ミラクルナイト☆第198話
場所は、穢川研究所の最奥。薄暗いガラス張りの観察室の中で、かつてのぷるぷるとした弾力を完全に失い、スカスカに乾ききったスポンジのような姿で横たわるコンニャク男が、保管カプセルの中で静かに眠っていた。
「……プルプル感を失っ ...
ミラクルナイト☆第195話
水都郊外、穢川研究所・社長室。
革張りの重厚な椅子に背を預ける一人の男。
その目は眼前のガラス越しに見える工業都市の煙を睨みつけていた。
──合同会社穢川研究所・社長、勅使河原宗一郎。
老獪さと ...
ミラクルナイト☆第194話
「……また、負けちゃったのね……」
畳の上に正座して、プリンセス・コマリシャスは小さな手にハンカチを握りしめていた。魔法陣の水晶玉が、ミラクルナイトのドヤ顔とミラーグモダンの爆散シーンを映し出している。
「み、 ...
ミラクルナイト☆第191話
水都の夜は、光に溢れている。
高層ビルのLED、観覧車のイルミネーション、街角の巨大モニターには“奈理子のブラ&ショーツ”のCMが音もなく流れていた。
その光の下、駅前広場の片隅。
ベンチに腰掛けた一人の男 ...
ミラクルナイト☆第190話
九月の風が少しだけ秋の匂いを含み始めた、水都の昼下がり。
水都タワー前の大型ビジョンには、白い光に包まれた少女の姿が繰り返し映し出されていた。
《——“奈理子のブラ”。その胸に、あなたの夢を支える。》
《“ ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第28章「粘液の序曲、孤独なへそ」
鄙野の朝は、霧と鳥の鳴き声に包まれていた。 通学路を行き交う高校生たちの笑い声。商店街のシャッターが次々に上がり、パン屋からは焼きたての香りが流れてくる。
だが、その平穏の中に、ひとつだけ異質な足音があった。 ...
ミラクルナイト☆第186話
奈理子の部屋・日曜の朝──
「……んぅ……」
学園祭の翌日。日曜の朝。
奈理子の部屋に差し込む朝日が、白いレースのカーテンを柔らかく透かしていた。
大きな伸びをして、布団の中でゴロリと寝返り ...
ミラクルナイト☆第183話
「奈理子さん、見た!?昨夜のSNS!もうすごいバズってたよ!」
「う、うん……ちょっとだけ、見たよ……」
すみれにスマホの画面を突き出され、奈理子は苦笑いを浮かべた。
昼休みの教室。水色のセーラー服の裾 ...
ミラクルナイト☆第182話
「……帰還、お疲れ様です。ナメクジウオ男」
ひんやりとした空気の中、硝子の壁に囲まれた広い部屋。
そこには、無数の試験管と大型モニター、そして壁一面に貼られた画像――
そのいくつかには、戦闘中のミラクルナイ ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第13章「帰還、そして風の名は」
鏡の中の自分は、ひどく痩せて見えた。
青ざめた頬、泣きはらしたような目、肩でずり落ちかけた戦衣。
胡桃は、敗北を重ねていた。
コマリシャスとタンポポタイの残した魔物たちは、夜な夜な町に現れ、 ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第12章「風は、再び」
空は晴れていた。けれど、胡桃の心は曇っていた。
「ミルキー・シュート!」
無数の光弾が、町はずれの斜面に群がっていた小型魔物を一掃する。その光の中心に立つミルキーナイトの表情は、冷たい。
「…… ...
ミラクルナイト☆第172話
「タマムシ男、散る…か」
穢川研究所の所長室に重苦しい空気が漂っていた。所長秘書の絹絵は頭を抱え、深いため息をつく。
「あのタマムシ男が……」
彼の力を知る者ならば、敗北は信じがたい事実だった。
