ミラクルナイト☆第235話
穢川研究所、九頭の研究室。
モニターには複雑な波形が流れ続けていた。無菌的な空気の中に、二人の声が響く。
「柚月くんの復帰はいつ頃になるんだい?」
九頭が、大きなモニターから目を離さずに尋ねた。彼の声は ...
ミラクルナイト☆第234話
冬休み明けの空気は、ひんやりと清冽だった。水都女学院高校の校門をくぐると、白い息がぽっかりと浮かぶ。生徒たちは、冬休みの楽しげな思い出話に花を咲かせながら、教室へと続く廊下を賑やかに歩いていた。
その中に、野宮奈理子の姿もあっ ...
ミラクルナイト☆第232話
新年の空気はまだ水都の街に薄氷のように張り付いている。風間凜は石段を一段ずつ、静かに上っていく。境内の喧騒は背後に遠のき、耳に入るのは自分の足音と風の音だけだ。彼女の目的地は本殿の裏手にある、古びた展望台。通称、望楼。水都神社で最も高 ...
ミラクルナイト☆第231話
一月一日。
空気は新たに生まれ変わったように澄み切り、肌を刺すような冷たさの中にも、どこか希望の匂いが混じっていた。奈理子は窓際に立ち、まだ色濃い夜空を眺めていた。昨夜は異常なほどの眠りに落ち、何度も夢から覚めてはまた深い闇へ ...
ミラクルナイト☆第230話
穢川研究所・白い管制室。
年末特有の静けさが、装置音だけを際立たせている。
「今月は、ここまでだ」
九頭はそう言って、モニターを一つ閉じた。
「年末はノイズが多すぎる。
祝祭、警備 ...
ミラクルナイト☆第228話
(12月上旬/クリスマス商戦ピーク)
凜が掃除を終え、社務所に戻ろうとしていたそのとき——
境内に駆け込む影がひとつ。
「り、凜さん!! 大変です!!」 ...
ミラクルナイト☆第227話
―対シグマ戦略会議―
ストーブの熱がじんわりと部屋を温める夕暮れ。
応接室には緊張と甘い香りと、奈理子の柔らかい気配が混じっていた。
「シグマ……あの人、何者なんでしょうね」 ...
ミラクルナイト☆第226話
放課後のチャイムが鳴り響くと、教室の窓から淡い夕陽が差し込んだ。
制服の水色のセーラーが橙色に染まり、
カーテンの影がゆらゆらと教室の床を揺らす。
「すみれちゃん、バス停まで一緒 ...
ミラクルナイト☆第225話
放課後の街に、突如として混乱が走った。
ブナシメジ男の撒いた幻覚胞子が、まだ一部の市民の神経に残っていたのだ。
噴水広場では、人々が錯乱し、互いに掴み合い、悲鳴と怒号が交錯する。
「やめて!落 ...
ミラクルナイト☆第224話
穢川研究所・第六実験棟。
白い壁と無機質な照明が反射する室内。
硝子越しのモニターには、ブラックナイトとニセミラクルナイトの戦闘映像が繰り返し流されていた。
空を舞 ...
ミラクルナイト☆第220話
無機質な白い壁に囲まれた研究室。机に広がる数々のデータシートを前に、篠宮=ブナシメジ男は項垂れていた。
「……私の策が……。トウモロコシ男まで失ってしまうとは……」
深い落胆の声を漏らす篠 ...
ミラクルナイト☆第216話
参道に並ぶ提灯が夕陽に照らされ、柔らかい光を放つ。
「ようこそお参りくださいました」
凜は白衣と緋袴の巫女装束で、参拝客一人一人に笑顔を向けていた。
今や「水都神社の看板巫女」としての凜を ...
