ミラクルナイト☆第213話
水都女学院の朝の廊下は、まだ始業前のざわめきと華やかな香りに満ちていた。奈理子は1年2組の教室前で、菜々美の姿を見つけると、勇気を振り絞って声を掛けた。
「菜々美さん、昨日はありがとう……」
けれど、菜々美はプ ...
ミラクルナイト☆第204話
水都女学院高校──十月の昼下がり
秋風の匂いを含んだ風が、教室のカーテンを柔らかく揺らしていた。
昼休みの教室は、明るく、穏やかで、そして、静かだった。
「……」
窓際の席に座る野宮奈理 ...
ミラクルナイト☆第202話
穢川研究所・最上階 社長室
分厚い絨毯に重厚なデスク。豪奢な空間を飾るのは、一枚の絵画――白衣をまとった異形の生物が、街を焼く光景。
その絵を背に、穢川研究所社長・勅使河原が革張りの椅子に沈み、鋭い視線で部下たちを ...
ミラクルナイト☆第200話
午後四時過ぎ、水都女学院高校の白壁の校門を抜け、制服の夏服姿の奈理子はいつもの坂道を歩いていた。
白い日傘を差し、軽やかに揺れる水色のプリーツスカート。蝉の鳴き声が、10月とは思えぬ陽射しを強調する。
「うぅ〜暑い ...
ミラクルナイト☆第198話
場所は、穢川研究所の最奥。薄暗いガラス張りの観察室の中で、かつてのぷるぷるとした弾力を完全に失い、スカスカに乾ききったスポンジのような姿で横たわるコンニャク男が、保管カプセルの中で静かに眠っていた。
「……プルプル感を失っ ...
ミラクルナイト☆第197話
朝の水都女学院高校、秋の澄んだ空気に包まれた校舎の中庭には、朝日を浴びて光る噴水の水飛沫。制服姿の乙女たちが三々五々登校していく中、正門からゆっくりと現れたのは、制服の襟を丁寧に整えた奈理子だった。
「奈理子さん!登校した ...
ミラクルナイト☆第196話
穢川研究所 地下戦闘作戦室 ― 九頭の執務室
低い照明の下、静かに香るのは乾いた薬品と微かに湿った青苔の匂い。壁に張り巡らされた蔓のような実験配線の中、九頭は白衣の襟元を整えながら書類の山を前にソワソワと落ち着きがなかった ...
ミラクルナイト☆第195話
水都郊外、穢川研究所・社長室。
革張りの重厚な椅子に背を預ける一人の男。
その目は眼前のガラス越しに見える工業都市の煙を睨みつけていた。
──合同会社穢川研究所・社長、勅使河原宗一郎。
老獪さと ...
ミラクルナイト☆第191話
水都の夜は、光に溢れている。
高層ビルのLED、観覧車のイルミネーション、街角の巨大モニターには“奈理子のブラ&ショーツ”のCMが音もなく流れていた。
その光の下、駅前広場の片隅。
ベンチに腰掛けた一人の男 ...
ミラクルナイト☆第189話
澄み切った青空。
噴水の水音が響く、中庭のテラス席。水都女学院の制服に身を包んだ少女たちが、ティーセットを囲んでいた。
「ほんとうに、購買のクロワッサンってすぐ売り切れてしまうのね……っ」
奈理子がハン ...
ミラクルナイト☆第179話
夜。
水都を見下ろす高層ホテルの一室。
黒曜石のように輝く大理石の床、窓の外には遠く水都公園のライトアップが微かに光っている。
その部屋の中央――
流れるような動きで脚を組んで座る男の姿。 ...
ミラクルナイト☆第176話・前編
「おはようございま~す!」
水色のセーラー服の裾を揺らしながら、奈理子は今日も元気に登校していた。
通学路で出会う人々は、誰もが笑顔になる。
──なにしろ彼女は水都の絶対的アイドル、ミラクルナイト= ...
