をまとった異形の生物が、街を焼く光景。
その絵を背に、穢川研究所社長・勅使河原が革張りの椅子に沈み、鋭い視線で部下たちを ...
ミラクルナイト☆第199話
【水都郊外・穢川研究所 地下第六指令室】
白い花嫁装束の残滓をまだ纏うかのような風情で、柚月は静かに九頭の前に膝を折った。
「……申し訳ありません。『花嫁の罠作戦』は、ミラクルナイトの予想外の根性により失敗しま ...
ミラクルナイト☆第198話
場所は、穢川研究所の最奥。薄暗いガラス張りの観察室の中で、かつてのぷるぷるとした弾力を完全に失い、スカスカに乾ききったスポンジのような姿で横たわるコンニャク男が、保管カプセルの中で静かに眠っていた。
「……プルプル感を失っ ...
ミラクルナイト☆第196話
穢川研究所 地下戦闘作戦室 ― 九頭の執務室
低い照明の下、静かに香るのは乾いた薬品と微かに湿った青苔の匂い。壁に張り巡らされた蔓のような実験配線の中、九頭は白衣の襟元を整えながら書類の山を前にソワソワと落ち着きがなかった ...
ミラクルナイト☆第195話
水都郊外、穢川研究所・社長室。
革張りの重厚な椅子に背を預ける一人の男。
その目は眼前のガラス越しに見える工業都市の煙を睨みつけていた。
──合同会社穢川研究所・社長、勅使河原宗一郎。
老獪さと ...
ミラクルナイト☆第189話
澄み切った青空。
噴水の水音が響く、中庭のテラス席。水都女学院の制服に身を包んだ少女たちが、ティーセットを囲んでいた。
「ほんとうに、購買のクロワッサンってすぐ売り切れてしまうのね……っ」
奈理子がハン ...
ミラクルナイト☆第186話
奈理子の部屋・日曜の朝──
「……んぅ……」
学園祭の翌日。日曜の朝。
奈理子の部屋に差し込む朝日が、白いレースのカーテンを柔らかく透かしていた。
大きな伸びをして、布団の中でゴロリと寝返り ...
ミラクルナイト☆第182話
「……帰還、お疲れ様です。ナメクジウオ男」
ひんやりとした空気の中、硝子の壁に囲まれた広い部屋。
そこには、無数の試験管と大型モニター、そして壁一面に貼られた画像――
そのいくつかには、戦闘中のミラクルナイ ...
ミラクルナイト☆第180話
「……アマリリス女、敗北。完全消滅。
映像による市民反応:約84%が“興奮と称賛”。ただし、ヒロインの“脱がされ耐性”への懸念も約12%存在」
電子パネルをスクロールしながら報告するのは、研究部門の総責任者、九頭( ...
ミラクルナイト☆第179話
夜。
水都を見下ろす高層ホテルの一室。
黒曜石のように輝く大理石の床、窓の外には遠く水都公園のライトアップが微かに光っている。
その部屋の中央――
流れるような動きで脚を組んで座る男の姿。 ...
ドリームキャンディ、心の翼☆前編
秋風が水都中学の校庭を吹き抜けた。
夏の喧騒が嘘のように、澄んだ空に白い雲が流れている。
「よーい……スタートッ!」
体育祭の練習で賑わうグラウンド。
クラウチングスタートの号砲と同時に、杉原寧 ...
ミラクルナイト☆第172話
「タマムシ男、散る…か」
穢川研究所の所長室に重苦しい空気が漂っていた。所長秘書の絹絵は頭を抱え、深いため息をつく。
「あのタマムシ男が……」
彼の力を知る者ならば、敗北は信じがたい事実だった。
