ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第28章「粘液の序曲、孤独なへそ」
鄙野の朝は、霧と鳥の鳴き声に包まれていた。 通学路を行き交う高校生たちの笑い声。商店街のシャッターが次々に上がり、パン屋からは焼きたての香りが流れてくる。
だが、その平穏の中に、ひとつだけ異質な足音があった。 ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第27章「再起の蹴撃(キックオーバー)」
砕けたコンクリ瓦礫の中、膝をついたミルキーナイトは、呼吸を整える間もなく立ち上がった。
「私……まだ、倒れてる場合じゃない……」
遠くで、プリティ・ストームが鉄球の直撃を受けたのか、建物の壁に叩きつけられ ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第26章「学び舎と作業着の午後」
鄙比田温泉大学。
山のふもとに広がるこの大学は、鄙野の町と温泉地を支える地域密着型の総合大学だ。
そのキャンパスの一角、文学部の教室で胡桃はノートパソコンを開いていた。
「うーん……“魔物災 ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第25章「味覚神グルマン様 降臨!」
──それは、空から降ってきた。
金色の光を放ちながら、町の空にそびえ立つ巨大建造物。
その形は、どこか見覚えのある……いや、忘れたくても忘れられない──フン。
『味覚神殿・グルメヘヴン』
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第23章「鄙野グルメ祭り事件」
鄙野の町に、突如として現れたカラフルな横断幕。
『ようこそ!魔界グルメフェスin鄙野』
商店街のど真ん中に組まれたステージには、巨大な料理鍋とコック帽をかぶった異様な存在──フンコロガシ・シェフが鎮座して ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第21章「粘液と詩と濡れ紳士」
鄙野・市民文化広場。 夕日が沈みかけた赤い空を背景に、ミルキーナイトはひとり待っていた。
「また来る……今度こそ、負けない」
彼女の視線の先、ぬるりと地面を這うように現れたのは、銀光りする軍服姿のナメク ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第20章「ぬめる執着、燃える決意」
夕暮れの鄙野・文化センター跡地。 ひび割れたコンクリートの床に、ミルキーナイトはひとり立っていた。
(また……あいつが来る気がする)
不意に、粘液を踏むようなぬちゃりという音。 その予感はすぐに的中し ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第19章「ナメクジロー将軍、粘着の美学」
「ちょっとタンポポタイ。あのミルキーちゃん、最近ちょっと頑張ってない?」
魔界の玉座にて、プリンセス・コマリシャスは長い足をぷらぷらと揺らしながら呟いた。
「ええ、確かに。以前はパンチ一発で沈んだのに、い ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第17章「牛乳と洗脳とモ~の罠」
魔界のとある洞窟。
蝋燭の灯りが揺らめく謁見の間で、プリンセス・コマリシャスは玉座に腰を下ろし、退屈そうに顎を乗せていた。
「最近、つまんないのよねぇ。ミルキーちゃんが戻ってきたって言ってもさあ、あの子、 ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第16章「裏切りの温もり、誓いの決闘」
──私は、ここでしか満たされない。
薄暗い客室。障子越しに湯けむりが揺れ、淡い月明かりが白い肌を撫でる。
「胡桃、もっとこっちに来なよ」
低く甘い声に誘われるまま、胡桃は浴衣の帯を緩めた。 ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第14章「仮面の呼び声」
夕暮れの鄙野。 商店街の裏通りに、倒れ伏す魔物の残骸が転がっていた。
「……やったな」
「……ま、当然でしょ」
ミルキーナイトとプリティ・ストーム、ふたりの少女が並び立つ。 魔物の撃退は ...
ミルキーナイト~胡桃・21歳~☆第13章「帰還、そして風の名は」
鏡の中の自分は、ひどく痩せて見えた。
青ざめた頬、泣きはらしたような目、肩でずり落ちかけた戦衣。
胡桃は、敗北を重ねていた。
コマリシャスとタンポポタイの残した魔物たちは、夜な夜な町に現れ、 ...
