ミラクルナイト☆第196話
穢川研究所 地下戦闘作戦室 ― 九頭の執務室
低い照明の下、静かに香るのは乾いた薬品と微かに湿った青苔の匂い。壁に張り巡らされた蔓のような実験配線の中、九頭は白衣の襟元を整えながら書類の山を前にソワソワと落ち着きがなかった ...
ミラクルナイト☆第195話
水都郊外、穢川研究所・社長室。
革張りの重厚な椅子に背を預ける一人の男。
その目は眼前のガラス越しに見える工業都市の煙を睨みつけていた。
──合同会社穢川研究所・社長、勅使河原宗一郎。
老獪さと ...
ミラクルナイト☆第194話
「……また、負けちゃったのね……」
畳の上に正座して、プリンセス・コマリシャスは小さな手にハンカチを握りしめていた。魔法陣の水晶玉が、ミラクルナイトのドヤ顔とミラーグモダンの爆散シーンを映し出している。
「み、 ...
ミラクルナイト☆第193話
黄昏が落ちきった鄙野の外れ、苔むした鳥居がぽつんと立つ旧神社の奥――
そこには、コマリシャスが描いた六芒星の魔法陣が青白く脈打ち、まるで心臓のように波打っていた。
「……いよいよ、ね」
魔法陣の縁にしゃ ...
ミラクルナイト☆第192話
──放課後の水都市立図書館。最上階のガラス張りのラウンジには、柔らかな夕陽が差し込んでいた。
野宮奈理子は、制服のまま静かに腰をかけ、校外活動記録ノートの空白を睨んでいた。
「恋人との関係について、将来への展望 ...
ミラクルナイト☆第190話
九月の風が少しだけ秋の匂いを含み始めた、水都の昼下がり。
水都タワー前の大型ビジョンには、白い光に包まれた少女の姿が繰り返し映し出されていた。
《——“奈理子のブラ”。その胸に、あなたの夢を支える。》
《“ ...
ミラクルナイト☆第189話
澄み切った青空。
噴水の水音が響く、中庭のテラス席。水都女学院の制服に身を包んだ少女たちが、ティーセットを囲んでいた。
「ほんとうに、購買のクロワッサンってすぐ売り切れてしまうのね……っ」
奈理子がハン ...
ミラクルナイト☆第186話
奈理子の部屋・日曜の朝──
「……んぅ……」
学園祭の翌日。日曜の朝。
奈理子の部屋に差し込む朝日が、白いレースのカーテンを柔らかく透かしていた。
大きな伸びをして、布団の中でゴロリと寝返り ...
ミラクルナイト☆第184話
水都テレビ・生放送スタジオ──
「さあああああッ!今夜のスペシャルゲストはこの人ぉぉぉっ!!
白くて可憐で、でもスカートはよくなくす!
“水都の守護神”こと、ミラクルナイトーーー!!」
カメラが ...
ミラクルナイト☆第183話
「奈理子さん、見た!?昨夜のSNS!もうすごいバズってたよ!」
「う、うん……ちょっとだけ、見たよ……」
すみれにスマホの画面を突き出され、奈理子は苦笑いを浮かべた。
昼休みの教室。水色のセーラー服の裾 ...
ミラクルナイト☆第182話
「……帰還、お疲れ様です。ナメクジウオ男」
ひんやりとした空気の中、硝子の壁に囲まれた広い部屋。
そこには、無数の試験管と大型モニター、そして壁一面に貼られた画像――
そのいくつかには、戦闘中のミラクルナイ ...
ミラクルナイト☆第181話
「奈理子さん、また映ってるよ。ほら、今日の“ミラナイまとめ”」
「う、うう……ありがとうすみれさん……でも、もうそのページ見ない……」
休み時間、スマホを見せてくるのはクラスメイトのすみれ。
画面には、 ...
