ミラクルナイト☆第219話
放課後、奈理子は呼び出されて凜と並んで椅子に座っていた。
「凜さん……?」
ミコール社員の一人が思わず声を上げる。
「私は、奈理子の保護者です」
凜は堂々と答えた。
ミラクルナイト☆第218話
薄暗い部屋に、培養槽の光がぼんやりと揺らめいていた。篠宮=ブナシメジ男は書類を整えながら、九頭の言葉を待っていた。
「篠宮くん。前回の作戦、ご苦労だったね」
九頭はデスクに肘をつき、指を組ん ...
ミラクルナイト☆第216話
参道に並ぶ提灯が夕陽に照らされ、柔らかい光を放つ。
「ようこそお参りくださいました」
凜は白衣と緋袴の巫女装束で、参拝客一人一人に笑顔を向けていた。
今や「水都神社の看板巫女」としての凜を ...
ミラクルナイト☆第215話
夜のファミレス。蛍光灯の白い光に照らされ、ガラス越しに車のテールランプが流れていく。
窓際のボックス席に座るのは、牛島と渚。牛島はラフなパーカー姿、渚は仕事帰りらしく地味なカーディガンに眼鏡。彼女の横には通勤用の折りたたみ自転 ...
ミラクルナイト☆第214話
穢川研究所・社長室。
重厚な黒革の椅子に腰かけた社長・勅使河原が、窓の外の夜景を見下ろしていた。壁には時計の針が静かに回り、重苦しい沈黙を刻む。
会議卓を囲むのは、社長側近の渦巻、秘書の多実、研究部門責任者の九頭、 ...
ミラクルナイト☆第213話
水都女学院の朝の廊下は、まだ始業前のざわめきと華やかな香りに満ちていた。奈理子は1年2組の教室前で、菜々美の姿を見つけると、勇気を振り絞って声を掛けた。
「菜々美さん、昨日はありがとう……」
けれど、菜々美はプ ...
ミラクルナイト☆第212話
夏の夕暮れ、町工場の裏口。
カタン、と古びた鉄扉が開き、事務机の匂いを背負った塩田渚が姿を現した。白いブラウスはくたびれ、ベージュのカーディガンは毛玉だらけ。地味なロングスカートの裾を靴で踏みながら、愛用のママチャリを押し出す ...
ミラクルナイト☆第211話
【穢川研究所・最上階、社長室】
分厚い防音扉が閉ざされ、重厚な机の奥に座るのは社長・勅使河原。
その左右には、側近の渦巻と、タイトスカート姿の社長秘書・多実が控えていた。
ソファには白衣姿の研究部門の責任者 ...
ミラクルナイト☆第210話
朝の冷え込みが少しずつ肌にしみるようになった十一月。
まだ陽も登りきらない頃、水都神社の森の木々からは、ひんやりとした朝靄が薄く流れていた。
「……今日も、良い一日にできますように ...
ミラクルナイト☆第209話
🥖魔界パン工房「クネクネベーカリー」――
地鳴りとともに、黒紫の煙が立ちこめる奇怪な空間。
天井から吊られた無数の発酵生地袋が、グルグルと揺れながらふくれ上がっていた。
壁という壁には、小麦粉とバターが ...
ミラクルナイト☆第208話
商店街、老舗蕎麦屋「大黒庵」の座敷に、いつもの面々が顔を揃えていた。
「さーて、今年も秋祭りが近づいてきたぞい!」
蕎麦屋の店主、黒田が威勢よく口火を切る。
「去年はちょっと地味だったからねえ。今年 ...
ミラクルナイト☆第207話
鄙野の冬空はどこか重たく、風も冷たい。枯れた草がざわりと揺れる音が、沈黙の中でやけに耳につく。
鄙辺神社──かつては町の人々に親しまれていた小さな神社。だが、今では参拝客の姿も無く、鳥居は苔むし、鈴の紐は風に吹かれてかすか ...
